2007/12/12
【企画のココロ】第089号~100年先へのメッセージ
─────────────────────────────────── □2007年12月12日 第089号 ─────────────────────────────────── ■ ┌─┬─┬─┐ ■ ■■ │企│画│の│ ■■ ■■■ ├─┼─┼─┤ 選ばれる存在へ@共感ブランディング ■■■ ■■ │コ│コ│ロ│ ■■ ■ └─┴─┴─┘ ■ ─────────────────────────────────── 共感ブランド・プロデューサー:奥本健二 ─────────────────────────────────── 実家への引越し荷物もほぼ片づき、 最後の大物家具を移動していたときのこと。 力のついてきた高校生の息子と二人で、 狭い屋外通路をヒーヒー運んでいたら、 突然… _人人人 )バッシューーー!! 屋外の壁に設置されていた、 水道蛇口を折ってしまったのだ。 慌てて押さえるが、凄まじい水の勢いの方が上。 水しぶきは隣の家の壁まで達している。 (水を止めなきゃ) (止水栓はどこだっけ) パニックの頭で考えるが、 長く住んでいない実家だけに、どうにも思い出せない。 折れたパイプを息子に任せ、 私は敷地内をバタバタ右往左往していた。 息子に「大丈夫か!」と声を掛けると、 「うん、ボクは大丈夫」 全身びしょ濡れの息子は意外と冷静だ。 駆けずりながら頭の中では、 堤防の決壊を自分の指で塞いでオランダを救ったという、 ハンス少年の物語を思い出していた。 我が家のハンス少年の背中が、やけに頼もしく見えた私は奥本です。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■このメルマガの内容───────────────────────── ■中小企業の経営者や企画担当者、個人店の方、そして地方や田舎の情熱 人の皆さんを支援するものです。 共感されるブランドづくりについて、制作の現場からお伝えします。 ■企画の根本から、デザイン開発〜商品開発〜店舗開発〜広告販促などの ポイントを、体系づけて発信していきます。 もうご存じの方は復習のつもりでリラックスして、ご存じない方は明日 使えるミニ知識としてどうぞ。 ■モットーは広く浅く、豆乳の表面にできる湯葉のように、ノンホモ牛乳 に浮かぶクリーム層のように、サラ〜とやっていきます。 ただし、そこには栄養分がいっぱいあるよ、というわけでして…。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ココロのコンテンツ───────────────────────── │ │ ┼───────────────→心に響き、共感される視点とは │ │□ブランディングって何? │□伝わるコンセプトづくり │□デザインのチカラ │□ブランディングの現場 │ □ブランドの基本表現 │ □心を満たす商品とパッケージ │ □共感を呼ぶ店舗開発 │ □伝わる広告、共感ツール │□循環のリニューアル │■魂のブランディング ←……■今週はここのお話 │ ↓------------------------------------------------------------ ■これらをタテ糸に、「心に響き、共感される」ってことをヨコ糸に、 考えていきます。どんなものが織り上がるかは、あなた次第。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ─────────────< 今週のテーマ >───────────── <魂のブランディング(10)〜100年先へのメッセージ> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■最近、ブランディングをテーマに、 お話することが多くなりました。 私がブランディングという言葉を使いはじめてから、 もう5年以上になりますか。 その間、ブランディングということが、 徐々に認知されてきたような気もするし、 また勘違いが拡大したような気もするんです。 意気込む企業さんにおじゃますると、 「さあ、つくりましょう!何からやりましょうか?」とか。 実際、そんな認識の企業がけっこう多い。 意気込みはわかるんですが…。 違うんですよ。 本来ブランドって、 つくるものじゃなく醸し出すものなんです。 欧米ではブランドは熟成されるもの、日本ではつくるもの…。 なぜか、日本ではそんな認識が多いんです。 熟成されてこそブランドのはずです。 だから、自分自身をみつめ、いいところ悪いところを認識する。 そこから自社「らしさ」の抽出と、それを伝える表現が生まれる。 で、すでにそれが素晴らしいものがあるなら、 それは変える必要はないんです。 本当に新たにブランドづくりを始めるなら、 1年や2年で完了するものなんかじゃないことを認識し、 それを覚悟すべきなんです。 ■ブランド(特に地方ブランド)は、 その持つパワー以上に拡大すると、急速にパワーを失います。 信頼性も希少性も。 うちはブランドだ! ウケてる、売れてる! と思ったときに「もっともっと」になりやすい。 ブランド力を過信するんですね。 そこに売上拡大主義、利益追求主義の蔓延や、 慢性的なルーティンや甘えが芽生えたりします。 それに気づかず、無理な拡大を続けると、 「赤福」や「白い恋人」のようなひずみが生まれる。 それらは、もともと大量生産できるものじゃない。 鮮度を大切に素材を活かす、地域限定ブランドだったんです。 赤福などは、もともと三重のお伊勢参りの名物みやげです。 どこでも買える物じゃない希少性が、本来の魅力だったはず。 それが大阪や名古屋に工場をつくり、 どこに行っても買えること自体、普通じゃないんです。 私たちはクライアントの繁栄のために、外部から協力しています。 しかし、無理な拡大主義、利益追求主義の片棒をかついではダメ。 正しい方向性をジャッジし、アドバイスするのも仕事なんです。 ■私のクライアントさんに、 毎年増収増益を重ねる、地方の飲食企業があります。 6店舗あるお店はどこも繁盛。 メーカーとして生産する商品も人気で、 ギフトシーズンにはフル稼働の状態です。 そんなお店だから、デパート等からの出店要請も引きも切らない。 で、そこの社長さんは人のいい方で、 なかなか嫌と言えない性格なんですね。 それが災いして、痛い目にもあっておられる。 そこに対して私は、口を酸っぱくして言い続けました。 「今は店舗数を拡大する時期ではありません!」 「絶対に断ってください!」 面白いことにそうして断ると、 逆にもっと出店要請が増えます。 「あそこは手強い」 「もっといい案件を持っていかないとだめだ」 と、躍起になるようですね。 その間やるべきこと、 それはブランドとしての足下をしっかり固めることです。 この企業で行ったのは、 “らしさ”を表現したビジュアルの統一と、 地元に建設した新工場。 そうして生産能力も人力も蓄え、盤石な状態をつくった後、 出店要請の中から、これは!という好条件を待つんです。 今、その社長がよく仰います。 「あのとき、アドバイスに耳を貸さなくて出店していたら、 ウチは今頃、とんでもないことになっていたでしょうな…」 私の伝えたいブランディングは、身の丈を知った繁栄です。 それを持続させれば、商品も企業も「ロング」になるんです。 ■あなたも、自分のお仕事の目標をお持ちでしょう。 ではそのもっと先、究極の目標とかってありますか? 究極の目標。または夢。 私のそれは… “100年先へのメッセージ”をつくりたいってこと。 …なに言ってんだって、思われます? 制作する仕事を長く続けてきて、 いつも気になっていたのが、心血注いだ制作物の命の短さ。 印刷物などの平面や、マス媒体のCM制作などは、 アッという間に、人々の記憶から消え失せます。 はかなさを感じてしまう…。 そんな思いから立体(建築や内装)を包括し始めたんですが、 立体とはいえ、やっぱりこれも消えることがあるんですね。 今はどんなことでもいい、自分の活動の証というか、 痕跡を残したい、影響を与えたいと思ってるんです。 商品でも建築でもまちづくりでも、 あるいは言葉でも文章でも歌でも、何だっていい。 何か100年先にも伝えられるメッセージをつくりたい。 とんでもない事を言ってるかもしれません。 でもね、100年前から現代まで続いているものって、 考えてみると結構あるんです。 それは、世の人に共感されつづける、 淘汰されない優れたメッセージだったってこと。 京都の町並みに至っては、1000年先からつづいています。 地域ブランドとして、環境資産になっている。 1000年前の遺産で、現在も潤っているのは確かなんです。 で、わかったことは、 そんな仕事は一人じゃできないってこと。 もしかしたら、一生かけてもできないかもしれない。 でもいつか、そんなことに挑戦できたら…ってこと、 思い描いたりしています。 ■共存・共栄した地域全体のブランド化。 それは商品やひとつの企業以上に「ロング」であることが 絶対条件です。 いまや、憧れの保養温泉地ブランド「由布院」は、 かつては人の訪れない小さな温泉地でした。 現在の由布院というブランドをつくった3人のキーマンが、 あるべき姿を模索してドイツの保養温泉地を訪ねたときのこと。 小さなホテルのオーナーに言われた言葉が… 自分たちは100年かけてこの町を作ったと。 自分がどういう町に住みたいか、それを明確にしていくこと。 そして自分の代にできなければ子供の代に、 また孫の代に託すんだ…と。 君たちはそれだけの時間をかけられるのか? …と聞かれたそうです。 彼ら3人が、ドイツの保養温泉地で理想の姿を観たこと。 それを実現するために必要な“100年の体系”という 時間の枠組みに立ったこと。 この2つが、由布院のブランド化のスタートだったんですね。 それから40年。 由布院は地域ブランドとして、確固たる地位を築いています。 