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2008/03/11

ちょいと箸休め 第134回 言葉

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■□■   ちょいと箸休め   ■□■
2008年 3月 11日  第134回 言葉 By晶実
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言葉は簡単に手軽に口から出せるが消しゴムがない。
形がないから、壊す事も奪い返す事も出来ない。


悪い話なのか良い話なのか、文句なのか文句でないのか、面白い
のか面白くないのか、消去するのか保存するのか、言葉を発した
のは自分なのに、その言葉のカラーや行方を決めるのは自分の
言葉を耳にした相手。
自分に決定権はない。


いつの間にか私の中で言葉は、火や刃物を扱うよりも恐い存在だと
確立されていた。
子供は余計な事を言う。
黙ってりゃイイものをペラペラと。
私もそうだった。


一時期母親は、人前での私の言葉の行方にピリピリしていた。
世に現れて歴の浅い無知な人間が、よく解ってない状態で発する
のだから無理もない。


そして私は、挨拶とお礼の言葉以外の出かかった言葉を飲み込む
努力をした。
それまで自分の言葉で、他人を大きく傷つけた訳ではない。
気がつくと私にとって言葉は、気軽に使ってはいけない存在に
なっていた。


小、中学校、高校、就職後、どんな出来事があったかを母に話し
た事がない。
母は私の歴史の大部分を知らないだろう。
『あなたは、ほんっと自分の事を話さない子だったわよね〜。』
後に母が私に言った言葉。


お陰様で周りの大きなトラブルに巻き込まれずやってこれた。
感謝してる。


今、息子(6歳)の口からは、余計な言葉のオンパレードだ。
あの時の貴方の気持ちがよくわかる。
保育園での出来事を、良い事も悪い事も全部私に話してくれる息子。
私が、かつて止めた事だ。


息子の声と言葉は、息子がそこにいる事を明らかにさせる。
息子の声と言葉を歓迎する私が在る事も確かだ。


『あなたは、ほんっと自分の事を話さない子だったわよね〜。』
なぜ今さら言うの?
私が、かつて止めた事で、母は何かを無くしていたのかもしれない。


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