2009/08/05
メールマガジン★授業成立プロジェクト★第196号
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ メールマガジン「授業成立プロジェクト(JSP)」 第196号 2009年8月5日発行 (毎週水曜日発行) HP http://www.jugyo.jp/js-pro/ □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ★目次★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 連載「”授業成立”で眠れないあなたのための読書ノート」 第3回 大谷和明『観察・実験・飼育の技術』 上條晴夫『見たこと作文でふしぎ発見』 北海道・上士幌町立上士幌中学校 石川 晋 http://homepage1.nifty.com/maru-shin 2 「授業づくりネットワーク2009in東京」のご案内 編集部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 子どもたちに「観察力」をつけたいと思った時、どうしますか? 観察の技術を子どもたちにしっかりと教えるか?それとも、観察させな がら技術を引き出していくか?どちらの方法がいいのでしょう? 石川晋さんは、「その二つのアプローチの仕方を組み合わせて(混交= ハイブリッドさせて)、『観察力』を育てていく。」と結論づけます。 なるほど!これが「ハイブリッド型発想」なのですね。 ハイブリッド車みたいだと思いました。両方を場面によってスイッチ一 つで使い分け、より効果をあげるようなイメージでしょうか。 確かにこれからの教師にはこういう発想が必要なのかも知れません。 (中村 健一) ------------------------------------------------------------------ 1 連載「”授業成立”で眠れないあなたのための読書ノート」 第3回 大谷和明『観察・実験・飼育の技術』 上條晴夫『見たこと作文でふしぎ発見』 北海道・上士幌町立上士幌中学校 石川 晋 http://homepage1.nifty.com/maru-shin ------------------------------------------------------------------ 大谷氏と上條氏はほぼ同年代。私が教師になった1980年代末から90年 代初頭の時期には、既にいくつものすぐれた実践を発表し続ける先端的な 実践家であった。また、私が現在に至るまで直接に学びつづけてくること ができたという点でも特別の実践家である。 大谷氏は今春から札幌市内の教頭となった。また、上條氏は早くに小学 校教師を辞して研究者への道を歩まれた。お二人の実践を直接に見せてい ただくことはもう適わないが、私にとっては、永遠の教育スターである。 さて、そのお二人が90年代初頭に相次いで出された本が『観察・実 験・飼育の技術』(明治図書)と『見たこと作文でふしぎ発見』(学事出 版)である。 この2冊を「観察」ということをキーワードにして捉え直しながら紹介 してみたい。 大谷氏は、「観察」を徹底的に分析的に説明していく。その語り口は極 めて「説得的」である。例えば氏は「観察とは、見付ける営みであるとい うことだ。発見することが観察の本旨である」とする。 そして、観察の原則を「1 比較の原則/2 統合の原則/3 分析の 原則」の三つにまとめて提示する。この手法は極めて「技術的」である。 「理知的」かつ「説明的」な印象を生む。この手続きを経て、さらに、 「観察の技術」へと続いていく。私の知る限り学校教育実践のレベル、「観 察」を取り巻くもろもろの案件について、についてこれほど明晰に構造化 して提示したものはない。 その意味からも、この本は現代においても価値を失わない「観察」に関 する第一チョイスに値する名著である。 大谷氏のアプローチは、「観察」に関わるもろもろの情報を与えること で、「観察」しやすくすることで、「観察力」を高めていくという構造を 持っていると言える。 一方、上條氏の『見たこと作文でふしぎ発見』にみせる「観察」へのア プローチについては少し「見たこと作文」について説明しなければならな い。「見たこと作文」は、上條氏が小学校教諭時代に開発した作文メソッ ドである。それまでの「したこと作文」に対して「見たこと」を分量を問 わず書かせる。その中から、一枚文集を核とする教師の「カンファレンス」 によって、より精度の高い「観察」を促していく構造を持っている。 つまり、上條氏のアプローチは、「観察」の方法を与えて「観察」させ るのではなく、「観察」事例を豊富に集めて共有していくことで、より深 く広い「観察」を促し、「観察力」を高めていくという構造を持っている と言える。 「観察」を「作文」の繰り返しによって、定着深化させていくというユ ニークなアプローチは、現代においても斬新であり、その価値を失わない 名著である。 さて、大谷氏と上條氏のアプローチの違いは、大谷氏が、演繹法的な思 考であるのに対して、上條氏は帰納法的な思考であるという点である。 