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映画フィルムを映像文化財として考える「映画保存協会」のメールマガジンです。当会の活動や催し情報などについてお伝えしていきます。映画は時代を映す貴重な文化財!観る/作る以外の映画の楽しみ方にご興味がある方はぜひ!

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2008/12/01

映画保存協会『メルマガFPS』Vol.41

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│映│画│保│存│協│会│Film Preservation Society (FPS)│
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映画保存協会メールマガジン『メルマガFPS』 Vol.41
                         (2008.12.01)   
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□■─────────────【I N D E X】───────────■□

§1 【けんこう蔵部通信・その12】
   今年最後の「ちいさな上映会」を開催しました

§2.【フィルム救済プロジェクト】 
    地域のフィルムを地域で守ろう・その1

§3.【映画保存見聞録 第1回】武蔵野美術大学イメージライブラリー

§4.【小型映画部通信:8】フィルム置き場の改善 湿度対策 その2

§5.SEAPAVAA報告 その3(最終回)
   「アジアのおもてなし文化」篇

§6.【ショートショート書評】第7回
   『頗る非常!―怪人活弁士・駒田好洋の巡業奇聞』

§7.FPSからのお知らせ

§8.編集後記

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§1.【けんこう蔵部通信・その12】
    今年最後の「ちいさな上映会」を開催しました
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11月8日(土)の復元ワークショップに続き、11月15日(土)に今年
最後の「ちいさな上映会」を催しました。
ご来場の皆さまには、様々な不手際がございましたことをお詫び申し上げま
す。映写台を新しくしたのですが、それに伴う諸々の変更点が担当者に伝わ
っておりませんでした。今後改善いたします。

この日、小会と同じく東京都文京区で活動する「NPO法人緑のゴミ銀行」
さんが蔵見学に訪れてくださいました。
もしかしたら、蔵入口の整備に堆肥をお譲りいただけるかもしれません。将
来的には、花壇にできるかも……夢が広がります。
来年も協和会の蔵をどうぞよろしくお願いします。

≪NPO法人緑のゴミ銀行≫
http://hw001.gate01.com/m53/

≪けんこう蔵部≫
http://www.homemovieday.jp/kura/

※蔵部では12月21日(日)に年末大掃除をおこないます。
 ボランティア参加者募集!info@filmpres.org までお問合せください。

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§2.【フィルム救済プロジェクト】
    地域のフィルムを地域で守ろう・その1
    フィルム救済プロジェクト(救済P=きゅうさいぴー)発足!
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昨今、地域や家庭に眠る映画フィルムが映像アーカイヴに寄贈されることな
く廃棄されてしまう事例は、残念ながら少なくありません。

家庭に眠る8ミリフィルムを鑑賞して楽しむ上映会が≪ホームムービーの日
≫なら、地域の視聴覚ライブラリー所蔵で、すっかり活用の機会が失われて
いる16ミリフィルムを借り出して調査するのが≪ちいさな上映会≫です。

小会では地元文京区所蔵のフィルム調査を今年からスタートさせ、これまで
に25本を試写する中で、既に大発見もありました(谷根千工房さん主催、
毎年秋恒例の「D坂シネマ」ではアンコール上映されました)。

日本全国津々浦々、視聴覚教材として所蔵されているフィルムの中には、今
まさに廃棄の危機に瀕しているコレクションもあります。
こうしたフィルムの内容に関しては、今後様々な活用方法が考えられますが、
その前に、まずは現物保存です。
中央の映像アーカイヴに集約するという選択肢だけでなく、各地域レベルで
守り残す道が拓けないものでしょうか。

そこで映画保存協会は、会員及び≪ホームムービーの日≫世話人を中心に、
「フィルム救済プロジェクト」を始動させました。
奇数月第3土曜日に開催している「ちいさな上映会」の終映後、救済P呼び
かけ人の柳下美恵さんを囲んで会合を開き、各自の調査結果報告や情報共有
を進めつつ、知恵を出し合っています。

