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2008/01/30

【お城ファン倶楽部 No.128】日本100名城

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【お城ファン倶楽部 No.128】日本100名城
                              2008/01/30(Wed)
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 今回より新しいシリーズとして、「日本100名城」をお送りしたいと思います。
財団法人日本城郭協会は、全国各地の城郭を探訪する際の手がかりになるものとして
平成18年2月13日に「日本100名城」を発表した。日本城郭協会が財団となってか
ら40周年を迎えた記念事業として、文部科学省・文化庁の後援を得て企画されたもの
で、城郭愛好家からの推薦を経て、専門家による選定会議で決まったものである。

 これまでもこうした類のものが選出されたり、本も数多く出されている。しかし、
ほとんどが近世城郭を対象としたもので、一般的な「城=天守」から抜け切れていな
く、どれを見ても同じようなものであった。この「日本100名城」が評価できるの
は、そうしたこれまでの名城選とは異なり、幅広い見地から選んでいることである。
その結果、弥生時代の吉野ヶ里遺跡は別にしても、古代の大野城や鬼ノ城から、近世
城郭まで通常の名城選では取り上げられることのなかった城が選ばれている点は、城
郭ファンとしては大変に喜ばしいことである。これを契機に、城に対する考え方や見
方が変わって欲しいものである。


◆「日本100名城」選定の基準

 昨年財団創立40周年を迎えた財団法人日本城郭協会は、その記念事業として「日本
100名城」の選定を行った。選定にあたっては以下の3つの基準を設け、それらを
総合的に勘案して決定した。

 選定基準1:優れた文化財・史跡であること
 城地の選定、縄張(設計)、普請(土木工事)と作事(建築工事)が揃って、初めて名城
 といえる。これらの要素がよく保存されていることが必要で、その指標として各種
 の史跡などに指定されていることが考慮された。

 選定基準2:著名な歴史の舞台であること
 名将の本拠となった城郭や歴史的事件の舞台となった城郭で、現在もその面影を偲
 ぶことが出来るところである。

 選定基準3:時代・地域の代表であること
 城は弥生時代に誕生し、古代・中世そして織豊から近世へと大きく変化し、日本独
 自の形態へと進んでいく。これらの各時代を代表するとともに、北海道のチャシや
 沖縄のグスクなど地域による独自の城郭文化を有しているものも重要である。


◆選定方法

 平成17年(2005)8月から3ヶ月間、日本城郭協会のホームページや機関誌で「日本
100名城」の推薦要項を発表し、各都道府県から1城以上、5城以内として地域的
に偏らないように一般の城郭ファンから推薦を受けた。その結果、478城がリスト
アップされた。

 選定にあたっては城郭に関する各分野の専門家6名からなる選定会議を設置し、そ
こで最終決定を行った。その選定委員は、下記のとおりである。

 選定委員長  新谷 洋二(東京大学名誉教授、土木工学)
 選定委員   平井  聖(昭和女子大学学長、建築史)
   〃     村井 益男(元日本大学教授、近世史)
   〃     小和田哲男(静岡大学教授、戦国時代史)
   〃     黒田日出男(立正大学教授、中世史)
   〃     千田 嘉博(奈良大学助教授、考古学)


◆選定経過

 一般から推薦された478城を6つの地域(北海道・東北、関東・甲信越、北陸・
東海、近畿、中国・四国、九州・沖縄)と各都道府県別に得票順に整理し、これを基
礎資料とした。この資料を基に選定委員会が平成17年12月に開催され、熱心な議論の
末に100城が決定された。

 審議にあたっては以下の3つに大きく分類し、その順に検討が行われた。
  A.60人以上の推薦があった城と各県1位の計76城
  B.50人以上の推薦があった15城
  C.推薦は少ないが城郭発達史や地域的特色から欠かせない城

 Aの76城のうち、五稜郭、弘前、松本、彦根、姫路、名護屋や首里など53城は
特に異論もなく決定された。これに加えて、足利氏館は中世居館の代表として、佐倉
が馬出の復元と城跡保存状況から、そして篠山と赤穂が史料に基づく復元から評価さ
れ、選定された。一方、久保田、二本松、高崎、富山、郡上八幡、大垣、大和郡山、
岩国、小倉、中津と鹿児島は復元整備などにやや問題があるとして保留となり、Bで
再検討することとなった。

 Bの15城と保留の11城の合わせて26城について、次に検討が行われた。その
結果、久保田、高岡、岩村、駿府、岡崎、高取は復元や遺構保存が、二本松、平戸と
鹿児島は歴史的背景が、岩国は復元天守に問題があるものの総構が、それぞれ評価さ
れた。これにより、AとBを合わせた67城が決定された。

