2008/04/30
メールマガジン★授業成立プロジェクト★第130号
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ メールマガジン「授業成立プロジェクト(JSP)」 第130号 2008年4月30日発行 (毎週水曜日発行) HP http://www.jugyo.jp/js-pro/ □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ★監修・上條晴夫「授業成立の基礎技術」シリーズ★ 上條晴夫・著 『ワークショップ型授業が子どものやる気を引き出す』 石川晋・編著 『クラスに安心感が生まれるペア・グループ学習』 土作彰・編著 『教室のふんい気を変えるミニネタ活用の授業づくり』 上條晴夫・編著『子どもを注目させる指示・発問・説明の技術』 上條晴夫・中村健一著 『子どもが納得する個別対応・フォローの技術』 菊池省三・編著『どの子も発言できる力がつく授業づくり』 学事出版 http://www.gakuji.co.jp/ より大好評発売中! ★目次★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 連載「授業成立のための『ワークショップ型授業』講座」 第4回 「貿易ゲーム」は、ぜひ経験したい 北海道・広尾町立広尾中学校 石川 晋 http://homepage1.nifty.com/maru-shin 2 連載「若手教師に贈る 授業成立のための保護者対応術」 第10条 お詫びの電話をお願いせよ! 山口・岩国市立通津小学校 中村 健一 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ お待たせしました!石川晋さんの登場です。 晋さんの今回のお原稿に「ワークショップ型授業運営の腕前の上達は『ワ ークショップ』的に行うのが一番だ」と書かれています。これ、大きく納 得しました。とにかく自分がやってみること、そして、その体験をもとに 考えることが大切だと思ったからです。 今号では、「ワークショップ授業」の王様とも言える「貿易ゲーム」を 紹介してくださっています。やってみるには、もってこいの授業です。 さあ、読もう!そして、読むだけでなく追試しよう!!とにかく、あな た自身が「ワークショップ型授業」を体験してみてください。 ------------------------------------------------------------------ 1 連載「授業成立のための『ワークショップ型授業』講座」 第4回 「貿易ゲーム」は、ぜひ経験したい 北海道・広尾町立広尾中学校 石川 晋 http://homepage1.nifty.com/maru-shin ------------------------------------------------------------------ 開発教育といわれる一連の教育プログラムがある。開発教育協会のHP には、その定義と沿革が掲載されている。 http://www.dear.or.jp/ 簡単に書くと、Development Educationを日本語に直訳した言葉であり、開 発途上国への支援を促す教育として1960年代にスタート。現在は、先進 諸国と開発途上国との間に起こっている構造的な問題の解決を、一人ひと りが参加し、行動していくことで図っていこうとする教育活動として徐々 に変化してきているものである。 その代表的なプログラムの一つが、「貿易ゲーム」である。日本でも、 大津和子さん(現北海道教育大学)らが積極的に紹介・実践してきたもの であり、授業で実施するということを想定した、典型的なワークショップ のはしりであった点で、歴史的にも意義深いプランである。 ルールを簡単に説明する。 (1)いくつかの小グループに分かれる。 (2)あらかじめ決められた寸法・形状の「製品」(通常はボール紙など で作成する)を生産する。 (3)それを、市場で売り(ディーラー役がいる)、お金に換える。 (4)グループには、紙の枚数、定規や分度器、コンパス、鉛筆などの道 具が不均衡に与えられている。先進国を想定したグループなら、道具 がたくさんある。開発途上国なら紙や人員はあっても、道具がなかっ たり、紙さえなかったりする。 (5)NGO役を設定して、ニーズに合わない支援などを取り入れてもお もしろい。 (6)最後に稼いだお金を発表し、感想交流となる。 この貿易ゲームに中3を対象に、久しぶりに取り組んだ。英語科の教諭 と一緒に英語の時間を使って実施した。英語科はふだんからTTで授業を 進めているので、私を含めて3名の教師での実施である。 3人でファシリテーター役、市場役、それにNGO役を3学級で輪番で 行った。 実におもしろい。まずワークショップ型授業の基本構造である「説明」 「体験」「振り返り」が、端的に位置づけられている、完成度のプログラ ムであることを再認識した。特に、ワークショップが、そもそも「共同制 作体験」であったことを考えると、話し合い活動などを中心とするワーク ショップ型授業よりも、本来的なワークショップの有り様に近い。 また、活動自体がエキサイティングでおもしろい。 しかし何よりもおもしろかったのは、最後の振り返り活動が、3者3様 だったことだ。というか、新卒の教師にファシリテーション初挑戦をして もらったのだが、やはり苦戦するのは、「振り返り」だということがよく わかったのだ。 終わった後、3人で話し合うと、ああすればよかったこうすればもっと 意見を引き出せた、と、その新卒教師から、意欲的な「反省」が次々と出 てくる。「説明」が難しいのかと思っていたら、実際は、「振り返り」が 難しかった、という。 ワークショップ型授業の腕を上げる一番の方法は、自分がファシリテー ションを体験すること。つまり、ワークショップ型授業運営の腕前の上達 は「ワークショップ」的に行うのが一番だということが、改めてよくわか ったのである。 貿易ゲームの詳細を知るには、下記から資料を購入するのが一番である。 http://www.dear.or.jp/book%20tradinggame.html ワークショップ型授業に取り組みたいと考える人なら、この「貿易ゲー ム」はぜひとも体験しておくべきだろう。 なお、私は、大津さんらと、数年前にd-net(北海道開発教育ネットワー ク)というグループを立ち上げた。