『死者と仏事』 6
この話は、5月11日から始まっていますので、初めての方は
最初からお読み下さい。
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『死者と仏事』 6
然し、お前は幸せ者だ、わしは今、お布施に金子百両と、米百俵をもらった。
それはそっくり鎌倉の円覚寺に送ってもらった。
無駄に使うのではない。伽藍をよくしたり、仏事を営む大勢の坊さんたちに供養したり
する金や米だ。
大勢の坊さんのなかにはこの供養を受けて生きながら仏に成るものも三人や五人は居る
であろう。
ついにお前は生き仏様と直ちに縁を結んだんだ、なんとありがたいことではないか。
なにも思わず安心して死にやれ。
と、こう説き聞かせて病室を出たんです。
これから増上寺へ遊びに行く。
娘が死んだら私が引導を渡してやるからすぐに連絡をするがよいぞ。と、言い捨てて立
ち去った。
娘の父は怒るまいことか、余命の祈祷というのに縁起でもない。死ね死ねなんて、泥棒
坊主くそ坊主と、ぶりぶりしている。
ところが娘は、和尚の教えによって、真に大安心を得たのか苦痛がだんだんと去って、
すやすやと安眠するようになり、おも湯をすするようになり、混じりの米粒の多きを望
むようになり、ずんずん快方に向かって、ついに元の健康を取り戻すことができたので
あった。
ちゃんと治ってしまったんですね。
これは本当の出来事なんですね。この誠拙という人は仏教辞典に出てくるような人なん
です。
これは今のこれと同じことですね。このお経を地でいったことですね。
こういうことですので、お経は早いほうがいいですね。
死なないうちにね。お布施は多いほうがいい。そりゃそうですよね、お布施が多ければ
功徳が多くなるから。みなさんもお金を多く出せばいいものがたくさん買えるでしょ。
功徳もそうなんですよ。功徳をお金で買うんだと思ったらいいですね。
百円出したら百円の功徳、千円出したら千円の功徳、そのへんは物質と同じですね。
「仏法は無価の宝なり」。こういう言葉があるのです。
無価というのは価が無いと書いてありますね。価が無いというと、空ととると大間違い
になるのです。
あまりにも大きな功徳で、いくらということを決められないということなんです。
普通の物質だったら、これはいくらと、少々高いものでもいくらとせり上げていたって
どこかで止まりますよね。
ところが仏法の価の宝は何処まで行っても際限が無い。あまりにも大きな功徳をもって
いる。
例えば、この空間ですね、虚空。この虚空というものは、へぎるとこれだけの広さにな
りますけれどもそれをはずしたら、その向こうの広さになりますし、家を全部つぶして
しまったら外の広さになるし、この虚空というものは無間でしょ。何処まで行ったら虚
空は終わりというところがない。それを適当なところで区切るんですね。区切ったらそ
れだけの広さしかないけれども、はずしていったら無間の広さですね。
続く。。


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