2009/07/29
メールマガジン★授業成立プロジェクト★第195号
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ メールマガジン「授業成立プロジェクト(JSP)」 第195号 2009年7月29日発行 (毎週水曜日発行) HP http://www.jugyo.jp/js-pro/ □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ★目次★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 連載 特別支援教育-指導と支援のハイブリッド-(第3回) 田中博司(東京都)青山新吾(岡山県) 2 「授業づくりネットワーク2009in東京」のご案内 編集部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 作文が苦手な子をどう支援するのか? なるほど!こういう作文指導が書けない子どもへの支援になるのです ね。 読者のみなさんにも、「指導と支援のハイブリッド」がイメージしやす い記事になっていると思います。ぜひ、読んでください。(中村健一) ----------------------------------------------------------------- 1 連載 特別支援教育-指導と支援のハイブリッド-(第3回) 田中博司(東京都)青山新吾(岡山県) ------------------------------------------------------------------ ■文章が書けない子をどう支援するか? ~発達障害をもつ青年男性との会話から考えたこと~ 田中博司(東京都)■ 先日、ある会の打ち合わせで、発達障害をもつ成人男性と話す機会をも つことができました。自分の障害を受け入れている成人の方から語られた 小学校時代の思い出話はとても衝撃的で、自分の受け持っている子やこれ まで受け持った子のことを思わず重ね合わせながら、たくさんのことを考 えさせられました。 その話の中に作文に関することがありました。 その方は、自分の考えを文章にすることが苦手で、作文の時は特にどう 書いていいかわからなかったそうです。 そして、それでも何とか書きあげた文章を担任の先生にダメだしされて、 更にどうしていいのかわからなくなり、原稿用紙を見ることさえもイヤに なったということでした。 では、そのときどうすれば書くことができたのか? 自分の授業をふりかえりながらその方と話をしました。 自分は作文を書かせる時に型を与えることがよくあります。 例えば、先日、1学期終了時のふりかえり作文を書かせる際には、次の ような型を与えました。 「1学期一番心に残っていることは・・・です。 理由は・・・だからです・ このことから私は、・・・を学びました。 2学期は・・・」 こんな方法はどうですかと尋ねてみたところ、それなら書けたかもしれ ないというお返事をいただきました。 そして、そんな会話からある文章を思い出しました。 以前受け持っていた発達障害のあるBさんが社会科の授業で書いた文章 です。 歴史で、信長・秀吉・家康の3人の武将について選択で調べ学習をした 後、まとめの文章を次のような型を示して書かせました。 「私は、・・・は、・・・な人だと思います。 理由は、・・・だからです。」 Bさんは、この時、ノートに次のような文章で自分の考えを書いていま した。 「私は、織田信長は、かわいそうな人物だと思います。 理由は、せっかく安土城を建てたのに、天下統一の途中、仲間におそ われて戦死したからです。世の中は本当にこわいと思いました。私は、 本当にこの時代に生まれてよかったです。」 日頃なかなかノートに文章を書くことがなかったBさんが書いたこの文 章を見て、担任としてとてもうれしく感じたことを覚えています。 きっとBさん自身も自分の考えがうまく書けたことがうれしかったこと と思います。 授業成立プロジェクトリーダー上條晴夫氏の「書けない子をなくす作文 指導のコツとネタ」(学事出版)には、こうした書けない子のための作文 指導のコツが書かれています。 文章を書けない子の苦悩をやわらげ、書けた時の喜びを感じさせてあげ るためにも、我々教師は、このような指導技術をもっていなければいけな いということを強く感じました。 ■上條実践から学ぶ ~特別支援教育の視点を取り入れた作文指導~ 青山新吾(岡山県)■ 作文が大の苦手の男の子。小学2年生。 国語は大嫌いだと公言していた。 平仮名や習った漢字が書けないわけではない。文が作れないことが、彼 を困難に陥らせている1つの要因だと思えた。 でも、よく観察するとそれだけでもないようだ。 何かを「見る」時の「見方」が上手ではないと思えた。 子どもたちが公園で遊んでいる絵を見せる。 『何の絵ですか?』と問う。 「土がある。」と答える男の子。 間違ってはいない。 でも、第一回答としては違和感があるだろう。 全体を見て理解することが難しいのだと思えた。 ここまでは分析だ。だからどうするか? 彼はLDのような感じを受けると言うこともできる。しかしこれも分析 だ。 どうするか? 