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2009/07/13

【城郭ニュース 第188号】2009/07/13(Mon)

=じ=ょ=う=か=く=に=ゅ=ー=す====================

【城郭ニュース 第188号】                  2009/07/13(Mon)

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 今秋もネタは少ないのですが、久しぶりに本の紹介を含めてお届けします。

 関東地方はまだ梅雨明けとはなっていませんが、夏が来ると毎年恒例の「全国城郭
研究者セミナー」が開催されます。今年は東京で、8月1日(土)と2日(日)に渋谷の
國學院大學が会場となっています。詳細については、下記の記事をご覧下さい。報告
内容も大変に興味があるものですが、毎年楽しみにしているのが併設される書籍交換
会という名の書籍販売です。普段目にする機会がなかったり、ここでしか手に入らな
いものも多く、これだけでも十分に価値のあるものです。


◆今週の目次◆
(1)長沼城(栃木県真岡市):鎌倉時代のかわらけが出土し、築城時期を裏付け
(2)高松城(香川県高松市):閉校した城内中学校跡地より中堀の石垣が出土
(3)黒井城(兵庫県丹波市):イノシシの被害により落城の危機
(4)本の紹介:知識ゼロからの日本の城入門
(5)ご案内:第26回全国城郭研究者セミナー


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(1)長沼城(栃木県真岡市):鎌倉時代のかわらけが出土し、築城時期を裏付け
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 中世城郭とされる長沼城の発掘調査を行っている栃木県埋蔵文化財センターは、鎌
倉時代の素焼きの土器であるかわらけを見つけた。今回の調査は県道整備にともなう
もので、古代のものも含めて溝や堀跡が57本、井戸42基、宴会用の使い捨て食器のか
わらけ約20枚などが確認された。かわらけは直径数十センチで井戸底から無造作に捨
てられた状態で出土し、形状や大きさの構成から鎌倉時代のものと推定された。

 鎌倉時代の事蹟を記した歴史書として知られる「吾妻鏡」などによると、建久3年
(1192)の鎌倉幕府成立後まもなく、現在の小山市周辺に勢力を有した小山氏より分家
して長沼に城を構えたという。鎌倉幕府への貢献もあり、中世には小山氏、結城氏や
宇都宮氏などと並んで「関東八矢形」と呼ばれて有力武士の一角をなしていた。

 今回のかわらけの出土はこうした記述を裏付ける結果となり、長沼城の築城時期が
明確となったといえる。一方、これまで土地の形状や高低差などから堀の形状が推測
されてきたが、この推測どおりに堀が出土した。堀は最大の部分で幅約12m×深さ約
2.5mで、直線ではなく横矢が多くかけられていた。この長沼城発掘調査の結果は、8
月22日(土)13時半より下野市の栃木県しもつけ風土記の丘資料館で一般向けに説明さ
れる。

▼長沼城については、下記サイトを参考にしてください。
 http://marie.saiin.net/~tochigi-castle/naganuma.htm
 http://www4.zero.ad.jp/s-delta/tochigi/haga/ninomiya-naganuma.htm

▼しもつけ風土記の丘資料館については、下記公式サイトをご覧下さい。
 http://www.shimotsuke-f.jp/


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(2)高松城(香川県高松市):閉校した城内中学校跡地より中堀の石垣が出土
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 昨年度末に閉校した城内中学校跡地で下水道工事にともなう発掘調査を行っている
高松市文化財課は、中堀のものとみられる石垣が出土したと発表した。

 出土した石垣は東西10m以上×南北3m以上のL字形で、最上段の石材を含めて三
段、 1.5m以上積み上げられていた。江戸時代の絵図との照合結果や石材表面の仕上
げ加工の状況などから、初代高松藩主松平頼重が開削した東側中堀の南西端に当たる
とみられる。

 高松市では今回出土した石垣を現状保存する方針で、調査終了後にいったん埋め戻
す予定である。

▼高松城については、下記サイトを参考にして下さい。
 http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kaihatu/kouen/ryokuchi/tamamo_park.html
 http://www.ac.auone-net.jp/~minoyan/kagawa-1.html
 http://www.geocities.co.jp/yogo139/sikoku/takamatu.htm


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(3)黒井城(兵庫県丹波市):イノシシの被害により落城の危機
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 戦国時代の代表的な山城として知られる黒井城だが、近年イノシシの被害が甚大と
なり落城の危機に瀕している。5年ほど前から夜間に出没するイノシシが餌のミミズ
などを探すためか、城内の至る所を掘り返し始めた。最近では石垣の基礎部分にまで
及び、景観が損なわれる上に、石垣崩壊の危険まで出てきた。

