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学生のときは男も女も対等だったのに、どうして社会人になると男社会になってしまうの?仕事と家庭を両立する方も、一旦退職した方もその後のライフスタイルをどうしたいかを一緒に考えてみませんか。

  • 周期 月2回
  • 最新号 2008/07/02
  • 発行部数 31
  • マガジンID 0000173774
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2008/07/02

仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える 第62号 2008.07.02

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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える 第62号 2008.07.02
[目次]
1、パワーハラスメント 第二ステージ その6 『加害者の教育について〜続き』
『加害者を生み出さないための未然防止研修』について
2、両立支援関連ニュース
3、あとがき
4、ご報告
5、お願い

1、パワーハラスメント 第二ステージ その6 『加害者の教育について〜続き』
『加害者を生み出さないための未然防止研修』について
 ファイナンシャルプランナーの永田です。前回までは相談窓口の対応について書き、
後半で加害者教育の必要性について触れてきました。
 今回はハラスメント問題を既に引き起こしてしまった加害者への教育研修、及び、
加害者を生み出さないための未然防止研修 について書きたいと思います。
 何度も申し上げていることですが、ハラスメント行為には、相手を意図的に貶める
ハラスメント行為と、当事者の気持ちのすれ違いが原因で生じるハラスメント
行為とがあります。
 そして気持ちのすれ違いが原因で生じるハラスメント行為の場合は、事前に
『ハラスメントとは何か』という知識を与えることで、ある程度防ぐことができます。
では、誤解によるハラスメント行為を行う加害者を生み出さないためにはどのような
研修が効果的なのでしょうか…。

 まず、『加害者を生み出さないための未然防止研修』に入る先に、既にハラスメント
行為を行ってしまい、加害者本人に悪意があり、人事上の対応の一環で『加害者への
教育』を行わなければならないケースを最初に考えてみます。
 このケースの場合は、本人に反省を促し、二度と同じような行為をさせないために
研修を行うわけですから、下手に焦点をボカすのではなく、何が問題だったのかを
はっきり本人に理解させた上で、今後被害者や周囲の同僚達らと、どう接していけば
よいかを自らの頭で導き出させなければなりません。(一方的に座学形式で研修を
行い、『はいわかりました 二度としません』で終わっていては、本人が理解し
切れていない可能性も考えられますし、心の底では従う気がない場合は、再び
ハラスメント行為を繰り返す可能性が非常に高くなります)
 また、加害者の感覚ではハラスメントとは思えないような行為でも、被害者が
若手社員で歳もかなり離れているようなケースでは、ハラスメントと受け取られて
しまうケースもあります(*注)し、そういった世代間や個人の間にある価値観の
違いといったことも理解してもらう必要がありますが、どれだけのメニューをこなさ
なければならないかは、まさにその加害者本人次第。そういう意味では、研修その
もののマニュアル化も基本部分以外は困難でしょうし、呼び出す側も呼び出される
側も、ある程度の時間がかかることを覚悟の上で、多少余裕を持って、
スケジュール調整を行った方がよいと私は考えています。

 勿論教育する側だって他の仕事を沢山抱えているでしょうし、あまり特定個人相手に
時間をかけているわけにはいかないという事情もあるとは思いますが、ただ、
いつまでも職場内でハラスメント行為がなくならないと、狙い撃ちされた被害者だけ
でなく、職場全体の雰囲気が悪くなってしまうリスクもありますし、加害者教育を
行う以上は、適切なタイミングできっちり行うことが、これ以上の被害を生み出さない
ためにも重要になってくるかと思います。

注:例えば、20年以上前なら、『バカヤロー お前なんか辞めちまえ!』発言も、
部下に発奮を促す目的での愛のムチと受け止められたかもしれませんが、今の
ご時世でそんな発言をすれば、パワハラで訴えられる可能性どころか、下手を
すると、そのまま出社しなくなり、『解雇された』『いや、あれは言葉のアヤだ 
本気で受け止める方が悪い』といった解雇騒動にもなりかねません。
 セクハラにしても、20年以上前ならば、相手が不快に思うような言動でも、『周りも
やっているではないか』と黙殺されたようなことでも、今はハラスメント問題に対する
世間の目が厳しくなり、裁判を通して企業が損害賠償義務を負ったり、あるいは企業名
が表に出てしまうことで、企業の信用失墜にもなりかねません。
 もはや、ハラスメント問題は個人間の問題では済まない時代になったことを、加害者
に理解して貰わなければなりませんし、その個人の価値観を一部とはいえ、修正して
貰おうと思えば、加害者自身の思い込みが強ければ強いほど、その修正に時間が
かかることが予想されます。



