2009/01/27
ちょいと箸休め 第148回 ガード下で歌うオジさん
■□■ ちょいと箸休め ■□■ 2009年 1月 27日 第148回 ガード下で歌うオジさん By晶実 ☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆☆ 21年前の小学5年生の頃、環○通と○○○○線が交差する ガード下を初めて通った時、小柄でスーツ姿で、手には鞄を 持ったごく普通の中年男性が、車道がある金網の方で、車道 側を向いて立っていた。 こちらには背を向けているのだが通るのが怖かった。 少し離れた場所で様子をみていた。 しばらくすると上を電車が通った。ガード下にゴォーっと響く 電車の音。 その音がしている間、スーツ姿の中年男性は歌を唄った。 響く電車の音に負けないくらいの大きな声。 オペラっぽくて日本語ではなかった。 電車が去りスーツ姿の中年男性の歌も終わった。 満足気な表情でスーツ姿の中年男性はガード下を去った。 その後、私はガード下を通り、遊ぶ約束をした友達が住む マンションへ行った。 クラス変えで初めて同じクラスになり仲良くなった友達だ。 私の家は学区域の一番端で、それまでその友達が住むマンシ ョン周辺に、あまり来る機会がなく馴染みがなかった。 さっそく友達に、ガード下で唄う小柄のスーツ姿の中年男性の 話をしたが既に知っていた。 『私がココに引っ越して来た時には唄ってたから、もう何年も 前からだよ。朝と夕方に、ほぼ毎日唄ってるみたいよ。 唄ってるだけで、こっち見たり何かしてきたりしないから、 構わず後ろ通って大丈夫だよ。 ここら辺に職場がある人なのかね(笑)。』 その後も、何度か唄う小柄のスーツ姿の中年男性をガード下で 見掛けた。 友達が言った通りで、何もしてこないし、こちらを見る気配も ない。 普通に後ろを通れた。 月日が流れ、小学校を卒業し中学校に入学した。 真新しい制服を身にまとい入学式に望んだ。 校歌斉唱に混じる聞き覚えのある声。 あの小柄のスーツ姿の中年男性は、中学校の男子の体育担当の 先生だった。 友達と私は女子なので、直接授業を受ける事はなかったが、男子 と女子で体育館を半分ずつ使用して体育の授業をする事もあった。 途中から自分よりもデカくなった生徒達の中で、ちょこまかと 体育教師として奮闘していた。 『あのオジさんの職場はココだったんだね。』 友達と私は笑って話した。 ---------------------------------------------------- このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。 配信中止はこちらから http://www.mag2.com/m/0000159656.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■ 初めてお読みになる方に ■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 当メルマガは、妻の書いた文章を代理発行しています。 主に夫婦、親子の日常的なちょっと笑えるエピソードを書くつもりですが、 夫婦と関係ないテーマでも、思いつきで書くそうです。 お金儲けや、人生の教訓なんていうものとは無縁のメルマガですが、 『ちょいと箸休め』のつもりでお読みください。 妻は携帯電話で執筆しています。 それを、わたしがパソコンで受け取って、発行しています。 感想のお便りが届くのを楽しみにしています。 このメルマガに返信していただければ、届きます。 お便りは、夫婦で読ませていただいております。 ☆==========================☆ Copyright(c) 2004 Katsuhiro Takada all rights reserved. ☆==========================☆


