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2007/09/08

左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii 第98号「左利き子育て相談の疑問(5)一般論と個別事例」

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                    左利きで生きるには
          (レフティやすおの左組通信 メールマガジン)
                    週刊ヒッキイhikkii

              世界の片隅で左手と左利きを考える

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         第98号(No.98) 2007/9/8
       「左利き子育て相談の疑問(5)一般論と個別事例」

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           「左利きで生きるには 週刊ヒッキイ」は、
 右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして 
         左利きの諸問題と真剣に取り組むメルマガです。 
   今日からいっしょに左手・左利き生活を楽しみましょう! 
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─目次― 
 ▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ..第二土曜日掲載
   ―その15― 左利き子育て相談の疑問(5)
       一般論と個別事例を混同していないか
 ●レフティやすおのサイト案内●・・更新情報・・
 ▼次号案内▼
 ▼バックナンバーの閲覧▼
 ●レフティやすおの編集後記●
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 ▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ..第二土曜日掲載
   ―その15― 左利き子育て相談の疑問(5)
       一般論と個別事例を混同していないか
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 このシリーズでは、ネットの子育て相談を中心に、
 私が感じた疑問点について、考えています。

 今回の疑問点は?

  相談の回答が、一般論と個別事例を混同していないか、

 という点です。 

 ・・・

  われわれが、容易にものを信じたりほかから説得されるままに
  なったりすることを単純さや無知のせいにしているのは、おそ
  らく理由のないことではあるまい。というのは、ものを信じこ
  むということは、われわれの魂に加えられる刻印のようなもの
  であり、魂がよりやわらかく、より抵抗がすくなければ、それ
  だけそこに、ある事柄の印をつけることが容易になる、という
  ことを昔なにかで知ったような気がするからだ。...

    モンテーニュ『エセー1』荒木昭太郎訳
      中央公論新社・中公クラシックス(2002)
 「真実と虚偽の区別をわれわれの能力にまかせるのは愚かしい」
 (第1巻第27章)28p


各界の著名人が、一つ道を極めた名人は人生においても達人である
といった理由から相談窓口を担当することがあります。

それなりの学歴および職歴という立派な経歴、著書もある著名人、
科学的な知識を持った人や、さらに子育て経験もあるような、
そういう人生経験も豊富とされる人物たちです。

そういう方々の相談の回答では、時に
一般論的な意味合いでの可能性を過大に評価して
相談者の個別の事例に当てはめるような
おおざっぱといいますか、ルーズといいますか、
節度のないといいますか、
不適切なケースもあるように思われます。


 ―――――――――――――――――――――――――
 ◆ 左利きや利き手に関しては不分明なことが多い ◆
 ―――――――――――――――――――――――――

特に左利きの問題におきましては、

常識的な範囲内で穏便な回答ならば、
可もなく不可もなく、毒にも薬にもならない、

という結果で終わることもあるように思います。

しかし時には、いくらなんでもこれは…、
と眉をしかめたくなるような、いい加減な解説がなされている
と感じるケースもあるのです。


例えば、科学的な知識に関して言いますと、
脳科学のように日々大きく研究が進んでいるとされる分野でも、
左利きや利き手に関する研究はまだまだ不十分で、
確定した事実といえるものは限られています。

