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科学の楽しさはふとした疑問から。発行・編集の責任者は、藤田です。科学翻訳者・科学ジャーナリストです。他にも多くのライターが、それぞれの持ち味で執筆します。このメルマガは、「科学をもっとおもしろくする委員会」の提供でお送りします。

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2009/10/07

【科学】日÷月≒400

─────────────────────────2009──

【科学をちょいびき!】
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今年の大きな天文イベントといえば、7月に日本の一部で観測された皆既日食。当日は曇り
のところが多かったですが、みなさんは見ることができましたでしょうか。今回は、日食
にまつわる“不思議な数字”について、谷さんが紹介します。

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【日÷月≒400】
              本号執筆: 谷 浩路
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2009年は“閏月”もあり、今年の十五夜(旧暦の8月15日)は10月3日でした。満月は地球
を挟んで、太陽と月が正反対に位置するとき起きる現象です。つまり、月が地球を一周す
る際に必ず一度、起きます。

しかし、太陽基準であるいまの暦では毎年同じ日に満月になることはなく、秋の十五夜の
月は毎年9月中頃から10月頭の間を行ったり来たりします。ちなみに去年は9月14日、来
年は9月22日です。

地球から見た、太陽と月が織りなす代表的なイベントには彼らによる日食(とくに皆既日
食や金環食などの中心食)と月食があります。以下はNASAの日食や月食に関するサイト
です。見てみましょう。

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NASA ECLIPSE WEBSITEです。
http://eclipse.gsfc.nasa.gov/eclipse.html
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今年2009年7月22日の皆既日食フィーバーは記憶に新しいですが、月が太陽を覆いきれ
ず、はみ出した太陽が光の輪となって出現する金環日食を2012年5月21日に日本で見るこ
とができます。

金環と皆既の二つを楽しむことが許されているのが私たちを含む現・地球の生物です。な
ぜ、両方を楽しめるのかというと……。

太陽と地球の距離は平均でおよそ149,600,000km(平均というのは公転の軌道が完全な
円ではないため)。いっぽう、現在の月と地球の距離の平均は概ね384,400kmです。

月と太陽の直径についても比較してみましょう。月の平均直径は、およそ3,474km、太陽
の直径は約1,392,000kmです(それぞれ完全な球ではない)。

ここでピンと来た方は鋭いかもしれません。

「地球からの距離」も「直径」も「太陽÷月」は概ね400になっているではありませんか。
400倍大きなものが400倍離れた場所に存在している。これにより地球からは、太陽が月
と同じくらいにミエルワケです。

そこで、地球からの距離について最大・最小の組み合わせで計算してみましょう。

月が地球から……
・最も遠くなったときの距離が、ざっと405,000(±2,000)km、
・最も近くなったときの距離が、大体、362,000(±4,000)km、
結構な楕円軌道です。

地球が太陽から……
・最も遠くなったときの距離が、約152100000km、
・最も近くなったときの距離が、約147100000km、
なかなかの円軌道ですね。

したがって、距離の最大・最小の組み合わせから、仮に月が最も近づき、太陽が最も離れ
たとき、太陽は、
152,100,000km/{362,000(±4,000)}km≒415〜425倍ほど
遠い場所から輝いていることになります。

逆に月が最も遠のき、太陽が最も近づいたときに太陽は、
147,100,000km/{405,000(±2,000)}≒361〜365倍ほど
離れた場所から光っていることになります。

いっぽう、太陽と月の本来の大きさの違いは変わらない(1392000km/3474km≒400倍程度)
ため、太陽と月が地球から同じ方向にある日食時において、太陽と月の地球からのそれぞれ
の距離によっては、「月が同じ方向にいる太陽を隠す場合」や「同じ方向にいる太陽が月か
ら、はみ出す場合」がでてきます。

ということで、現・地球にいる私たち生物は皆既日食と金環日食を堪能することができま
す。

さらに稀な出来事になりますが月と太陽の見かけが、ほぼ一致する日食にもお目にかかれ
ます。

このとき、地球は球なので皆既が観察できる地域と金環が観察できる地域が、同じ日食の
タイミングで出現することになります。

この日食は金環皆既日食(hybrid eclipse)と呼ばれますが、移動手段を駆使すればあなた
自身が(同じ日食で両方の日食を)楽しめるかもしれません。大型の鳥のような翼をもった
き物とおかしな文明を進行させているヒトは、一度の金環皆既日食で同一個体におい
て、皆既と金環を楽しむことができるのです。ちなみに次回のハイブリッドは2013年11
月3日です。

結局、皆既と金環が観察できるのは月の地球の回り方に拠るともいえそうです。この月と
地球の微妙な位置関係については他にもオモシロ話があったりしますが、またの機会に。

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<科学をもっとおもしろくする委員会>より

天体が楕円軌道でまわっていることで、皆既日食も金環日食も見ることができるわけです
ね。2013年は、ハイブリッドの話で盛り上がるかもしれません。
ちなみに、手を月夜に向けてかざしてみると、親指の爪の大きさと、満月の大きさがほぼ
一致します。映画『アポロ13』で、トム・ハンクスがやっていましたね。
次回の「ちょいびき!」もお楽しみに。
(う)
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                   (発行ID:0000169799)
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 発行人:科学をもっとおもしろくする委員会
                            choibiki@googlegroups.com
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