2006/02/20
「ワンダフル・オノマトペ」楽しんじゃえ擬音・擬態語VOL.34【痛みの伝え方】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ワンダフル・オノマトペ】楽しんじゃえ擬音・擬態語 No.34【痛みの伝え方】:2006.2月20日(月) 自然に出てくるコトバが 一番素直に伝わる ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 自然の営みも、気持ちも、動作も、そのひと言だけですべてを言い表す ことができる魔法のことば、オノマトペ(擬音・擬態語) オノマトペから現代(今)を切り取ると、さあ、どうなる? □━:今週のオノマトペ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ ┃ ┃ 「痛みの伝え方」 ┃ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□ 絲山秋子の芥川賞受賞作「沖で待つ」を読むために買った「文藝春秋3 月号」に、興味深い記事を見つけました。 作家・丸谷才一氏と医師・中井修氏の対談「賢い患者は日本語が上手」 です。 医者と患者のスムーズなコミュニケーションについて語り合っています。 そのなかに出てきました、言語表現としてのオノマトペが。 中井氏の談を要約してみます。 心因性、つまり心の病が原因で痛くなっている場合、「ガンガン痛い」 「ギンギンに痛む」など強い表現を多用する。 痛みそのものよりも、「何だか苦しい」というこの症状を理解して欲し い、痛切に私は辛いんだ、と訴えたい患者は、強いオノマトペや「骨盤 の中をあちこち針で刺されるように痛い」というような独創的な表現を 使うこともある。 医者としては、手術したら治る患者と、心が治れば治る患者を区別しな ければいけないから、痛みを表現する日本語は、その両者を見極める有 力なヒントになる。 また、交通事故や労働災害などで、実際に痛くはないけれど補償の問題 があるから、痛いといって入院してくる人もごくまれにいる。 そういう人たちはオノマトペを使うケースが多い。 とのことです。 それに対して、丸谷氏は、 オノマトペは原始的な言葉だから、そういうときに出てくるのでしょう。 心が病むことで出てくるというのも、オノマトペが言語として幼稚だか らそこに戻ってくる、と。 オノマトペを手がかりに、痛みの真意を解き明かそうとしています。 でも、オノマトペを多用しているからといって、心の病だとか、補償の ための痛みだとかって、そんな簡単に分類分析できてしまうものなので しょうか。少し疑問に感じます。 みなさんは痛みを伝える時、どんな表現をしていますか。 「しくしく痛む」とか「ちくちく痛い」とか、ごくごく自然に、意識す ることなくオノマトペを使っていませんか。 それだけオノマトペは、日本人の身体に染み込んだ表現でもあるのです。 とても表情豊かです。 たとえば、身体の奥の方で神経を直接刺激するような痛みを言い表す 【ずき】ひとつとってもそれは明らかです。 【ずきっ】は、一瞬の鋭い痛み 【ずきん】は、重く鈍く余韻が残る痛み 【ずきずき】は、脈打つような断続的な痛み 【ずきんずきん】は、【ずきずき】よりも深く強い痛み となります。 「どういうふうに痛みますか?」と問われて、 「重く鈍くしばらく余韻が残るような痛みが身体の奥で起こっています」というより も、 「身体の奥でずきん、ってたまに痛むんです」 と表現した方がよほど分かりやすいと思うのですが。 オノマトペは、音と意味が直結している、日本人の共通言語です。 誰もが感覚的に意味する所を理解できます。 それを、原始的だから詐病の人が使うとか、幼稚だから心が病むことで出てくる とか、一概には言えないのではないでしょうか。 患者は痛みを和らげたいから、治したいから医者に頼ってきます。痛い時は痛い のです。痛みを早く伝えたいし、早く治したいと切実です。 その都度適切な言語表現はなんだろう、なんて考えたりはしません。 感じた痛みを、素直に伝えられる言葉でストレートに表現します。 その時選ばれる表現言語が、オノマトペなのです。 中井氏は、対談の最後をこう締めています。 「医者が苦しんでいる人に共感し、その人の助けになるということを常に使命に するという姿勢があれば、患者さんは満足していただけると思うんですが」 そうです。そうしてください。 オノマトペを使っているからこの人は‥‥、なんて分析する前に、 オノマトペで表現される痛みの種類を理解することを、まずは、お願いします。 ◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ 【ワンダフル・オノマトペ】楽しんじゃえ擬音・擬態語 :「痛みの伝え方」 ◇「ワンダフル・オノマトペ」を気に入っていただいたら、どうぞ友人 ・知人へ転送してください。ただし全文掲載でお願いします。 ◇ 読者さんの本棚]へのご推薦もお願いいたします ⇒ http://www.mag2.com/wmag/osusume/toukou.html ◇相互紹介も募集中です: onoma_topoeia@yahoo.co.jp ──────────────────────────────── ◇発行周期: 週刊(一応月曜日の朝発行をめざしています) ■編集/発行: 大野 智 企業紹介ビデオ、展示映像、番組などの企画・構成・演出を手がけています。 <こつこつ>と、その作品数はおよそ300本。 ◇ご意見ご感想ご遠慮なく: onoma_topoeia@yahoo.co.jp ■発行人ニュースブログ<いくいくどんどん> http://blog.livedoor.jp/direc46tor/ ■発行人サイト<DAI-SHO> http://hw001.gate01.com/s-daisho/s-daisho/ ■オノマトペブログ(バックナンバー掲載) http://blog.livedoor.jp/onoma_topoeia/ ■このメルマガはまぐまぐのシステムにより配信しています。アドレス変更・購読 解除は下記のサイトより読者ご自身で行っていただくよう、お願い申し上げます。 http://www.mag2.com/m/0000161011.html ●掲載内容の無断複製・転載はご遠慮下さい● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Copyright(C)2005 Satoshi Ohno. All rights reserved.


