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2007/09/24

内藤証券メルマガ「中国株レポート」No.102

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2007/09/24 No.102
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
       ★内藤証券メルマガ「中国株レポート」★
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】株式投資の実践
―第14回「変貌する中国株式市場」―
【2】比べてみれば何が見える?
―第2回「日中の祝日比較〜中秋のお月さま〜」―
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★☆株式投資の実践☆★
―第14回「変貌する中国株式市場」―

 7月2日付の本メールマガジン「今年前半の本土株式市場を振り
返って」で、今年後半の本土市場について、“上海総合指数は
4000ポイントをはさんだ調整局面が続くことが予想されます”と
書いていました。ですが、7月以降の世界の株式市場がサブプラ
イムローン問題の影響で低迷している中、中国本土株式市場(今
回は香港H株指数も含めて)だけが上昇を持続。9月20日に上海総
合指数は5400ポイントを超え、過去最高値を更新し、私の予想は
まったく外れてしまいました。

 私は営業を長くやってきて直接お客様相手に株を勧めていたこ
とから、こうやってセミナーの講師やレポートを書くようになっ
ても、“評論家やアナリスト、ストラテジストは気楽でしょせん
予想は当たらない。なぜか?「予想」を反対から読むと「うそ
よ」。当たらないのは当たり前!”などと言って、聴衆の皆様か
らの笑いを誘って悦に入っておりました。しかしながら私自身が
そのような立場になって、予想が外れた今、先生方を批判した罰
が当たったのだと思っています。

 さて、8月28日には香港を含めた中国の株式時価総額は4兆7200
億米ドルと、日本の株式時価総額4兆5000億米ドルを追い抜きま
した。ほんの2年前には日本の株式時価総額の半分程度でした
し、今年の初めでもまだ5分の3程度の規模だったことを考えます
と、その拡大スピードの速さには驚きを感じざるをえません。

 今年に入り、中国本土株式市場の1日の売買代金(上海と深セ
ン)も、東京証券取引所の売買代金をはるかに凌駕する日が続く
ことがありますし、最近ではアジアのその他の市場(日本、韓
国、台湾、香港、シンガポールの1日の売買代金)の総和も超え
るほどの大商いができる日があります。

 アジアの中でもずば抜けて大きかった日本の東京株式市場です
が、いつの間にか中国に抜かれてしまう状況になりつつあります
し、外国人投資家でもっている東京株式市場も、気がつけば外国
人投資家からパスされているかも知れません。

 2003年に米国の証券会社ゴールドマン・サックスが「D
reaming with BRICs、The Path to 2050」BRICsとともに見る
2050年への道)というレポートの中で、2050年のGDP(国内総生
産)は中国、米国、インド、日本、ブラジル、ロシアの順番に
なっているだろうと予想しています。中国のGDPは2007年にドイ
ツ、2015年には日本、2039年には米国を抜き、2050年には世界最
大の経済大国になっていると述べていますが、現在の経済成長ス
ピードを保てば、2012年頃には日本を抜き去る勢いです。

 ところで、この10年ほどで外国人投資家が相場をリードするよ
うになった東京株式市場ですが、中国本土株式市場もこの2年ほ
ど、特にこの1年で主役が大きく変わってしまいましたが、今ま
でと同じように、私は今年の前半のセミナーやレポートでも本土
株式市場は95%個人投資家が主役のマーケットだと述べてきまし
たが、実は後述のように投資信託が主役のマーケットに大きく変
貌してきたことに気が付きませんでした。

 中国本土の証券口座数は9月5日時点で1億2011万件に達したも
ようで、8月の新規開設状況はA株が378万件、投資信託が511万
8000件でした。また、投資信託会社、証券会社、保険会社、適格
海外機関投資家(QFII)の保有株式が時価総額に占める割合は、
2007年5月末で44%に達し、2004年から25ポイント拡大したこと
になります。

 なかでも投資信託会社は株式市場で最大の機関投資家で、既存
の投資信託会社59社が運用する347本のうち、株式型の純資産は
今年上半期に1兆6700億元(日本円で約26兆円)に上り、A株流通
時価総額の約31%を占めるようになりました。ですから、今後は
中国本土株式市場を語るとき、投資信託のファンドマネージャー
が相場をどう見ているかを見極めることが大変重要になってきた
と思います。

 あらためて,中国本土株式市場はエマージング市場であると
か、個人投資家が中心で、短期売買中心のマーケットであると
か、中国の株式市場についてなまじ理解している人ほどあまりに
も速い変化についていけず間違った見方をしてしまうようです。

 それにしても、これだけ人口の多い国が10%以上の経済成長を
続けるなんて、過去にあったでしょうか。そして今ではアジアの
もう一つの人口大国インドまでもが高成長を続けています。世界
人口の約40%を占める2つの人口大国が高成長を続ける国際社会
は、かつて経験したことのないことですし、予想するのは難しい
ことだと思います。

