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SFファンタジーの世界です。未来の宇宙、地球そっくりの惑星デュオに巻き起こる地球人とデュオ人との確執に巻き込まれた少年と少女の愛と冒険のお話です。

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2009/11/11

ウィング ブックス 第192号

   ウィングブックス               (第192号)
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              デュオの仮面騎士               

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    第二十四話  黄金の対決!(II)

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 デスペラード竜騎士隊は、遮る物のない平原から険しい山道へと侵攻を開始した。

東にゴーラ山、西にズール山、どちらも噴煙を四方に吹き出す火の山だ。東西の噴火

口から流れ出た溶岩で造られた峡谷は、世にも奇怪な容貌をしている。見渡す限りの

奇岩の群。そして、落ちれば、慣れた土地の者でさえ迷い、二度と出ることのない洞

窟への落とし穴が、そこここに存在している。

 「うわーっ」

 突如、隊の中から悲鳴が上がった。ハッと振り返ると、一騎の騎竜が花崗岩の穴に

足を取られ、落ちて行く。

 「チッ、間抜けめ! ここは火山でできた谷だから、気をつけろと言っておいただ

ろうが!」

 「獣神、助けなくては、あいつは……」

 「放っておけ! どうせ、あのような間抜け、足手まといなだけだ! よいか、者

共! 獣神ゴーラの部下に、臆病者も、間抜けも要らぬ! 優秀な戦士だけが生き延

びるのだ!」

 「……」

 冷たく言い放つ獣神を、竜騎士たちは凍りついた表情で見つめる。悪神ドードの下

僕、獣神に、暖かな血は流れていない。悪魔と同じ、氷のような黒い血だけが存在す

るのだ。

 「出発だ!」

 チラッとも犠牲者を見もせず、ゴーラがエルフォンに鞭を加えた。前進あるのみ、

振り返っている暇などない。直ちに竜騎の一隊は前進を続けた。出会った者に死を。

死に神の群はひたひたと恐怖の行進を続けるのだ。竜騎士は沈黙し、何も語らない。

だが、心に巣くった暗闇は、彼らから人間らしい感情を奪って行く。敵に対する憎し

みも、味方に対する労りや同情も心の奥底に沈み、ただ獣神への絶対的な服従のみで

動いていた。

 「獣神ゴーラ! あれを!」

 斥候を努めている若い騎士が前方を指さす。峡谷の出口に十騎ほどのカナン騎竜の

姿があった。獣面の神の顔に笑みが浮かぶ。わずかな竜騎で立ち向かってくるとは小

賢しい。いくらカナンが小国だと言え、無謀を通り越して、愚かとしか言いようがな

い。だが、例え少人数とは言え、殺せる相手に巡り会った。血の期待にゴーラの目は

陰気に輝く。

 「たかが十騎、吾に任せろ!」

 獣神は、血の生け贄を他に譲るつもりはなかった。単騎、犠牲者に向かって竜を走

らせる。たかだか十騎の敵、ものの十分もかけずに皆殺しにできると踏んでいた。

 「フォレスト殿、獣神が単騎で迫ってきます!」

 悲鳴のような声で、仮面の騎士の脇にいた騎士が叫ぶ。しかし、仮面の奥の瞳は何

の感情も表さない。ただ、ジッと近づく敵をエメラルド色の光で見つめているだけで

あった。

 「獣神、第一目標に到達しました!」

 ジッと敵の動きを目算していた斥候が大音声で報告する。

 「よしっ、合図だ!」

 同時にホラ貝が鳴り響いた。重厚な貝の悲鳴が谷間にこだまする。

 「何?」

 一瞬、ゴーラの動きが止まる。今の音は何だ? 何かの合図か? だが、己の力を

信じて疑わない化け物に恐怖はない。そのまま竜に鞭打ち、前進を続けようとした。

が、刹那、大地が鳴動した。続いて爆発が起こった。



                 (続く)





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 マガジンタイトル  ウィング ブックス
マガジンID        0000172588

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