第22回 感動マーケティング 「街の活性化に寄与する港町の感動市場」
第22回 感動マーケティング
「街の活性化に寄与する港町の感動市場」
2006年8月17日
丹青社
SCマーケティング研究所
所長 松本 大地
■「ラッセラー・ラッセラー・・・」と跳人(はねと)が乱舞する青
森のねぶた祭り。武者や歌舞伎狂言の場面を描いた屋台が笛や太鼓の
囃子で練り歩き、そのエネルギッシュな様子は東北の風物詩として全
国に知られている。先日、厚生労働省が発表した6月の都道府県別有
効求人倍率にて青森の名前が全国に知られた。トップは愛知県の1.
92がダントツで、2位は1.68の東京、下位では沖縄の0.47
、それを下回る最下位は青森県の0.44であった。青森県では厳し
い雇用の現実がある。
■小生が商業アドバイザリー委員をしている青森県八戸市では、かつ
て日本一の漁獲量を誇っていた漁業の街だが、近年は近海での不漁に
よる水揚げ量の激減や燃料費高騰で苦境に立たされている。水揚げ金
額の資料からは、ピークは昭和57年に933億円だったのが、昨年
は243億円となり、その影響は中心市街地の活力低下にも及ぼして
いるようだ。しかし、この八戸に全国の自治体が活性化事業例として
視察に訪れる市場がある。
■朝早い新幹線で八戸に出向いたとき、車内は中高年のツアー客が目
立った。車内でも元気な声の一行は八戸にて下車、向う先は「八食セ
ンター」であった。最近、東京方面からの日帰り八食センターツアー
が好評とのこと。1980年に開業した八食センターは、敷地面積8
万平米、店舗面積7000平米、店舗数は市場で60店、その他飲食
等で10店舗、駐車場1500台の大規模郊外型食品市場である。こ
こでは、八戸港で水揚げされたばかりの魚介類を中心に、乾物、珍味
、青果、お土産品まで一挙に揃う。また、市場の新鮮食材を使った回
転寿司や、麺横丁、店内で買った魚介類を炭火焼で体験する七輪村な
どもある。さらに、マグロ解体ショーからプロの料理人による料理道
場、ライブコンサート、フリーマーケットまでたくさんのエンターテ
インメントが繰り広げられる。東京から交通費を使っても満足できる
新鮮な旬の食材、安さ、楽しさの感動体験を求め、多い日は2万人以
上の来店客で溢れている。
■この八食センターの成功は、買い物だけでない遊びの空間やイベン
トを盛り込んだ楽しさの空間を編集したこと。そこに第20回のメル
マガで紹介した帯広の北の屋台のような地元住民参加が奏功している
ようだ。最近視察した北海道某市の市場は悲惨であった。全国的にマ
スコミでもてはやされた市場ながら観光客相手の一方的な売り方で、
買い物以外の楽しみは無く、おまけに場内で食べる場所も小さく事務
机にパイプ椅子のしつらえ。市場のリアルな感動求めてきた来訪者は
がっかりした様子だった。市場にはスーパーやコンビニには無い臨場
感と温かさがある。イーコマースには無いリアルでヒューマンな感動
ショッピング体験シーンに、成熟化社会の新しいマーケティングが見
える。
■感動マーケティング視点⇒1.市場は商業の原点。売り手と買い手
が出会う場には流通というモノの流れではなく、人間力というココロ
の流れが存在する。2.地域で培われた素朴な食文化をクローズアッ
プし、感動体験を加味することで、街おこしの題材になる(長野県小
布施町の栗、小川町のおやき等)。
こちらをクリックすると感動市場の写真がご覧になれます。
http://www.tansei.net/kando/22/index.htm

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