調査に伴い入手した資料は、小会資料室に蓄積していきます。
会費は1回2,000〜2,500円程度。
次回開催は2009年1月17日(土)です。
興味をお持ちの方は、ぜひ一度ご参加ください。

☆次回のちいさな上映会はこちら→http://www.homemovieday.jp/little.pdf

≪ちいさな上映会 備忘録≫ http://www.homemovieday.jp/smallgauge/
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§3.【映画保存見聞録 第1回】武蔵野美術大学イメージライブラリー
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JR中央線国分寺駅からバスで20分。武蔵野美術大学(東京都小平市)の
キャンパスにたどりつきました。
ここには学内向けのイメージライブラリーという施設があり、16ミリ、レ
ーザーディスク、ビデオテープ、DVDなど様々な映像ソフトが閲覧可能に
なっています。
「ちいさな上映会」の今年7月の回に関係者の方がご来場くださったことを
きっかけに、「武蔵美に16ミリフィルムが所蔵されている!」という事実
を知り、9月某日、会員3名連れ立って見学させていただく運びとなりまし
た。

さて、お目当てのフィルム約500巻はドライキャビネットに整然と納まっ
ています。もちろん所蔵リストもあり、将来的にはネット上で検索可能にす
る計画もあるそうです。
プリント状態は良好で、ビネガー臭もありません。
いったいどういった内容のフィルムかといいますと、これがなんと「カナダ
国立映画制作庁」制作の珠玉のドキュメンタリーやアニメーションなのです。
人気のノーマン・マクラレン作品ももちろん含まれます。

「IMAGE LIBRARY NEWS」1999年11月号によると、カナダ大使館所蔵の
プリントが貸出事業停止にともない、日比谷図書館、札幌の視聴覚センター、
静岡県立中央図書館に分割管理され、この内、静岡分のプリントが後に大使
館に返却される段になって、あわや廃棄かというところで武蔵美に移管され
たというのが所蔵に至る経緯のようです。

今回は特別にイシュ・パテルの『パラダイス』(1984年)を映写していただ
きました。
DVD化されている作品とはいえ、フィルム上映にてスクリーンに再現され
た色の鮮やかさといったら、それはもう眩しく、美しく、フィルムの力に圧
倒されました。
教育現場において、映像の最小単位である「1コマ」あるいは「1フレーム」
という概念を、現物のフィルムを通して体験することの重要性も、今回の見
学で再認識したことの一つです。
DVDになったからフィルムは捨てるという発想がむしろ当たり前の風潮の
中、フィルムを守り残し、活用しているライブラリーの存在が心強く、幸せ
な気持ちで帰途につきました。

お忙しい中、見学を受け入れてくださったイメージライブラリーの下川久美
香さま、木村美佐子さまには心から感謝いたします。ありがとうございまし
た。(K)

≪武蔵野美術大学≫ http://www.musabi.ac.jp/

※次回は「東京都板橋区立公文書館」の予定です。

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§4.【小型映画部通信:8】フィルム置き場の改善 湿度対策 その2
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(前回から続く)

押入れ除湿法を続けつつ、もっと効果的があって、なおかつ資金的なことを
考えると使い捨てではなくて再生できるもの……と考えて、使ってみたのが
以下の2つです。

・木炭
床に敷いている備長炭シートのように、炭は調湿効果があり、なおかつ消臭
効果もあるそうです。自宅近所の燃料店で30cmぐらいのもの(3本70
0円)を購入しました。これを縁石に打ち付けて細かく砕き、缶に入れて戸
棚内においています。
一月ごとに煮沸消毒→陰干して再生しています。

・ゼオライト
シリカゲルを大量に手に入れようか、と思っていたときに偶然出会いました。
分子ふるい(モレキュラーシーブ)として、アンモニアの吸着や乾燥効果が
あり、猫砂や水質・土壌改善に使われるものらしいです。
ネットで天然のものを購入してお茶パックに詰めて使っていますが、細かい
粒がお茶パックを通過してしまうのが悩みです。

