2009/01/19
不完全な神
□ ■― □― ■ | ガラス玉遊戯 | ■ ―□ ―■ □ 1.はじめに 人間は、可能性を自由に扱うという意味では、不完全な神です。 不完全な神は、理性という特有の能力を用いて、 様々な現象に記号化をともなって統一を与え、 理想や夢に人間の精神を開きます。 他方、理想や夢は、共同体のなかで個人に活動への強制力となり、 また、理性の幻影により個人の人生を非現実性のなかに埋没させます。 これらの兆候は、凋落した古代文明にも共通して現れています。 私たちの社会ないし世界は、衰滅の道を進んでいる可能性が高いです。 私たちは、まず、自らの理性を矯正し、つぎに、 社会を錯誤と錯乱から救わなければなりません。 2.本文 人間は理性を持つ生き物です。 理性は文明の利器を生み、社会に活動のモデルを生み出します。 そして理性は、人間が生み出した様々な物事を統一して理解しようとし、 物事を、例えて言うなら「思考の目印」のように、記号化します。 現象をともなった、人間が生み出した物事は、 理性においては現象から解放された記号となり、 上位の理想や夢の実現へと用いられることになります。 ところが、理性による記号で得られた現実より上位の理想や夢は、 理想や夢であることそのものが理由となり、 人間に現実を超えるように活動させる強い命令となります。 特に、情報により人々が結ばれた現代では、 人間に現実を超えるよう強制的な力として働く理性は、 一個の人間が応じられる以上の活動を個人に要求します。 他方、現実にリンクするように生み出された理性の記号は、 現実から目をそむけるように用いられもします。 原因を扱う能力を持つ理性が現象にリンクして生み出す幻影は、 現実に成り得もしない物事を、さも現実であるかのように思い描かせ、 現実を得ているかのような錯覚のなか、 現実に幸せになれるという幻影のなかに安住することを、 破綻が訪れるまでの間、人々に許します。 これらの兆候は、古代ギリシャや古代ローマ、その他の、 強大だった文明が滅びるプロセスに酷似しています。 例をあげるのは具体的に考える手段にもなりますが、思考を限定もしますが、 あえて一例をあげるなら、現在の世界経済危機は、 理性が想い描いた理想や夢を、虚構の現実感で金銭で取り扱ったため、 生じたものという点で、 現代の理性の錯乱を説明するものの一つとなってはいませんでしょうか? 私達は、極めて高い確率で、破滅の道を進んでいる、 そう感じることはありませんか? 可能性を扱えるという意味で、私達は不完全な神です。 しかし、不完全な神が完全な神であるかのように錯誤する時、 破滅は間違いなく始まるでしょう。 私は、ガラス玉遊戯を、理性の記号を通じて、 理性がかがける高い理想と夢との現実化に用いるものと考えてきましたが、 人々が理性の記号を用いて錯誤と錯乱をする現代において、 不完全な神である人間に、不完全ながらも幸福を得る方法として用いるとは、 かつては、思っていませんでした。 私達は、社会を通じて私達に活動を強要している理性の記号を、 正しく用いられるようにしなければなりません。 私達は、自らの理性を矯正しなければなりません。そして、 社会を自律と回復へと導かなければなりません。 方法の一例をあげるなど、私にお手伝いできることはありますが、 あなたの行動こそ、人類の未来を支える力なのです。 □ ■― □― ■ | ガラス玉遊戯 | ■ ―□ ―■ □ 著者 西庄 響 発行者 西庄 庸勝 メール spieler@magicandbeauty.com HP http://www.magicandbeauty.com 配信登録解除は以下から、どうぞ。 http://www.mag2.com/m/0000160054.html (C)Copyright 2009 Kyou Nissho. All rights reserved.