 黒井城を管理する丹波市教育委員会では、イノシシから守るために金網をめぐらし
て侵入を防ぐ策を講じた。高さ約 1.8mの金網状の「獣害防護柵」を山の斜面に設置
して、本丸、二の丸および三の丸の周囲を囲んだ。総延長は、400mに達した。

 黒井城は標高 356mの山頂部分を中心に築城された典型的な中世山城で、丹波の赤
鬼の異名を取った荻野(赤井)直正の居城として知られる。直正の子直義の天正7年
(1579)に、織田方の明智光秀軍に攻められ、激戦の末に落城している。山頂部分には
石垣がよく残り、平成元年(1989)には国の史跡に指定されている。また麓にある興禅
寺は野面積の石垣がよく残る城郭を彷彿とされる構えで、春日局の生誕地とも言われ
ている。

▼黒井城については、下記サイトを参考にして下さい。
 http://www.geocities.co.jp/yogo139/hyogo/kuroi.htm
 http://www.eonet.ne.jp/~yorisan/newpage59.htm
 http://www.asahi-net.or.jp/~qb2t-nkns/kuroi.htm


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(4)本の紹介:知識ゼロからの日本の城入門
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 幻冬舎ではこのほど「芽がでるシリーズ」として「知識ゼロからの○○○」という
初心者向けのシリーズを出した。戦国武将、幕末維新、大江戸、ローマ帝国などと並
んで、日本の城も取り上げられた。著者は戦国史の研究者として名高い小和田哲男氏
だが、必ずしも城郭の専門家ではないが、かえって初心者向けには良いのかも知れな
い。内容は文字どおりで初心者向けの内容であるために、ある程度城のことを知って
いる人には物足りない内容かと思われる。またご多分に漏れずに近世城郭中心で、出
来れば中世山城を取り上げて欲しかった。

 書 名:知識ゼロからの日本の城入門
 著 者:小和田哲男
 出版社:幻冬舎
 価 格:1,365円(税込)
 ISBN :978-4-344-90159-9
 内 容:第1章 厳選22城。日本の美を見る
         姫路城を歩く、五稜郭、弘前城、会津若松城、江戸城、金沢城、
         丸岡城、松本城、犬山城、名護屋城、彦根城、二条城、大坂城、
         松江城、岡山城、備中松山城、丸亀城、宇和島城、伊予松山城、
         高知城、熊本城、首里城、日本全国おすすめ城マップ
     第2章 天守から城下町まで。見る、歩く
     第3章 歴史が動いた。城と戦略のぶつかり合い
     第4章 難攻不落の城こそ、有力武将の力の源泉
     第5章 天守にはお殿様が住んでいた?


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(5)ご案内:第26回全国城郭研究者セミナー
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 今年のシンポジウムのテーマは「大名系城郭を問う」で、近年「杉山城問題」を契
機として盛んに問題とされている大名系城郭論を地域の視点から取り上げ、改めてそ
の問題提起の意味や今日における課題などを洗い出そうというものです。

 参加を希望される方は今週17日(金)までに、下記宛てに葉書でお申し込み下さい。
 参加費は、講演資料を含めて3千円です。

  松岡進さん(中世城郭研究会) 〒168-0082 東京都杉並区久我山4-47-23

 詳細については、下記をご覧下さい。

 http://www.komazawa-u.ac.jp/~kazov/chujoken/semi2009/


8月1日(土) 各地からの報告
   9:00~10:00 受付
  10:00~10:15 開会・日程説明
  10:15~11:15 報告1.宮城県-迫川上流の城館について-姫松館を中心にして-
  11:25~12:25 報告2.鮫ヶ尾城跡とその時代
  13:25~14:25 報告3.戦国期城館の終焉から見た織田・豊臣の城郭政策
  14:35~15:35 報告4.長篠城跡の発掘調査について
  15:45~16:45 報告5.備前・備中境目地域の城館の大名間抗争
            -岡山市下足守の城郭遺構をめぐって-

8月2日(日) シンポジウム「大名系城郭を問う」
   9:00~ 9:05 開会・事務連絡
   9:20~ 9:15 問題提起
   9:20~10:20 報告1.縄張り技術の分布と大名系城郭
  10:25~11:25 報告2.南奥羽における城郭の変遷
  11:30~12:30 報告3.縄張の変化と戦国大名の軍事力
  13:30~16:00 シンポジウム


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