左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii 第35号「書字は万民の技術2」
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左利きで生きるには
(レフティやすおの左組通信 メールマガジン)
週刊ヒッキイhikkii
世界の片隅で左手と左利きを考える
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第35号(No.35) 2006/6/24
「書字は万民の技術―その2―」
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左利き、ってどういうことなんだろう?
左利きで生きる、ってどうなんだろう?
と疑問に思うあなた、左利きでお悩みのあなた。
そんな皆様に贈る、左利きについて考えるメルマガです。
左利きの人、
左手や左利き・利き手に興味のある人、
左利きの子供やパートナー・友人がいる人、
左手が利き手でない人も、
左手・左利き生活にまつわるお話をお聞きください。
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─目次―
▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ―隔号掲載―
―その13― 字は右手で書くものか?(7)
<字は右手で書くもの>を検証する
《4》書字は万民の技術―その2―
■左利き子育て一口メモ■
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▼バックナンバーの閲覧▼
▼読者拡大キャンペーン▼
●レフティやすおの編集後記●
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▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ―隔号掲載―
―その13― 字は右手で書くものか?(7)
<字は右手で書くもの>を検証する
《4》書字は万民の技術―その2―
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… 世界で最も複雑に見える文字をもつ国が、世界で最も技術的
に進んだ国であるということは、全くの偶然ではないだろう。
『文字の歴史』スティーヴン・ロジャー・フィッシャー
鈴木晶訳(研究社 2005年)
―――――――――――――――
◆ 文字―特権階級の所有物 ◆
―――――――――――――――
書字という行為は、その神聖さや高貴さ(時には、邪悪さ―中世ヨ
ーロッパでは、そのくねくねした筆記字形から、文字の読み書きは
魔法使いや悪魔の所行とされた―『文字の歴史』)、重要性の観点
から、ひとつの技術として隔離され、一部の人のものとして伝えら
れたのです。
その技術を持つものは社会から一目置かれ、職を得、地位を与えら
れたのです。
当然その普及を積極的に押し進めようという考えは生まれてきませ
ん。
合格すれば誰もが公職を得られるという試験制度、中国の科挙の制
度でも、実用をはるかに越える多種多様な文字の知識を要求された
ようです。
――――――――――――――――
◆ 字を書くことは万民の技術 ◆
――――――――――――――――
何度も書きますように、かつて字を書くという技術は、限られた人
にのみ許された技術でした。
はるか昔は、神官や僧侶のような宗教従事者や王侯貴族、学者や役
人、交易商人や通商関係者といった人々およびその子弟のみに限ら
れていました。
一般庶民には無縁のものでした。
それが徐々に広がりを見せ、近世以降一般庶民にも普及してゆきま
した。
日本では、江戸時代後半には寺子屋が急速に普及し、それにともな
ってほぼ二人に一人の人が読み書きできるようになっていたであろ
う、といわれています。
日本語には漢字と仮名があったことが有利に働いた部分もあるかも
しれません。
根底には、製紙や木版印刷といった工業の技術に支えられ、さらに
読み書き算盤を必要とする経済の発展が大きな要素としてあった、
と思われます。
(ただし、男性と女性ではかなり状況は違っていたようです。女性
の場合はひらがなを女手ともいうように、仮名の読み書きと多少の
漢字に限定される場合もあったようです。)
今では書字の技術は、江戸時代以上に誰もが必要とする基礎的な技
術となっています。
諸外国の現状を見ましても、その国家の経済力はその国民の識字率
に比例するといわれています。
100年前、日露戦争で日本が大国ロシアを負かした背景には、こ
の学問の力が大きく関わっていたとも、いわれています。
すなわち兵隊のレベルが違っていた。指揮官は優秀でも、それを支
える平の兵隊に差があった。軍の命令を出す場合も、その都度声に
出して伝えなければならなかった。文書で広く規律を守らせるとか
作戦を浸透させるということができなかった、といわれています。
上官が倒された時点で敗走するしかなかったのです。
――――――――――
◆ 新時代の書字 ◆
――――――――――
このように現代を生きる上において最も大切な技術である書字を、
私たちはいつまでも旧来の考えに囚われいるべきではない、と思い
