2008/12/10
そば屋の楽しみ方 45号
うっ、 さむぅ。 朝の寒さが厳しくなった。 自転車で店まで通う身には、 寒さに慣れない、 今が一番辛い時期。 <<<< かんだたかんだ そばかんだ そば屋の楽しみ方 >>>>> === 第45号 === 2007年12月10日発行(月刊) (遅れてすみません。) ==================================== このメールマガジンは、「そば」と「そば屋」をもっと楽しんでいただくた めに、長野の「手打ちそば屋 かんだた」のおやじが書いているものです。 小難しいうんちく話は無し。時々脱線するかもしれないけれど、そばを手繰 るのと同じように、気軽にお楽しみ下さい。 ==================================== ●やせた土地でできる大根が辛い● ●松尾芭蕉といえば、 江戸時代の有名な人。 そう、俳句を作っていた人だ。 その人が、故郷の伊賀を出て、 信州に旅をした。 その紀行文が「更科紀行」。 今から300年以上も前の話。 旅は、かなり難儀であったようだ。 善光寺にも寄ったらしいが、 その頃は、今の本堂が建てられる、 ちょっと前のことだった。 さて、その中に、こんな句がある。 ○身にしみて大根からし秋の風 はははっ、 芭蕉さん、ちょうど秋の終わり頃採れる、 長野の地大根の辛さに、 よっぽどまいったらしい。 なかなか、いい句がまとまらないと、 紀行の中でぼやいていながら、 しっかりと、この句を書き留めているのだから。 でも、この辛い大根、 どのようにして食べたのだろうか。 単なるご飯のおかずか。 今でもこの地に伝わる「おしぼりうどん」なのか。 はたまた、そばの薬味として食べたのだろうか。 芭蕉が信濃を旅したのは45歳の時。 東北を旅する「奥の細道」より、 すこし前のことだ。 その壮年期の芭蕉さんが口をつぼめた、 辛い大根って、どのようなもんだったのだろう。 ●長野市から少し南に下った、 更級地方。 ここは、今でも、辛み大根の産地だ。 ここで採れる「ネズミ大根」と呼ばれる、 それこそ、ネズミの格好をしたちっぽけな大根を、 すりおろして、そのわずかな汁をぎゅっと絞る。 その、乳白色の汁で、そばやうどんを食べるのが、 昔からの流儀。 これが、ものすごく辛い。 私が長野に来たばかりの頃、 初めてこの汁で、うどんを食べた時、 しばし、固まってしまった。 たかが大根の辛さと、 たかをくくっていたからだ。 唐辛子のひりひりする辛さとは違う。 言わせてもらえば、 頭の皮が、ピンと引っ張られるような辛さなのだ。 おかげで、そばやうどんの味なんぞ、 分かったものではない。 でも、味噌をその汁に溶きながら、 つい、食べ進んでしまうのだ。 この大根、この地方の痩せた土地にしかできないらしい。 ほかの場所で育てても、この、 暴力的ともいえる辛みは、でないのだそうだ。 ●信州だけでなく、 地方では、大根の絞り汁に、 味噌を溶いて、そばを食べるのが一般的だったという話。 これならば、わざわざ、出汁をとる手間もない。 雪深い北信濃では、 こんな風に昔から言われてきたという。 「一そば、二こたつ、三そべり」 農作業のできない、 雪に閉じ込められた冬は、 こたつに入り、 辛み大根の汁で味噌を溶いたつゆで、 新そばをすすり、うとうととしているのが、 一番の極楽だったそうだ。 こういう食べ方も、 見直されていいのかもしれない。 もちろん、こたつ付きでね。 ●大根は、場所によって、 様々な種類が作られている。 今でこそ、青首大根しか見かけなくなったが、 本来は、その土地にあった大根が育てられていた。 その中に、更級のねずみ大根のような、 辛〜いものも、あるのだね。 そんな大根を使って有名なのは、 「越前おろしそば」。 ここで使われる大根も相当辛いらしい。 一度食べにいってみたいものだ。 「かんだた」の畑でも、 今年は信州地大根を育ててみた。 ねずみ大根ほどではないが、 ちょっとピリ辛。 私の細いそばには、 はたして、合うのだろうか。 ご希望の方はお試しを。 この辛い大根を食べれば、 芭蕉さんのような、 いい俳句がつくれるかなあ。 ====================================== ● 畑でどんな大根がとれたのか。→「かんだた」親父のブログにて。 海より広い、銀河より大きい、「蕎麦」の世界。 「手打ち蕎麦屋は眠れない」 http://kandatasoba.cocolog-nifty.com/blog/ ====================================== ●12月28日(日)は「ゆず切り」の日。 「十割そばの夕べ」は1月13日(火)です。 ====================================== 手打ちそば屋 かんだた 長野市鶴賀権堂町2320 TEL 026ー232ー3718 営業時間 昼 11:30〜14:30 夜 17:30〜20:00(日、祝日の夜の営業はありません。) 毎週水曜定休日 駐車場 セントラル・スクウェアを御利用ください。 サービス券(一時間)があります。 Webサイト: http://www.kandata.jp ====================================== このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して 発行しています。 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000151284.htm 発行者Webサイト: http://www.kandata.jp ---------------------------------------------------------------------- 手打ちそば屋 かんだた 中村 和三 電話 026ー232ー3718 メール:bya12005@nifty.ne.jp