 次に予防のための研修ですが、管理職向けの研修と一般社員向けの研修は、その研修
内容やかける時間も大幅に変わってくるかと思います。(現実問題として上の役職に
いる方から順番に研修を受けてもらう形になるとは思いますが…)
 というのも、ハラスメント行為は、権力(パワー)を握る者の方が加害者になる
確率が高いことや、管理職という仕事自体が部下に対して指示・命令を出すことが
多いことから、人をまとめる管理職としては、自分がハラスメント行為を行わない
ことは勿論のこと、部下が他の部下にハラスメント行為を行うことを初期の段階で
取り除く能力も求められるからです。

 では管理職向けにはどのような形式で研修を行ったらよいのでしょうか…。
 こちらは、表立ってハラスメント研修として行おうとすると、何かと理由をつけて
逃げ出す管理職も出てくるかもしれませんし、できれば業務命令として研修の受講を
義務付け、その内容もハラスメント問題だけに限定するのではなく、『リーダーシップ
論』『部下のモチベーションアップ方法』『部下の教育と評価の仕方』などなど、
管理職が思わず受講したくなる内容も含めた総合的な研修形式の方がベターかと思います。
 というのも、ハラスメント対策は会社全体の問題として取り組まなければ、
モチベーション維持対策&人材流出対策としての効果はほとんど期待できませんし、
そのためには部下を指導する管理職の全員が参加する必要があります。
 いくら稼ぎ頭の部署の長(つまり仕事ができる人)だろうと、ハラスメント管理職を
そのままにすれば、彼は自分流の部下指導をごり押しすることで、未来の貴重な人材と
なるはずの部下が愛想を尽かして辞めてしまったり、心の健康を失う部下を続出させる
ことにもなりかねません。いくら部門の業績が素晴らしくても、上司のパワハラが
原因で退職者が続出している部門は、それだけで要注意なのです。
 また研修を業務命令として義務つけることですが、研修の参加を任意にすると、
業務を優先して勝手に欠席する管理職も出てくるかもしれませんし、元々この問題に
関心の薄い『俺が俺がタイプ』の管理職の場合、1度目は嫌々参加しても、2度目
3度目以降には、『俺には必要のない研修だ』と受け取り、何かと理由をつけて参加
しなくなる可能性があるからです。
 そういう意味では、多少のコストアップにはなりますが、1〜2時間だけ研修時間を
取るのではなく、丸1日〜2日の研修として、かつ、業務を理由に途中退席されない
ためにも、ハラスメント研修の前後に人気の高い研修を設定するなど、研修メニューの
順番を工夫することも効果的ではないでしょうか…。
 加害者である上司に反省を促す目的の研修なら、加害者に何が悪かったのかを
分からせる意味でも、変にぼかさないでピンポイントで研修を行うべきですが、
管理職向け研修は、管理職がこれから先、職場内でハラスメント行為が発生しない
ようにするための予防的な意味合いで行うものですし、なんといっても、管理職
自身が研修を受けたいと思わせるように仕向ける方が、研修内容も身に付くかと思います。

 また、管理職研修の場合は、具体的なハラスメント事例(例題)を数パターン考え
てもらい、その上で管理職同士の数人でグループを作って、それぞれがどう感じたかを
意見交換するグループワークを是非行って欲しいと思います。
 というのも、人間というのは中々不思議な生き物で、いざ講師や人事担当者など
から直接自分の問題点を指摘されても、中々その事実を受け入れることは感情的に
難しいものがありですが、同じ研修を受けている参加者から『いや、それはマズイ
んじゃないか?』と指摘されれば、(余程頭の固い人でもなければ)それ程抵抗感
なく、『そんなものなのかな…』と考え直すことができるでしょうし、他にもグループ
ワークで意見を出し合うことで、『こういう考え方もあるんだ』と多様な価値観を
得ることで、自分とタイプの違う部下の仕事振りにイライラすることも少なくなり、
『あれが彼の仕事の進め方なんだ』と自分とタイプの異なる部下も受け入れるように
なり、結果、ハラスメント行為を減らすことにも繋がることが期待できるかと
思います。



