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環境・ビジネス、科学、政治、生活に関する「身近な技術」を紹介し、そこに潜む技術のすばらしさや不思議なこと、疑問を求めながら、その答えを模索していきます。

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2006/09/07

環境雑学まぐ ☆☆ 凍結乾燥 ☆☆

「環境雑学まぐ」は環境関連をはじめ、身近な技術全般の情報を発信し、

その技術を掘り下げ、疑問点などを求めていくマガジンです。

それでは本日のテーマです。

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本日のテーマは  ☆☆☆ 凍結乾燥 ☆☆☆  です。

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インスタントコーヒーや即席麺の具材、ジュース、みそ汁、スープ、野菜、
水産物、果実、きのこ、健康食品、生薬、食品添加物等々の乾燥品のほ
とんどは凍結乾燥技術が用いられています。この乾燥方法により食品・
医薬品分野は大きく進展しました。

凍結乾燥とはわかりにくい用語ですが、乾燥とは広義にいえば「固体に含浸
する液状物質を分離除去」することです。

まず、最初に浮かぶ疑問は「凍結しているのになぜ乾燥するの?」ということで
しょう。

◆凍結乾燥技術は1800年初頭に英国でその乾燥原理が報告されており、
その後も英国政府が技術開発を推進・助成しています。

欧米では1950年代から食品への応用研究が本格的に始まっており、
その後、世界的に普及して発展し、ここ50年で大飛躍しています。

◆この技術の重要性は、利用分野が人間の生存に大きくかかわっている医薬
品・試薬、生細胞の保存、食品などにあるからです。

得られた製品の特長は熱変性を避ける、有効期限延長、常温保存可能、再
溶解性良好、水の化学的作用の抑制、微生物の長期保存、腐敗防止・化学
反応防止、復元性良好(色・香・味・栄養価)が挙げられます。

◆対象物は、	
医薬品としては
抗生物質・ホルモン・酵素・タンパク製剤・ビタミン剤・ワクチン類・漢方エキス
剤・試薬(免疫血清学的検査用・生化学的検査用・血液学的検査用)、微生物
(細菌・酵母・放射菌・ウイルス)、花粉・原生動物・哺乳類細胞(血球・精子)


食品としては、
肉・魚介類・海産物・嗜好飲料(コーヒー・ココア)・野菜類・味噌・乳製品・卵
類・練製品・穀類・茸類・菓子・インスタント食品(ラーメン・ふりかけ)

その他として
セラミック・高分子樹脂・バイオ関係・文化財の保存

などなど、日常生活はじめ生命バックグラウンドとしての役目は非常に大きい
ものです。

◆では、どのようにして凍結乾燥するのでしょう。

1気圧下では水の沸点は100℃です。しかし、気圧を下げると沸点は低くなり
ます。

富士山頂では気圧が約2/3気圧で、ここでは、水は約87℃で沸騰して、それ
以上いくら加熱しても昇温しません。その温度で蒸発を続けていくだけです。

逆に、圧力を上げれば100℃以上のお湯も可能です。(高温水)

私たちが住んでいる一般地域(海抜ゼロ付近で通称 大気圧)の気圧は、
1気圧(1 atm =101325 Pa = 760 mmHg = 760 Torr)です。


これが、613Pa(4.6Torr = 165分の1気圧) の気圧環境では、水は0℃で沸騰
します。

267Pa(2Torr)の環境では、沸点は-10℃です。

しかし、水は-10℃では凍ってしまいます。 このように真空度を高めることで
沸点はどんどん下がります。

沸点が-20℃〜-50℃となるような、極低気圧環境(真空室)下に被乾燥物を
置きます。

真空下では、水は液体では存在できず、固体(氷)又は気体(水蒸気)の形にな
ります。そして、固体物質中の元来の水はこのような極低気圧下では氷にな
り、氷から水蒸気へ変わります。 

例えば0.1mmHgの高真空下(沸点-40℃の真空中)では、1gの氷は気化し
て約10000リットル(10m3)にも膨張します。
(1gの水(氷)は1気圧下、0℃では気化して1.24リットルです)

これを真空ポンプのみで排気しようとすると膨大な装置・動力が必要となりま
すので、発生水蒸気を低温にして氷にしてトラップする装置が真空ポンプの
前段にあります。

この固体が気化する現象を、昇華と呼んでいます。
(ドライアイス、ナフタリン、固形消臭剤などがその典型例です)
厳密には真空凍結乾燥または凍結真空乾燥とも呼ぶべきでしょう。

真空凍結乾燥(フリーズドドライとも呼ばれています)は、水分含浸物質を
−20℃以下に凍らせたまま、高真空下で昇華脱水する技術といえます。

これが氷の状態のまま乾燥されていく理由です。


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♪♪ ちょっと一休み ♪♪
// どこで間違った? //