 いま石油を中心としたエネルギーの価格の上昇を受け、川上部
門に特化した国(ロシアやブラジル)や企業が膨大な利益を上げ
る反面、川下部門の消費財を扱う業種は価格が上げられないこと
もあり、なかなか利益をあげられない状況です。経済発展を続け
るこれらの人口大国が世界の資源や食料の需給関係を逼迫させて
いる一方で、主に中国を中心に安価な労働力が大量に供給されて
いることが、かつて世界が経験しなかった不思議な現象をつくり
出してしている要因のようです。

 このように世界が大きく変化し、なかでも華々しく成長を続け
る中国経済や中国株式市場にかかわっている1人として今は、な
んとなく日本が取り残されていくような寂しさを感じます。

 また、安倍首相の退陣劇に見られる日本の政治状況の貧困さ、
あきれるほどの無責任な年金問題を考えると気が重くなる状況で
す。ただ、最近読んだ「文芸春秋」に掲載された与謝野馨・官房
長官の次の言葉には、胸にじっときて救われるものがありました
ので、最後に引用させていただきます。

 「私の一番の恐怖は日本が貧しくなることなんです。豊かな国
を子や孫の世代に残したい。これは単なるお金だけの話ではな
く、自然環境、社会の雰囲気、文化的な環境とかあらゆる面での
豊かさをもった社会を残してあげたい」

(内藤証券 廣瀬政弘)


★ ☆比べてみれば何が見える?☆★
第2回「学日中の祝日比較〜中秋のお月さま〜」

◆ 9月25日は中秋節!

 日中の色々なアンケート、統計、数値などを集めてみて、それ
を比較し、私なりの解釈を加えてみようという「比べてみれば何
が見える?」。2回目の今回は、「中秋のお月さま」です。「中
秋の名月」は旧暦8月15日、今年は9月25日(火)。この日はちょ
うど、「秋」の真ん中とも言われ、真ん丸のきれいなお月さまが
楽しめます。月見団子を食べながら、冷えたビールでも1
杯……。こうしたくなりますね。

 旧暦8月15日。中国ではこの日を「中秋節」とよび、家族一同
が集まって、お月さまを愛でながら、「月餅」を食べ、家族団ら
んを楽しむ。とても大切な日なのです。家族にとって春節(旧正
月)に次ぐ重要な日ともいわれる「中秋節」。でも、祝日ではな
いのです……。日本人にとっては別に構わないかも。でも中国人
にとってはどうなのか?秋のお月さまを愛でながら、少し祝日に
ついて日中の比較をしてみたいと思います。

◆日本の祝日 〜春・秋に多い〜

 祝日法によると、日本の祝日は以下の通りです。

1月:元日(1月1日)、成人の日(1月の第二月曜日) 
2月:建国記念の日(2月11日)
3月:春分の日(3月20日或いは21日)
4月:昭和の日(4月29日) 
5月:憲法記念日(5月3日)、みどりの日(5月4日)、こどもの
日(5月5日) 
7月:海の日(7月の第三月曜日)
9月:敬老の日(9月の第三月曜日)秋分の日(9月23日ごろ)
10月:体育の日(10月の第二月曜日)
11月:文化の日(11月3日)、勤労感謝の日(11月23日)
12月:天皇誕生日(12月23日)

 祝日は計15日間です。ただ、1月2、3日と12月31日はほとんど
の会社が休みだと思うので、それを含めると18日間になります。
よく見ると、以下のような特徴が挙げられると思います。

・春(3〜5月)と秋(9〜11月)に多い。
・お正月、お墓参りなど、家族、親戚一同が集まる機会の多くが
お休みになっている(お盆休みを含めたら)。
・ハッピーマンデー制度により、3連休が多い。

◆中国の祝日 〜日本より少ない〜

 中国ですべての国民が休むことができる法定の祝日は以下の通
りです。

元旦(新暦の正月) 1月1日
春節(旧暦の正月) 旧暦の1月1〜3日
労働節(メーデー) 5月1〜3日
国慶節(建国記念日) 10月1〜3日

 中国の祝日は計10日。日本の15日と比べれば少ないですね。中
国では国務院が毎年12月になると、翌年の祝日に関する通知を発
表し、これにより祝日が正式に定まります。実は中国の祝日、日
本と違うところがいくつもあるのです。

・元旦は3連休、春節、労働節、国慶節は7連休と決まっている。

 これは一見したところ、矛盾しているように思えます。でも、
元旦は1月1から3日間、春節は旧暦の1月1日から7日間、労働節は
5月1日から7日間、国慶節は10月1日から7日間、お休みである
と、国が定めているのです。

 ここで重要なのが、計10日の祝日が「法定の祝日」であるとい
う点です。それ以外のお休み(元旦は2日間、それ以外は4日間)
は何なのか?実はその前後の週(多くは前の週)の土日2日間を
犠牲にしているのです。

 土日2日間出勤することで、平日2日間がお休みになる。春節、
労働節、国慶節に関する残り2日間を説明すると、7連休なら当
然、土日が来るわけで、土日は毎週休んでいるわけです。した
がって、7連休といっても、実際は3連休。現在の7連休3回の制度
は1999年から始まったものです。そこには、祝日を集中させるこ
とで長い連休をつくろうという意図があるかもしれません。

◆伝統的な「祭日」が「祝日」ではない?
 
