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2010/02/05

「サロゲート」のニクイところ

本日2月5日、日本テレビで「崖の上のポニョ」が放映!
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 「崖の上のポニョ」謎だらけの迷宮を脱出せよ!
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【基本3分!映画レビュー】わかりやすい映画案内   

                         NO.236 2010.02.05
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●目次(INDEX)●

 ■【サロゲート(SURROGATES)】

 ■【そのころ昼下がりの資料室では
  NO.09「命中率バツグンの男」】

 ■【編集後記】


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 ■【サロゲート(SURROGATES)】
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▼「サロゲート(SURROGATES)」
ジョナサン・モストウ監督 2009年 89分 


<ストーリー>

近未来。人類の98パーセントは自身の代わりに外出や出社をする代行ロ
ボットのサロゲートを使用している。

人々は自宅のリクライニングソファのような装置(スティムチェアー)
に横たわり、自分が希望する身体と容姿をしたサロゲートをリモートコ
ントロールすることで、外出の必要がほぼなくり、事件・事故・感染病
・差別の危険が格段に少なくなった。

たとえサロゲートが破壊されても、使用者の安全は保障されているはず
だった。

しかしある晩、何者かに襲われて破壊されたサロゲートの使用者も死亡
する事件起こる。

FBI捜査官のトム・グリアーは、サロゲートを開発したVSI社をその周辺
を捜査する。


Comments(論評、批評、意見)
―――――――――――――――――――――

■SFっぽくないSF作品

ロボットSF作品ときけば、どこか遠くの異世界を想像するだろう。

しかし日本で生まれ育った人たちにとって「サロゲート」は異世界でも
なんでもない。

さすがに街中を歩き回る人型ロボットは無くても、自宅に居ながら自分
の好きな容姿のキャラクターを作って、兵士による戦闘ミッションだの
モンスター狩りだのゾンビ殲滅だのを行っているのはもはや日常である。

例えば通称FFシリーズは、もうかれこれ20年以上も前からイケメンやイ
ケギャル(?)を自身の代理キャラクターとして操作してモンスターと
戦うゲームとして遊ばれている。

なにもゲームに限ったことではない。SNSも基本は同じだ。気に入ったア
バターを用いて、会ったこともない人と会話したりゲームをしたり、は
たまた新年会だって誕生会だってしたりする。

あなたも、現実に会ったことがある友人知人の数と、会ったことはない
友人知人の数を比べてみるといい。

どちらが多い少ないは別にしても、会ったことはない知人のひとりやふ
たりはいてあたりまえだということにあらためて気がつくだろう。

そんな日常を生きる人々にとって「サロゲート」の世界はけっしてSFの
世界ではなく、自身が生きるまさに現実そのものだともいえよう。

だから「サロゲート」は一見するとSFとしての衝撃度は低いようにもお
もえる。

実際に「サロゲート」を観はじめてもSF設定の新鮮さや衝撃といったも
のはあまり感じられないから、気楽に作品を楽しもうという気にもなる。

するとその予想のとおりに、あの無精ひげのダメダメ系いつも傷だらけ
のタフおやじでお馴染みのブルース・ウィルスが、なんと金髪サラサラ
ヘアーにツルンツルンのお肌で登場するではないか!

これはもう大爆笑せずにはいれらないし、そうしなければ制作者に対し
て失礼である。

やはりこの作品はお気楽にキャラを楽しむのがベストかと思い、ユルユ
ルモードで観ていると、次第に「おや?」と思いはじめる。

なぜなら、この作品は意外に複雑なのだ。


■ 「サロゲート」のニクイところ

物語の筋はシンプルなのだが、作品の内容と性格上、複雑に感じてしま
うのである。

まず、日本で生まれ育った人にとっては特に、欧米人の顔は識別しにく
い。これは欧米人にしてみれば東洋人の顔は皆同じにみえるというのと
大差なく、どの国の人にとっても外国人というのはそんなものである。

そんな前提に立っても「サロゲート」に登場するサロゲートのほとんど
はファッション雑誌のモデルのような容姿ばかりでどれも同じように見
えるので、だれがだれだか分かりづらくなることに拍車をかけている。