実話らしいが、ある東大の先生、本の締切に遅れに遅れ、発行予定日をとう
にすぎているのに、ようやく原稿を整理しかけている状態。
なんだかんだと、何カ月も遅れてようやく完成となった。
反省もこめて、彼はあとがきにこう書いた。
「やむを得ぬ事情により出版が遅れたことをお詫び致します」
ところが、できあがった本を手に取った先生、目をむいて驚いた。
さて、本にはなんと書いてあったのだろうか。

答え → やむを得ぬ情事により出版が遅れたことをお詫び致します。
(PHP: 大人のクイズPART1)

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♪♪ 放談 ♪♪
// 働きに見合う対価 //

かっては終身雇用という制度が一般的であったため、こうした「この会社のた
め身を粉にして働きなさい」というのは普通に求められていたのでしょう。
しかし、この業界内ではもともとあまり一般的な制度ではありません。

時代が変わり、この制度自体が風化しつつもあります。そんな状態で「会社
のために働くのは当たり前だ」的な要求はバカなこと言ってんなよって一蹴さ
れて終わりです。

技術屋さんというのは、己の腕に対価をいただいています。
極端な話、会社に養ってもらっているのではなく、安定して仕事を供給してく
れるお客さま(これが自社)と専属契約して、安定した収入を得る形態をとって
いるに過ぎません。

この関係には、どちらが上だとか下だとかいうのはなく、互いに必要とされ続
けるよう努力する必要があるのです。

技術屋さんは己の腕を磨かなければ捨てられてしまいますし、会社側だって
正当な報酬を与えることができなければ見放されてしまいます。

そんなとこへ精神論をぶつけても、「この会社でそこまでやるメリットは?」と思
うのが普通ですよね。そして場合によっては、「よそで頑張った方が早いや」
なんてことになりかねないのです。

それでも精神論が必要なんだって言うのなら、きちんと精神的なケアをして単
なる契約以上の信頼関係を築くこと。そして、会社のためでなく、互いのため
に頑張れる関係を作ることが大事なのです。

「SEのフシギな職場」 きたみりゅうじ 著 より抜粋

≪-----!!!!!  一言コメント  !!!!!-----≫

SEという仕事柄で言えることで、ここまでドライに割り切れるのならプロ野球
選手と同様のシステムとしてもおかしくない。

会社側からすれば、技術が優れていても、あるいはすばらしい技術者でも、
会社に寄与貢献しているかが問題です。

逆に技術者側から問いかければ、会社がその優秀な技術あるいは技術者を
必要としているのかどうかです。

未来は、見極めと判断にかかっています。

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凍結乾燥に関連して思いだしたのが、カナダのお土産で有名な「アイスワイ
ン」ですが、これは凍結乾燥とは関係ありません。

ブドウ内の水分だけを自然環境下で凍らせ、その凍った水分を取り除き、残
りの凍らないエキスだけをしぼり取って発酵させた濃厚ワインです。
アイスワインは"自然の恵みで造る"という意味では凍結乾燥とは正反対で
す。
(通常のワインの1/8程度の濃縮液を発酵時間も8倍程度かけて製造)


◆凍結乾燥装置とはどのようなものか?

大きく、以下の4つの機器から構成されています。

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1.「乾燥タンク」
凍結した食品を収納し、真空下で熱を与える加熱盤を内蔵したタンク。

2.「コールドトラップ」
加熱管で発生した水蒸気を、同じ真空タンク内で氷結除去する。

3.「冷凍機」
コールドトラップを冷却する。

4.「真空ポンプ」
乾燥初期に空気を除去して一定の真空度に到達させるポンプ。

参考までに、詳細は以下のサイトで図解されています。(一例です)

http://www.nihonfd.co.jp/index04-03.htm

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_


◆大量に乾燥品を生産するには不向きです。

初期投資も熱風乾燥機よりも大きいし、真空にする動力が大きいのと、冷凍
機も必要だから所用エネルギーは通常乾燥よりも大きいのが欠点です。
(エネルギーは2倍程度必要)

しかし、これら欠点を十分カバーし、通常の乾燥法では得られない優れた品
質の製品を得られるのが凍結乾燥で、このような画期的技術の他分野への
応用はまだまだ残されていると思います。


┏━━━━━━━━▼▽▼SAVE ENERGY▼▽▼━━━━━━━━┓

ちょっと出典が古いものがありますが、地球環境についてのランキングを掲
載したサイトをご紹介します。

http://www.php.co.jp/fun/the21/list.php?genre=%C3%CF%B5%E5%B4%C4%B6%AD

全般的には関心ごとは共通しているようです。しかし、その関心度合いは自
分も含めて身近な人たちに降りかかってくるものと分かっていても、積極的に
真正面に取組んでいくことができない。

環境改善は企業方針に乗っかって取組み、義務として無難に「やりこなして
いる」感があります。個々人の力を集結すればもっと環境改善が大きく進化
するでしょう。

今後、重要なのは初等教育で環境をしっかりと捉え、重要度をもっと高めて
いくことが必要ではないでしょうか。

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◆ 環境雑学まぐ
発行元 : (有) チオテック
編集長 : 山之内真吾
Web : http://www.hpmix.com/home/tsunesannew/
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
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