2009/11/08
『 煩悩 』 8
この話は、11月1日から始まっていますので、初めての方は 最初からお読み下さい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『 煩悩 』 8 そして世の中の人は、あの人はえらい変わりようやなあ、あんな にもあるもんかと言うくらいに、すっかりと信頼するようになっ たわけです。 そして人様にお話しをするというようになってきて、そしてちょ いちょい他所のお家へ呼ばれるわけです。今日は人さんを呼びま すよってに貴方さんに来て頂いて、お説教を聞かせて下さいませ んかというて、そういうふうになったんです。 そしてその或るときに、お説教を聴いて帰っていくわけなんです が、そのときは他人さんは来てなかったんです。そしてそのご主 人が、ちょっとお金の要ることが出来たのでいつも入れてる箪笥 の引き出しを開けたんですが、お金が無いんです。それで、はて なと思うたんですね。今日は家へ来た他所の人というのは、あの 人だけだと。他の人は誰も来てない。あとは皆家族だ。誰も他所 の人は来てないし、家へ上がったのはあの人だけだと。ところが 、お金が無くなってる。そうすると、あの人が盗ったんかな、と こうなったんですね。そうして他を探しても出てこないし、これ はもうてっきりあの人が盗ったんだなと。しかし、あそこまで来 た人がなあ。やっぱり昔の性は改められないのかな、と思うて。 それはそうとうまとまったお金だったらしいんですね。 そしてそこのお家へ行って、恐縮でございますが、ひょっとして うちのお金がお宅へ行ってませんやろうか。 そしたらその人が、幾らでございましたでしょうか、とこう言う たんですね。 幾ら幾らでございました。ああそうですか。それでお宅にあった 金額の大きい金額小さい金額の合計幾らと、そのとうりにはなり ませんけれども、合計は合計ですので、というた金額を持ってく るわけです。どうぞお持ち帰り下さいと。 それで、ああやっぱりそうだったのかと。この人はあそこまで修 行をなさっても、やっぱりだめだったのかと、思いながらお金を 持って帰ってくるわけです。 そして、結局わかったことが、そこの息子がそのお金を使ってた んです。それがあとで分かってきて、なんでそれを先に言わない のかと。わしはえらいことをしたやないかと。それになんであの 人はそれを弁解しなかったのだろうなあ。 兎に角、あの人やない、うちの息子やということが分かったもん やから、またびっくりして、そのお金を持ってった。そして間違 いでございました。息子でございました。と言うて謝りに行って 、で、貴方さんは何で一言いうてくれませんでしたんや。ああそ うかそうかとお金をお出しになったから私はてっきり、と思うて 持って帰りましたけれども、なんで貴方は一言おっしゃって頂か なかったんですか。 いやあ、私は前世で借りたのかなと。だから今返さんならんのか なと。こう思いましたと言うわけです。 これも弁解してないんですよね。 続く。。。


