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2007/09/14

内藤証券メルマガ「中国株レポート」No.101

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2007/09/14 No.101
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
       ★内藤証券メルマガ「中国株レポート」★
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】月一連載「中国街角ウォッチ」(第7回)
【2】チャイナストックワールドへの誘い
―中国株基礎知識のAからZまで(第63回)―
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★☆月一連載「中国街角ウォッチ」(第7回)☆★

 中国バブルは土地と株と言われて久しいが、中国の元気はそう
した活発な経済活動に支えられているのだから、バブルイコール
悪とも決め付けられない気がする。

 実のところ中国人の現場ではバブルが何かということが分かっ
ているようには思われないし、日本でもバブルという概念は、破
裂して正常に戻った後で、言われるようになったのである。その
点では中国経済の現状が即、大問題とも言い切れない部分もある
のだが、確かに経済が過熱しているという側面は否定できない。
これ自体はオリンピック景気などで首都北京、および開催地であ
る山東省青島市や遼寧省瀋陽市などで関連の建設が増大したこと
など実需に基づいたものであり、“金あまり”だけで経済が膨張
したというのとはちょっと違うような気もする。

 “金あまり”はほとんど不動産バブルによるところが大。元を
ただせば、経済性を持たなかった都市周辺の農地が、工業団地化
によって価値を上げ、外資や中国資本の企業を誘致することに
よって、それぞれの行政機関に大金が転がり込んだことが発端で
ある。

 ちなみに中国の金持ちの多くは不動産関連業者であり、これ自
体がかつての制度の中では考えられなかったことである。農地を
開発、工業団地に衣替えすれば当然のことながら土地の持つ経済
性は大幅に上がり、行政がここに外資を誘致して土地の使用権を
期限付きで与えることにより、大きな利益が生まれるという仕組
みである。

 外資が入ってくることにより、工業団地の周囲には物流を含
め、商業も芽生え地域的活性化に結びつくのだが、今現在いくつ
かのことが社会問題化している。一つは農民の耕地を収用し、行
政が農民に支払う保証金の問題であり、もう一つは誘致もままな
らない僻地の地方行政が乱開発を進め、農地を工業団地化したこ
とによって、耕地が減少したことである。

 中国の地方を回ると都市周辺からかなり離れた農村でも、立派
な農家を目にすることがある。同行した地元の役人によれば、農
地を奪われた農民のために行政が建てた集合住宅であったりする
ケースもあるが、わずかとは言え保証金を元手に創業し、成功し
た農民の家だったりすることもある。

 役人によれば頭の良い農民は保証金をうまく使い、頭の良くな
い農民は保証金をすぐに使い果たしてしまい、今日の生活にも困
る状態になってしまうのだという。当然のことながら僻地でも外
資が入ることにより、産業が勃興して就業機会も増え、農村も豊
かになるはずなのだが、現実には必ずしも理想的には行っていな
いようだ。

 格差の拡大も社会問題の一つにはなっているが、最近訪れた華
南沿海都市の工場のいくつかでは「都会は人件費も上がっている
が、労働者の確保だけでも大変なので、労働集約性の高い部分
は、自分の出身の内陸部に工場を建て、多くはそちらに移行させ
ている」という話だった。政策も大事だが、現実には現場の対策
部分が格差の是正に一役かっているのである。

 凄まじい勢いで減少している農地を何とか食い止めようと、中
央政府は工業団地化に歯止めをかけ、許認可条件を厳しくするな
ど、それなりの工夫もしているのだが、この流れは一挙には改ま
らない。そこで中央は乱開発を防止するための方法として、無許
可の開発に対しては罰金を課することにし、人工衛星を使い日常
的に農地チェックをやっており、3カ月に1回その結果を地方行政
にも配信している。

 一時は全国で2017カ所もあった開発区(工業団地)の中には認
可を得ていない郷、鎮、村などのものも含まれるようだが、各地
行政は開発区管理委員会招商局という部門を必ず有しており、こ
の部門が誘致(招商)を司っている。

 計画面積を完売してしまうと、その延長線上にまた開発区を新
設して、開発面積は無限に広がっていく感じである。そうしなけ
れば行政は財政的に行き詰るのであり、地域発展も足踏みを余儀
なくされるのである。限りなく広がる工業団地に案内されて
「いったい誰が来るの?」と聞きたいところだが、宿命的な地方
の拡大路線の前に声も出ないというのが率直なところである。

 農民戸籍は生涯変らないと言われて久しいが、一部の地方では
産業を興して農村を都市に変身させ、地元の農民が市民籍を得た
などという報道も目立つようになった。しかし市民になったと
て、農民は所詮農民だという声もないわけではない。4000年も続
いた農民根性が簡単に消えるわけはないという意味なのだが、行
列を守らないとか、横断歩道を渡らないなどの基本的マナーに対
する違反は、主として都市に流入した農民たちによって犯されて
いるのであり、オリンピックを控えて北京政府が躍起になって教
育している部分でもある。