でもそれは、まだまだ途中経過。 人の代を超えた継続と継承…そして共存と共有。 壮大なブランディングです。 ブランドメッセージの本質って、 やはり一人、一代でつくるものじゃないんでしょうね。 ■あなたは、天命って考えたことあります? そう、天命。 または天職でもいい。 長くひとつの仕事を続けることが出来た人は、 それは天職なのかもしれません。 なぜこの時代この地に生まれ、なぜ今の仕事に就いたのか。 自分はどこを目指すべきか。 ときには、そんな日頃考えない事を探求してみるのも 無駄じゃないと思うんですよ。 長く人間をやってるとね、 これは、天の与えてくれた出来事じゃないかってことに 出会うことがあります。 それは、その人に付いている“星のしわざ”です。 星とは運命、宿命であり、巡り会いです。 チャンスもピンチも、人との出会も、 その人に付いている星まわりのなせる技。 ホラ、身の回りに起こる事、これすべて必然 なんて言うじゃないですか。 で、それらは天職にもつながっていると思うんです。 自分しかできない、星が命じた仕事…。 そう思えるような仕事に出会いたいものです。 たくさんの仲間と共存・共有しながら、 伝承していける“100年先へのメッセージ”を つくることができたとき… それは“星が命じた仕事”と、言えるんじゃないでしょうか。 ┏━━━━━━━━━━━ 今週のココロ ━━━━━━━━━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ■本来ブランドとは、つくるものじゃなく醸し出すもの。 ┃ ┃ ┃ ┃ ■私の伝えたいブランディングは、身の丈を知った繁栄。 ┃ ┃ ┃ ┃ ■100年つづくメッセージ、それは淘汰されない優れた共感。 ┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■編集後記 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今週も「企画のココロ」をお読みいただき、ありがとうございました。 最後だけに、今回はちょっと壮大なテーマでいってみました。 とにかく、「ココロのコンテンツ」は、 今回で滞りなく(とは言い難い)終了となります。 本当に、これまでご講読ありがとうございました。 って…これで廃刊するわけじゃなくてですね、 「企画のココロ」はパート2として継続します。 パート2からは、時事ネタ、小ネタ、気軽ネタあり。 ときには一号完結でなく連載ネタもありでやっていきます。 これまでね、コンテンツ順に添って考えるってのが、 結構プレッシャーだったんですよ。 また一号完結を念頭に置いていたので、 分量的に決めたボリュームにまとめるのが難しかった。 今後はそういったものにもとらわれず、 自由にやっていきますね。 このまま講読いただければ、とってもうれしいです。 ところで、この89号までのネタを、 どう料理しようかな〜と考えています。 編集・加筆し、素敵にまとめ… 出版関係者の方、 お声がかかるのお待ちしてますから〜。 つづきは【企画のココロ】Part2 090号のココロなのだ〜! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 企 画 の コ コ ロ 】 ─────────────────────────────────── ■発行周期 隔週刊(水〜木曜配信) ■発行者 奥本健二(企画事務所ディーシー・ラボ) ■サイト http://www.dclabo.com ■主な実績一覧 http://www.dclabo.com/works/ ■私的ココロのコラム http://www.dclabo.com/idle_talk/ ■ミクシィ http://mixi.jp/show_friend.pl?id=2561445 *マイミク大歓迎です、よろしく! ■メルマガ登録はこちら http://www.mag2.com/m/0000161000.html ■バックナンバー http://blog.mag2.com/m/log/0000161000 ■ご意見・ご感想は→ mailto:kokoro@dclabo.com 心からあなたのメールをお待ちしてます。必ずお返事は書きますよ。 ─────────────────────────────────── *このメルマガを気に入っていただけたあなた、友人・知人への一発転送、 社内での回覧はご自由にどうぞ。 *但し、このメルマガの内容を転載する場合はご一報よろしくです。 *ご意見やご質問、あるいは仕事のご依頼、お気軽にメールくださいね。 Copyright(C) 2005 Kenji Okumoto, All Rights Reserved. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■罫線がズレてる!てな方はコチラ http://help.mag2.com/115.html