 一方、一般社員向け研修ですが、こちらについては、業務命令とすべきかどうかは
微妙なところがありますが、職場全体からハラスメント行為を追放するという意味
では、加害者を監視する目は多ければ多いほど良いですし、できれば数回に分けて
交代で、全員が受講できる形式が良いかと思います。また、時代の流れと共に、
世の中の一般的な価値観も変わっていくため、定期的かつ継続的にハラスメント研修を
行うことも必要です。(こちらは管理職向け研修についても同様)
 もっとも、一般従業員の場合、『セクハラとは何か?』『パワハラとはなにか?』
といった基本的知識そのものがない方から、詳しく知っている方まで、管理職以上に
その知識量にはばらつきがあるでしょうし、基礎の基礎にあたる分については
小冊子を渡したり、社内掲示板に簡単なQ&Aを載せるなど行った上で、その上で研修を
受けてもらうといった選択肢もありかと思います。(ただし、この方法だとハラス
メント体質の方は自分の生き方を否定されるのが嫌で、学ぼうとしない可能性が
あることを指摘しておきます)

 次に研修の内容ですが、こちらについては管理職研修のようなマネージメント分野の
研修は必要ありません(勿論やって貰っても一向に構いませんが、研修である以上
費用対効果は考えるべきでしょう)し、むしろ、『どんな行為がハラスメント行為に
あたるのか』『男女・世代・価値観の違いが摩擦を生み、意図せざるハラスメント
行為が起こりうること』をまずは座学で理解してもらい、続いて具体的な例題を
何題か出して、男女や世代間の異なる者同士でメンバーを組んで、意見をシェアする
ことで、一体ハラスメント問題の何が問題なのかを、『もし自分がその状況に追い
込まれたらどう思うか…』という視点から、身をもって理解して貰えば良いかと思います。

 あと、従業員研修では、いざ自分が被害にあった時の対処法(自己防衛法)や、
価値観の異なる上司や同僚とむやみに感情的なトラブルを起こさないためのコミュニ
ケーション技法を学ぶことも重要です。
 というのも、ハラスメント問題が発生してから、被害者が相談窓口に相談に来る
決断を出すまでには(個人差もありますが)それなりの時間がかかることが多い
ようですし、相談後に具体的な対策を取る時も、人事異動が伴うようなケースでは
処置をするまでに更に時間がかかりますが、その間にも加害者が被害者に対して
加害行為を繰り返し、その間に被害者が心のバランスを更に悪化させてしまう
ことも少なくないからです。
 新聞などで、深刻なパワハラ被害やメンタル不全者の増加の報道が繰り返しなされて
いることでもわかるように、心の健康というのは、その障害となるものが取り除かれた
からといって、簡単に回復できるものではありません。加害者が配置転換されて、
『さあ、あいつがいなくなったからもう大丈夫だ。今日からバリバリ仕事をしてくれ
たまえ』と言われたところで、そう簡単に頭を切り替えることができるほど、人間の
精神は単純ではありません。
 とはいえ、企業というところは所詮は利益を追求するところですし、勿論被害者の
心の回復の過程では周囲のサポートが不可欠ですが、最終的に立ち直ってくれるか
どうかは正に本人次第。だからこそ、心の健康の悪化を少しでも防ぐためにも、
被害を受ける方にも自衛の気持ちを持って欲しいと思います(被害者は冷静な判断力
を失うと、何でも自分に落ち度があったと考えるようになりがちです)し、
そのためのノウハウを学ぶ機会を会社は是非提供してあげて欲しいと思います。

 『そこまで会社負担で行う必要があるのか?』と考える方もいらっしゃるかもしれ
ませんが、もしメンタル不全で労働者が休職に追い込まれ、その方の収入が閉ざされる
ことになれば、その労働者や家族だって困りますが、会社だって貴重な人材が離脱する
ことで戦力ダウンしてしまいます。
 まあ、中には『退職したら、また別の人間を中途採用したらいいや』などとお気楽に
考えている経営者さんもいるかもしれませんが、その手の会社程、従業員の会社に
対する忠誠心というものは高まらず、会社としての競争力もつかないものです。
 ましてそれでなくとも人材不足の中、そのような会社に期待する能力をお持ちの
人材が入社してくれるかどうかと聞かれれば、それは期待するほうに無理があるのでは
ないでしょうか。
 昔は弱者は切り捨てることが企業体質を強化することだったかもしれませんが、
豊富な労働力が期待できなくなった現代では、1人1人の人材の能力をいかに上手く
かつ有効に引き出すかが問われる時代。そんな中、いかに人材に長期的に働いて貰える
ように職場環境を整えることができるかが今問われているように思います。