わかりやすく書けば、大谷氏は、かなり精度の高い結論から個別の事例 への分析を行っていく。 それに対して上條氏は個別な事例を集める(体験させる)ところから一 般的な傾向をあぶりだしていこうとする。 そういうことだ。 もちろん大谷氏は、実はたくさんの実践事例の中からある法則性を導き 出して、それを言語化しているわけだが、大谷氏の提案に触れた我々は、 大谷氏の解からスタートすることになる。 一方上條氏は、なんらかの法則性を見出しているだろうが、それを提示 するのではなく、出来る限り一般化に慎重であらんとする。 「観察」ということをキーワードにしながら、そのアプローチの仕方が、 ある意味では真逆であることが大変おもしろい。無論、どちらがすぐれて いるというのではない。「観察」を技術的に細分化してレッスンするとい う発想と、「観察」体験の連鎖を生み出していくフレームワーク設定の二 つの方向からのアプローチがあることを常に考える。その二つのアプロー チの仕方を組み合わせて(混交=ハイブリッドさせて)、「観察力」を育 てていく。このハイブリッド型発想が、今私たちに求められていると いうことになるわけだ。 ----------------------------------------------------------------- 2 「授業づくりネットワーク2009in東京」のご案内 編集部 ------------------------------------------------------------------ 授業づくりネットワーク2009in東京 技術と省察の教師力の探求-学び合う教師をめざして- 主催 NPO法人「授業づくりネットワーク」 後援 東京都教育委員会 武蔵野市教育委員会 研究団体「授業づくりネットワーク」では、4年間の「授業成立プロジ ェクト」の成果を受け継ぎ、さらに2年間「授業成立プロジェクト2」を 継続します。今回のテーマは「技術と省察の教師力の探求」です。 「技術と省察の教師力の探求」のために以下、三つの柱を立てました。 (1)ハイブリッド技術の開発 (2)ライフヒストリーからの学び (3)ワークショップ型の研修 この三つの柱を具体化するために、下記のプログラムを企画しました。 今年の夏は、ぜひ東京にお越しください。 ■日程 2009年8月11日(火)12日(水) ■会場 成蹊大学4・9号館(東京都武蔵野市) http://www.seikei.ac.jp/university/ 東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1 〈アクセス〉 ・JR中央線・総武線(東京メトロ東西線)・京王井の頭線吉祥寺駅下車 ・吉祥寺駅北口バスのりば1・2番より関東バスで約5分成蹊学園前下車 ・吉祥寺駅より徒歩約15分 ■8月11日(火) 9:30-10:00 受付 10:00-12:00 模擬授業・対話型インタビュー 「教師のライフヒストリーから学ぶ?辞書引き学習法を中心に?」 講師:深谷圭助(立命館小学校) 対話:森脇健夫(三重大学) 進行:上條晴夫(東北福祉大学) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/200908111000 13:00-15:00 体験型講座 「安定した授業づくり・安心のある学級づくり」 A:ワークショップで学ぶ意欲を育てる小学校国語科授業 講師:木附隆三(東京・町田市立鶴川第一小学校) ※講座Aは定員に達したため締め切りました。 B:PISA型読解力を育てる中学校国語科授業 講師:堀裕嗣(北海道・札幌市立北白石中学校) C:学習ゲームで楽しく力がつく算数科授業 講師:竹松克昌(神奈川・茅ヶ崎市立鶴嶺小学校) D:楽しく学ぶ実験と観察 「言語活動」を生かす理科授業 講師:真田伸夫(山形・寒河江市立白岩小学校) E:全員わかるをめざす「学び合い」の社会科授業 講師:阿部隆幸(福島・本宮市立糠沢小学校) F:特別支援教育に学ぶ授業づくり・学級づくり 講師:池田康子(神奈川・川崎市立下河原小学校) 講師:上原淑枝(神奈川・川崎市立百合丘小学校) G:プロジェクト・アドベンチャーを活用した小学校学級づくり 講師:高久啓吾(神奈川・寒川町立一之宮小学校) H:エンカウンターを活用した中学校学級づくり 講師:明里康弘(千葉・千葉市立磯辺第一中学校) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/200908111300 15:30-17:30 Mini-1グランプリ2009 「第3回全国大会-授業づくりプロへの登竜門-」 進行:土作彰(奈良・広陵町立広陵西小学校) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/200908111530 18:00-20:00 懇親会(希望者のみ) ■8月12日(水) 9:30-10:00 受付 10:00-11:30 体験型レポート検討 「『あすの授業』を語り合おう!」 