2008/07/23
そば屋の楽しみ方41号
あああ、なんなのでしょう。 この蒸し暑さは。 長野であれば、 夜になると、 からっと涼しい風が吹くはずなのに。 やっぱり、地球の温暖化は進んでいるのだろうか。 今のうちに、畑にパイナップルを植えて、 来るべき温暖化に備えようか。 <<<< かんだたかんだ そばかんだ そば屋の楽しみ方 >>>>> === 第41号 === 2007年7月23日発行(月刊) ==================================== このメールマガジンは、「そば」と「そば屋」をもっと楽しんでいただくた めに、長野の「手打ちそば屋 かんだた」のおやじが書いているものです。 小難しいうんちく話は無し。時々脱線するかもしれないけれど、そばを手繰 るのと同じように、気軽にお楽しみ下さい。 ==================================== ●●● 「まごつき」と「おしな湯」 ●●● ●そばというのは、 提供するのに人手のかかる食べ物。 ちょっと、大きなそば屋さんに行くと、 たくさんの人が、店の中で働いている。 それぞれの人に、仕事の分担があって、 スムーズに、そばが作られ、 お客さんの元に運ばれるように、 上手に配置されている。 今でこそ、パートやアルバイトの人が、 よく、教え込まれて働いているが、 昔は、そば屋には、厳しい職制があったという。 つまり、経験や技術によって、 仕事の役割が決められ、 それぞれに、呼び名があったのだ。 子供の頃、近所にあったそば屋でも、 驚くほどの大勢の人たちが働いていた。 そば屋で働くには、 長い間かかって、それぞれの仕事を覚え、 経験を積んでいかなければいけなかったのだね。 今でこそ、 従業員を多く抱える店は少なくなったが、 老舗といわれる店には、 まだ、そういう職制が残っているところがあるようだ。 ●そば屋に入って、 まず、対応してくれるのが「花番」さん。 要するにそば屋のホール係だ。 でも、そば屋では「仲居」さんとは呼ばないし、 「お運びさん」とも「ウエイトレス」とも呼ばない。 そば屋独特の言い回しかもしれない。 「花番」は、名前の通り、 そばに花を咲かせてくれるので、 きれいな女性が多い、、、、 というより、経験が豊富な方が多いようで。 これは、店の入り口を守っている人、 つまり「端(はな)」を担当するかららしい。 たいていは女性が担当するので、 「花」という字を当てたとか。 この花番が、厨房に注文を通し、 できたそばを客に運ぶ。 サービスを重要視する今の時代には、 花番さんの仕事ぶりで、 店の印象まで変わってしまう、 大切な役割。 ●さて、厨房の中で、 どしんと、真ん中になって動くのが、 「釜前」という仕事。 これは、かなり経験を積んだ職人が行う。 昔は、釜の火加減まで、 薪で調整しなければならなかったので、 大変に難しい仕事だった。 ワンタッチで点火できるガス釜になった今でも、 湯の濃度や、そばの状態を見極めて、 いつも同じような状態に茹であげる技術が必要。 いや、ただ、茹でるだけではない。 常に、店のお客の流れを読み、 天ぷらなどの他の作業の流れを予想し、 タイミングよくそばを茹であげるのだ。 老舗のそば屋で「釜前」をやっていた人の話では、 注文を受けた時点で、 客席のすべての状況が、 頭に浮かんで来るのだそうだ。 伝票を使わず、一度に来る十件以上の注文を、 間違いなくこなせる能力がなければならない、との話。 私なんぞは、 足元にも及びません、、、。 ●天ぷらを揚げたり、 種物を作ったりするのが「中台(なかだい)」の仕事。 そば屋の種物は、あらかじめ作った汁を使うものが多く、 その場で味付けしたりすることはないが、 手際と、「釜前」との連携を要求される仕事だ。 大きなところでは、調理されたそばを揃えて、 「花番」に引き渡す「膳立て」、 茹でて、溜めざるに上がったそばを盛り付ける「盛り出し」、 出前を受け持つ「外番」などもあったそうだ。 ●そばを打つ職人を「板前」と呼んだそうだ。 これが、かっては、一番偉い職制だったらしい。 昔は、そば打ちを専門にして、そば屋を移り歩く、 渡りの「板前」もいたという。 「包丁一本さらしに巻いて〜〜〜〜」 という歌があったけれど、 そば切り包丁じゃねえ。 さらしに卷けたのかな。 ところが、機械打ちが広まると、 状況が変わってしまった。 それほどの技術がなくとも、 そばが作れるようになってしまった。 そば打ちのことを「運転」と呼んだそば屋もあったとか。 でも、機械打ちだろうが、手打ちだろうが、 そばを打つためには、細心の注意と技術が必要。 「板前」を大切にしたそば屋もあったが、 たいていは「上下(うえした)」といって、 「釜前」がそばを作っるようになったそうだ。 ●さて、調理場に入ったばかりの人は「まごつき」。 掃除から、使い走りから、なんでもこなす役割。 そういう厳しい修行を積んで、 厨房の中の仕事を覚えていくのだね。 あるそば屋では、 新入りのことを「お雛(ひな)」と呼んだ。 ところが江戸っ子は、「ひ」が発音できない。 だから「おしな」になってしまう。 さて、その「おしな」は、 先輩たちがひと休みして、お茶を飲んでいる時も、 そのお茶を飲ませて貰えなかった。 だから、そば湯を汲んで飲んだとか。 そうして、そのまま飲むそば湯のことを、 「おしな湯」といったとか。 ●小さなそば屋ゆえ、 なんでもこなさなくてはならない私。 「板前」も「釜前」も、「中台」「膳立て」、 時には「花番」までやっている。 大勢の人たちが居たからこそ、 作られた、職制。 昔のそばの職人さんは、 そうやって磨かれていったのだ。 まだまだ、私なんかヒヨッコ。 「おしな湯」を飲んで、 一息つくとしよう。 ====================================== ● 長野の人はそばを食べない? →「かんだた」親父のブログにて。 海より広い、銀河より大きい、「蕎麦」の世界。 「手打ち蕎麦屋は眠れない」 http://kandatasoba.cocolog-nifty.com/blog/ ====================================== ●7月27日は「トマトそば」 今回はトマトをそばに打ち込んでみます。どうなるでしょうか? ●「十割そばの夕べ」は8月5日です。 ====================================== 手打ちそば屋 かんだた 長野市鶴賀権堂町2320 TEL 026ー232ー3718 営業時間 昼 11:30〜14:30 夜 17:30〜20:00(日、祝日の夜の営業はありません。) 毎週水曜定休日 駐車場 セントラル・スクウェアを御利用ください。 サービス券(一時間)があります。 Webサイト: http://www.kandata.jp ====================================== このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して 発行しています。 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000151284.htm 発行者Webサイト: http://www.kandata.jp ---------------------------------------------------------------------- 手打ちそば屋 かんだた 中村 和三 電話 026ー232ー3718 メール:bya12005@nifty.ne.jp