と、ここまでやり終えたのが9月半ば。だいぶ気候もよくなってきて、除湿
剤の効果を見るより前に夏が終わってしまいました。
徐々に安定はしてきているとはいえ、結局は日々のお天気頼み。
これを深く反省して、戸棚全体の湿度を下げる努力をしつつも、個々のフィ
ルムに対して何か対処法を練った方がいいのでは、と感じました。

個々のフィルムは現在、シリカゲルと一緒にある程度まとめてフリーザーバ
ッグに入れ、なるべく空気を抜いて封をしています。
最初シリカゲルはお菓子の缶に入っているような小袋のものを使っていまし
たが、のちに400gポット入りのものを発見。
これをお茶パックに入れて使っています。こちらの方が量も調節可能で、効
果も長持ちするようです。

指示粒が青からピンクになった時点で、電子レンジで何度かチンして再生し
ていますが、ほぼ毎週交換が必要です。
すでにビネガーシンドロームの兆候が現れているものは、富士フイルムの
「キープウェル」を使っています。

しかし、これらが実際どのような効果を上げているのかデータを取る方法が
ありません。戸棚の中は相変わらず温湿度計しかなく、何かもう少し分かり
やすい方法はないものか、と考えています。(N)

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§5.SEAPAVAA報告 その3(最終回)
   「アジアのおもてなし文化」篇
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(前々回から続く)

会期中はこれでもか、というほど手厚いおもてなしを受け、たくさんのお土
産をいただき、重いスーツケースを引きずって帰国しました。
韓国から帰国するときも、欲張ってポスターやらDVDボックスセットやら
を持ち帰り、たいへんなことになってしまいましたが……。

同じアジアでも、日本では客人をここまで歓待しません。笑顔とともに供さ
れる心づくしのおもてなしに、何のお返しもできないことがもどかしくもあ
りました。

FPSの会員が進める「映画の里親」プロジェクトのPR映像も会議の中で
上映していただきました。
前説をつとめてくれた国際会員のブリジット・パウロヴィッツに感謝します。
会議にあわせて発行されたSEAPAVAAのニューズレターには、「里親
求む!」の大見出しが掲載され、はやくも2名の参加者が里親への興味を示
してくれました(担当者に伝えましたが、結果的にはうまくいかなかったよ
うです)。

今回の会議で代表がフィリピンのベリーナ・カプルさんからタイのTUENJAI 
SINTHUVNIKさんに交代しました。理事も再選出され、映画関係のニュースで
たびたびお名前をお見かけするアジアン・フィルム・アーカイヴ(シンガポ
ール)のTAN BEE THIAMさんのほか、フィジーのALIPATE MATEITOGAさんらが
新たに加わりました。

次回の開催地として有力だったジャカルタは国政選挙の日程と重なるとかで、
香港説が浮上しています。香港なら(近いので)日本からの参加者もあるか
もしれないと言うと、「日本人には冒険心がないの!?」と理事の皆さんは
がっくりされていました。
冒険心があってもなくても、初の東アジアでの開催が実現するとなれば喜ば
しいことです。開催国がどこになろうと全日程参加できますように!
私も今度こそ日本からの「お土産」を携えて、彼らの笑顔と再会できること
を楽しみにしています。おわり。(K)

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§6.【ショートショート書評】第7回
   『頗る非常!―怪人活弁士・駒田好洋の巡業奇聞』
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明治から大正にかけて活躍した活動弁士、駒田好洋の名は以前、東京国立近
代美術館フィルムセンターでの展示室で見かけたことがあった。
フロックコートを着て、天を指差し堂々と立つ活動弁士。
「頗(すこぶ)る非常に大勢の方においでをいただきまして、座員一同頗る
非常に喜んでおります…」と「頗る」を多用したことから「頗る大博士」と
して人気を博した駒田好洋の活動を、昭和初期、都新聞に掲載された「巡業
奇聞」を元にひも解いて行く。

「巡業奇聞」に目を通すと、これが活動弁士だけではなく、当時の映画館や
従業員、配給会社、観客とのやり取りなど、活動写真にまつわるすべての状
況を網羅していることがわかる。
駒田好洋は弁士だけではなく、巡業先に着くとビラを配ったり、地元の名士
に招待券を渡し…。今で言う広告代理業のようなアイデアも出して人々を驚
かせていたようだ。
小さな小屋(映画館)しかない地方の人々にとって、映画そのものはもちろ
ん、駒田一行自体が見世物的楽しみを運んでいたと言える。