そして「サロゲート」ではサロゲートとそれを使用する本人とで容姿が
違う。つまり、ひとつのキャラクターにふたつの容姿が存在するのだ。

さらにサロゲートの開発者であるライオネル・キャンター博士の周囲に
関しては、複数体のサロゲートを使用することもできる。

こうなると、スクリーンに登場するキャラクターが人間なのかサロゲー
トなのか、さらにはそのサロゲートは誰が操作しているのか、といった
ことが頭をよぎり、殺人事件の黒幕をつきとめる課程で観客は少々混乱
気味になるかもしれない。

もっと整理してわかりやすくすることもできただろうが、おそらく制作
者サイドとしては、あえてそれをしなかったのではないか。

これが「サロゲート」のニクイところである。

「サロゲート」を観終わってから、少々複雑に思える内容を頭の中で思
い返して整理しようとすると、アラ不思議。

ユートピアを描きながらそこに皮肉と風刺を効かせていたその奥深さが
ジワジワと滲み出てくるのだから。

そもそもSFは皮肉と風刺のためにあるといってもいいほどだから、それ
をどう効かせるかがSF作品の良し悪しの判断材料になる。

この点で「サロゲート」はあえて複雑そうにみせることで風刺のスパイ
スをピリリと利かせているのだ。

そしてサロゲートを使用することによる混乱を、物語の謎解きにおける
混乱と「かける」ことで、生身で痛みを感じる現実を生きることの意味
と大切さをも伝えている。

もちろんそこにはグリアー捜査官のプライベートな事柄(子どもの死。
妻マギーとの関係)も描かれ、人間ドラマとしての物語もしっかり組み
込まれている。

だから観終ってしばらくすると、けっこうスゴい作品だったなと思えて
くるのだ。


■ おもう壺夫くん・壺子ちゃんになって「してやられる」作品

さらにこの作品のおもしろいところはブルース・ウィルスの使い方にあ
る。

ブルース・ウィルスといえば「ダイ・ハード」シリーズをはじめ、数々
の出演作品を通して「タフで不死身な男」のイメージが強い。

無精ひげで傷だらけの超人。それがブルース・ウィルスという俳優のス
テレオタイプ化されたイメージである。

ところが「サロゲート」で彼は金髪サラサラヘアーにツルンツルンのお
肌のお姿で、片腕を失ってもライフル片手に文字通り超人的跳躍力と頑
丈さで飛び回るのだ。

もちろんこのときのグリアー捜査官(ブルース・ウィルス)はサロゲー
トである。おそらく捜査官用のため、一般人用よりも格段に身体的能力
や耐久性がアップしているであろうサロゲートを使用している。

これはまさにブルース・ウィルスという俳優の、映画を通して作られた
「超人」というキャラクターそのままである。

しかしサロゲートを失って生身となったグリアー捜査官は、負傷してい
るとはいえ、足元がフラフラ状態である。

街中を歩くのさえ危険を感じるほどだ。なにせ周囲は皆サロゲートであ
る。

軽くぶつかっただけでも生身は怪我をかもしれないし、車だってときお
りぶつかるかぶつからないかのスレスレを猛スピードですり抜けたりす
る。万が一サロゲートに当たっても人を死なすことはないと運転手もわ
かっているからだ。

生身で出歩く危うさや脆さをヒシヒシと感じたグリアー捜査官だったが
それでも一歩一歩あるき続け、さらなる負傷を重ねていくうちにどんど
んタフになっていく。これは身体的にというより精神的にという意味が
強い。

このように、映画によって作られたイメージとしてのブルース・ウィル
スと生身のブルース・ウィルスとの対比が、作品のなかでのサロゲート
と使用者との対比を際立たせている。

そんなことに気がつく頃には、お気楽にユルユルモードで観はじめてい
た自分がまんまと制作者のおもう壺夫くん・壺子ちゃんになっていたこ
とに「してやられたな」と後頭部を意味もなく掻くことになるのである。