 Cについて検討の結果、東日本ではアイヌの根室半島チャシ群、中世南部の根城、
古代城柵の多賀、近年復元の白河小峰、小田原北条氏ゆかりの金山、鉢形、八王子、
山中、長篠の戦いの長篠に加えて、箕輪、武田氏館、松代、小諸、高遠、春日山、七
尾、一乗谷と松阪が決定した。

 西日本では城郭寺院も検討されたが、城としての防御遺構が少ないとの理由で見送
りとなった。原始・古代から吉野ヶ里、大野、鬼ノ城が、中世・戦国から小谷、観音
寺、千早、但馬竹田、月山冨田、吉田郡山、湯築、近世の明石、人吉、大分府内に加
えて、沖縄の今帰仁と中城が選定され、これで100名城が決定された。


◆関係のサイトと書籍

 日本城郭協会ではプレスリリースするとともに、認定証を各城郭管理者に届けた。
この結果、ご存じのようにマスコミにも大きく取り上げられることとなった。また、
昨年6月からは「日本100名城」にスタンプを設置して、スタンプラリーも開始さ
れた。

▼「日本100名城」の詳細については、下記の日本城郭協会の公式サイトをご覧下
 さい。
 http://www7a.biglobe.ne.jp/~nihonjokaku/100meijo.html

▼公式ガイドブックも、発行されています。
 スタンプラリーに使用するスタンプ帳が綴じ込まれた公式ガイドブックも、歴史群
 像シリーズの1冊として昨年7月に発売されました。
 「日本100名城公式ガイドブック(スタンプ帳つき)」(日本城郭協会監修)
  発行:学研、定価:1,575円
 http://shop.gakken.co.jp/shop/order/k_ok/bookdisp.asp?code=1116232
 http://item.rakuten.co.jp/book/4389442/
 http://books.yahoo.co.jp/book_detail/07185068/minnadetail?myshopid=latest


◆「日本100名城」のリスト

 1)北海道・東北
  北海道 根室半島チャシ跡群、五稜郭、松前城
  青 森 弘前城、根城
  岩 手 盛岡城
  宮 城 多賀城、仙台城
  秋 田 久保田城
  山 形 山形城
  福 島 二本松城、会津若松城、白河小峰城

 2)関東・甲信越
  茨 城 水戸城
  栃 木 足利氏館(鑁阿寺)
  群 馬 箕輪城、金山城
  埼 玉 鉢形城、川越城
  千 葉 佐倉城
  東 京 江戸城、八王子城
  神奈川 小田原城
  山 梨 武田氏館(武田神社)、甲府城
  長 野 松代城、上田城、小諸城、松本城、高遠城
  新 潟 新発田城、春日山城

 3)北陸・東海
  富 山 高岡城
  石 川 七尾城、金沢城
  福 井 丸岡城、一乗谷城
  岐 阜 岩村城、岐阜城
  静 岡 山中城、駿府城、掛川城
  愛 知 犬山城、名古屋城、岡崎城、長篠城
  三 重 伊賀上野城、松阪城

 4)近畿
  滋 賀 小谷城、彦根城、安土城、観音寺城
  京 都 二条城
  大 阪 大阪城、千早城
  兵 庫 竹田城、篠山城、明石城、姫路城、赤穂城
  奈 良 高取城
  和歌山 和歌山城

 5)中国・四国
  鳥 取 鳥取城
  島 根 松江城、月山富田城、津和野城
  岡 山 津山城、備中松山城、鬼ノ城、岡山城
  広 島 福山城、郡山城、広島城
  山 口 岩国城、萩城
  徳 島 徳島城
  香 川 高松城、丸亀城
  愛 媛 今治城、湯築城、松山城、大洲城、宇和島城
  高 知 高知城

 6)九州・沖縄
  福 岡 福岡城 大野城
  佐 賀 名護屋城、吉野ヶ里、佐賀城
  長 崎 平戸城、島原城
  熊 本 熊本城、人吉城
  大 分 大分府内城、岡城
  宮 崎 飫肥城
  鹿児島 鹿児島城
  沖 縄 今帰仁城、中城城、首里城

 以上100城を県別にみると、もっとも多く選ばれているのが長野県、兵庫県と愛
媛県の5城である。一方、一つしか選ばれていないところも15県と結構多い。また
東日本が48城、西日本が52城と、東西ほぼ同数である。これまでの近世主体の名
城選だとどうしても西日本が優位になりがちであったが、良い感じである。

 時代別にみると、弥生から平安末期までの古代が5城、鎌倉から戦国までの中世が
20城、織豊期が37城、江戸以降の近世が38城であった。織豊期と近世が多くな
るのはやむを得ないが、それでも中世以前が全体の1/4を占めているのは卓見であ
る。これを機会に、「城=天守」とか「城=近世城郭」という考えから、一般の人た
ちも脱却して欲しいものである。


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