ゴルフクラブプロデューサー「横野 隆弘」   RSSを登録する

日本ゴルフクラブ発祥の地「兵庫県・市川町」において、数々のツアープロのクラブを創ってきた横野隆弘。クラブ理論、金属学、そして芸術家はだしの製造工程すべてをトータルに熟知しているクラブプロデューサ「横野隆弘」が語るマガジンです。

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2008/03/09

「同業者の気になる一言」

 ●発行者の挨拶>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  発行者のサイドウェッジ横野です。

  いよいよ国内でも女子のダイキンオーキッドが始まりゴルフシーズン
 の開幕です。2日目を終わり上位が混戦となっており誰が優勝するのか
 楽しみなところです。

 HPのリニューアル、ブログ「ゆんたくホール」をアップしてから皆
 様からの問い合わせが多くなりました。本物のクラブを求めている人
 は多くいるのだとあらためて知らされました。横野隆弘が忙しくなか
 なかこのメルマガも以前のように毎週発行することはできませんが頑
 張っていきたいと思います。
 
 ゆんたくホール http://blog.sidewedge.net/


 ●VOL.118━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 
  「同業者の気になる一言」

                                        横野 隆弘


 先日、同業の方と話をしていたときの話である。

 「消費者の多くは鍛造だろうが鋳造だろうがステンレスだろうが、打感
  は分らない。だから、これからはヘッドの見た目を良くし、他社が出
  来ないような見栄えにすれば、高く売れるし、利益率も上がる。」

 「クラブのことを分らず、お金に余裕のある人は、見た目かブランドで
  買うものだ。」

 「ヘッドの機能性は、クラブの事を知らない人だと分らない。どれも同
  じように見える。だから機能よりも見た目がいいほうがよく売れる。」
 
 と、いうのである。この方が、クラブ販売の方であればそれはそれでいい
 のだが、この方は、この地区で鍛造アイアンを研磨する工場の方である。

 確かに、この方の言うことは当たっている。しかし、クラブの事を知らな
 い消費者は、姫路の鍛造・研磨の事も知らないし、工房さんなどでクラブ
 を購入することもない。ほとんどの消費者が、大手の量販店でクラブを購
 入するのであり、現在の我々の取引先でクラブを購入することの無い方で
 ある。だから、ブランド・見た目がクラブ選びの重要な要素になっている
 のである。我々が作る鍛造アイアンでも、見た目は必要である。しかし、
 その見た目とは、構えたときに「ええ顔してるな。」「球が捕まりやすそ
 うやな。」であって、「このヘッドのバックフェースきれいやな。」では
 ないのである。

 つい先日のゴルフフェアで、何店かの取引先と話をしたが、「ドライバー
 のヘッドで何かいいのないですか?」という話がよく出る。10年以上前
 になるが、ツアーチャンプというメタルヘッドが大流行をした。これをき
 っかけに、各地に工房さんが増え、コンポーネントビジネスが広がった。
 だから、当時は、パーツの問屋さんが多く、各問屋がオリジナルのパーツ
 を持っていた。

 当時の生産拠点は台湾であった。しかし、チタンヘッドになってから、ヘ
 ッドの単価が高くなり、問屋さんの開発及び在庫のリスクが大きくなると
 ともに、問屋のウッドヘッドのパーツ販売が難しくなってきた。今、ドラ
 イバーに関しては、メーカーのものが大半であり、かつてのツアーチャン
 プのようなパーツが出てくることは難しくなってきている。それでは、全
 国の工房さんは何を販売していくのだろうか?メーカーと差別化が出来、
 なおかつデザインではなく機能面で優位に立つことができるのが、アイア
 ンでありウェッヂであると思っている。

 タイにいる大高氏のブログ(www.sammygolf.co.th/index.html)だったか、
 タイ自由ランドという雑誌に掲載中の記事だったかは忘れたが、その中で、
 かれはこういう文章を書いている。「ヘッドの重量を指定して作れるのは、
 姫路だけである。」ヘッドの重量は、シャフト・グリップ・クラブ長・バ
 ランス等によって変わってくる。人によって使用するシャフト・グリップ
 ・長さ・バランスは違うのだから、それに合わせてヘッド重量も変わるべ
 きである。また、その時に、ロフト・ライ・バンス等もあわせることが出
 来る。だから、オダーメイドのクラブができるのである。メーカーがカス
 タムフィティングと称してシャフト・バランス等のオーダーが出来るよう
 になっているが、ヘッド重量が同じでは、アッセンブルのときに無理が生
 じる。(MIZUNOはヘッドのオーダーもできるが)

 打感に関しても、ゴルフが上手でなくとも、何種類かのクラブを打ち比べ
 ると、多くの人は違いが分るはずである。大多数の人が打感がわからない
 というのは、何種類ものクラブを打っていないから分らないだけである。
 人間の感覚はそれほど鈍感ではないと思っている。

 これらのことを考えると、姫路の鍛造ヘッド製造業はまだまだすることが
 沢山あると思える。売らんが為のヘッドを製造するから、客から見放され
 るのであり、鍛造ヘッドの良さをもっと理解していただけるように努力す 
 れば、鍛造でオーダークラブを作りたいという人は数多くいると信じてい
 る。


  
  
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   ◆発行者:Side Wedge(サイドウェッジ)横野秋雄
   ◆URL:http://www.sidewedge.net
  ◆blog:http://blog.sidewedge.net/
   ◆連絡先:akio-yokono@sidewedge.net
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