貿易ゲーム以外にも様々なワークショ ップ型アクティビティを提供しているグループである。興味のある方は、 下記にぜひアクセスしていただきたい。 http://d-net2002.com/ ------------------------------------------------------------------ 2 連載「若手教師に贈る 授業成立のための保護者対応術」 第10条 お詫びの電話をお願いせよ! 山口・岩国市立通津小学校 中村 健一 ------------------------------------------------------------------ そこのお若いの。今日もわしの話を聞いてくだされ。 保護者同士の関係が悪くなるとキツイものです。教師はどちらの側につ くわけにもいきません。できる限り未然に防ぐ努力をしたいものです。 たとえば、子ども同士のケンカです。 昔、クラスの男の子が取っ組み合いのケンカをしたことがありました。 下校中、ささいな口ゲンカがきっかけで、NくんがIくんに殴りかかっ たのです。もちろん、Iくんも反撃しました。しかし、Iくんはアスファ ルトに叩きつけられ、頭から血が出るケガをしました。 養護教諭に見てもらったところ、幸いにもケガはたいしたことがありま せんでした。 そこで、2人から話を聞きました。ケンカなので、もちろん、どちらに も悪い所はあります。お互いの悪い所を謝らせました。これで、子ども同 士は解決です。 子どもを帰らせた後、さっそく保護者に電話をかけました。 まずは、Nくんの家に電話します。 『今日、下校中にNくんがIくんと取っ組み合いのケンカをしました。幸 いNくんにケガはないようです。でも、ケンカの時は思わぬ力が入って いる場合も多いです。後でどこか痛みだしたら、病院に連れて行くなり してください』 最初に、事実を告げ、Nくんの体を心配しました。 『Iくんは、頭から血を流すケガをしました。Nくんに投げつけられ、ア スファルトで頭を打ったのが原因だと思います。ただ、養護教諭に見て もらったところ、幸いにもケガは小さそうです』 お母さんは、ホッとされた様子でした。 『一つ間違えば大きなケガになるので、2人は厳しく指導しました。お互 いに悪かった所を反省し、仲直りもしました。子ども同士の関係は大丈 夫だと思います』 指導したことを伝えます。 『2人から話を聞いてみると、Nくんが先に手を出したようです。また、 軽かったとはいえ、頭にケガをさせてしまっています。大変申し訳ない のですが、Nさんの方からIさんにお詫びの電話を入れていただけます か?』 低姿勢でお願いします。お母さんから、「もちろん!」のお答えをいた だき、私も一安心です。 『ありがとうございます。では、よろしくお願いします。また、Nくんの 体も心配しています。何かありましたら、御連絡ください』 お母さんからも「お電話をありがとうございまいした。申し訳ありませ んでした」のお言葉をいただきました。 その後、すぐにIさんにも電話です。 『今日、下校中にIくんとNくんが取っ組み合いのケンカをしました。I くんは頭から血を出すケガをしました。養護教諭に見てもらったところ、 今のところ大丈夫そうです。ただ、頭なので心配です。何かあればすぐ に病院に連れて行ってください』 まずは、事実を告げ、Iくんの体を心配しました。 『2人から話を聞きましたが、お互いに手を出しています。Nくんは幸い ケガをしていないようです。しかし、一つ間違えば大ケガになるので、 厳しく指導しました。お互いに悪かった所を反省し、仲直りもしました。 子ども同士の関係は大丈夫だと思います』 Iさんには、「ケンカはどちらも悪い」ということを伝えました。 後は、もう一度Iくんの体を心配して電話を切りました。 Iさんは、お互いに悪いと思っています。そこに、Nさんからお詫びの 電話がかかるのですから、2人の関係は悪くなりません。 Nさんに電話を入れると、「お詫びの電話をしたら、恐縮されました」 とのことでした。これで一件落着です。 最近の保護者の中には、お詫びの電話を入れるという発想さえない方が いらっしゃいます。ケガをさせた子の保護者に電話すると、「で、先生、 私はどうすればいいんでしょうか?」と相談されることもしばしばです。 お詫びの電話1つなければ、保護者同士の関係が悪くなる恐れがありま す。そうならないように、お詫びの電話をお願いすることが必要ですね。 ケガをさせた子の保護者にはお詫びの電話をお願いしましょう。もちろ ん、「低姿勢で」が大切です。 ------------------------------------------------------------------ 【編集後記】 ------------------------------------------------------------------ 「授業成立プロジェクト」のHPにもお越しください。 http://www.jugyo.jp/js-pro/ 次号は5月7日発行の予定です。お楽しみに。 ================================================================== メールマガジン「授業成立プロジェクト」 第130号(読者数1259) 2008年4月30日発行 授業成立プロジェクトリーダー 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp 【本プロジェクトに関心を持った方は、ぜひメールを下さい】 編集責任者 中村健一(山口) kenek728@yahoo.co.jp 副編集長 佐藤正寿(岩手) msts5sato@nifty.com 編集メンバー 石川晋(北海道) zvn06113@nifty.com 田中光夫(東京) qq2f7599k@diary.ocn.ne.jp 土作彰(奈良) tuttyan@kcn.jp 菊池省三(福岡) k.syouzou@jcom.home.ne.jp 【ご意見・ご感想をお待ちしています。→中村健一 kenek728@yahoo.co.jp 校内研でワークショップをしたい等の問い合わせもお待ちしています。】 登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html ==================================================================



