2006/07/13
環境雑学まぐ ☆☆☆ 発酵の基本 ☆☆☆
「環境雑学まぐ」は環境関連をはじめ、身近な技術全般の情報を発信しながら、 その技術を掘り下げ、疑問点などを求めていくマガジンです。 それでは本日のテーマです。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 本日のテーマは ☆☆☆ 発酵の基本 ☆☆☆ です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ビール通の方々にとって、ジョッキでビールを豪快に楽しめるシーズンになりました。 ビアガーデン、ビアホールをはじめ、居酒屋、通称「飲み屋」といったところで、 おいしそうにビールを飲みながら談笑されていることでしょう。 上手に注いだ生ビールには、泡とビールの間にもう一層霧状の泡ができて、 この泡がスモーキーバブルスといわれていて、 この細かい泡が常にクリ−ミーな泡を発生し、これが最後までビールのおいしさを持続 させる「うまさの秘密」だそうです。 しかし、このような「泡とビールの間のさらなる泡」が存在するとは知りませんでし た。 ビールを冷やし過ぎると泡立ちが悪くなるうえ、原料の麦の成分が凝固して濁りが発生 し、おいしさが半減します。 逆に生ぬるいと喉越しが悪く泡も立ち過ぎてしまいます。 ビールの大瓶1本は、約250kcalあります。大きめの茶わん1杯の米飯と同程度のカロリー で、そんなにカロリーが高いというものではありません。 しかし、飲みすぎはやはり駄目でしょう。 ◆歴史的にもっと古くから発達してきた発酵工業は、アルコール類を含む各種の食品を 製造する分野においてです。 ビールの歴史は古く、 「液体のパン」とも呼ばれるビールの歴史は、紀元前4000年以上前から飲まれていまし た。 メソポタミアで人類が農耕生活をはじめた頃、ある時放置してあった麦の粥に酵母が入 り込み、自然に発酵したのが起源とされています。 ◆中世のヨーロッパでは、「ビールは液体のパン」「パンはキリストの肉」という考え 方から、キリスト教の修道士の間でさかんにつくられていました。 1500年代初頭に、ドイツの南、バイエルン地方の君主ウイルヘルム4世は、当時のビール の品質の粗悪さを憂え、「ビール純粋令」を施行し、「ビールは大麦とホップ、そして 水以外のものを用いて醸造してはならない」というもので、 これによって、その後のドイツビールの品質良さの名声は高まることとなりました。 また、フランスのパスツールの低温加熱殺菌法により長期保存が可能になり、市場が拡 大し、一方、デンマークのハンゼンによる酵母の純粋培養法により、優秀な酵母だけを 分離できるようになり、ピュアですっきりしたビールが誕生しています。 日本へは、鎖国時代、西欧文化の唯一の窓口だったオランダから最初にビールがもたら され、杉田玄白をはじめとする蘭学者たちが、ビールの試飲や試作をしたといわれてい ます。 ◆歴史的に古くから発達してきた発酵工業は、アルコール類を含む各種の食品を製造す る分野においてですが、 日本におけるみそとしょうゆの歴史も2,000年以上も昔から始まっています。 ビールでいえば、まず大麦を発芽させて麦芽をつくり、ついで大麦のデンプンを麦芽の 酵素で分解・糖化して ブドウ糖とします。 1.さらにそう快な苦みと芳香の付与 2.清澄や泡持ちの向上 3.防腐効果などの働きがあるホップを加える 4.酵母を用いてアルコール発酵を生じさる 酵母の体内に摂取されたブドウ糖は、まず最初にグルコース−6−リン酸となり、 ついでフラクトース−6−リン酸に変わり、さらにこれが別な成分に変わりという具合 に次々に変換されてアセトアルデヒドができ、これが還元されてエチルアルコールが最 終生産物として酵母の体内に蓄積されます。 ◆この蓄積量が多くなると酵母の生理作用に害を及ぼすようになりますので、 酵母は余分なアルコールを体外へ放出しますが、 これがアルコール発酵の原理です。 ブドウ糖からの成分変化はすべて酵母がもっている酵素によって行われ、 そのときの反応により生じるエネルギーは酵母の生命維持に利用されます。 酵母の立場からいえば、アルコールは生きるためのエネルギーを得る結果として生じた 排泄物 ということになるのです。 数百気圧もの高圧がかかる深海底、 温泉の熱湯、 舌がまひするほど苦く塩からい西アジアの死海、 地上から高さ10kmもの高い上空、 100℃近くの高温中 酸素のない雰囲気 人間では不可能といえる苛酷な環境の中にも微生物がいます。 