2008/06/01
へっぽこバイオ研究!第 114 ラボ☆ワクチンの効果を強くするメカニズム
こんばんは。 新型インフルエンザ。 もし、ヒトでの流行が始まったら、飛行機の発達した現在では あっという間に世界中に感染が広まります。 もし、日本で30%のヒトが感染して、その内20%のヒトが 死亡したとすると、死亡者数は700万人以上です。 間違いなく、社会のインフラが止まります。 病院もパニックになります。 なので、備えが必要なのです。全国民に対応マニュアルを配っても いいくらいだと思うのですが、国や自治体の動きは緩慢です。 感染症研究所の田代眞人氏がインタビューでとても大事なことを 述べておられますので、一度目を通してみてください。 http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/interview/90/index.html ─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─ へっぽこバイオ研究!〜素敵な科学のエッセンス 第114ラボ 発行者 やまの あべば 2008.6.1 ─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─ ただいまの発行部数 11174部です ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ┏今夜の目次 ┣1 バイオのサムライ ┣2 ワクチンの効果を強くするメカニズム ┗3 今日のひとこと(人権擁護法案) == == == == == == == == == == == == == == == == == == ┏ 1 バイオのサムライ ┗━━━━━━━━━━━┛ まずは前回の質問。 「テレビで質のいい科学番組があったら?」の結果は ぜひ見たい。 (44票/100.0%) たぶん見ません。 (0票/0%) でした。見事にきれいな結果です(笑 きっちり需要があるって ことでしょう。頂きましたコメントの紹介です。 (>以下は筆者コメントです) ○「ぜひ見たい。」と答えた方 「表面的で浅い標語みたいな知識より、詳しい話を聞きたいです。説明 は軽くても、実験や現物の生の映像は価値が高いと思います。CGシミュ レーションも面白いですが、その先に話が続かないのは空しい気がします。 時間稼ぎや演出過剰にがっかりさせられたりもします。 」 >CGにお金使うんだったら、本物の映像を頑張ってたくさん撮ってよ!とか。 素人タレントのトーク時間がやたらと長くて疲れてきたり。よくあります。 いっそのこと、テレビ出演慣れしていない科学者どうしでディスカッション してる様子を延々と放送してみると、素朴な番組だけど科学者の姿があから さまに見れて面白いと思うんですが。あ、視聴率とれなくてボツかな。 「面白い科学番組が少な過ぎる! 」 「中々質の良い科学番組に巡り合えないが、もしあったら必ず見ます。 」 「面白そうだから。できればやさしく、深く掘り下げてほしい。 」 >実は科学専門チャンネルというがあるんですよ! ナショナル・ジオグラフィック(略してナショジオって呼びます) っていうチャンネルなんですが、本当にずっとサイエンス番組ばっかりです。 動物が生きる様子から、スペースシャトルまで広い範囲をカバー してます。しかも、映像がとてもきれいなんです。筆者は、ラボから 帰ってきたら、この番組をニヤニヤしながら見て頭を癒してます。 ずっとサイエンスなので、好きなヒト(←筆者)にとっては最高の番組です。 スカパーかケーブルテレビでみれますので、民放に飽き飽きしてきたら ぜひ試してみてくださいね。 では今夜のアンケートです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆「落ちこぼれ」をなくすために小中学校で留年を取り入れることは? 1、いいアイデア。 2、よくないかも。 http://vote1.fc2.com/poll.php?mode=browse&uid=666363&no=5 (↑回答ページです。締切は2008年06月20日) コメントもお願いします。200文字まで入力できます。 ニックネームも忘れずに書いてくださいね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ご回答よろしくお願いしますぅ! ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ┏ 2 Tonight 〜 ワクチンの効果を強くするメカニズム ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 今夜はサイエンスのニュースよりお届けします。 メルマガの108〜110号でマラリアの話題をとりあげたとき、 アジュバント というのがでてきました。あまり、馴染みのない言葉ですが、 アジュバントとはワクチンに混ぜておくとワクチンの効果が 強くなる物質のことです。 1920年代に偶然に効果が発見されたものの、 なぜワクチンを強める効果があるのか は謎のままでしたが、最近の研究でその仕組みがわかってきました。 Vaccine Booster's Secret Revealed ワクチンを強める秘密が明らかに (ScienceNOW Daily News 21 May 2008) ◇アジュバントとしてのアルミニウム化合物 ワクチンの効果を高める、アジュバントの一つにアルミニウム化合物 があります。ところが、その細かい仕組みはずっとわからないままでした。 アルミニウム化合物にアジュバントとしての効果があるということが 発見されたのは1920年代。そうして、1950年代から広く ワクチンに使われるようになりました。 つまり、効果があることは知ってるから使っているけれど、 「どうして?」と聞かれても答えられるヒトはいませんでした。 「アジュバントがワクチンの成分にくっついて何かやってんじゃないの?」 というのが、大方の見方でした。 ◇関係する分子が明らかに しかし、ホーゲンエッシュら(2007)は マクロファージ という細胞がアルミニウム化合物によるアジュバントの効果に関わっている ことを示しました。マクロファージというのは、体内に入ってきた病原体 などを“丸飲み”して、食べてしまう細胞です。 アルミニウム化合物がマクロファージに働きかけると、抗体をたくさん つくるように刺激する物質が放出されることがわかりました。 そして、さらにフラベルら(2008)がこの反応には Nalp3 という分子が関わっていることを突き止めました。 (むずかしいので、名前は覚えなくても大丈夫です。) 彼らは、Nalp3がないマウスにワクチンをうつ実験を行いました。 その実験で、アルミニウム化合物と一緒にワクチンをうったマウスでは、 ほとんど抗体ができませんでした。 でも、別の種類のアジュバントを使うと十分な抗体がつくられました。 ということは、アルミニウム化合物が免疫を強化する働きにはNalp3と いう分子が関わっているということ。また、別のアジュバントには Nalp3とは異なる仕組みがある、ということが示されました。 これらの研究で、反応に関わっている分子がわかったことで、 アルミニウム化合物よりももっと効果の高いものや、副作用の低いもの の開発が期待できます。 まとめ ・アジュバントとはワクチンの効果を強める物質 ・アジュバントとしてアルミニウム化合物が使われている ・アジュバントの効果に関係する分子が特定された ちなみに。 ワクチンつながりということで。 去年、大流行した麻疹ですが今年もときどき学級閉鎖のニュースが 入ってきます。ワクチンをきちんと受けてますか? <ワクチンを一回だけ受けた。かつ、麻疹に罹ったことがないヒト。> ワクチンで免疫がつくのは受けたヒトの約90%です。 心配な場合は(とくに10代から20代のヒト)、かかりつけの お医者さんで免疫がついているか、抗体検査をしてもらいましょう。 <ワクチンを受けていない。かつ、麻疹に罹ったことがないヒト。> 早い時期にワクチンを受けましょう! 受けたかどうかわからない ヒトは、抗体検査で確認しておくと安心です。 検査をすすめてるからって、筆者は検査会社の回し者ではありませんよ! 今夜もここまで読んで頂きましてありがとうございました。 ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ┏ 3 今日のひとこと ┗━━━━━━━━━━━┛ 国会会期末(6/15)を控え、人権擁護法の推進派議員の動きが 活発になっているそうです。人権擁護法というのはとんでもない 法律なんですが、わかりやすく説明すると。 たとえば、筆者がメルマガで 「日本にいる外国人留学生を優遇する前に、まずは日本人の学生 に手厚い援助をしてほしい。」 と書いたとします。 ところが、これを読んだ外国人が「外国人差別だ!」と申し立てました。 すると、人権擁護委員が礼状なしで突如として筆者宅にやってきて、 家宅捜索し資料とかパソコンとかゴッソリ押収していきます。 「差別なんかしてない」と家宅捜索を拒否したら、それだけで 30万円の罰金、そして差別主義者として全国に氏名が公開されます。 ただ自分の意見を書いただけなのに、差別だとされメルマガは廃刊です。 恥ずかしいことに日本には、このような法律を本気で成立させようと している議員がいます。もちろん、必死に反対の声を上げている議員 さんもいます。 市民からも反対の声を上げるために、筆者も毎週末それなりの活動を しているのですが、微力すぎて全然追いつきません。 身近な方と話題を共有して頂いたり、あなたの選挙区の議員さんに反対 の声を届けるなどよろしくお願いします。 感想などは yamano@heppoko-bio.net までおよせください。 == == == == == == == == == == == == == == == == == == == 現在の発行部数 11174部です。まぐまぐ2582部 メルマ3397部 メル天 864部 めろんぱん1114部 E-Magazine3217部 このメルマガは、バイオラボのことを伝えてみようと発行して から(2005年秋創刊)、どうしたら多くのヒトにバイオラボ のこと、研究のことを伝えられるかを考えてきました。 できるだけ多くのヒトに読んでほしいと思いますので 本誌をお知り合いの方に紹介していただけますと嬉しいです。 <やまのあべばのプロフィール> とにかく生きて動いてるものに反応する子どもだった。 虫かごをダンゴ虫やセミで山盛りにするのは日常茶飯事。 学部では不真面目に化学を専攻。大学院よりバイオ系に進む。 現在は部屋をビキニのお姉さんで一杯にしたいと願いながら 博士課程に在学中。運動と日光が不足気味の今日この頃。 ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ご感想などなんでもどうぞ⇒ yamano@heppoko-bio.net 筆者のブログ http://abeba.blog73.fc2.com メルマガ相互紹介のお問い合わせも上記メルアドまでどうぞ。 部数は問いませんのでお気軽に。 ☆本誌は下記のスタンドさんに配信してもらっています。 配信の登録・中止はこちらまで 『まぐまぐ!』 http://archive.mag2.com/0000173630/index.html 『メルマ!』 http://www.melma.com/backnumber_160569/ 『メル天』 http://melten.com/m/23426.html 『E-Magazine』 http://www.emaga.com/info/rc003994.html 『めろんぱん』 ↓ http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=009691 copy right reserved == == == == == == == == == == == == == == == == == == ==