私は、上條晴夫先生の実践から多くを学んできた。 ある子どもへの個別指導の例を振り返る。 子どもの大好きなものを題材に使った。この子の場合は鉄道だ。 鉄道の写真を一緒に見る。 『見えたことを10こ言います』と指示。 まずは口頭でやりとりをした。 ノートに番号を打たせる。1行に1つ。行の頭に書かせる。 1から順番に10まで書かせた。 『見えたことを書きます。1つずつ書きます。』 番号作文である。 最初の一文は聴写させた。 「今日、しんかんせんを見た。見たことを書く。」 彼の文で、ノートがどんどん埋まる。 表記のミスは無視をする。 ねらいによっては、モデルを書いて見せる手もある。子どもの状況と授 業のねらいで判断だ。 10個書けたら、最後に1文だけ思ったこと、考えたことを書かせても よい。 「まどが大きいからよく見える。」 なんてつぶやきが聞こえたら、それを書かせて完成だ。 書き出しの文の指定。 好きなものを使っての「見方」の学習。 数字を活かした番号作文。 「予告の文」「番号作文」「考察の文」で作文の構造化。 障害の診断名にかかわらず、子どもの細やかな観察から導かれた20年 近く前の上條実践は、特別支援教育の視点を取り入れた作文指導だと言え る。改めて痛感である。 ----------------------------------------------------------------- 2 「授業づくりネットワーク2009in東京」のご案内 編集部 ------------------------------------------------------------------ 授業づくりネットワーク2009in東京 技術と省察の教師力の探求-学び合う教師をめざして- 主催 NPO法人「授業づくりネットワーク」 後援 東京都教育委員会 武蔵野市教育委員会 研究団体「授業づくりネットワーク」では、4年間の「授業成立プロジ ェクト」の成果を受け継ぎ、さらに2年間「授業成立プロジェクト2」を 継続します。今回のテーマは「技術と省察の教師力の探求」です。 「技術と省察の教師力の探求」のために以下、三つの柱を立てました。 (1)ハイブリッド技術の開発 (2)ライフヒストリーからの学び (3)ワークショップ型の研修 この三つの柱を具体化するために、下記のプログラムを企画しました。 今年の夏は、ぜひ東京にお越しください。 ■日程 2009年8月11日(火)12日(水) ■会場 成蹊大学4・9号館(東京都武蔵野市) http://www.seikei.ac.jp/university/ 東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1 〈アクセス〉 ・JR中央線・総武線(東京メトロ東西線)・京王井の頭線吉祥寺駅下車 ・吉祥寺駅北口バスのりば1・2番より関東バスで約5分成蹊学園前下車 ・吉祥寺駅より徒歩約15分 ■8月11日(火) 9:30-10:00 受付 10:00-12:00 模擬授業・対話型インタビュー 「教師のライフヒストリーから学ぶ?辞書引き学習法を中心に?」 講師:深谷圭助(立命館小学校) 対話:森脇健夫(三重大学) 進行:上條晴夫(東北福祉大学) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/200908111000 13:00-15:00 体験型講座 「安定した授業づくり・安心のある学級づくり」 A:ワークショップで学ぶ意欲を育てる小学校国語科授業 講師:木附隆三(東京・町田市立鶴川第一小学校) ※講座Aは定員に達したため締め切りました。 B:PISA型読解力を育てる中学校国語科授業 講師:堀裕嗣(北海道・札幌市立北白石中学校) C:学習ゲームで楽しく力がつく算数科授業 講師:竹松克昌(神奈川・茅ヶ崎市立鶴嶺小学校) D:楽しく学ぶ実験と観察 「言語活動」を生かす理科授業 講師:真田伸夫(山形・寒河江市立白岩小学校) E:全員わかるをめざす「学び合い」の社会科授業 講師:阿部隆幸(福島・本宮市立糠沢小学校) F:特別支援教育に学ぶ授業づくり・学級づくり 講師:池田康子(神奈川・川崎市立下河原小学校) 講師:上原淑枝(神奈川・川崎市立百合丘小学校) G:プロジェクト・アドベンチャーを活用した小学校学級づくり 講師:高久啓吾(神奈川・寒川町立一之宮小学校) H:エンカウンターを活用した中学校学級づくり 講師:明里康弘(千葉・千葉市立磯辺第一中学校) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/200908111300 15:30-17:30 Mini-1グランプリ2009 「第3回全国大会-授業づくりプロへの登竜門-」 進行:土作彰(奈良・広陵町立広陵西小学校) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/200908111530 18:00-20:00 懇親会(希望者のみ) ■8月12日(水) 9:30-10:00 受付 10:00-11:30 体験型レポート検討 「『あすの授業』を語り合おう!」 