 もっとも、全ての上司や同僚との感情的トラブルをハラスメント問題と位置づける
のは好ましくありませんし、人間というのは感情を持つ生き物である以上、どうしても
相性の悪い上司と部下というものは出てきてしまうもの。だからこそ、ハラスメント
行為に至る前の段階で止めるためにも、上手い交わし方といった手法を見に付けて
欲しいと思います。
 具体的には、自己防衛法やダメージからの回復法などの内容を取り入れ、相手の
立場を尊重しながら自分の気持ちを言葉にする「アサーション」と呼ばれる技法や、
相手の話をきちんと受け止めて上手に返すコミュニケーションスキルを身につける
研修などが効果があるのではないでしょうか。


 これまでハラスメント問題について数回にわたって長々と書いてきました。
とはいえ、ハラスメント問題に対する窓口の対応をいくら完璧にこなしても、加害者
研修・防止研修を完璧に行ったとしても、それでも繰り返し加害行為に及ぶ方は
やはりいらっしゃると思います。
 ただ、だからといって、この問題を放置すれば、ハラスメント被害で退職した方の
補充として送り込んだ要員が再びハラスメント被害にあって、また退職してしまう
悪循環にもなりかねませんし、現代なら『辞めてそれで終わり』では済まされずに、
裁判に訴えられ会社名が世間に晒されてしまう可能性すらあります。
 最近、パワハラやセクハラによる裁判の結果が報道されるケースがかなり増えている
ことに、皆様はお気付きでしょうか? そして、そのマスコミや新聞報道では、企業
名が堂々と公表されている現実をご存知でしょうか…。

 私は、何も従業員の人権を守るためだけにハラスメント問題に取り組めと訴えて
いるわけではありません。むしろハラスメント問題のない職場は、誰もがやる気を
持って働くことができるため、中長期的にはより高い生産性を発揮することができる
からこそ、あえて企業の方にもそのような職場環境を作ることを提案しているのです。
 ハラスメント問題は、とかく企業の負担の問題ばかり指摘されがちですが、人材が
離脱すれば、その企業としての競争力も落ちてしまう現実を企業はもっと認識すべきです。
 そういう意味では、この問題に対する企業の取組みの熱心さの違いも、『従業員に
対する福利厚生』ではなく、『企業としての競争力を維持するための必要不可欠な
施策』と積極的に捉える企業程、高い競争力を維持し、今後も生き残っていく可能性
が高いのではないでしょうか。



2、両立支援関連ニュース
共立メンテナンス、第3子以降の育児手当年30万円 2008年5月17日 日経
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/top/index.cfm?i=2008051609353b1
 学生寮と社員寮を運営する共立メンテナンスは16日、社員に第3子以降の子供が
生まれた場合、毎年30万円の育児手当を支給すると発表した。第3子以降の子供が
それぞれ小学校を卒業するまで12年間支給する。育児支援を充実し、少子化問題に
取り組む姿勢をアピールする。
 子会社を含むグループの社員に毎年、原則4月に支給する。第3子以降なら、既に
小学校卒業までの子供がいる社員も対象になる。グループ全体で約2700人の社員の
うち、今年は13人に支給する予定という。

★優秀な若手社員確保のために育児手当を充実する傾向が、若手社員を集めにくい
業種を中心に広まっていますが、第3子以降とはいえ、年間30万円の育児手当を、
しかも小学校卒業まで12年間に渡って支給するとは、中々充実した育児支援制度ですね。
 勿論、最初から360万円(30万円×12年間)を一時金で支給した方が、対外的な
アピールにはなるかもしれませんが、一時金で受け取ってもその分割高な所得税が
かかり、実質手取りという意味では逆に少なくなってしまいますし、下手をすれば
保育料が上がってしまうデメリットもありえます。理想を言えば、高校卒業まで
手当を支給してくれた方がもっとアピールになると思う(ひょっとすると、
次の認定計画で織り込むつもりなのでしょうか???)のですが、子育てで
お金がかかる時期の社員の生活を支えることで、モチベーションアップに繋げることも
できそうですし、この会社の場合は、仕事柄社員の出張も多いと思うのですが、手当が
充実すれば、共働きの家庭の場合には、社員出張時には、多少割高でも信頼性の高い
ベビーホテルや、シッターさんに幼子を預かってもらうことで、パートナーへの
育児負担を減らすといった使い方もできるのではないでしょうか。