■ 見終わってからジワジワとおもしろくなる

この作品、観はじめると「なんかヘン」な感じがおもしい。

その原因のひとつは登場キャラクターの多くがファッション雑誌から飛
び出てきた美男美女のサロゲートだらけで妙に滑稽にみえるためだ。

それはまるでFFシリーズのキャラクターが街中を歩き回っているかのよ
うな滑稽さでもあるが、どう観てもやっぱりヘンなのだ。

もちろん意図してヘンにしているところがFFシリーズと「サロゲート」
の大きな違いだが、このヘンな感じはちょっとハマりそうでおもしろい。

そして、見終わってしばらくすると「なんか深いな」とジワジワと湧き
出るようなおもしろさもある。

なによりブルース・ウィルスの金髪サラサラヘアーにツルンツルンのお肌
だけでも一見の価値アリである。

ちなにSURROGATEという単語には代理人や代用(物)のほかに、遺言検証
判事の意味もある。

作品のラストでグリアー捜査官が似たような立場に置かれるのも、うま
くタイトルとかかっているようでおもしろい。

こうしてレビューを書いているうちにも「サロゲート」のおもしろみが
また増してきたように思う。

意外と、いや、かなりいいぞ!「サロゲート」。

アクションシーンもかなり派手だ。迷っているなら観たらいい。

もうひとつちなみに、国防省かどこかの広いフロアにスティムチェアー
がズラリと並べられ、兵士たちがGIサロゲートを操作して地上戦闘訓練
かなにかを行っているシーンがある。

現実にも米軍はアフガニスタンの3000m上空を飛ぶ無人機を戦闘で使って
いるという。

この無人機を操縦するのは米国本土の基地で操縦桿を握る兵士だ。

仮になにも知らされていない状態で基地の操縦席に座らされ、そこに移
る映像だけを見せられたら、それがゲームなのか現実なのかの区別をつ
けることは難しいだろう。

GIサロゲートと無人機を取りかえれば、「サロゲート」の作品中の国防
省のシーンはSFではなく、現実の光景となる。

こんなシーンをわざわざ撮り入れる「サロゲート」。これはお気楽ユル
ユル作品のふりをしているが、実は骨太作品である。

ほかにもいろんなところに風刺が効いているから、探してみるのもいい
だろう。


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 ■【そのころ昼下がりの資料室では NO.09】
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▼「そのころ昼下がりの資料室では」

「★マリカジ★のメッセンジャーPC講座」のサイドストーリー。
マリちゃんが派遣されてきたIT企業の資料室での物語。
これはワンセグ機能付携帯電話が普及しはじめた頃のお話。

登場キャラクター
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△派遣サダヒロ
男性。20代前半。携帯電話とカラオケが好きな自称サーファー。外見
はイマドキのチャラ男っぽいが、何事もやるときはやる! という根性の
持ち主。好奇心も旺盛。まるで学生が保健室にサボりに行くかのように、
なにかと会社の資料室に行っては昔の雑誌をパラパラめくったり、資料
室長と雑談したりしている。

▽室長コナツ
女性。30代半ば。資料室室長。会社のシステム系のプロジェクトを任
されているらしい。資料室の古い図案・書類・雑誌は棚に整理整頓され
ており、歴史・文化にも造詣が深いという。資料室が上層階の役員用個
室の近くにあることから、会社を創立した一族の令嬢ではないかとの噂
も囁かれる。薄化粧で地味な格好が多いが、社内の若い女性社員やスタ
ッフの間ではクールビューティーと噂される。

