2009/08/19
メールマガジン★授業成立プロジェクト★第198号
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ メールマガジン「授業成立プロジェクト(JSP)」 第198号 2009年8月19日発行 (毎週水曜日発行) HP http://www.jugyo.jp/js-pro/ □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ★目次★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 連載・学習ゲームで学力を育てる 第4回 「ゲーム」で学習スキルを学ぶ ~『漢字分解ワンフレーズ』の授業~ 北海道・三笠市立三笠中央中学校 平山 雅一 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「解」という字は、なかなか複雑で覚えるのが難しいものです。しかし、 「解」を「角」+「刀」+「牛」と分解して、簡単な漢字にすると、楽に 覚えられます。 今回の平山雅一さんの実践は、それをワンフレーズにすることで、さら に覚えやすくしています。 なるほど!こういう漢字の覚え方(スキル)を身につければ、学力は上 がるに違いありません。 (中村 健一) ------------------------------------------------------------------ 1 連載・学習ゲームで学力を育てる 第4回 「ゲーム」で学習スキルを学ぶ ~『漢字分解ワンフレーズ』の授業~ 北海道・三笠市立三笠中央中学校 平山 雅一 ------------------------------------------------------------------ 学級には、漢字がなかなか定着しない生徒がいる。反復学習で進めると いうのも方法の一つであり、多くの場面でも目にすることができるが、そ れでも定着が難しい生徒もいる。そのような場合、その生徒にとって価値 のある何らかの意味を持たせることで定着することもある。 そこで今回は、『漢字分解ワンフレーズ』というゲームを紹介する。こ れは、漢字を分解し、それに意味を持たせワンフレーズにし、班のなかで おもしろいものを勝ちとするゲームである。 ★ルール 1.任意の漢字を分解する。 例)戀(旧字の恋)→言・糸・糸・心 2.分解した各要素の読みをつなげ、元の漢字の持つ意味に近いフレー ズを考える。 例)【糸(愛)し、糸(愛)しと、言う、心】が「戀(恋)」です。 3.分解したものは「読み」が同じであれば、変えてもよい。 例)糸→愛し 4.おもしろいもの・うまいものを相互評価し、一番支持を得た人が勝 ち。 はじめのルール説明は、クイズ形式で行った。 『「戀」は何という字かわかりますか』 「・・・・・・(?)」。 わからないというのが前提で出しているクイズであるので、10秒くら いでヒントを告げる。 『これは昔の字で、今は違う字を使っています。昔の人はこの字をう分け て(黒板に書いた字の言・糸・糸・心それぞれに○で分ける。)【愛し 愛しと言う心】と言って覚えていました。』 「恋・・・ですか?」 『正解です』 「あ~」。 『今日は、このように漢字を分解して、覚えやすいようにフレーズを作る という学習です。』と告げ、上記のルールを説明する。今後の流れとして、 班による互選ののち、学級全体で発表を行うことを告げる。質問の有無を 確認し、作業を始める。 回りながら生徒の作品をみると、大変おもしろい。『この文章、うまい ね!』というように、私が思ったことを、そのまま生徒に伝えていく。中 にはかけていない生徒もいる。生徒同士で解決したり、私が個別に指導を 行った。どうやらかけない原因の一つは、漢字を選ぶところにとまどって いた。教科書の中を具体的に示したり、辞書の画数の多いところを開いて みるなどのアドバイスを行った。 もう一つの大きな原因は、うまく変換できないところであった。たとえ ば、「弾」を選んだ生徒がいた。「弓」と「単」に分かれるが、どうして も「弾」の意味に近づけることができなかった。生徒は「単」を変換した いと考えた。しかし、「タン」という音で、しっくりくる漢字を見つけら れなかった。そこで、カタカナ表記の「タン」とし、弾む音を表現した。 このように分解した要素について同音の漢字を一緒に調べながら、フレー ズ作りのアドバイスを行った。 一作品作ることができると、その後は比較的作業はスムーズに進んでい った。できるだけ多くの作品作りをしたなかで、まずは自薦の一作品を選 び、グループ・学級全体の交流をした。 