断熱・気密・防湿 快適・健康・省エネの技術 RSSを登録する

断熱をおろそかにした家は、外気温度の変化が室内に大きな影響を与え、大きな空調エネルギーを必要とします。優れた断熱性能の家に自然エネルギーを活用して、省エネしながら夏を涼しく・冬を暖かく暮らせるノウハウを公開します。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2008/07/07

★★断熱・気密・防湿 快適・健康・省エネの技術★★ 第79号 (通算103号)小暑編

この記事を取り寄せる

 ★★★★★★断熱・気密・防湿 快適・健康・省エネの技術★★★★★★
第79号 (通算103号)小暑編           2008年 7月 7日発行
    ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓
    ┃断┃熱┃・┃気┃密┃・┃防┃湿┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃
    ┣━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━┫
    ┃快┃適┃・┃健┃康┃・┃省┃エ┃ネ┃の┃技┃術┃ ┃ ┃
    ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛
 ●● 皆様こんにちは。
    先号が2週間も遅れての発行になってしまいましたので、今週は立て続けに
   メルマガを発行する気分になっていますが、これで正常な発行ペースに戻るだ
   けで何も特別なことではありません。

    それでは、「局所間歇空調と全館連続空調」の第五回です。
****************************************************************************
全館空調と局所空調 (その5)
 全館空調と局所間歇空調の比較の核心は、先ず一番目に「局所間歇空調をすれば、
全館連続空調よりもどれだけのエネルギーが節約できるか」と言うことでした。

 私自身もQ値が小さくなるほど、熱容量が大きくなるほど間歇空調による省エネル
ギー効果が小さくことはある程度予想していましたが、「局所空調による省エネルギ
ー効果をどう評価すればいいのか?」については判断がつかないままにシミュレーシ
ョンを始めることになりました。

局所空調
 局所間歇空調をした場合のシミュレーションの方法など探しても見つかるものでは
ありません。そこで、全館空調のシミュレーションで使っていた公式を発展させて、
新しいシミュレーションプログラムを開発することから始めました。
 一般には建物の室温と外気温度を決め、内外温度差に応じて建物から熱エネルギー
が失われると考えます。ほかに室内の内部発熱や空調によるエネルギーの増減を調整
し、最後に一定期間のエネルギー増減を熱容量で割ってその時間内の屋内の温度変化
を計算します。
 局所間歇空調では部屋ごとに空調のON−OFFを切り替え、それぞれの部屋ごと
に温度が異なることになります。そこで、部屋ごとに熱容量と空調出力を分配したモ
デルを作り、外壁や屋根は外気温度と室内温度の差に応じた熱損失があると考えたほ
か、部屋と部屋を仕切る間仕切壁や床も両側の部屋の温度差と当該部分の面積と熱貫
流率に応じて熱を配分するとして、空調機から放出されたエネルギーがどのように流
れるかを調べてみました。

 建物全体を同じ温度で連続して空調するとき、建物内の間仕切り壁や床の両面には
温度差がありませんから、室内間での熱の移動は起りません。各部屋からの熱損失は
室内から屋外に向けての熱損失だけになります。

 次に、田の字型の平面を持つ二階建て建物でひとつの階の全部屋を空調すると考え
てみましょう。このとき空調室と壁を接する部屋はすべて空調室ですから、全館空調
のときと同様、壁を通じた隣室への熱損失は起りません。
 二階と一階を区切る床を通じて空調室と非空調室の間に温度差が生じ、温度差に従
って建物内で熱損失が起ります。

 さらに空調室を減らして8室のうち隣り合った二室だけを空調する場合は、二つの
部屋を仕切る壁からの熱損失はなくても、非空調室との間仕切りと床(または天井)
から熱損失することになり、一室だけを空調するときには建物内の間仕切壁や床(ま
たは天井)を通じて外壁と同じように熱損失が起ります。

 空調室と非空調室の組み合わせ方にはここに書いたものとは違う組み合わせもあり、
それぞれに熱損失パターンも異なりますが、空調室数を変動させたときにどのような
熱損失量の変化が現れるかを確かめる検討手段として、このような組み合わせに限定
しました。

 さて、このように空調室数を減らすときに空調消費エネルギーはどのように減るで
しょうか?
 空調を使う部屋数が減ると、空調室から非空調室への熱損失が増加するため、一部
屋あたりの空調エネルギーは増加します。増加の割合はQ値が小さい建物、熱容量が
大きい建物で大きくなるため、簡潔空調することによってQ値が大きく熱容量の小さ
い建物ではある程度空調エネルギーを減らすことができますが、Q値が小さく熱容量
の大きい建物ではほとんど省エネ効果はなく、限られた時間に連続空調のときと同じ
空調エネルギーをつかうために大きな能力を持つ空調機を設置しなければならない無
駄を受け入れなければならなくなります。

熱容量の大小
 多くの人が「熱容量はRC外断熱工法、RC内断熱工法、木造など構造方法に伴っ
て決まってしまう」と考えていると思います。しかし、木造の建物でもコンクリート
の床を造り、土間下で断熱すれば熱容量を3倍(平屋)〜5倍(2階建て)に増やす
ことができます。大きな熱容量をうまく使いこなせなければ冬に底冷えがしたり、夏
に空調が効かなかったりする住みにくい家になりますから、不用意に熱容量を増やす
だけでは快適になりませんが、熱容量の意味を良く知った設計者が熱容量を建物に取
り込めば快適な室内環境を実現する有力な手段になります。