駒田は北海道の利尻まで足を運んだ。道中、フィルムを盗まれたりと苦労も
多い。それでも駒田の様子は明るい。「大ボラ吹き」とも言われた駒田だが、
人々を喜ばすには多少の嘘も方便、と思っていたのだろうか。
そうした人物を、細々した史料を丹念にたどり、一冊の本に仕上げた著者の
仕事ぶりに頭が下がる。

この本を読み終わった時、以前は映画と観客が対等だったのだなぁという印
象を持った。
観客はお菓子を食べながら映画に笑い、泣き、弁士に合いの手を入れ、野次
を飛ばし…。外国に行くと映画館の中で感想を言い合う観客を見るが、日本
でそれはマナー違反とされる。上映中、トイレに行くにも気を遣う。映画>
観客の構図を時々感じる。
それはやはり、映画と観客の間に入る「活動弁士」という人の不在が一因な
のだろうか。

日本の映画史を知るには大変貴重な一冊だ。当時の業界用語の解説も各項の
後ろに付けられている。ぜひご一読を!(A)

『頗る非常!―怪人活弁士・駒田好洋の巡業奇聞』単行本: 492ページ/出版
社:新庁舎(2008/08)

※FPS資料室に所蔵しています。

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§7.FPSからのお知らせ
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□■年末年始休業のお知らせ□■
FPS(映画保存資料室/小型映画部)は、年末年始の休業期間を下記の通
りとさせていただきます。
お客さまにはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいますようお
願い申し上げます。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

[年末年始の休業期間]
2008年12月24日(水)〜2009年1月10日(土)

[営業開始]
2009年1月11日(日)朝11時より平常通り営業いたします。

≪休業期間中のお問い合わせについて≫
info@filmpres.org 宛のメールは引き続き24時間受け付けますが、12月
31日〜1月3日にいただいたメールにつきましては1月4日以降に順次対
応させていただきます。

■記事訂正のお知らせ■

前号掲載の「第3回映画の復元と保存に関するワークショップ2008 参
加報告(後編)」について、文脈の一部に正確でない表現がありました。
謹んで訂正させていただきます(S)。

---(以下訂正)---

(前略)修復では画だけでなく、音響の修復作業も重要な作業ですが、今回
の実習で は音響の修復作業の見学もありました。
プリントのサウンドトラックから音を抜きだし(音抜きと呼ばれる)、そこ
からデジタルでノイズリダクションを行い、光学リレコ(光学録音)するま
での説明があり、特に最後の光学リレコの見学では、ウェストレックス製の
サウンドカメラのスリット部分を覗き、実際にサウンドトラックがどう記録
されるかということを見ることができました。 

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§8.編集後記
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筑紫哲也さんが亡くなりました。筑紫さんといえばニュースキャスターです
が、熱烈な映画ファンという一面もありました。
いつだったか、ニコール・キッドマンにインタビューした際「本当に…きれ
いなんですよ」というような話していたのですが、その時の顔が男の顔では
なく、憧れのスターに出会えた少年のような顔をしていたことを思い出しま
す。

毎年、夏休みとお正月前に映画評論家のおすぎさんとともに、NEWS23
の中でおすすめ映画を紹介するコーナーがありました。
今年はそれがありません。毎年、年の節目に来ていた映画好きのおじさんが
急に来なくなったような、そんなさみしさを感じました。
ご冥福をお祈りします。(天野)

[お詫び]諸事情により配信が1日遅れとなりました。お詫び申し上げます。
[お知らせ]
【FIAFサマースクール報告】はお休みします。次号でお伝えいたします。
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  映画保存協会(FPS)
  発行元 :映画保存協会 Film Preservation Society 
  編集担当:天野園子
  Web    : http://www.filmpres.org/
  e-mail : info@filmpres.org
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