保育所設置は市区町村で、全国一律基準を見直し…厚労相 2008年5月20日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080519-OYT1T00704.htm
 舛添厚生労働相は19日、町村官房長官、増田総務相と首相官邸で会談し、認可
保育所など福祉施設の全国一律の「設置最低基準」について、目安となる「標準的な
基準」とするよう見直し、市区町村ごとの条例で独自基準を設定できるよう検討する
考えを表明した。
 見直しが進めば、地域の実情に応じた保育所が設置しやすくなり、待機児童の解消に
つながることが予想される。保育所の設置最低基準が見直されるのは、1948年以来
初めてで、国民生活に直結した分権改革の一つになりそうだ。
 最低基準の緩和は、政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事
会長)が、「北海道から沖縄まで一律で縛るのはおかしい。科学的根拠がない」などと
して、28日にも福田首相に提出する第1次勧告に盛り込む方針だ。しかし、厚労省は
これまで、「保育サービスの質の確保が困難」などとして、見直しに慎重だった。
 こうした姿勢を転換した理由について、厚労相は会談後、「国が全部決めて、ハシの
上げ下げまでやるのはどうか。質の劣悪化は阻止しないといけないが、悪い施設に
なれば、そこの首長が選挙で落ちるだけだ」と、各自治体の対応を尊重する考えを
記者団に説明した。
 保育所施設の最低基準は、児童福祉法に基づく省令が定める。ほふく室の面積は
1人あたり3・3平方メートル以上が求められるなど、施設の広さの確保や、調理室の
設置義務などが細かく決められている。
 最低基準が標準基準になれば、市区町村ごとの裁量で地域の実情にあった保育所を
設置できる。例えば、土地に余裕がない都市部では、駅前のオフィス街近くのビルに
開いたり、山間部では廃校舎や空き家の転用などが可能になる。現在、認可されている
保育所は、公立が約1万1600、私立が約1万1200(07年4月現在)あるが、
これらが格段に増加する可能性がある。

★確かに、今の保育所の設置基準は、目の前に児童公園があるにも関わらず園庭が
必須だったり、広さの規制があることで、都心部では設置条件に見合う立地を捜す
だけでも一苦労という地域もあると思いますし、全国一律基準を市区町村単位で
決めるというのは、一見面白い案ではありますが、これまでもそういった要望が
あったからこそ、認証保育所などが生まれてきたのだと思いますし、もし一律基準を
廃止するのならば、都心部を中心に展開している認証保育所制度とどう整合性を
取っていくのかという問題が新たに発生しそうですね。
 他にも、この広さの基準も実質的には緩和されてきていて、雨天時には外で遊べ
なくて欲求不満になった児童が園内を走り回ることで、他の児童がケガをすると
いった事件も発生していますし、ごくごく個人的には最初から緩和ありきではなく、
どう児童の安全を確保するかを最優先に、どこまでならば譲ることができるのかを
慎重にこの議論では考えて欲しいと思います。


夫婦取得で育休延長、夫は2回まで可に 厚労省 2008年6月13日 産経
http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/080612/wlf0806122001002-n1.htm
 厚生労働省は12日、育児休業について、夫婦で取得すれば子供が1歳以上に
なっても延長を認めたり、夫が2回取得することを認める方針を固めた。取得率が
0・5%にとどまる男性の育児休業取得を促すのが狙い。
 今後、労働政策審議会で議論し、来年の通常国会での法案提出を目指す。厚労省の
仕事と家庭の両立支援に関する研究会が報告書素案としてまとめた。
 育児休業は原則として、子供が1歳になるまで1人の労働者が連続して1回取れる。
素案では、母体の回復に必要な妻の出産後8週間以内に育児休業を取った夫が、
子供が1歳になるまでに妻の早めの職場復帰などに合わせ、再度取得できるよう
要件を緩和すべきだとした。

