【自動車整備の本当の話】《消えた仕事》イイダ商会・飯田剛士
一週間のご無沙汰でした。イイダ商会、飯田剛士です。
みなさんお元気でしたでしょうか。
今週、車検整備をした自動車の中に、
かなり古いガソリンエンジンのトラックがあります。
少しだけの改造で、排ガスの規制(NOx・PM法)にも適合しまして、
車齢二十年以上と、かなり古いのですが、
首都圏でも使用が可能な車です。
しかし、現代の車は調子が悪くなることはほとんどありませんが、
昔の車って、本当に調子が悪くなりますね。
トラックですから1年車検ですから、
前回の車検整備から、丸1年たってから整備することになります。
最近の車では一年くらいなんともありませんが、
この車は、エンジンの調子が悪くてどうしようもありませんでした。
その大きな原因のひとつは「コンタクトポイント」にあります。
この車で久しぶりに見たんですが、
スパークプラグに火花を飛ばすために、以前の車には使っていました。
エンジンの回転に合わせて、
火花を飛ばすタイミングで開いたり閉じたりする「接点」です。
電流が流れたり止まったりして、表面が焼けますから、
この「コンタクトポイント」は消耗品です。
劣化するに随って、だんだんと火花は弱くなります。
最悪の場合にはスパークプラグから火花が飛ばなくなって、
エンスト、という事態にもなるのです。
ですから昔は、エンコするとまずはじめに「ポイント」を調べたものです。
故障っていっても、昔の車は楽でしたね・・・
これ以外にも、昔の車は非常に手がかかりました。
定期的に手入れをしてやらないと、使えなくなっちゃうわけです。
放っておいても大丈夫な最近の車とは違います。
ということで、修理屋の仕事は少なくなりました。
少し考えただけでも、
「もう最近はやらないね」という仕事は本当に多いです。
例えば、ブレーキ調整。
以前は、4輪ともブレーキ調整が必要でした。
ブレーキが減ってくると、ペタルの遊びが増えてきて、
スカスカになっちゃったんです。
定期的に調整してやらないと、危険な場合がありました。
それが、調整の不要なディスクブレーキが登場し、
また、ドラム式のブレーキでも自動調整になったりと、
乗用車のブレーキ調整というのは、ほとんど消えた仕事です。
さらには、クラッチのオーバーホール。
これはオートマッチク車ばかりになりましたので、
クラッチを使っている自動車が本当に少なくなりました。
トラックでだけ生き残っているようなものです。
それに、かろうじてクラッチ付でも、
その調整が自動になってますので、
「クラッチ調整」という仕事は、
大型のトラックを除いて消滅しています。
それにグリスアップ。
以前ならば、ボールジョイントやプロペラシャフトのジョイントには、
例外なくグリスアップが必要でした。
しかし技術と材質の進歩で、無給脂式が登場して、
グリスアップの仕事は消滅です。
それから、キャブレターの消滅です。
電子式燃料噴射が登場して、キャブレターが消えました。
このキャブレターは、汚れたり詰まったりと、
調整や洗浄をしないと、調子が悪くなります。
ガソリンの濃度や、エンジンの回転。
それにオートチョークなど、
機械的に制御してましたので、
定期的なメンテナンスが欠かせなかったわけです。
この仕事も無くなっています。
こう考えてみると、寂しい限りですねー
これじゃあ、
素人が車検整備ビジネスに手を出したくなるのもわかります。
技術が無くてもばれませんものねー。
まあ、それでも生き残るためには、
さらなる「本物」であることが必要だとは、
分かってはいるんですが・・・
いうことで、本日はこれまでとさせていただきます。
長々とお付き合いいただきまして、
まことにありがとうございました。
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《編集後記》
ずーっと以前の編集後記に、
パプアニューギニアの日本兵の幽霊の話を書きました。
今回は、別ルートでのニューギニア日本兵の話です。
その方の経験を直接聞いたんですが、
ニューギニアはオーエンスタンレー山脈のジャングルの中、
その方がツェルト(携行用のテント)で泊まっていたときのこと。
がさがさと数人が様子を窺っている気配がしたそうです。
「現地の人かな・・・」と緊張していたら、
聞こえてきたのは日本語の会話でした。
日本人なんか絶対にいるはずのない場所でです。
「おい!ここにだれかいるぞ!」
「あ!日本人みたいだ!」
そんな会話がひとしきり聞こえた後で、
その気配はサーっと消えていったそうです。
はるかオーエンスタンレー山脈で、
未だに戦闘行動をとっている、
南海支隊の将兵やあわれ・・・


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