 「祝日」は祭日という意味もあります。正月、盆、彼岸などの
「祭日」。中国人にとって、大切な「祭日」の多くが、仕事を休
める「祝日」ではないのかもしれません。春節を除いては……。

 中国では伝統的な祝祭日として、春節(旧正月)、清明節(日
本のお盆に相当)、端午節、中秋節などがあります。どれも家族
を大切にする中国人にとって、大切な日です。

◆中秋節は休みたい! 〜祝日は見直されるのか〜
 
 再び中秋節の話題に戻りましょう。今でも鮮明に覚えている
2000年の中秋節。留学開始から1カ月も経っていない私は、中国
語もよく分からない。留学先の大学から月餅をプレゼントされ、
早速、中国人の友人に自慢してみたら、「実家に帰りたいなあ」
という反応がありました。個人的には月餅より月見団子のほうが
好きなのですが、でも、その時に月を愛で、月餅を食べながら、
友人の故郷の話などを聞いた記憶は印象深いものでした。

 東京にいる現在も、昨年の中秋節は、広東となぜか新宿で買っ
た月餅を携えて、たくさんの中国人の友人を集め、中秋節の御祝
いで盛り上がりました。

 やはり、9月25日は日本と中国では違うのでしょう。中秋節は
中国人にとって、どこにいても大切な一日かもしれません。2006
年の広州、香港の中秋節の商戦は、街のショーウインドーは至る
ところ月餅だらけ。月餅商戦は年々拡大しているといいます。

 中秋節をはじめとした伝統的な祝祭日を、お休みにできないの
か。祝日の見直しについて、政府を巻き込んだ議論が、2004年頃
から本格的に始まっているといいます。今年2月に国家発展改革
委員会は見直しについて有識者からの意見徴収を実施。たくさん
の意見が出されたものの、以下のような共通認識があったと報道
されています。

 「春節、労働節、国慶節という3つの連休のうち、春節を除い
た残り2つについて、その期間を短縮し、その分、中秋節、清明
節など伝統的な祝祭日を休みにする。祝日の総日数自体は変えな
い」

 どうして春節を除くのか?それは“みんなが本当に仕事を休み
たい”からだと思います。

 さまざまな意見があり、具体的な見直しはまだ実行されていま
せん。ただ見直しを求める声はなくなることはありません。中秋
節などもありますが、特に要求が強いのは除夕(春節の一日前、
日本でいう大晦日)。この日を休みにしてくれという願いです。

 2008年は見直しが行なわれるとの観測もあります。ただ政府が
考えているのは、祝日の総数自体を増やすという方向ではないも
ようです。

◆むすびにかえて 〜中秋の名月はゆっくり見れるか〜
 
 中秋節に思いをはせながら日中の祝日を比較してみると、中国
は意外と休みが少なくて、祝日が都合のいいようにあるわけでも
ない。中国の人々は非常に忙しいのかもしれません。有給休暇を
取れるかは、不確実性があります。でも法定の祝日は休めます。
日本人の多くは休みがあまりなく、働きまくり……。でもそれ
は、日本だけの専売特許ではないのかもしれません。

 ただ、祝日の効果は絶大です。個人にとっては、まず休める
し、家族と会えるし、旅行に行けるなどなど……。社会全体に
とっても、伝統的な習慣の継続で文化の継承が保たれますし、経
済も、個人消費、旅行、外食などの需要が拡大し、関連市場は拡
大するでしょう。祝日の見直しは遅かれ早かれ実行に移されま
す。日数自体が増えることも、近い将来あるかもしれません。そ
れは経済にもプラスの影響を与えるものだと思います。経済成長
にともない人々の所得が増える中で、祝日自体へのニーズ、そし
て休みをいかに過ごすかに関するニーズも高まります。中国株に
おいても、祝日、お休み、という視点が役立つかもしれません。

 中国では10月1日から国慶節の連休です。中秋節では帰れな
かった人々も、実家に帰ったり、旅行に行ったりするでしょう
か。数年後は、中秋節が必ずお休みで、実家に帰って家族とゆっ
くり月を見ることができる人々が増えるだろうと、私は予想して
います。

(中国部 畦田和弘)

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