ゴルフクラブプロデューサー「横野 隆弘」  RSSを登録する

日本ゴルフクラブ発祥の地「兵庫県・市川町」において、数々のツアープロのクラブを創ってきた横野隆弘。クラブ理論、金属学、そして芸術家はだしの製造工程すべてをトータルに熟知しているクラブプロデューサ「横野隆弘」が語るマガジンです。

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2007/08/30

「日本酒の危機」

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  ■ゴルフクラブプロデューサー横野隆弘
         VOL.108    2007.8.30
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 ●発行者の挨拶>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  発行者のサイドウェッジ横野です。

  男子トーナメントのサントリーオープンは今年限りで来年からは廃止 
 になります。寂しいですね、これでまた男子プロが稼げる場所が減っ
 たということになります。ただでさえトーナメントの賞金だけで生活
 できるプロは少ないのに、稼げる試合そのものが減ってしまっては男
 子プロ界はどうなるのでしょう。

 やはり一番の原因は男子トーナメントの魅了のなさになるのでしょう
 か。アマで高校生の石川遼君にたよっているようではダメですよね。
 協会ももっとしっかりしないと。それとプロ自身がもっと危機感とい
 うか現実を把握して行動しなければダメと思います。

 大相撲の朝青龍問題とは少し違うけど、やはりファンをもっと大事に
 しないとスポンサーも逃げて行きますよね。ゴルフメーカー、ゴルフ
 関係雑誌社等もよく考えないとこのままでは男子ゴルフ界がますます
 低迷の一途をたどるのではないかと思います。 


   
 ●VOL.108━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


      「日本酒の危機」


                                        横野 隆弘


    
 今年の夏も暑かったですね。この暑さが日本酒に影響を与えているよ
 うである。飲む機会は減りましたが、私も日本酒は大好きで、美味し
 い地酒と美味しい魚料理のある地方へ旅行をし、ゆっくりと温泉にで
 も入れれば最高ですね。

 8月26日の朝日新聞に“日本酒の危機”という記事が出ていた。
 おいしい日本酒を造るには、高品質の米が必要である。しかし、農家の
 担い手の高齢化と後継者不足で、酒米の王者といわれる兵庫県産の山田
 錦でさえ、減産と質の低下が目立ってきているようだ。

 もう一つの原因は地球の温暖化。危機感を抱いた酒蔵は手を携え、産地
 を支えようと動き始めている。また、支援にとどまらず、自ら米の栽培
 を手がける酒蔵も出始めている。

 ある酒蔵のY社長は、「このままでは最高の酒が造れなくなる。」とい
 う危機感から、農家と直接契約して有機栽培に取り組んでもらい、付加
 価値のある商品を販売し始めた。しかし、60kgあたりの価格が約3
 万円弱(この価格は魚沼産コシヒカリ並の価格)です。ある農家は、4
 反の田んぼからの収穫は約30俵で、収入は約80万円ほどなのである。
 これでは、農家の後継者がいないのもうなずける。

 Y社長がこのように言っている。「安定供給と品質を求めるなら、その
 分コストが必要。そのためにも産地を宣伝し、利益を農家に還元したい。
 若手が働けるように産地を支えるのは、酒メーカーの義務です。」

 また新潟の方の酒蔵では、もう1歩進んで、自らがコメ栽培に乗り出し
 たととろもある。酒造りは秋から冬の仕事である。従って農繁期には社
 員総出で手伝っているそうだ。人件費を考えると、農業単体では赤字だ
 が、「産業の芽を残せば、少子化で崩壊寸前の地域の受け皿になりうる
 。」と、自社栽培の田んぼの面積を拡大しているそうだ。

 このW社長が目指すのは、ワインのような産地へのこだわりで、新潟県
 糸魚川市根知地区を『日本酒のブルゴーニュ』にしたいという夢をもっ 
 ておられる。

 Y社長にしてもW社長にしても、コストが掛かろうが、最高の酒を造り
 続ける為には、原料のコメの品質を落とすことはできないと思っている。
 コメの品質が落ちた為に、酒の品質まで落ちたとなると、すぐさま愛好
 家からの評価が落ち、酒造メーカーとしてなりたたなくなるということ
 をよくご存知なのである。

 この記事を読みながら、姫路のゴルフ製造のことを考えてみた。
 後継者問題は、コメ栽培と同じく、深刻な問題である。産地の利益と言
 うことに関しても、中国に仕事を取られまいと、価格競争に巻き込まれ、
 ギリギリまで利益率を下げ、自分たちが生活できるだけの手間賃だけで
 仕事をしているところが増えつつある。

 なぜこのようになってしまったのか?

 一つは、中国では絶対に真似できない、最高のヘッドを作るという気概
 が薄れ、暇にならないように受注することにばかり気ととられていると
 いうことがあげられる。また、オーダーする側も、商品の単価ありきで、
 品質はそこそこ見栄えがよければそれでいいという注文の仕方になって
 きている。

 二つ目は、ゴルフクラブというのは、酒のように飲んでみたら品質の違
 いがすぐにわかるというものではない。また、人によってクラブの評価
 も変わってくる。だから、品質の良し悪しが判断しにくいという面があ
 る。たから、クラブの機能よりも見た目のデザイン等を優先しているの
 である。

 この記事を読んで、品質最優先のために、酒造メーカーはここまでする
 のか、それからすると、大手ゴルフメーカーも自社製品の下請け工場(
 大半のメーカーは自社では製造していない)にここまでの気持ちを持っ
 てパーツを作らせているのだろうかと考えさせられた

 


  
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   ◆発行者:Side Wedge(サイドウェッジ)横野秋雄
   ◆URL:http://www.sidewedge.net(現在休止中)
   ◆連絡先:akio-yokono@sidewedge.net
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