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断熱をおろそかにした家は、外気温度の変化が室内に大きな影響を与え、大きな空調エネルギーを必要とします。優れた断熱性能の家に自然エネルギーを活用して、省エネしながら夏を涼しく・冬を暖かく暮らせるノウハウを公開します。

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2008/05/05

★★断熱・気密・防湿 快適・健康・省エネの技術★★ 第75号 (通算99号)立夏編

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 ★★★★★★断熱・気密・防湿 快適・健康・省エネの技術★★★★★★
第75号 (通算99号)立夏編           2008年 5月 4日発行
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    ┃断┃熱┃・┃気┃密┃・┃防┃湿┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃
    ┣━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━┫
    ┃快┃適┃・┃健┃康┃・┃省┃エ┃ネ┃の┃技┃術┃ ┃ ┃
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 ●● 皆様こんにちは。
    ゴールデンウィーク、如何お過ごしでしょうか。

    散々お待たせしてまいりました、「局所間歇空調と全館連続空調」の比較に
   漸く手をつけられるところまで来ました。
    一度に書ききれるテーマではありませんので、暫く連載という形で拙稿をご
   覧戴くことになりますがよろしくお付き合いのほどお願いします。
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全館空調と局所空調 (その1)
 間歇空調を考える前に、一定の温度に暖房している建物の暖房を切ったあと室内の
温度がどのように下がっていくかを考えてみましょう。
 建物から奪われる熱は壁や屋根の熱伝導、換気、サッシから屋外への輻射など様々
な形で熱損失され、それが建物内部の温度低下となって現れます。
 ここで、熱損失される熱量の大きさを単純に表わすものが熱損失率(Q値)で室温
と外気の温度差1℃あたりの熱損失量を表わすW/m2・Kという単位で表わします。
 室温低下は熱損失率だけで決まるものではなく、熱容量によっても違いがでてきま
す。熱容量とは建物を構成するすべての素材の温度を1℃変化させるのに必要なエネ
ルギーの大きさ(WH/K)です。

 熱容量を表わすには、WHの代わりにカロリーを使うこともあります。水の比熱が
1cal/g、コンクリートなど無機質の比熱が約0.2cal/g、木材や有機物の比熱が約
0.3cal/gなど水と比べたときの暖めやすさが判るので、カロリーはWHに比べて親し
みやすい単位かもしれません。

 建物の構造によって熱容量には差があります。

 木造では木材の重量と比熱を使って床面積120m2ほどの家でおよそ5000WH/K、RC
内断熱では10000WH/K、RC外断熱では40000WH/Kの熱容量になるものと思われます。
 厚い素材を持つ建物では素材全体の熱容量がすべて働くわけではないと、この数値
の約半分を目安に温度変化を計算することを提唱する方もありますが、素材によって
熱伝導率に大きな差があるので、私はこの方法の是非を判断しかねています。
 いずれにしろ熱容量が小さい建物ほど空調を切ったあと室温が早く外気温度に近づ
いていくことになります。

 「空調を切ったあと室温が外気温度に近づく」と

Q値×(室温−外気温度)×床面積

の式で計算される熱損失が小さくなることを意味します。

 同じ熱損失係数(Q値)を持つ建物なら、空調を切ったあと熱容量の小さな建物ほ
ど早く室温が下がり、それによってエネルギー消費を減らすことができるというのが
間歇空調のひとつの特性です。

 日本の住まいはもともとほとんど断熱性能を持っていませんでした。Q値は大きく、
土壁を使った家でも熱容量はあまり大きくありませんでした。こういう家全体を暖め
る暖房器具はありませんでしたから、部屋の一部だけを温める掘り炬燵や、体の一部
を暖める火鉢(手炙り)を使うばかりで、暖房と呼べるものは庶民の暮らしに程遠い
ものでしたから、日本人の暮らしの感覚は本格的な空調を知らずに形作られたもので
す。

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 前の項では同じQ値ならば、空調を切ったあと熱容量の小さいもののほうが早く室
温が低下するので屋外と室内の温度差が小さくなり、建物から屋外への熱損失が小さ
くなることを指摘しました。

