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2009/11/06

【亀谷税務会計事務所】賃貸建物の建設にかかった消費税の還付に待った?!

こんにちは。税理士の亀谷純子です。

先月、日経新聞、他各社に、「賃貸住宅の建築費用の消費税還付が不適切か」と
いう記事が載りました。
その記事は小さなものですが、我々税理士や不動産賃貸業の方には大変目を引くものです。
そこで、今回、その”不適切”と書かれた節税スキームをご紹介しましょう。
(すでにご存知の方は多いでしょう)

消費税の計算は意外と複雑なのです。

売上の消費税から支払った消費税(以下、仕入消費税といいます)を差し引いて
納付または還付というのが必ずしも当てはまるものではありません。

消費税には、課税、非課税、不課税、免税 とあり、今回お話するのは課税と非課税が登場します。
課税は、消費税がかかる取引。(今回のケースでは全て国内の取引とします。)
非課税は、限定列挙されている、消費税がかからない取引。

それでは、以下のような取引があった場合の消費税の申告について考えてみましょう。
(大前提として、消費税の課税事業者で本則課税で計算)

【事業の経緯】
1.賃貸建物を建設し、多額の消費税を建築業者へ支払った。
2.その建設が完成した課税期間には、まだ入居者がいないとします。
3.他には事業をしていないので、売上は計上されませんが、通帳に資金が数千万円あったため、
 預金利息(消費税の非課税)が入金された。
4.その場合、消費税の申告書はどうなるのでしょう。

【消費税の計算の考え方】
単純に考えると、売上消費税から仕入消費税を差し引いて納付、
もし、売上消費税<仕入消費税 なら還付。
となりそうですが、単純にそれだけではありません。

全売上の中身をみます。全売上のうち、どのくらいの割合、課税売上があるか(課税売上割合といいます)
によって、売上消費税から控除する仕入消費税の計算が変ります。

還付を受けるには、本則課税という方法で計算をするのですが、
本則課税の中に、仕入消費税の計算方法は2つあります。

【仕入消費税の計算方法】

一つ目 個別対応方式
ア 課税売上割合が95%以上の場合 → 仕入消費税は全額控除
イ 課税売上割合が95%未満の場合 → 以下「あ」+「い」の合計
 「あ」 仕入消費税のうち、課税売上にのみ対応するもの
 「い」 仕入消費税のうち、課税売上と非課税売上に共通対応するもの×課税売上割合

二つ目 一括比例配分方式
ア 課税売上割合が95%以上の場合 → 仕入消費税は全額控除
イ 課税売上割合が95%未満の場合 → 仕入消費税×課税売上割合が控除

【検討】
今回のケースでは、売上は、非課税売上のため、上記のイ となり、
課税売上割合が0となりますので、この建物が居住用建物の場合、
消費税の控除対象仕入税額は0円で、建築費用として支払った多額の消費税は還付されません。

【消費税の還付をうけるためのスキーム】
そこで、消費税を還付させるスキームとして、建築前の空き地や建築中に敷地の一部に、
飲料の自動販売機などを設置して、売上(消費税の課税売上)を計上させるのです。

そうすれば、ほとんどのケースが課税売上割合が95%以上となります、
その建物が居住用建物の場合、一括比例配分方式により計算し、建築にかかった費用
の消費税が全額還付される という訳です。

しかし、ここにきて、賃貸住宅の事業者が、自販機などを使って消費税を還付した金額が、
全国で、40以上の税務署で年間8億円以上であることが会計検査院の調査で判明。

さて、ここからがちょっと納得いかないのですが、「不適切に税還付を受けている恐れが
あるとして監査院は財務省に改善を求める方針だ」ということだ。

そもそもの税法自体に欠陥があるんですけれどもね。
日本も近い将来、INVOICE方式に切り替わるとかいう話もあるようですが、それも難しいでしょうね。

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