これは公式モバイルサイトに連載したコンテンツに一部加筆・編集した
ものです。


●第9回「命中率バツグンの男」
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〈資料室:昼休み〉

室長コナツ 「雑誌を読みながら何をソワソワしているの?」

派遣サダヒロ「べつになんでもないっスよ」

室長コナツ 「うそ。さっきから落ち着かない様子で椅子に座り直して
       みたり、貧乏ゆすりをしてみたりしているじゃないの」

派遣サダヒロ「そんなことないッスよ。それよりその弁当はうまいッス
       か?」

室長コナツ 「おいしいわよ。だって自分で作ったんだもん」

派遣サダヒロ「そりゃぁよかった」

室長コナツ 「よかったとか言っているわりには顔色はよくないよ。ほ
       んとうにどうしたの?」

派遣サダヒロ「コナっちゃん! 実は俺……」

室長コナツ 「な、なによ真剣な目をしちゃって」

派遣サダヒロ「……ちょいと厠へいきたいなぁっと」

室長コナツ 「えぇ! 信じられないわ」

派遣サダヒロ「だってこの雑誌おもしろくて読むのをなかなか止めれな
       いし、それにこの階の男子トイレは故障中なんで下の階
       まで行かなきゃならないから面倒でついつい……」

室長コナツ 「信じられない。キミの口から『厠』という言葉が出てく
       るなんて!」

派遣サダヒロ「婆ちゃんがよくそう言ってたんス。ってもうかなりヤバ
       イかも」

室長コナツ 「ほら、ウィンドウを素早く閉じる[Ctrl]+[W]
       みたいに、パっと雑誌を閉じて早くいってらっしゃいよ。
       昼食後はけっこう混むよ」

派遣サダヒロ「ギリギリまでヘーキ。小のほうッスから」

室長コナツ 「どっちでもいいわよもぉ! イヤねぇ、そうやってギリ
       ギリまで我慢する人がいるから掃除がたいへんなのよね
       きっと」

派遣サダヒロ「俺、命中率バツグンっスよ」

室長コナツ 「命中率?」

派遣サダヒロ「この会社のトイレには、ターゲットに似せたデザインの
       シールが小便器に貼ってあるんで、あとはそこを狙うだ
       け。俺ってビシッと決めるときは決める男ッスから! 
       ということで床も汚さないってワケ」

室長コナツ 「信じられないわ」

派遣サダヒロ「本気と書いてマジっスよ。それに貼ってあるのは温度に
       よって色が変わるシールだから、モチベーションも上が
       りまくりで毎回命中っスよ」

室長コナツ 「信じられない。いま私、お弁当食べてる最中なのよぉ。
       なのになんでこんな話ばっかりなのよぉ」

派遣サダヒロ「だぁかぁらぁ、コナっちゃんがお弁当を食べ始めたから、
       トイレに行くのちょっと遠慮してたんスよ」

室長コナツ 「え、そうなの? 意外と気を遣ってくれてるんだ……え、
       なにこの匂い?」

派遣サダヒロ「もう限界だぁ……」

室長コナツ 「オナラしたなぁ! こらぁ、どこが小なのよぉ!」

派遣サダヒロ「もぅアカン。ほな、いってきまぁっすぅ~(スタタタタ
       タタッ)」

室長コナツ 「おほん。お食事中の方、失礼いたしました。って私、誰
       に向かって言ってるんだろう。アイツといるとなんか調
       子くるうなぁもぉ」

▽今回のポイント
素早くウィンドウを閉じるには[Ctrl]+[W]。

▽便利度(最大3つ)★ 難易度(最大3つ)★


【注】PC技(ショートカットキー)の類については、動作を保証しま
   せん。ストーリー内の1要素という役割のためです。ご了承くだ
   さい。

【ご感想・ご意見・出版・メディア関連のお問い合わせは、このマガジ
 ンに返信にてどうぞ】


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▼「アイ・アム・レジェンド」の謎を解く
≪~主人公の一見すると不可解に思える反応のワケ~≫
http://movies-bible.seesaa.net/article/102766972.html
「だれも生き残っていない」のほんとうの意味とは?

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 ■【編集後記】
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さすがにこの時期は寒いですね。

どうもタイピング速度が鈍くておかしいな。と思ったら、寒さで指が多
少硬くなってたみたいということがあります。

ちょっと寒くても集中して書いていると気にならないのですが、身体の
ほうは敏感に気温に反応するようです。

みなさんも、身体を冷やさないよう暖かくしてくださいネ。

あぁ、温泉行きたいッ☆ 

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 発行者 高田
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