★う〜ん。私は男女に関係なく複数回の取得を認めた方が、とりわけ女性(妻)
の側の、希望しない形での離職の比率を下げるには効果があると思うのですが、
『夫に限って2回の取得を認める』となってしまったのは、おそらくは中小企業に
対する配慮なんでしょうね…。
 とはいえ、中には最初に妻が産休と育休をとって、夫にバトンタッチしたものの、
夫の方の職場が忙しくなって、再度妻が育休を取りたいというケースもあると思い
ますし、男か女かで育休の取得回数を制限するのは、やはりどうなんでしょう…。
 法律は最低限の基準を定めるものなので、致し方ないと言われればそれまでなのかも
しれませんが、夫の収入だけで家庭を支えるという時代でもなくなりつつあるだけに、
『法律を上回る育児支援制度』が当たり前という企業が少しでも増えてくれることを
願っています。

専業主婦の夫も育休取れます 厚労省が法改正へ 2008年6月12日
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200806110313.html
 専業主婦がいる家庭の夫も育児休業を取れるよう、厚生労働省は育児・介護
休業法を改正する方針を固めた。共働きかどうかにかかわらず育休が取れる環境を
整え、少子化対策の柱としている男性の育児参加を進める狙いだ。 
 厚労省の「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会」が12日、報告書素案
として示す。夫が育児に積極的に参加するほど、第1子出産後も妻が仕事を続ける
割合が高く、夫婦が2人目、3人目の子どもを考える割合も高いという調査結果
がある。短時間勤務や残業免除の制度導入の義務化と併せて同法改正案に盛り込み、
来年の通常国会への提出を目指す。 
 現行法では、事業主は従業員が育休を希望した場合は認めなければならない。
しかし、労使で合意すれば、専業主婦(夫)がいる家庭の従業員を対象外にできる
規定がある。事業所の75%がこの規定を適用している。 
 厚労省によると、40歳以下の男性正社員の3割が「育休を利用したい」と考えて
いる。こうした実態をふまえ、除外規定をなくして男性の育休取得を促し、女性の
子育ての負担軽減にもつなげる。 
 育休は原則、子どもが1歳になるまでに1回取れる。育休を取ると雇用保険から
休業前賃金の5割が「育児休業給付」として出る。政府は、男性の育休取得率
0.5%を、17年までに10%まで引き上げることを目指している。

★育児休業の労使協定による除外規定を設けることができるケースには、『妻が専業
主婦』以外にも、『その事業主に継続して1年以上雇われていない場合』や『配偶者が
常態として育児休業に係る子を養育することができると認められる労働者 → 
1週間の就業日数が2日以下で、産前産後期間でなく、育児休業対象の子と同居して
いて、ケガをしたり病気もしていないこと』がありますが、この専業主婦の除外
規定の廃止は、男性に育児休業を経験してもらうことで、子育てに自然に関わって
いくように仕向けるためにも、是非達成して欲しいですね。
 ちなみに、案外知られていないことですが、この労使協定による除外規定があった
としても、実はその妻が産後8週間以内であれば、「配偶者が常態として育児休業に
係る子を養育することができると認められる労働者」には該当せず、現在でも育児
休業を取得することができるのですが、ほとんどの男性の方は、『ウチは妻が家にいる
から育児休業なんて取れない』という思い込みがあるのではないでしょうか。
 現実問題として、仮にこの『妻が専業主婦』の除外規定がなくなったとしても、
妻の側に収入がないのに、夫がそんなに長期間育児休業を取得し続けることができる
はずがありませんし、男性の育児休業を事実上門前払いしていた企業はともかく、
真っ当に法律を守っている企業程、法改正による影響はそれ程大きくない
ものと思われます。


