2007/02/02
京絞り情報マガジン 『六華だより』第30号
=======================================================■■■ 京絞り情報マガジン 六華だより ■■■====================================================== 『京絞り情報サイト六華庵』発行 URL:http://www.kyoshibori.com ----------------------------第30号 2007.2.2「六華だより」--------- ■目次■ ☆はじめに ☆江戸時代の絞り「鹿の子絞りの台頭」 ☆お知らせ ------------------------------------..。o ○ oo 。。..------------- ■■■ はじめに ■■■ 今年の冬は「暖冬」の一言につきますね。 去年まで使っていた手袋が悪くなったので、新しいものを買おう、買おうと 思いつつ、とうとう年が明けてしまいました。 そしてつい最近、バーゲンになっていたカシミアの手袋を買ったのですが、 それもまだ使わずじまい。 このまま値札もとらないで、来年の冬に持ち越してしまうのでは ないかと思っているこの頃です。 -------------------------------------..。o ○ oo 。。.------ 今回は、新たな展開をみせた江戸時代の絞りです。 ■■■ 絞りの歴史4 = 江戸時代の絞り「鹿の子絞りの台頭」= ■■■ 江戸時代は、絞りの転換期でもありました。 それまでの辻が花染めのように、帽子絞りや縫い締め絞りで模様を表現する ことが少なくなりました。 江戸時代初期には、地を赤・白・黒に染め分けるのに絞りを用いたり、模様に 鹿の子絞りが目立つようになりました。 江戸時代の着物の様式を示す「慶長小袖」は、黒・紅・白などの複雑な形状の 染め分けや摺箔、刺しゅう、鹿の子絞りを用いて模様を作り出し、独特な雰囲気を 醸し出していました。 この豪華な慶長小袖「地なし縫薄の小袖」とも呼ばれ、京都の遊女達の間でも 着用されていました。しかし、1688年頃の遊里に関する百科的書物 『色道大鏡』(※1)によると、遊里が京都六条三筋町にあった江戸初期の頃は 太夫がよく着ていたが、1641年島原へ移ってからは時代遅れになったと書かれて います。むしろ、遊女たちのステータスシンボルとなったのは、鹿の子絞りの 小袖でした。 遊女には、階級がありました。島原では、最高級の遊女である太夫が「ひつたの (疋田)鹿の子」、太夫に次ぐ天職は「鹿の子の織紋、地紋、あるいは腰明(こし あき)鹿の子」、次の囲女郎は「所明(ところあき)の鹿の子」と、それぞれの 階級に応じた鹿の子絞りの小袖を着用していました。 「ひつたの鹿の子」は、いわゆる総鹿の子。細かな疋田絞りで小袖一面が埋め尽く されていました。「鹿の子の織紋、地紋、あるいは腰明鹿の子」は亀甲つなぎや 麻の葉つなぎなど織物によくある模様を鹿の子で絞ったり、鹿の子絞りを肩裾模様に したものです。「所明の鹿の子」は鹿の子絞りを散らしたものを指します。 遊女の位と鹿の子絞りの豪華さが比例していたなんて興味深いですね。 さて、もちろん遊女ばかりでなく、贅沢な小袖は広く女性の間で好まれました。 町の女性達ばかりか、江戸城の本丸女中、将軍夫人、宮中でももてはやされました。 かつて、室町時代には、目結(※2)や鹿の子の小袖は、下々の着衣であり、上級の 武家が表だって着用するべきではないとされていましたが、江戸時代に至ってその 価値観が大きく変わり、鹿の子絞りは贅沢品の代名詞ともなったのです。 参考「美しいキモノ 2004年春」 ---------- 【語句の説明】 ※1『色道大鏡(しきどうおおかがみ)』 遊里に関する百科的書物。18巻(もと16巻)。藤本箕山(きざん)著。 1688 年頃成立。遊里年中行事・郭(くるわ)言葉・遊女のたしなみ・遊客の心得・ 諸国遊里案内・遊女名録など、色道(しきどう)全般にわたる解説を記す。 大辞林より ※2 目結(めゆい) 「回」のような目の形をいくつも散らし、または並べて染めた絞り染め 広辞苑より -------------------------------------..。o ○ oo 。。.------ +++ お知らせ +++ ●浅草・雷門通りにある「ギャラリーワンテン」で、『京絞りとアート展』 を開催しています。 京都の伝統工芸士の方から直接仕入れた京絞りのスカーフ、 六華庵オリジナルのティッシュケース、巾着袋など各種小物を揃えています。 美術品は、六華庵でメインに扱っているパトリック・ジャナン・オムス (フランス)の銅版画、ナターレ・アダミアーノ(イタリア)の原画、 浮世絵などを展示しています。 1月26日(金)〜2月5日(月)開催です。ご興味のある方は、是非おいで下さい ませ。 詳しい場所・時間などは、こちらです。 →http://www.rokka-an.com/exhibition.html ご意見、ご感想大歓迎です!どしどしお寄せ下さいませ。 ⇒ info@cycro.com(24時間受付) 次回の発行は、2月16日(金)の発行になります。 ..。o ○ oo 。。..-----------------.。o ○ oo 。。.--------- ◆発行者 有限会社六華庵 info@cycro.com(24時間受付) 当メルマガの著作権は、「有限会社六華庵」に帰属し、無断転載は禁止です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000171019.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Copyright 2007 Rokkaan All rights reserved --------------------------------------------------------------------------------


