アラブからこんにちは~中東アラブの未知なる主婦生活  RSSを登録する

国際結婚して17年。アラビア湾岸にあるアラブ首長国連邦に住んでいます。結婚前は自由奔放に世界を駆け巡っていたのに、ひょんなことから戒律の厳しいアラブの生活に。5人の子どもをアラブ流に育てながら、湾岸中東の風習・文化・生活をエッセイで紹介します。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2009/09/29

アラブからこんにちは~Vol.178 ラマダーンについて考える(1)

◆━━☆アラブからこんにちは~中東アラブの未知なる主婦生活☆━━◆

マガジンID     0000158411
バックナンバー   http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000158411 
WebページのURL   http://www.geocities.jp/naokomai41/index.html


Vol.178 ラマダーンについて考える(1)

今年は、ラマダーンについていろいろ考えさせられる年となりました。
まず第一に、ラマダーンが8月20日から始まったことで、UAEの公立学校がすべて、
9月24日まで夏休み延長になったことです。6月初旬にもらった成績表には、
「次年度の新学期は8月30日に開始する」と書いてありました。
つまり、ラマダーンが始まってからちょうど10日目に、学校が始まるはずだったのです。
ところが6月後半、文部大臣が替わって、急に
「新学期はラマダーンが終わってから」ということになりました。

その時の我家の反応はさまざまです。
まず3男と次女は大喜び。「やったー、夏休みが延びた~。」
5月24日からすでに夏休みとなっている彼らにしたら、今年はまるまる4ヶ月のホリディです。
1年のうち3分の1が夏休みになり、さらに冬休みも加わります。

次男は自分の行く高校が、半私立・半公立の学校(アブダビ皇太子と
スポンサー企業によって経営されている)であることから、夏休み延長は
ないのではないかと疑います。
というのも、私立校はすべて、新学期の始まりは各校の考えに任せてあるからです。
インターネットで公式の知らせがあるまでは、ぬか喜びしないと慎重な姿勢です。

長女は、延長した分どこにシワ寄せが行くか考え、
「冬休みが短くなるのには反対。かといって授業期間が短くなるのにはもっと反対。
 だって去年もものすごいシワ寄せが生徒に行ったでしょう。」
去年は12月に2週間のホリディがあったため、授業期間はかわらないまま、
教科書のページをほとんどすっとばして授業が終わった経緯があります。
(参照:『ナショナルディ狂走曲』http//www.melma.com/backnumber_139263_4334986/)
さらに一昨年は、冬休みをクリスマスに合わせる事が急に文部省で決まったので、
1ヶ月も前倒しして、前期が終わってしまいました。
(参照:『始まりの季節』http://www.melma.com/backnumber_139263_3892890/)
結局のところ、試験で苦労したのは生徒たちだったので、同じ事が起きないよう
願ったのでしょう。

私は、こんな大事な決定が、前年、前々年のように、ろくに審議もなく
急に決まったことに不満です。
「ラマダーンのせいで学校がなくなるなんて、理由にならないよね。
 教育に重点を置く先進国なら、毎年やってくるラマダーンを理由に
 学校を閉鎖するなんて、おかしいじゃない。ただでさえ年間180日しか勉強しない
 国なのに、さらに30日も短くしてどうするつもり。」

教育の重要性を認識しているはずの夫は、しかし、まったく違う考えでした。
「ラマダーン途中から授業が始まるのは、誰にとっても大変だ。子どもたちはせっかく
 身体が慣れた断食生活の途中で、まったく違うリズムの生活を始めなければならない。
 大人もラマダーン後半という一番忙しい時期に、学校という新しい仕事と責任を
 背負うことになる。この判断は妥当だよ。」


イスラーム教を国教とするアラブの国々は、西暦を採用しながらも、年間行事の多くは
ヒジュラ暦にのっとっています。
ラマダーン(断食月)も、イード(断食明けの祭日)も、巡礼(ディリ・アル・ハッジャ月)も、
預言者ムハンマドの聖誕祭も、すべてヒジュラ暦に組み込まれている、イスラームの行事です。
ヒジュラ暦は西暦より11日ほど短いため、西暦に照らし合わせると、どの行事も
毎年約11日ずつ早まっていきます。つまり、私たちが考える「正月は真冬にある」とか、
「敬老の日は秋にある」といった概念はなく、ヒジュラ暦には季節との連動性は存在しません。
(そういえば2009年は、たまたまヒジュラ暦と西暦の正月がぴったり同じ
1月1日となった巡りあわせの年でした!)
加えて、太陰暦を基礎とするヒジュラ暦では、行事の前日に「月観察委員会」と称する
法学者たちが、新月の様子を肉眼で見て決定します。だから必ずしも11日ずつ正確に
早まるわけでもありません。
ひと月に日付が29日あるか30日あるか、つまりヒジュラ暦での翌月が
何日から始まるかは、その時の新月の状態を知るまでは、誰もわからないというわけです。
だからこそ、行事の前日には街中が(というか世界中のムスリムが)そわそわして、
法学者の決定をいまかいまかと待ち構えることになるのです。


ラマダーンについて考える(2)に続く

ハムダなおこ


☆『アラブからこんにちは』への感想は、以下のアドレスに送ってください☆
naokomai41@yahoo.co.jp
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る