時短・残業免除を法制化、小3まで子育て支援…厚労省方針 2008年6月12日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080612-OYT1T00409.htm
 仕事と子育ての両立支援のあり方を検討している厚生労働省の「今後の仕事と
家庭の両立支援に関する研究会」(座長・佐藤博樹東大教授)の最終報告書が12日、
明らかになった。
 働く女性の子育て時間を確保するため、労働者が短時間勤務か残業免除を選択
できる制度を企業に義務付ける法整備を求めた。
 子育て支援の期間を現行の小学校就学前から、小学3年生までに拡大することや、
母親の出産後8週間を「父親の産休」として、男性の育児休業の取得促進を求め、
育休の再取得も特例的に認められるよう要件を緩和すべきだとしている。厚労省は、
こうした措置を盛り込んだ育児・介護休業法の改正案を来年の通常国会に提出する
ことを目指す。
 現行の育児・介護休業法でも育休後に子育てしながら働き続けられる仕組みとして、
〈1〉短時間勤務〈2〉フレックスタイム〈3〉始業終業時刻の繰り下げ・繰り上げ
〈4〉残業の免除〈5〉事業所内託児所の設置――の措置のいずれかを選んで講じる
ことを企業に義務づけている。ただ、6割近くの企業は何の措置も講じておらず
「仕事を続けたかったが、子育てとの両立が難しく辞めた」とする女性が多い。
 このため報告書は、子育て期の女性の望まない離職を防ぐため、特に希望が多い
短時間勤務と残業免除に絞って、「原則、どの企業においても労働者が選択できる
ようにすることが必要だ」と指摘した。
 また、病気になった子供の看護休暇制度についても、現行では、子供の人数に
かかわらず年5日の取得が限度だが、人数に応じて日数を増やし、半日や時間単位で
柔軟に取得できるような制度を検討すべきだとしている。

★育児介護休業法の改正案ですが、育児休業の取得と並んでもう1つ大きいのが、
両立支援の分野ですが、現行法では、「短時間勤務」「残業免除」「フレックス
タイム」「始業・終業時間の繰り上げ・繰り下げ」「企業内託児所の設置」の5つの
制度の中からいずれか1つを実施すれば良いことになっていますが、厚労省は「短時間
勤務」と「残業免除」の2つが仕事と子育ての両立にもっとも有効と判断し、2制度の
いずれかの導入を企業に義務付けようとしているようですね。
 また、子供の看護休暇についても、現行法では何人子供がいようと1労働者あたり
5労働日だったのを、人数に応じて日数を増やし、また1日単位ではなく、半日単位や
時間単位での取得も検討しているようです。
 一方、『子育て支援の期間を現行の小学校就学前から、小学3年生までに拡大する』
というのは、子供を養育する労働者が希望した場合の時間外労働や深夜業の制限や
看護休暇制度についてでしょうか…???
 先ほどあげた勤務時間短縮等の措置など、5分野のいずれかを講じる義務が
3歳までの子供を持つ労働者に対してあり、同努力義務が小学校入学前の子供を
持つ労働者に対して課せられていますが、義務化の年齢が上がるのか、努力義務も
小学校3年生まで適用されるのかも大変気になるところです。



3、あとがき
 昨年は食品の産地偽装・賞味期限偽装などで騒がれた1年でしたが、船場吉兆の
問題が出てから小康状態だったのに、先月の半ば頃から、再び大騒ぎになっていますね。
 まあ、ハウス食品の六甲のおいしい水については、くみ上げる地下水の場所を
変更したのに成分表示を変えなかったといった、『しゃあね〜なぁ…』と苦笑いする
くらいの違反でしたが、丸明の飛騨牛の偽装問題や中国産ウナギを一色産うなぎと
偽って販売していた事件は沈静化するどころか、新たに新事実が発覚し続ける
など、どこまで不祥事が広がるかわからない状態に…。
 そういえば、ウナギの偽装については、前も中国産ウナギが国産ウナギと偽って
売り出された問題が発覚したのも、ちょうど土用の丑の日を目前とした時期だった
はず。真っ当に商売をしている方にとっては、一番稼げる時期に、風評被害を蒙る
ことになって、とんだ迷惑な話だと思います。

4、ご報告
 一昨年の4月よりブログ ファイナンシャルプランナーのニュースチェック
http://blog.goo.ne.jp/ibarakiisuzu/)で、両立支援に限らず印象に残った
ニュースにコメントを付けて載せています。こちらもよろしくお願いします。
    
5、お願い
 紹介しているリンク先は原則公的機関あるいはそれに準ずる先が中心ですが、
時にはお役所のHPでもウイルス感染することがあります。
 恐れ入りますが、ウイルス対策は自己の責任でお願いします。

メールマガジン 発行者 永田清志(日本FP協会会員(CFP)、DC
アドバイザー)
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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える
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