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仏教の根本思想とは何なのか?仏教の歴史的展開において、失われたもの、また、得たものは何なのか?現代において、仏教はいかに実践されるべきか?すらすら頭に入る仏教入門。

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2009/08/24

目からウロコの仏教入門 ── 感情は判断を狂わせる ──

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□□□     目からウロコの仏教入門       □□
□□     ~ひとりで学ぶ歴史と思想~     □□□
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── 感情は判断を狂わせる ──


「禍福はあざなえる縄の如し」ということわざがあります。
幸福の背後には災いがあり、災いの背後には幸福があり、
これが縄のようにして絡み合っているのが人生であるという意味です。

同類のことわざとしては「人間万事塞翁が馬」というものがあります。

  北の辺境地に、塞翁という男が住んでいた。
  ある日、塞翁の馬が逃げてしまった。
  人々は塞翁に慰めの言葉をかけた。
  しかし、塞翁の年老いた父親は冷静で、
  「どうしてこれが幸いとならないことがあるでしょうか。」と言った。

  1ヵ月後、その馬が仲間の馬を連れて馬小屋に戻って来た。
  人々は塞翁に祝いの言葉をかけた。
  再び塞翁の年老いた父親が言った。
  「どうしてこれが災いとならないことがあるでしょうか。」

  後日、塞翁の息子は新しい馬に乗って出かけて行ったが、
  その際、落馬して怪我をしてしまった。

  人々は同情の声をかけたが、またもや塞翁の父親は、
  「どうしてこれが幸いとならないことがあるでしょうか。」と言った。

  1年後、胡族が中国に攻め入って来た。
  国は徴兵したが、塞翁の息子は、怪我をしていたので戦争に行かずに住んだ。


これは中国の古典「淮南子」にある話です。

不幸の中に災いが潜み、災いの中に幸運が芽生える。
ゆえに、好調な時でも浮き足立ってはならないし、
不調な時でも落ち込んではならないのです。

中国人にはこうした考え方が根付いていて、何があっても実に冷静です。


私は女子バレーが好きでよく見るのですが、
日本チームの特徴としては、喜怒哀楽が激しい。
得点すれば大喜びし、失点すれば落ち込む。

一方、中国チームはマシンのように冷静です。
喜怒哀楽が少ないんですね。

実力も戦略も日本と中国は大差ありません。
違うのはメンタル面です。

結果、中国は常に優勝候補であり、日本は決勝に出るのがやっと。


上座仏教では、喜怒哀楽を少なくする事を教えます。
幸運を喜ぶと、不運になった時に苦しくなる。
だから、幸運も不運も同じように受け止めるんだという考え方です。

我々は坊さんでは無いので、喜怒哀楽はあっても構わないと思いますが、
「禍福はあざなえる縄の如し」という意識は常に持っているべきでしょう。


喜びにせよ、悲しみにせよ、怒りにせよ、
感情が浮き立ちますと、判断が狂います。

この判断の狂いが失敗をもたらすのです。

ですから、感情にふりまわされぬようにならねばならないのです。


滞りなく智慧が回っている状態を大円境智と申しますが、
禅で言われるところの「無心」が、まさに大円境智であると思います。

無心の障害となるのが感情なんです。
ですから、感情をコントロールせねばならない。
一時の感情は仕方ないにせよ、すぐに切り替えて「いや、待てよ」と考える。

決して思考や感情を一つのところに留めてはならないのです。


祈りというのは、まさにこうした作業であると思います。

我々が祈りを捧げる時、神仏は我々の、思考と感情の滞りを指摘するのです。
そして我々に語りかける。

「本当にそれで良いのか?」と。

人は頑迷に一つの方向に突き進もうとしますが、本当にそれで良いのだろうか?
何か大切な事を忘れてはいまいか?

それを考え続ける事が大切なのです。


たとえば大切な人の命が誰かに奪われ、憎悪にとらわれ生きている者がいる。
だが、それで本当に良いのだろうか?
そんな人生で良いのだろうか?

信念を持って突き進むのが世間一般の哲学ならば、
疑問を持って立ち止まるのが仏教の考え方です。
ですから仏教には自己否定的なところがあるのです。
しかし、それが人生をより向上させるための智慧なのです。


-【著者運営サイト】--------------------------------------------------------

まとめページ
http://www4.ocn.ne.jp/~buddhism/meuro.html

ひとり仏教の会
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