なお、一番人気の作品は「忘」(心を亡くすと忘れる)であった。とく に、「忘」と「荒」の区別に役立ったようである。 次の時間、試しに「各班代表の漢字+戀」を出題してみた。もちろん、 これは抜き打ちで行ったものであり、『全員が100点としました!』と はならない。しかし、生徒の取り組む姿勢が、とくにわからない生徒の姿 勢が、「考えてすぐに終わり」というのではなく、考え続けているのであ る。終了後に、生徒にどんなことを考えていたかを聞くと、「フレーズを 思い出していた。」「これはわかったんだけど・・・」と一部分を記入し ている生徒も数名いた。わかった生徒も、「フレーズを思い出してかけた」 というふりかえりがあった。 再度、前日のフレーズを思い出したのち、覚える方法の一つとして有効 であることを確認し、その日の授業に入っていった。 (この授業の最後にもう一度行った。すると正答率は9割程度であった。) このゲームの目的は、「『小フレーズ(ワンフレーズ)で覚える』とい う覚え方を実感してみる」ことである。反復学習は、たくさんの学習効果 があることは明白である。しかし、その反復学習だけでは定着が難しい生 徒がいることも事実である。 また、反復学習では学べないものもゲームという手法を用いることで体 得することができる。たとえば、このゲームでは、漢字に意味を持たせて、 それを手がかりに定着をはかるというものである。漢字に意味を持たせる 活動を通して、漢字を使えるようにしてほしいと考えている。 これまで何度か繰り返してお伝えしていることであるが、どんなに体験 的であってもその活動が生徒にとって『たのしく』取り組めるものでなけ ればならない。この『たのしく』が重要である。この授業では、生徒は決 して漢字学習をしているとは思っていない。学習ということを忘れるくら いに十分な思考と交流活動を通して、生徒は前述のような目的を体得する ことができると考えている。 なお、このゲームを「学級全体で覚えることができた人が多い人(定着 率)が勝ち」と競うということもできるが、今回は「学び方」を主目的と して「おもしろさ」「【うまい】度」を判定基準とした。 また、ゲームのネーミングや説明に「ワンフレーズ」としたのは、『笑 撃ワンフレーズ』(TBS系列)から生徒のイメージしやすさからである。 ------------------------------------------------------------------ 【編集後記】 ------------------------------------------------------------------ 「授業成立プロジェクト」のHPにもお越しください。 http://www.jugyo.jp/js-pro/ 次号は8月26日発行の予定です。お楽しみに。 ================================================================== メールマガジン「授業成立プロジェクト」 第198号(読者数1380) 2009年8月19日発行 授業成立プロジェクトリーダー 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp 【本プロジェクトに関心を持った方は、ぜひメールを下さい】 編集責任者 中村健一(山口) kenek728@yahoo.co.jp 副編集長 土作 彰(奈良) tuttyan@kcn.jp 石川 晋(北海道) zvn06113@nifty.com 編集メンバー 平山 雅一(北海道) m-hira@f3.dion.ne.jp 中嶋 卓朗(宮城) nakaj@cd6.so-net.ne.jp 中條 佳記(奈良) qqvz2hg9k@lagoon.ocn.ne.jp 田中 博司(東京) o-tnk@mti.biglobe.ne.jp 青山 新吾(岡山) mxf02541@nifty.com 桑原 健介(福岡)kensuke1106@jcom.home.ne.jp メルマガ発行サポーター 佐藤 正寿(岩手) msts5sato@nifty.com 【ご意見・ご感想をお待ちしています。→中村健一 kenek728@yahoo.co.jp 校内研でワークショップをしたい等の問い合わせもお待ちしています。】 登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html ==================================================================