ます。
右手書きの特徴を活かした特定の書法のみをよしとするのでなく、
誰にでも書ける方法を基本とするべきだろう、と私は考えます。
そういう意味で、字を書くという行為は基本的に使いやすい利き手
で書けばよい、ということになります。
―――――――――――――――――――――
◆ 書字の規則を変えることはむずかしい ◆
―――――――――――――――――――――
今まで見てきましたように、文字というものは、何万年という人類
の歴史の中では、せいぜい数千年という、まだ比較的最近の発明で
す。
そのなかで、右手書きにふさわしいものに改良されるようになった
のは、さらについ最近のことといわなければなりません。
しかし、結論として、文字は現時点から見ればかなり早い段階―実
際には、文字が生まれてから千年ほどののち―に、その字形といい、
綴りの方向といい、右手書きにふさわしい形に変形、改良された、
といえます。
そして、文字がエリートの道具として普及するとともに、右手書き
も作法として成立した、といえるでしょう。
このように手書き文字は、右利き・右手書きに都合のよい方向に進
化して来た、というのが現実です。
そして、そこには、左利き・左手書きへの配慮といったものはうか
がえません。
けれども、今やエリートの道具から一般庶民も使用する生活の道具
となったのですから、それにふさわしいものに変わってゆくべきで
ある、という考えもあってよいと思います。
とはいえ、文字の書き方を左手書きにふさわしいものに変えるとい
うのは、現状ではむずかしいでしょう。
字体を多少変化させることは可能でしょう。
しかし、文字そのものや文字を綴る方向であるとかは、変えること
はできないでしょう。
右利きの人は左横書き、左利きの人は右横書き、などとすることは
できません。
あるいは右利きの人は横書き、左利きの人は縦書き、というわけに
もいかないでしょう。
(日記や覚書など個人的に利用する文書ならいざ知らず。)
――――――――――――
◆ 手書き文字の改革 ◆
――――――――――――
現代はパソコンで文字を書く時代です。
文字の書き方も大きく変化してきました。
これからも様々な方式が生まれ、工夫されてゆくことと思います。
しかし、いかに機械化が進もうとも手書き文字が消え去ることはな
いでしょう。
それは人間にとっても最も手っ取り早いものだからです。
どんな時代、どんな環境にあっても通用するものだからです。
時間と場所を越えて人の意志と意思を伝えることができる最もシン
プルな方法だからです。
このように重要な手書き文字を、私たちは新たな時代にふさわしい
技術にしなければならないと思います。
冒頭の引用に示すように、日本人の優れた知能を結集して、新時代
にふさわしい文字の書き方を工夫することが必要な時代になってき
たのではないでしょうか。
しかし、これは一朝一夕にできることではありません。
千年の時を経て改良されたものを改めるには、それに相当するよう
な経過を必要とするでしょう。
―――――――――――――――――――――――――
◆ 「押し」書きを「引き」書きに変換させるペン ◆
―――――――――――――――――――――――――
では、今私たちにできることは何か。
手書きの場合でも、道具によって書き方を工夫することができるの
ではないでしょうか。
道具を改良することで、左手書きでも右手書きのような動きになれ
ばいいのです。
左手書きの難点のひとつは、横画の線を書く場合です。
横画を書くとき、右手ならペンを左から右へ「引く」という、滑ら
かな動きになるのに対して、「押し」て書く、ぎこちない動きにな
るというところです。
では、その動きを変換させて、実際には左手で「押し」書きしてい
ても、右手での「引き」書きになるように工夫すればよいのです。
私は、そんな筆記具が誕生する可能性がある、と考えています。
そんな可能性をイメージさせてくれた筆記具が、ヨーロペンです。
・・・
次週からは、「左手で字を書く:実践編」の続編をこのシリーズに
移行して「左手で字を書くために」というタイトルでお話を進めて
ゆきます。
※参考文献:
・『文字の歴史』スティーヴン・ロジャー・フィッシャー
鈴木晶訳(研究社 2005年)
※参考記事:
・『レフティやすおのお茶でっせ』2005.5.27
勝手に左利き筆法になる?ヨーロペンYOROPEN
http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2005/05/yoropen_1d0a.htm
・『レフティやすおの左組通信』左利きphoto gallery〈HPG6〉
左手/左利き用文房具(筆記具・定規・その他)
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/hg.hph6.bungu.html
次回の予定は→
「―その14― 左手で字を書くために
左手書き用ボールペン―ヨーロペン(予定)」
◆左手で字を書く・実践編◆シリーズの続編(5回目)です。
(「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ」は、隔号掲載です。
次回は、第37号に掲載の予定です。)
