2009/12/21
そば屋の楽しみ方 51号
この冬も暖冬の予報。 しめしめ、この冬もまた、雪かきをせずに過ごせるぞ、 、、、、と思っていたら、、、。 いきなり、どっと雪が積もった、 長野の街です。 <<<< かんだたかんだ そばかんだ そば屋の楽しみ方 >>>>> === 第51号 === 2009年12月21日発行(月刊、、、、のつもり) ==================================== このメールマガジンは、「そば」と「そば屋」をもっと楽しんでいただくた めに、長野の「手打ちそば屋 かんだた」のおやじが書いているものです。 小難しいうんちく話は無し。時々脱線するかもしれないけれど、そばを手繰 るのと同じように、気軽にお楽しみ下さい。 ==================================== ●●●「運そば」は博多の街から●●● ●またまた、昔々の物語。 今回は、「年越しそば」の縁起にまつわるエピソード。 へえ、博多では、「年越しそば」のことを、 「運そば」とか「福そば」とか呼ぶんだね。 さて、今からおよそ800年近く前のこと、 というと、鎌倉時代半ばの頃のお話。 その年、九州は博多の街は、 疫病が流行り、恐ろしいほどの不景気に落ち込んだ。 もう正月だと言うのに、人々は食べるものもない有り様。 これでは、新しい年への希望など持てそうもない。 いよいよ明日は新年を迎えると言う日に、人々の間を、 「承天寺(しょうてんじ)にお出で、承天寺にお出で。」 と触れ回るものがある。 さて、食べるに困った人たちが、 何事かと承天寺に駆けつけたところ、 山と積まれた袋の中から、 白っぽい粉を掬いだして分け与えてくれている。 「これは、いったい何なんだい。」 「食べるものらしいけれど、どうやって喰うんだ。」 と戸惑う人たち。 そこで、姿を現したのが、 地元の豪商、謝太郎国昭(しゃたろうくにあき)。 「皆さん、これは世直しそばです。 お湯と塩を入れて、かき回して召し上がれ。」 さて、その頃は、まだ、 今のような「そば切り」は食べられていなかった。 だから、掻餅(かいもち)、つまり「そばがき」にして食べたのだね。 人々は謝太郎国昭に感謝して引き上げたそうだ。 ●明けて正月、不景気だった博多の港に、 中国からの船が入って来た。 それも三艘も。 街はにわかに活気づき、 昔のにぎわいを一気に取り戻した。 喜びに沸く博多の街では、 誰それとなく、こんなことを言うようになった。 「世直しそばじゃ。 謝太郎の掻餅じゃ。 縁起直しの運そばじゃ。」 こうして、博多の人たちは、 謝太郎の業績を称え、 大晦日には、必ずそばを食べるようになった。 それを食べることによって「運」が開ける、 「運そば」としてね。 だから、博多では、「年越しそば」のことを、 「運そば」とか「福そば」とか呼ぶんだね。 これが全国に広まって、 「年越しそば」となったのだ、、、 というのが、数多くある、 「年越しそば」の縁起の一つだ。 ●そばを振る舞った謝太郎国昭は、 元は中国の人だったが、 日本に帰化して、貿易を営み、 博多で一二を争う大金持ちとなった。 そしてこの人は、宗に留学して帰って来た、 円爾(えんに)こと、聖一国師(しょういちこくし)を援助し、 この承天寺を建てたのだ。 聖一国師は、最初に「国師」という称号を与えられた、 高名な禅僧。 当時の天皇や、鎌倉幕府の北条家など、 多くの人が、この人に帰依をしている。 さて、中国で修行した聖一国師は、 様々なものを持ち帰って、日本に伝えた。 その中でも有名なのが「饅頭(まんじゅう)」。 米麹を使った酒饅頭の作り方を伝えたらしい。 甘党のお坊さんだったのだろうか。 そうして、甘いものを食べれば欲しくなるのが、 「お茶」。 そのお茶も、この聖一国師が伝えたものと言われている。 故郷の静岡に蒔いた種が、やがて、その地に合うように育ち、 今の静岡茶の元になったのだと言う。 ●また、この人は、 「うどん、そば」を日本に伝えたとされている。 要するに、「麺」という食べ物を伝えたようだ。 だから、承天寺には「饂飩蕎麦発祥之碑」が建てられている。 実際には、 「そば切り」が世の中に普及するのは、 ずっと後のことだから、 まず粉を作る技術が伝わったのかもしれない。 粉を作れたから、 大晦日に、そばを振る舞うことが出来たのだねえ。 とにかく、その偉〜いお坊さんである聖一国師をあがめ、 承天寺というお寺をつくったのが、 中国の人であった謝太郎国昭。 そうして、不況の中で、 食べ物もなかった人たちに、 当時は珍しかったそばの粉を配り、 「掻餅」として振る舞ったのだ。 たとえ、博多の大金持ちだとしても、 それだけのことをする「太っ腹」。 800年後まで、その話が伝わるという「豪気」。 すごい人がいたものだ。 ●そんないわれはともかくとして、 大晦日に「年越しそば」を食べる習慣は、 全国に広まっているみたいだ。 そばを食べて、 「運」が向く、なんていい話。 このメールマガジンを、 最後まで呼んでいただいた皆様に、 ぜひ、いい「運」がやってきますように。 良いお年を! あっ、そばを食べるのを、 お忘れにならないように、、、。 ====================================== ●この話が出ていた本は「新編そば物語」 →「かんだた」親父のブログにて。 海より広い、銀河より大きい、「蕎麦」の世界。 「手打ち蕎麦屋は眠れない」 http://kandatasoba.cocolog-nifty.com/blog/ ====================================== ●12月27日(日)一日限り。 「ゆず切り」 寒さを、丈夫に乗り切るための「おまじない。」 ====================================== 手打ちそば屋 かんだた 長野市鶴賀権堂町2320 TEL 026ー232ー3718 営業時間 昼 11:30〜14:30 夜 17:30〜20:00(日、祝日の夜の営業はありません。) 毎週水曜定休日 駐車場 セントラル・スクウェアを御利用ください。 サービス券(一時間)があります。 Webサイト: http://www.kandata.jp ====================================== このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して 発行しています。 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000151284.htm 発行者Webサイト: http://www.kandata.jp ---------------------------------------------------------------------- 手打ちそば屋 かんだた 中村 和三 電話 026ー232ー3718 メール:bya12005@nifty.ne.jp