 今回は、空調を停止する時間と温度低下幅の関係を考えてみましょう。

 空調を止めるときの室温は20℃、外気温度は5℃で一定とします。

 先ずQ値が1.5のときは次のようになります。
 (RC内断熱でQ値1.5建物を造るのはかなり難しいと思いますが出来るとして)

┏━━━┯━━━━━┯━━━┯━━━┯━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
┃   │ 熱容量 │1時間│3時間│6時間│ 9時間 │ 12時間 │ 15時間 ┃
┣━━━┿━━━━━┿━━━┿━━━┿━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
┃木造 │ 5,000WH/K│0.54℃│1.56℃│2.96℃│ 4.22℃│ 5.34℃│ 6.35℃┃
┣━━━┿━━━━━┿━━━┿━━━┿━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
┃RC外│40,000WH/K│0.07℃│0.20℃│0.40℃│ 0.60℃│ 0.80℃│ 0.98℃┃
┗━━━┷━━━━━┷━━━┷━━━┷━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

 次にQ値が3.0のときです。
┏━━━┯━━━━━┯━━━┯━━━┯━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
┃   │ 熱容量 │1時間│3時間│6時間│ 9時間 │ 12時間 │ 15時間 ┃
┣━━━┿━━━━━┿━━━┿━━━┿━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
┃木造 │ 5,000WH/K│1.08℃│3.01℃│5.42℃│ 7.34℃│ 8.88℃│ 10.11℃┃
┣━━━┿━━━━━┿━━━┿━━━┿━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
┃RC内│10,000WH/K│0.54℃│1.56℃│2.96℃│ 4.22℃│ 5.34℃│ 6.34℃┃
┣━━━┿━━━━━┿━━━┿━━━┿━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
┃RC外│40,000WH/K│0.14℃│0.40℃│0.79℃│ 1.17℃│ 1.54℃│ 1.90℃┃
┗━━━┷━━━━━┷━━━┷━━━┷━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

 さらに、Q値が5.0になると次のような室温低下になります。
┏━━━┯━━━━━┯━━━┯━━━┯━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
┃   │ 熱容量 │1時間│3時間│6時間│ 9時間 │ 12時間 │ 15時間 ┃
┣━━━┿━━━━━┿━━━┿━━━┿━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
┃木造 │ 5,000WH/K│1.80℃│4.77℃│8.03℃│ 10.25℃│ 11.76℃│ 12.80℃┃
┣━━━┿━━━━━┿━━━┿━━━┿━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
┃RC内│10,000WH/K│0.90℃│2.54℃│4.65℃│ 6.41℃│ 7.86℃│ 9.07℃┃
┗━━━┷━━━━━┷━━━┷━━━┷━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

 この計算ではいずれも内部発熱を無視しています。

 外気温度を変動させていますが、このときの室温低下と回復の様子をグラフにする
と次のような形になり、室温低下〜回復のラインと暖房設定温度で囲まれた図形が空
調負荷の様子を表わしています。

http://photos.yahoo.co.jp/ph/kiyoh8034/vwp?.dir=/876b&.dnm=515b.jpg&.src=ph&.view=t&.hires=t

 「Q値が大きく、熱容量が小さいほど間歇空調によるエネルギー消費量の削減効果
が大きい」と説明しましたが、このグラフは空調時間を短くするほどエネルギー消費
量が少なくなることも示しています。
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 今週は連続空調と簡潔空調の第1回です。
 皆様の中には間歇空調によってどれだけエネルギー消費が減るのだろうかと考えら
れた方もいらっしゃると思いますが、敢えてここでは定量的な話題には触れませんで
した。

 とは言え、定量的なものの見方が核心になるので数回後には定量的なエネルギー消
費に話を進めることになります。
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サイトリニューアル情報
 特にリニューアルはありません。
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 ★★★★★★断熱・気密・防湿 快適・健康・省エネの技術★★★★★★
第76号 (通算 100号)小満編 は 2008年 5月19日に発行予定です。

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