そして、この生命力の強い不思議な生きものである微生物の中の一群による目にはみえ ない活動と活躍 → ―――― これが 「発酵」 です。 これを利用して、人類はさまざまなものをつくりだし、生活に役立ててきましたが、 さらなる研究は続いています。 ////////////////////////////////////////////////////////////////// ♪♪ ちょっと一休み ♪♪ // 比表面積の不思議 // 粒子の体積と表面積の比、つまり単位体積当たりの表面積のことを比表面積 といいます。(ここでいうものは活性炭に適用されるm2/gの比表面積とは別です) 簡単のために、いま辺の長さが1cmの立方体の粒子 を考えてみます。 この粒子の比表面積は、6cm2/cm3です。 これが辺の長さ1mmの立方体の粒子となると、比表面積は6mm2/mm3、 つまり単位体積1cm3に換算して60cm2/cm3で、 最初の粒子に比べて10倍になります。 同様に辺の長さが1μmのものでは、比表面積は6m2/cm3で1万倍、 最近の流行となっているナノの世界の 1nm ともなると、 6,000m2/cm3でなんと1,000万倍になります。 このように、比表面積は個々の粒子が小さくなればなるほど大きくなるのです。 この比表面積が大きくなることで得られるメリットは 分散効果が増大、吸着量が増大、 触媒効果が増大、反応速度増大、融点低下、 溶解速度が速くなる、その他の機能が生まれてきます。 比表面積の定義だけの問題で、不思議ではなくて当然このようになるものです。 ////////////////////////////////////////////////////////////////// ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ♪♪ 放談 ♪♪ // 数学の役目 // 社会や自然界で、あるいは抽象的に頭脳のなかで、解明したいあるいは分析したい問題 があったとき、以下の過程で問題が明確化し、解決されていくであろう。 その過程とは 1.問題の見出し 2.その問題の本質的に必要な部分を抽象化し、(扱いが可能な)条件として書き上げ 3.その条件を解析して、使いやすい形(定理や公式の形)にし 4.それを実際の問題に応用・適用する 数学とは狭い意味では3.の部分を指します。 (クラウスの『記号論理学』では、この部分を「数学」と規定していました) しかし、私は広い意味の数学として、1.〜4.の全体を考えるべきだと主張してきまし た。 (「考える力をつける数学の本」 岡部恒治 著 より引用) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇世界一硬い食べ物と言われる鰹節も、発酵効果です。あの石のような硬さも微生物の 働きによってできたものです。 スモークして乾燥させるだけでは何回やっても表面しか乾かない。 内部の水分までは取り除くことができない。これでは削っているうちに表面からボロボ ロ崩れてしまいます。 ◇ここに登場するのが麹菌、すなわちカビです。燻して表面が乾いたところで、鰹節を カビ桶に入れますと鰹節の表面にカビが発生して、この時にカビはかなりの水分を必要 とします。だから鰹節の内部に残っていた水分を吸い上げる。 これを何回か繰り返せば、内部の水分は完全に取り除かれ、硬く乾燥することになりま す。硬さは、カビによる発酵効果です。 この手法は江戸時代の初期で、生きる知恵という意味では江戸時代の人々は非常に見識 があったといえます。 ◇日本には、発酵を利用した世にも不思議な食べ物があります。金沢市やその周辺で作 られてる「フグの卵巣の糠漬け」です。 有毒な原料を用いる点で極めて特異であり、その有毒物質を微生物によって無毒化し食 品にしてしまうという代物です。 トラフグの卵巣一つでその毒は、約30人近くの致死量を有しています。 それらの卵巣を集めて、塩水に漬けます。そうするとフグの卵巣の中に塩が入っていっ て代わりに水が出てくる。 それとともにフグの毒、すなわちテトロドトキシンが3割ぐらい除去されます。 約1年経過して真水の中に入れると、今度は塩が出て来て水が入りこむ。それを糠味噌に 漬けて3年置いておくと、糠味噌には1グラム中に10億から15億匹の乳酸菌がいて、これ が中に入っていってテトロドトキシンを分解してしまうのです。 人間にとっては猛毒ですが、微生物にとっては食べ物にすぎない。 