進行:佐内信之(東京・杉並区立方南小学校) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/200908121000 12:30-14:30 対話型講座 「ライフヒストリーから学ぶ授業づくり・学級づくり」 I:物語を読むための「10の観点」とその由来 講師:白石範孝(筑波大学附属小学校) 対話:鶴田清司(都留文科大学) J:理科実験を効果的にする「学び合い」とその由来 講師:水落芳明(上越教育大学) 対話:赤坂真二(上越教育大学) K:学級づくりに役立つ「3・7・30の法則」とその由来 講師:野中信行(神奈川・横浜市立子安小学校) 対話:石川晋(北海道・上士幌町立上士幌中学校) L:学級づくりに求められる「学級担任論」とその由来 講師:池田修(京都橘大学) 対話:喜岡淳治(成蹊大学) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/200908121230 15:00-16:40 模擬授業「ハイブリッドのすすめ-新旧技術の混交-」 講師:鈴木啓司(千葉・市川市立曽谷小学校) 講師:石川晋(北海道・上士幌町立上士幌中学校) 進行:上條晴夫(東北福祉大学) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/200908121500 16:45-17:00 発表!「授業づくりネットワーク2010in京都」 【参加費】 〈2日間〉 一般 8000円 会員 7000円 一般学生 4000円 会員学生 3000円 〈1日のみ〉 一般 5000円 会員 4000円 一般学生 3000円 会員学生 2000円 【懇親会費】 3000円(希望者のみ) ●申し込み方法 下記についてHP、Eメール、郵便、FAXでご連絡ください。 (1) 氏名 (2) 一般・会員・一般学生・会員学生の別 (3) 〒・住所 (4) 電話・FAX番号 (5) Eメールアドレス (6) 勤務先名 (7) 参加希望日:2日間・1日目のみ・2日目のみ (8) 希望する講座:体験型講座( ) 対話型講座( ) (9) 懇親会:参加・不参加 *参加費、懇親会費は当日払いです。 *当日受付も行いますが、希望する講座に参加できない場合もあります。 (各講座の定員30名前後) *詳しい内容は次のアドレスをご覧ください。 http://jnw.blog.so-net.ne.jp/nw2009natu *申し込み後、連絡が全くない場合はトラブルが予想されます。恐れ入 りますが、再度ご連絡ください。 ●申し込み先 (HPの場合) http://jugyo.jp/cgi/mailformpro2/09summer-form.html (Eメールの場合) nw2009natu@jugyo.jp (郵便・FAXの場合) 〒162-0814 東京都新宿区新小川町6?12 授業づくりネットワーク事務局 TEL&FAX 03-3269-3715 ------------------------------------------------------------------ 【編集後記】 ------------------------------------------------------------------ 「授業成立プロジェクト」のHPにもお越しください。 http://www.jugyo.jp/js-pro/ 次号は8月5日発行の予定です。お楽しみに。 ================================================================== メールマガジン「授業成立プロジェクト」 第195号(読者数1366) 2009年7月29日発行 授業成立プロジェクトリーダー 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp 【本プロジェクトに関心を持った方は、ぜひメールを下さい】 編集責任者 中村健一(山口) kenek728@yahoo.co.jp 副編集長 土作 彰(奈良) tuttyan@kcn.jp 石川 晋(北海道) zvn06113@nifty.com 編集メンバー 平山 雅一(北海道) m-hira@f3.dion.ne.jp 中嶋 卓朗(宮城) nakaj@cd6.so-net.ne.jp 中條 佳記(奈良) qqvz2hg9k@lagoon.ocn.ne.jp 田中 博司(東京) o-tnk@mti.biglobe.ne.jp 青山 新吾(岡山) mxf02541@nifty.com 桑原 健介(福岡)kensuke1106@jcom.home.ne.jp メルマガ発行サポーター 佐藤 正寿(岩手) msts5sato@nifty.com 【ご意見・ご感想をお待ちしています。→中村健一 kenek728@yahoo.co.jp 校内研でワークショップをしたい等の問い合わせもお待ちしています。】 登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html ==================================================================


