2009/05/27
メールマガジン★授業成立プロジェクト★第186号
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ メールマガジン「授業成立プロジェクト(JSP)」 第186号 2009年5月27日発行 (毎週水曜日発行) HP http://www.jugyo.jp/js-pro/ □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ★目次★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 連載・学習ゲームで学力を育てる 第2回 子ども同士の「やりとり」が「学力」形成する 〜「対義語カルタ」ゲームの授業〜 北海道・三笠市立三笠中央中学校 平山 雅一 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 連載「学習ゲームで学力を育てる」です。今回は、平山さんが「対義語 カルタ」というゲームを使って、子どもたちにどんな学力をつけたのか、 丁寧に解説してくださっています。 「やっぱ、学習ゲームは学力形成に有効だ」と納得しました。 (中村 健一) ------------------------------------------------------------------ 1 連載・学習ゲームで学力を育てる 第2回 子ども同士の「やりとり」が「学力」形成する 〜「対義語カルタ」ゲームの授業〜 北海道・三笠市立三笠中央中学校 平山 雅一 ------------------------------------------------------------------ 連載の1回目は「学欲」(学習意欲:これも今回の教育改革で示された 「学力」の3要素の1つ。)ということで、学習のすべての基礎というこ とで取り上げた。今回は、「基礎基本の力」をつけるという点で述べたい。 今年の2月に行った「対義語」の授業である。これまでは反復学習で扱 っていたが、単調になってしまい、生き生きと活動しながら学習できない かと考えた。 そこで小グループで「カルタ」をしながら、学習を深めようと考えた。 読み札の対義語を取らせて、多く取ったチームが勝ちというゲームである。 (準備に時間をとるが、盛り上がることうけあいである。) <準備> (0)グループごとに、机をつけて座る。(5〜6名の生活班を生かした) (1)対義語をまとめたプリントを配布する。(34人学級なら、34ペ アをリストアップする。) (2)1人あたり、対義語を1ペア指定する。(「反抗←→服従」を例に、 進める。) (3)A6(A4用紙の1/4)大の厚紙を用意する。 (4)グループ枚数の厚紙に、「反抗」と丁寧に書く。(6グループでき ていれば、6枚。) (5)同様に、グループ枚数の厚紙に、「服従」と書く。 (6)さらに厚紙を2枚用意し、「反抗」と「服従」が入っている短作文 をそれぞれ書く。 (1枚は「反抗している幼稚園児がいる。」。もう一枚は「親の権力 に服従する。」) 以上で準備完了である。生徒各自で自分の書いた取り札を書くグループ に配り、読み札を教師に提出する。準備が終わったら、はじめに普通のか るたと同じように、教師が読む読み札を生徒が取るゲームを行う。生徒に はタネを明かしていないが、この後の対義語かるたへ向けての練習を兼ね た活動である。カルタになれたり、集団の雰囲気づくりももちろんである が、すべての生徒が読み札を読めるようになるための練習でもある。 始まると、こちらで特に指示したわけではないが、「はい!」と声を出 してとる生徒もいる。それが決して浮いているわけではない。いわゆる生 活班を活用した。なかには、向かい合っての対抗戦をしているグループも ある。おもしろいのは、とっているときは結構な音量で話をしているのだ が、わたしが『ではつぎ。』というと、しーんとするのである。 すべてが終わると、にこにこしている顔があちこちで見受けられる。数 を確認しているグループがあれば、「これ、難しかったね。(どうやら、 漢字の読みの確認をしているようだ。)」というような、感想を言ってい るグループもある。「先生、もう一度やるんですか?」と、生徒がこっそ り聞いてくる。3〜4回繰り返して行う。 もちろんこれで終わるのならば、中学生の授業としては問題だろう。 『さてみなさん、ここからが本題ですよ!これは、対義語の学習ですか ら…』といって、少し間をおくと、数人が気づいて「もしかして、対義語 をとるんじゃない」など声が聞こえてくる。 『そうです。今度は「対義語」をとってください。たとえば、「反抗して いる幼稚園児がいる」だったら、「反抗」の対義語は「服従」ですから、 「服従」のカードを取るのです。』 「え〜、むずかしいよ」という声を軽く受け流し、ルールを1点変更す る。『ここからは、チーム戦にします。とった人は起立してください。』 と告げ、読み始める。 様子は一変する。「え〜と、「反抗」の反対は・・・・」「「反抗」って 「はんぱつする」ってことだから、その反対で・・・」などなど、グルー プでのやりとりが起こる。取り札には、似たような意味のものも複数ある。 なかには「親密」(なかよしだから)「親切」(優しくするっていう感じだ から)「尊重」(うけいれるから)などをとるグループもあった。『正解は 「服従」です。』というと、ガッツポーズをとる生徒もいるが、「あ〜そ うか」という声も聞こえた。 さて、この授業で「学欲」以外に、どのような「学力」形成があるか。 私は、以下の3点を大きく取り上げたい。 1点目は、「繰り返しの効果」である。ふつうのいろはカルタ形式で、 読んだものをそのまま取る活動を、繰り返し行った。繰り返すのは、空気 をあたためるという意味もあるが、全員が読み札と読むことができる状況 にするためである。もちろん生徒たちは、そのような私の思惑を知らない。 ひたすら楽しんでいるのだ。しかし、それまで読めなかった生徒も、相当 数の漢字を読むことができるようになっている。 2点目は、「有意味による理解の効果」である。このゲームを行うこと で、対義語について「意味を伴った」理解している。恥ずかしながら、私 はこれまでの対義語の授業は、プリントを用いた反復学習ばかりだった。 しかし、これはグループでやりとりがある。そのやりとりを通じて、意味 や言葉を自発的に求めているのだ。もちろん、この部分のテストはこれま で以上に定着がみられた。 3点目は、「発展・周辺学習の効果」である。『対義語カルタ』におけ るグループのやりとりのなかで、結果として類義語の指導にもなっていた。 というのも、もちろん言葉を教えることも重要であるが、私は「類義語は にている言葉」だけではなく「ニュアンスの違いは文章を読む上で大きな 違いになる」ということを伝えたい。近い意味の読み札があることにより、 生徒同士の会話で、さらには「生徒の言葉」でその違いに気づくことがで きるのである。 ----------------------------------------------------------------- 【編集後記】 ------------------------------------------------------------------ 「授業成立プロジェクト」のHPにもお越しください。 http://www.jugyo.jp/js-pro/ 次号は6月3日発行の予定です。お楽しみに。 ================================================================== メールマガジン「授業成立プロジェクト」 第186号(読者数1337) 2009年5月27日発行 授業成立プロジェクトリーダー 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp 【本プロジェクトに関心を持った方は、ぜひメールを下さい】 編集責任者 中村健一(山口) kenek728@yahoo.co.jp 副編集長 土作 彰(奈良) tuttyan@kcn.jp 石川 晋(北海道) zvn06113@nifty.com 編集メンバー 平山 雅一(北海道) m-hira@f3.dion.ne.jp 中嶋 卓朗(宮城) nakaj@cd6.so-net.ne.jp 中條 佳記(奈良) qqvz2hg9k@lagoon.ocn.ne.jp 田中 博司(東京) o-tnk@mti.biglobe.ne.jp 青山 新吾(岡山) mxf02541@nifty.com 桑原 健介(福岡)kensuke1106@jcom.home.ne.jp メルマガ発行サポーター 佐藤 正寿(岩手) msts5sato@nifty.com 【ご意見・ご感想をお待ちしています。→中村健一 kenek728@yahoo.co.jp 校内研でワークショップをしたい等の問い合わせもお待ちしています。】 登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html ==================================================================