進行:佐内信之(東京・杉並区立方南小学校) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/200908121000 12:30-14:30 対話型講座 「ライフヒストリーから学ぶ授業づくり・学級づくり」 I:物語を読むための「10の観点」とその由来 講師:白石範孝(筑波大学附属小学校) 対話:鶴田清司(都留文科大学) J:理科実験を効果的にする「学び合い」とその由来 講師:水落芳明(上越教育大学) 対話:赤坂真二(上越教育大学) K:学級づくりに役立つ「3・7・30の法則」とその由来 講師:野中信行(神奈川・横浜市立子安小学校) 対話:石川晋(北海道・上士幌町立上士幌中学校) L:学級づくりに求められる「学級担任論」とその由来 講師:池田修(京都橘大学) 対話:喜岡淳治(成蹊大学) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/200908121230 15:00-16:40 模擬授業「ハイブリッドのすすめ-新旧技術の混交-」 講師:鈴木啓司(千葉・市川市立曽谷小学校) 講師:石川晋(北海道・上士幌町立上士幌中学校) 進行:上條晴夫(東北福祉大学) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/200908121500 16:45-17:00 発表!「授業づくりネットワーク2010in京都」 【参加費】 〈2日間〉 一般 8000円 会員 7000円 一般学生 4000円 会員学生 3000円 〈1日のみ〉 一般 5000円 会員 4000円 一般学生 3000円 会員学生 2000円 【懇親会費】 3000円(希望者のみ) ●申し込み方法 下記についてHP、Eメール、郵便、FAXでご連絡ください。 (1) 氏名 (2) 一般・会員・一般学生・会員学生の別 (3) 〒・住所 (4) 電話・FAX番号 (5) Eメールアドレス (6) 勤務先名 (7) 参加希望日:2日間・1日目のみ・2日目のみ (8) 希望する講座:体験型講座( ) 対話型講座( ) (9) 懇親会:参加・不参加 *参加費、懇親会費は当日払いです。 *当日受付も行いますが、希望する講座に参加できない場合もあります。 (各講座の定員30名前後) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/nw2009natu *申し込み後、連絡が全くない場合はトラブルが予想されます。恐れ入 りますが、再度ご連絡ください。 ●申し込み先 (HPの場合) http://jugyo.jp/cgi/mailformpro2/09summer-form.html (Eメールの場合) nw2009natu@jugyo.jp (郵便・FAXの場合) 〒162-0814 東京都新宿区新小川町6?12 授業づくりネットワーク事務局 TEL&FAX 03-3269-3715 ------------------------------------------------------------------ 【編集後記】 ------------------------------------------------------------------ 「授業成立プロジェクト」のHPにもお越しください。 http://www.jugyo.jp/js-pro/ 次号は8月12日発行の予定です。お楽しみに。 ================================================================== メールマガジン「授業成立プロジェクト」 第196号(読者数1373) 2009年8月5日発行 授業成立プロジェクトリーダー 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp 【本プロジェクトに関心を持った方は、ぜひメールを下さい】 編集責任者 中村健一(山口) kenek728@yahoo.co.jp 副編集長 土作 彰(奈良) tuttyan@kcn.jp 石川 晋(北海道) zvn06113@nifty.com 編集メンバー 平山 雅一(北海道) m-hira@f3.dion.ne.jp 中嶋 卓朗(宮城) nakaj@cd6.so-net.ne.jp 中條 佳記(奈良) qqvz2hg9k@lagoon.ocn.ne.jp 田中 博司(東京) o-tnk@mti.biglobe.ne.jp 青山 新吾(岡山) mxf02541@nifty.com 桑原 健介(福岡)kensuke1106@jcom.home.ne.jp メルマガ発行サポーター 佐藤 正寿(岩手) msts5sato@nifty.com 【ご意見・ご感想をお待ちしています。→中村健一 kenek728@yahoo.co.jp 校内研でワークショップをしたい等の問い合わせもお待ちしています。】 登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html ==================================================================