日本人の、無駄をひとつでも出さないという執念と、フグの卵巣という「のけ者・邪魔 者・危険物」を高級品に変えてやろう、何でも食ってしまおう、という飽くなき追求が 作り出した名作です。 命がけのトライアンドエラーの繰返しの中からできあがった手法といえます。 ◇生活の中で知恵を絞る、新しい発想をするという点は江戸時代の日本人は優れていま した。 現代はどうでしょうか? モノが豊富にあり、自由に簡単に手に入る今時はなかなかこのような発想には行き着か ないでしょう。 ◇越中(富山県)五箇山地方では、江戸初期頃から、発酵によって塩硝(硝酸カリウ ム)、すなわち爆薬を作っていたという記録があります。 当時の農家には囲炉裏があり、この床下2間(約3.6m)四方にすり鉢状の大きな穴を2つ 掘り、そこにひえ、たわら、枯草等を敷き詰めて、肥沃な土と一緒に鶏や蚕の糞を入れます。 それらを交互に積み重ねた後、一番上から貯えておいた人間の小便を大量にかけ、土を かぶせて発酵させるのです。 5〜6年後には塩硝土というものができ、ひのき製の桶に移し、上から水をまんべんなく 振りかけ、一昼夜かけて出てきた ろ過水を釜で煮詰め、草木灰を加えて ろ過してま た煮詰め、木綿でこしとり、自然乾燥させますと灰汁煮塩硝(あくにえんしょう)とい うものができます。 この精製を繰り返し、できた塩硝を爆薬として納めていたのです。 すなわちその生成メカニズムは、蚕糞や鶏糞、人尿に含まれている尿素(CO(NH2)2) が土壌中の微生物の作用を受けて脱炭酸されてアンモニア(NH3)となり、これが酸化さ れて、まず一酸化窒素(NO)となります。 さらにこれが酸化されて過酸化窒素(NO3)となり、これに水素がついて硝酸(HNO3)に なるという論理です。 一方、植物や草木灰には多量のカリウム(K)が含まれていますから、これが発酵によっ て組織から離れると、硝酸と結合し硝酸カリウム(KNO3)ができるという、実に綿密に 計算された高度な化学です。 ┏━━━━━━━━━▼▽▼SAVE ENERGY▼▽▼━━━━━━━━━┓ ■経済産業省・資源エネルギー庁は小売り事業者が家電製品の省エネルギー性能を表示 する制度「省エネラベリング」の具体的な評価基準を策定した。 エアコン、冷蔵庫、テレビについて、市場で出回っている機種を相対的に評価して、省 エネ目標達成率が何%ならば星印をいくつ与えるかを決めた。 各社が高い水準の省エネ性を競っている液晶・プラズマテレビの場合、最高ランクの星5 個を表示するには同達成率127%以上が必要になる。 同制度は06年秋に実施される。 ■販売店に並ぶ家電製品の省エネ性能を星印の数で表示し、消費者の選択の際に目安に してもらう。業界トップレベルの省エネ性能を目標年度までに達成するよう促す「トッ プランナー方式」の省エネ基準達成率をもとに、市場に出回っている機種を相対評価し て5段階で分類することが決まっていた。 今回、同制度実施に向けて品目ごとの具体的な5段階評価基準を策定した。 ■ほとんどの機種が現行トップランナー基準を達成しているテレビでは、省エネ基準達 成率が100%を超えていても星が2個しかつかない場合がある。 ■一方で、冷房能力4.0キロワット以下のエアコンや電気冷蔵庫は、2010年を目標年度と する新たなトップランナー基準が2006年に策定されたばかりであり、省エネ基準達成率 が100%以上の機種には星5個が与えられる。 2006年4月施行の改正省エネ法では、家電の小売り事業者に対し、消費者に省エネ情報を 提供する努力義務が定められた。これを受けて資源エネルギー庁は省エネラベリング制 度実施の準備を進めている。 資料:7/5 日刊工業新聞 ---------------------------------------------------------------------- ◆ 環境雑学まぐ 発行元 : (有) チオテック 編集長 : 山之内真吾 Web : http://www.hpmix.com/home/tsunesannew/ 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 配信登録・中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000171052.html ■ 当メールマガジンの転送はご自由です。是非、ご友人やお知り合いの方に お薦めください。 ----------------------------------------------------------------------