たいていは仮説の域を出ないような研究途上の報告です。

個別の事例に当てはめて、
具体的に相談に応じることができるような成果は、
まだ十分に上って来てはいないように思います。


 ―――――――――――――――――――――――
 ◆ 紛らわしい仮説は振りまわさないで欲しい ◆
 ―――――――――――――――――――――――

私はもちろん科学者でもありませんので、
一般書になったものから得た知識だけですので、
えらそうなことは言えません。

お前にどれだけの判断できるのか、
と問われても返答に窮するところでもあります。


しかし、私自身がたまに相談を受けた時、
お話させていただくことは、

一般論として、こういう可能性がある、
こういう傾向が見られるといった
本から得た知識であったり、

自分が見聞きした経験からこういうことが考えられる、
といった最低限の事実だけであります。


相談の回答に当たる方々には、常に

「自分は何を知っているのか」

という反省を忘れず、
紛らわしい仮説は振りまわさない
という節度を持っていただきたいものです。


 ――――――――――――――――
 ◆ 右脳左脳、○○脳××脳… ◆
 ――――――――――――――――

特に脳科学に関しましては、昔から右脳左脳のなんとやらに始まり、

○○脳や××脳などと勝手に決め付けて、
それゆえに左手を使うとどうとかこうとか、
両手を使うとなんたらかんたら

と、疑似科学としかいえないような論議を繰り返す
ケースが少なくないように感じます。

科学はまだ、そこまで解明していません。

私たちが経験的に知っている事実として、
左利きには天才が多いとか、特異な才能を示す人がいる
ということはあります。

芸術家に左利きが多いとか、数学者や政治家が多いとか…。

しかし、それは右利きの人より
左手をよく使っているからとか、両手を使えるから
という理由に、原因のすべてを帰することはできません。


 <左手を使う> = <右脳を使う> → <特異な才能>

などという公式はありません。


一般論としてならば、
ある程度までは確信を持って言えることは、様々あるでしょう。

しかしそれをすべての人に、
普遍的に通用することでもあるかのように言えるか、
といいますとそれはやはり無茶といえます。

一般論として
右利きの人よりも、
左利きの人の方が両手を均等に使っているでしょう。

しかしそれが、左利きの人の能力だけでなく、
才能にまで影響を及ぼしているかどうかは、
なんともいえないはずです。


明確な根拠のない話は、ただの「私の意見」です。

「意見」なら「意見」とはっきり書くべきです。

いかにももっともらしい理屈を並べて
素人を煙に巻くのは、偽善でしかありません。

もっといえば詐欺です。

もし、

人の意見を何の疑いも持たず鵜呑みにするような人は、
騙されるほうが悪い

というのでは、ちょっといただけません。
(もちろん、実際にはそこまでは書かれてはいないのですが…。)


しかし、実際には、どうも一般論を越えて、
「左利きは天才」式の美辞麗句を並べ立てての
擬似脳科学的と思われる説明までなされるとなると、

左利き擁護論としても行き過ぎと思われます。


 ――――――――――――――――――
 ◆ 私が相談の際にお願いすること ◆
 ――――――――――――――――――

私が相談を受けた際に、必ずお願いすることがあります。

それは、

これはあくまでも私の個人的な意見であり、
本から得た知識や自分が経験したこと、
および左利きの友人やその他の人から聞いたことを基にしたもので、
それなりに確信は持っていますが、
すべての人に当てはまるとは限らないですよ。

最終的には、実際にお子さんをよーく観察した上で、
自分なりに考えてベストと思われる判断を下してください。

といったことです。


なるほどそういった傾向が見られます、
等のご感想をいただくことも多いのですが、

何事も紋切り型に「ああだからこう」「こうだからああ」
という考え方だけはしないで欲しい、とお話します。

親の思い―希望や願望は、ひとまず捨てて
「始めに子供ありき」で、
まず子供のことを考えて、
子供にとっては何がよいのか、子供は実際にどうなのか、
ということを良く観察してしっかり考える

そういう親になって欲しい、とお願いしています。


 ――――――――――――――――――
 ◆ 何が正しいか自分で考えよう! ◆
 ――――――――――――――――――

以前、「常識は信仰に過ぎない」といった言葉について
書いたことがあります。

※
第94号(No.94) 2007/8/11「<特別篇>左利き子育てへの要望」
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ
  <特別篇>左利き子育てへの要望」
http://blog.mag2.com/m/log/0000171874/108847989.html


哲学者・三木清の著書『哲学入門』(岩波新書)の中の言葉でした。

科学の知識も世間に広く公認されると、新しい常識となります。

しかし、それも常に変化してゆきます。
科学が新たな地平を開拓すれば、古い知識は葬られてゆきます。

常識も塗り変えられてゆきます。


常に変革があるのが、私たちの生きる世界です。

私たちは常にアンテナを立てて
変化を敏感にキャッチしながら、

 何が本当に正しいのか、
 物事の本質は何か、

ということに眼を向けていなければなりません。


おーっと、ヘンに小難しい話になったしまいました。

ただ私の言いたいことは、

一見、本当らしい話であっても、
常に自分の目でよく観察し、自分の頭でしっかり考えて、
物事の本質を見極める
そういう姿勢を持ち続けていなければならない、ということです。