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■左利き子育て一口メモ■
今週の『教育のまぐまぐ!』「親力診断テスト」は、
「第57回〜ゴーグルは水泳の上達に役立つと思いますか?」。
http://education.mag2.com/oya/bn57.html
このなかで、親野先生は、
今はゴーグルがこれほど普及しているのですから、どんどん使えば
いいのです。水中で目を開けられない子でも、ゴーグルをつければ
何も問題ありません。ゴーグルによって水への抵抗が薄れれば、水
慣れも泳ぎの練習もどんどん進みます。
水中で目を開く練習にいつまでもこだわっているより、この方が合
理的です。
と、回答されています。
ここで大切なことは、子供にとって大切なことは何かということで
ょう。
道具がない時代なら致し方がありません。
しかし、今日のようにそれぞれにふさわしい道具が開発され、手軽に
手に入る時代では、それを有効に利用して、子供の成長に役立てるこ
とがポイントです。
左手・左利き用品においても同じことです。
右手・右利き用の道具が使えなくなるのではないか、といった先走り
した考えではなく、今現実に子供が苦痛なく楽しく、その能力を十分
に発揮できる環境を整えてやることが大切です。
それが子供の成長を促すのです。
※
このシリーズ「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ」は、
レフティやすおがウェブログ「お茶でっせ」で始めた、左利きのお
子さんをお持ちの親御さんへの左利きの問題にどう対処すべきかに
ついての独断的アドヴァイス、および提案です。
(既発表分は、「その6」まで「レフティやすおの左利き私論3」
として、『レフティやすおの左組通信』に掲載しています。)
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/hg.siron03.html
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―今週更新された主な記事―
・レフティやすおの左組通信
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/
・レフティやすおのお茶でっせ
6.21 福沢諭吉『学問のすすめ』二冊の文庫本
(書籍・雑誌)
http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/
・レフティやすおの本屋
(一部加筆修正)
http://myshop.7andy.jp/myshop/lefty-yasuonohonya
・「レフティやすおの本屋」店長日記
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・レフティやすおの新しい生活を始めよう!
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他mixi、GREEのページ
(会員制SNSに付き、会員でないかたはご覧になれません。
ただし、大半は他のブログの流用、もしくは紹介です。)
・mixi日記
6.21 福沢諭吉『学問のすすめ』二冊の文庫本
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第36号(No.36) 2006/7/1
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内容:
■レフティやすおの左利き活動万歳■ ―隔号掲載―
週刊ヒッキイ読者アンケート(2)
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●レフティやすおの編集後記●
6月半ばをすぎ、植えていたジャガイモがいっせいに勢いを失くし
て来ました。
急速に葉が茶色くなり、みずみずしさが失われ、寿命が近づいたよ
うです。
土の下では、次世代を築かんとお芋が成長していることでしょう。
生物は時の経過とともに、自然に変化してゆきます。
常に新しい世代へと交代するべく準備をしています。
しかし人間はどうでしょうか。
生物が寿命を迎えるということは世代交代を促すということです。
しかし人は時に交代を嫌い、その座にしがみつきます。
いつまでも旧来の考えにすがりつき、変化を拒否する人がいます。
新しい時代には新しい考えを!
福沢諭吉は『学問のすゝめ』のなかで説きました。
私も新しい時代にふさわしい利き手の考えをこのメルマガを通して
説いてゆきたいのです。
突然ですが、今週から ■左利き子育て一口メモ■ なるものを始
めてみました。
そのときそのとき思いついたことをメモしてゆこうと思います。
どこかで読んだこと、わかりきったことばかりでしょうが、何かの
お役に立てれば幸いです。
では、次週まで、さいならサイナラさいなら /~~~
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発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
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