サッカーを読む第119号:新・サッカーへの招待
━━━━━━━━━━━━━━━━◎第 119号━━2007/11/26━━
サッカーを読む(フットボール書評)review football books
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☆目次
○ 今日の本
『新・サッカーへの招待』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/400430556X/footballreview-22
【あいさつ】
【書評】
【編集後記】
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ブログ → http://ameblo.jp/review-football-books/
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○ 今日の本
書籍名 :新・サッカーへの招待
著者 :大住良之
出版社名:岩波書店
出版年月:1998年4月20日
【あいさつ】
最近、サッカーの試合を見ていて思うのは、やたらと選手の背
番号が大きくなったこと。
以前から、そのポジションと背番号の関連性が、なくなってき
たなぁ、と思ってはいましたが。
昔から、アルファベット順に背番号を振る(70年代のアルゼ
ンチンなど)などの例はあるものの、守備的な選手が大きな番号
をつけたり、攻撃的な選手が小さい番号をつけたりと、背番号と
ポジションとの関係が、わけわかんなくなってきちゃったような
気がします。
どうして、こんなことを書いたかというと……。
【書評】
普通、“新”とついたり、“全面的に書き改めた”などという
と、前作が古臭くて面白みを感じられなくなったり、新たに書か
れたものだけが価値を持つような印象を持ちがちである。
しかし、本書および前作は、違う。
前著もまた、決してその価値を失うものでもないし(それは前
号で述べたとおりである)、またその逆に、本書も前著とは違う、
一つの作品として新たな輝きを放っている。
そのような抽象的なことを述べてもピンとこないかもしれない
ので、本書の中で、前著とはまた違った新鮮なことについて、抜
粋してみる。
例えば、よくサッカーは大衆のスポーツと呼ばれているが、そ
の歴史的な変遷・経緯について、簡潔ながら的確に歴史の流れを
捉えた記載が見られる。
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サッカーは大衆のスポーツである。ヨーロッパや南米では、一
九三〇年ごろを中心につぎつぎとプロ化が行われた。その背景に
は、第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけての各国の工業化、
都市化があった。大都市に集まった労働者たちの最大の娯楽とし
て、サッカーは大きく発展していった。そして第二次大戦後の復
興期にも、まったく同じ状況が起きた。イングランドには九十二
ものプロクラブがあるが、その「最多観客試合」の記録を見ると、
大半が一九三〇年代か一九五〇年代に集中している。産業が発展
する一方、人びとの暮らしがまだそれほど豊かでなかった時代、
サッカーは大衆の数少ない娯楽として大きな産業となっていたの
である。
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変遷・経緯といえば、背番号についても、冗長な説明ではなく
むしろもっと詳しく説明してほしいくらい短い記述なのだが、図
解も交えて、極めて明快な記述がある。
なぜ、俗にいうゲームメーカー、チームで一番のテクニシャン
で中心選手が背番号10なのか。
なぜ、いつもゲームの中心にいて攻守の要となっている選手を
“ボランチ”と呼ぶのか。
よくボランチのことをハンドルという意味で語られているが、
著者はこれとは異なる説を取っている。ここでその記述を引用す
ると長くなるので控えることとするが、その展開はややもすると、
歴史ミステリーに触れるが如く、思わず読んでいるこちら側も歴
史について深く考えこまされてしまう。
前号でも述べたが、本書もやはり、刊行されてから十年近く経
つのに、今読み返してもまったく古さを感じないのは、(私ごと
きが述べるのは極めて僭越ながら)その内容が極めて良質だから
である。
【編集後記】
背番号やポジションについて、なぜいろいろと思うところがあ
ったかというと、本書を改めて読み返して、これについていろい
ろなことを考えさせるところがあったからです。
もちろん、本書は、それだけではなく、他にも示唆に富む内容
もあります。
FIFAは、ちょっと前までは、ナショナルチームのワールド
カップしか開催していなかったのですが、近年、よくテレビCM
で「くらぶの、わぁるどかっぷ」と片言の日本語で外国人が発音
しているように、クラブのワールドカップも開催しています。
このような時代の流れについても、すでにあれこれと指摘して
いるんですね。
温故知新といいますか、いい本は何年経っても読む価値はある
し、読むたびに何か感じさせるものなんですね。
≪文中敬称略≫
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月(週1回発行)
◇発行者
田川正治
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