第28回 感動マーケティング 「来街者を感動させずにおかないパリのローカルチャー」
第28回 感動マーケティング
「来街者を感動させずにおかないパリのローカルチャー」
2006年12月01日
丹青社
SCマーケティング研究所
所長 松本 大地
■「なんで、なんでハートの赤信号があるの!」と近づいてみたら、
信号のランプに黒のテープでハートの縁取りが・・・。こんなお茶目
なイタズラ、それを許しているパリは好奇心溢れる街。どこを切り取
ってシャッターを押しても、パリの被写体は絵になる。大通りの歩道
で見かける背の高いモーリス広告塔は、150年前に印刷業者モーリ
ス氏が市の許可を得て設置、下がトイレや公衆電話になっているバー
ジョンもある。1万軒もあるというカフェは、人々が情報を交換する
社交、創造の場として、文学、芸術、政治、革命といったものに深く
関わってきた。このようなパリ特有の歴史や風土が織り成す都市文化
の感動体験は、世界一の観光客数が訪れるだけの理由に溢れている。
■ナポレオン3世の第2帝政で始まったパリ大改造は、都市計画を委
ねられたセーヌ県知事オスマンにより、道路、下水道、公共建造物な
どの都市インフラが次々に整備され、現在のパリ原型がつくられた。
また、1855年から始まったパリ万国博覧会は、科学技術、工芸技
術振興を加速させ、1900年までに5回開催され、あのエッフェル
塔は89年の万博の目玉として登場した。日本は67年から参加、陶
磁器、浮世絵、武士道などのジャパニスムのムーブメントはマネ、ゴ
ッホ、ゴーギャン、ロートレックといった多くの芸術家に影響を与え
た。19世紀の街並みや芸術品は生きている過去として、今もパリら
しさを放っている。
■パリと日本の関係は150年近い交流があるが、1区の一等地に1
980年に開店したのが虎屋パリ店である。室町時代に創業した日本
最古の専門店は、日本の心そして和菓子を通じた美意識を伝えてきた
。現地支配人と面談したとき、「フランス人は美の力と舌の力がある
」と話された。生まれながら良い造形物やアートに触れ、そして厳し
い躾で育ってきた生活環境下にあったことが、自然と美への感受性が
身についたこと。さらに食の世界では、良い素材を産む農業大国であ
り、かつ食を楽しむ、深める習慣から、舌の力が強いとのこと。だか
らこそパリの街には本物が育ち、その本質の感動体験を楽しむステー
ジが出来上がっているのだと感得した。短い時間であったが、虎屋で
頂いたパリらしいお話とお茶とポワール羊羹の味は、ともに感動のご
馳走であった。
■「人と街と商いの新しい関係性づくり」をテーマに、新しい社会交
流空間づくりをまとめてみたいと考えている。街を舞台とするならば
、培った文化はシナリオであり、そこには大道具・小道具の景観から
ストリート・ファニチャーまである。キャストは住民であり来訪者が
演じる。ーつ一つの商店の生き方、庁舎や広場、公園、道路などのパ
ブリックスペースのあり方、人と人とのコミュニケーションの仕方な
ど、ヨーロッパの街には街づくりや次世代ショッピング・センターづ
くりへのヒントがたくさん内包されている。
■感動マーケティング視点⇒1.どこの街にも特有の歴史の歩みや風
土がある。都市にも地方にも、ローカルとカルチャーを合わせた特有
のローカルチャーがある。それを活かし、そこならではの感動文化が
創れるかが、街活性化の肝である。
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http://www.tansei.net/kando/28/index.htm

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