あの人がこういうから、と頭から鵜呑みにするのではなく、

どんなに信頼している人の意見であっても、
個人の意見は個人の意見として聞く

その上で自分なりに情報を集め、自分なりに考えて結論を出す

そういう癖を身につけていたいと思うのです。


それこそが、人が幸せになれる近道だと思います。


※参考文献:
・モンテーニュ『エセー1―人間とはなにか』荒木昭太郎訳
 (中央公論新社 中公クラシックスW23 2002刊)
http://www.amazon.co.jp/dp/412160038X/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

※週刊ヒッキイ:
・第94号(No.94) 2007/8/11「<特別篇>左利き子育てへの要望」
http://blog.mag2.com/m/log/0000171874/108847989.html


 次回の予定は→
 「―その15― 左利き子育て相談の疑問(6)
      (未定)」

  ◆左手で字を書く・実践編◆シリーズの続編に当たります。
(「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ」は、第二土曜日掲載。
  次回は、10月第二週発行の第103号に掲載の予定です。)

※
 このシリーズ「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ」は、
ウェブログ「レフティやすおのお茶でっせ」で始めた、左利きのお
子さんをお持ちの親御さんへの左利きの問題にどう対処すべきかに
ついての独断的アドヴァイス、および提案です。

・既発表分(その1〜6) ↓
『レフティやすおの左組通信』「レフティやすおの左利き私論3」
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/hg.siron03.html
・「その7」以降 ↓
「週刊ヒッキイ」バックナンバー参照
・左手書字に関する考察
「その13 字は右手で書くものか?」
「左手で字を書く・実践編」
「その14 左手で字を書くために」 
 ↓
『―左組通信』
「左手で字を書くために―レフティやすおの左利き私論4―」
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/hg.siron04.lhw.html


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●レフティやすおのサイト案内●・・更新情報・・
  ―今週更新された主な記事―
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・レフティやすおのお茶でっせ
9.7 左利き用バイオリン
(左手・左利き用品:左利き用バイオリンを販売しているサイト)
 http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/ 

・レフティやすおの新しい生活を始めよう! 
「お茶でっせ」より左利き記事 1本転載 
 http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/ 


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 ▼次号案内▼
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 第99号(No.99) 2007/9/15
 「私にとっての左利き活動(17)」(予定)

内容:
 ■レフティやすおの左利き活動万歳■ ..第三土曜日掲載
  私にとっての左利き活動(17)
   Lefthanders International

 かつてのアメリカの左利きの会 Lefthanders International と
 その機関紙『Lefthander Magazine』のこと など。

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 ▼バックナンバーの閲覧▼
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・『まぐまぐ』「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」 
http://blog.mag2.com/m/log/0000171874 
・『左組通信』「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/mm-hikkii.html
・週刊ヒッキイ 第37号 夏季臨時増刊「既刊号一覧」
http://blog.mag2.com/m/log/0000171874/107457630.html
・週刊ヒッキイ 第62号 冬季臨時増刊「既刊号一覧・2006年後期」
http://blog.mag2.com/m/log/0000171874/108088513.html
・週刊ヒッキイ 第75号 臨時増刊「テーマ別BN1/左利き実用講座」
http://blog.mag2.com/m/log/0000171874/108403685.html
・週刊ヒッキイ 第88号 夏季臨時増刊「既刊号一覧・2007年前期」
http://blog.mag2.com/m/log/0000171874/108709267.html

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 ●レフティやすおの編集後記●
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今週はどうも体調不良―夏の疲れか、胃腸が弱っているようです。
思うようにメルマガが書けない前半でした。それでもどうやら、よ
うやくひねり出すことに成功しました。これもひとえにある読者さ
んのおかげです。ありがとうございます!
ほぼ毎週欠かさず感想を送ってくださる、W氏は私のとってはまさ
に神様のような存在です。昔、お客様は神様です、という名せりふ
を残した方がいましたが、本当に名言だなあという気がします。人
間褒められるとうれしい、やる気が出るものです。でもただ褒める
のではなく、要点をついた箴言とも言うべき批評は、送り手側の書
き手にとっては刺激になります。この人に納得してもらえるような
ものを書こうという気になります。
毎週毎週、自転車操業のようなメルマガ制作を続けて来ましたが、
いよいよ丸二周年、創刊100号が現実になってきました。
これだけは到達しておきたい目標でした。これを通過点にして更な
る新天地を目指します。
Wさんおよび声なき読者の皆様、これからもよろしく!

では、次週まで、さいならサイナラさいなら /~~~
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左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
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 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
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