 さて、よく「熱容量の大きな建物は暖め難く、冷めにくい建物です」といった説明
を見ることがあります。このこと自体間違いではありませんが、そのあとに極めて極
端な「有りえない!」と言いたくなる誹謗のような説明がされることがあります。
 すなわち、「建物が冷えてしまうと、再び暖めるまでに数週間を要する」といった
説明です。
 真冬に建物が完成して入居するとき以外には起らない「建物が冷えてしまう」迄に
一体どれだけの期間空調を掛けない期間が必要なのかを考えたこともない人たちが、
理屈だけで「建物が冷えた」状態を想定しているのでしょう。

 夏、冷房で28℃、あるいは26℃程度に維持された熱容量の大きい建物の室温は外気
温度が20℃を割っても23℃程度に維持されています。暖房を全くしないでも熱容量の
大きい建物の室温は高めに保たれ続けるので、余程長期間の旅行で家を空けない限り
数週間も空調しないと空調が効かないと感じるほど建物を冷やすことはありません。

 建物の熱容量は第二の空調機です。熱容量は空調機を運転し初めると、空調機から
出たエネルギーを取り込み、空調機が止まると取り込んだ熱を放出します。
 局所空調、間歇空調するときもこの働きは同じように進みます。先ず空調室の熱容
量が空調機から放出されたエネルギーを蓄え、室温の上昇をゆっくり進めます。従っ
て非空調室に伝わるエネルギーも熱容量が大きいほど小さくゆっくりしたものになり
ます。
 そして、熱容量の大きい建物の躯体からは、空調を切ったあと長い期間をかけて熱
エネルギーが放出されていきます。

断熱性能
 冷蔵倉庫など特殊な建物を除いて、部屋と部屋との仕切りを断熱することはありま
せん。今回お話している空調室から非空調室への熱損失を減らし、効率的に局所空調
しようとすれば、間仕切り壁や床など同じ建物の中で断熱すればよいと思うかもしれ
ませんが、それは建物内の温度差を拡大し、温度差が原因になる新たな問題を引き起
こす原因になる恐れを含んでいます。

 その話は別の機会に譲るとして、局所空調する建物の断熱性能を高め、Q値を減ら
すと空調室から屋外への熱損失は小さくなり、非空調室を暖めるために使われる熱エ
ネルギーの比率が大きくなって、空調室と非空調室の温度差が縮小します。

 これらの検討結果を
http://www.sotodan-souken.com/3-9air_condition/page013.html
に纏めています。文字で説明しにくいこともグラフに示していますので、お読み戴け
れば幸いです。
****************************************************************************

 建物の種別ごとに熱容量と間歇空調用の空調機出力がどんな関係になるのかを空調
機メーカーに尋ねていましたが、日本電機工業会が制定した「暖房及び冷房面積算出
基準」があると回答がありました。

 部屋の向きや和室洋室によって多少の違いはありますが、冷房では南向きの部屋は
220W/m2、集合住宅の最上階で185W/m2、暖房では南向き和室で275W/m2、集合住
宅の最上階で250W/m2で空調機器の標準能力を割って機器能力に対応する空調面積
を計算するそうです。
****************************************************************************
サイトリニューアル情報
http://www.sotodan-souken.com/3-9air_condition/page013.html
 記事の中でもお知らせした間歇空調に関する説明です。
 断熱性能の十分でない建物を局所間歇空調によってエネルギー消費を削減しようと
すれば、短時間・小さなスペースを空調することしかできません。一方、断熱性能を
高めていくと局所空調や間歇空調で削減できる空調エネルギーは限られた小さなもの
になっていきます。
 断熱性能の低い建物で我慢しながら節約を図るよりも、断熱性能を高めた建物で快
適な暮らしをするほうが快適さと省エネを両立させることができることを確かめてく
ださい。
****************************************************************************
 ★★★★★★断熱・気密・防湿 快適・健康・省エネの技術★★★★★★
第80号 (通算104号)大暑編 は 2008年 7月21日に発行予定です。

 ┌──────────────────────────────────┐
 │     断熱を科学的に理解できる国内唯一の断熱専門サイト     │
 │       http://www.sotodan-souken.com/index.shtml       │
 └──────────────────────────────────┘
============================================================================
  発行者   (有)日本外断熱総合研究所 & 加藤清彦
   〒167-0053 東京都杉並区西荻南1-1-17
   03-5932-2115(平日9:00〜17:00 土日祝10:00〜17:00)
============================================================================
Copyright 2004 Japan Institute of Insulation, Co, Ltd. All Rights Reserved.
                                    
──────────────────────────────────────
■「断熱・気密・防湿 快適健康・省エネの技術」に関する、ご意見、お問い合わせ
先は info@sotodan-souken.com までどうぞ。
----------------------------------------------------------------------------
■「断熱・気密・防湿 快適健康・省エネの技術」の登録・解除は
http://www.mag2.com/m/0000154085.html からお願いします。
──────────────────────────────────────

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
このメールは、Windowsをお使いの方はMSゴシック、Macintoshをお使いの
方はOsaka等幅などの「等幅フォント」で最適にご覧いただけます
アウトルック・エキスプレスをお使いの方はツール−オプション−読み取り−フォン
ト から、プロポーショナルフォントをMSゴシックに指定してください。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る