(日本景徳鎮株式会社代表取締役 金丸健二)

【執筆者略歴】
 総合商社で30年余り中国貿易に従事、中国各地の駐在経験を経
て、1996年からジェトロ北京にて海外投資アドバイザー。2000年
より日本景徳鎮(株)代表取締役の傍ら母校東京外語大学講師な
どを務め、2004年から千葉商科大学大学院・客員教授として企業
マネージャーを対象にした中国投資リスクマネジメント講座を
コーディネート。2007年からDOWAホールディングス(株)社外取
締役に就任、今日に至る。
 著書には「私は一度も中国人に騙されたことはない」(ジャパ
ンタイムス刊)「一番役立つビジネス中国語会話」(池田書店
刊)ほか月刊宝島にコラム「激闘中国」を連載中だが、現場主義
に立脚した分かりやすい講演には定評があり、日本各地を飛び回
る毎日。



★☆チャイナストックワールドへの誘い☆★
―中国株基礎知識のAからZまで(第63回)―

 2005年3月から始めた本メルマガも、ついに100号を突破しまし
た。最初は“既存コンテンツの有効活用”という考えから提案し
た企画でしたが、思わぬ反響から “オリジナルコンテンツ”に
方針を転換。今日に至りました。

 1号と2号は、既存のレポートを掲載。オリジナルコンテンツを
掲載したのは3号からで、“田代尚機の「レッドセンセーショ
ン」”と“上海事務所便り”の二大連載がスタート。25号からは
本連載が始まり、これも今回で63回目を迎えました。

 ふだんは小難しいレポートばかり書いていた前中国部長の田代
も、メルマガについては思ったことを書けるので、いつも以上に
積極的でした。その“言いたい放題”的文章が好評を博し、新書
として発売されるなど、田代にとっても思い出ぶかい仕事だった
と思います。

 田代が“気楽に書いた分”(いつも気楽だったわけではありま
せんでしたが……)、わたしの方が逆に“小難しい”ことを書く
という役回りになりました。

 「こんなマニアックで長文の連載を読んでくれる人なんている
のかな……」と、思いつつ書くこともあるのですが、時おり読ま
れた方からの感想なども送られ、励みになりました。調査部門の
人間が特定のお客様と情報を交換するのはコンプライアンス(法
令順守)の面から好ましいとはいえず、失礼とは思いつつ、返信
はしませんでした。この場を借りて、お礼とお詫びを申し上げま
す。

 田代が当社を退職した後、メルマガ執筆者の増加を図っていき
ました。社内からは執行役員の廣瀬、最近では中国部の有井と畦
田。社外からは、日本景徳鎮株式会社の金丸健二・代表取締役、
エヌ・エヌ・エーの三井信幸・中国事業本部長のご協力を得るこ
とができました。

 本メルマガの47号で、わたしの経歴について書きましたが、こ
のなかに登場するN社は、三井さんが在籍するエヌ・エヌ・エー
のことです。

 三井さんは私が中国ニュースの担当になった時に、直接の上司
となりました。業界紙の記者を務めた経験もあり、文章力はエヌ
・エヌ・エーの中でも際立っています。メルマガの連載をお願い
して、久しぶりに三井さんの文章をみると、“自分はまだまだ三
井さんにはとうてい及ばないな……”と痛感します。

 三井さんには、結婚式でのスピーチをお願いしたこともありま
した。わたしが結婚式を挙げたのは、上海市の豫園にある「上海
老飯店」。40人ほどが集まりました。今回は中国で挙げた結婚式
について書きます。

■古風な結婚式■

 結婚式を挙げたのは2001年9月29日。ちょうど日中国交正常化
が実現した日と同じ日付でした。また、わたしの弟の誕生日でも
あり、式の後にはささやかな誕生会を開くことにもなりました。
そのうえ、式当日も午前中は、遠いところから出席してくれた家
族と親戚をわたしが観光に連れていくことになり、非常に慌しい
日となりました。

 わたしが広東省広州市で仕事をしていたため、式の手配につい
ては妻と岳父にまかせており、どんな手順かを知らないまま、結
婚式の日を迎えました。式の進行については、上海老飯店の司会
者から大まかに聞いただけ。一抹の不安を抱えたまま、式が始ま
りました。

 式場ではすでに楽団が演奏しています。京劇のような音楽で
す。式は古風なタイプで、妻は“喜服”を着ます。“喜服”がど
んなものかは、以下のURLに出ている写真をご覧ください。一
方、私は日本の羽織袴。お互いに“民族色”の濃い格好でした。

(喜服を着たモデル)
http://image2.sina.com.cn/ent/v/h/p/2006-10-24/U1921P28T3D1296859F329DT20061024112539.jpg
 
 妻は頭から布(紅蓋頭)をかぶります。当然、前が見えません
ので、そのままでは歩けません。それで彼女はわたしが引っ張る
紐をつかみます。そうした格好で、わたしが先導して入場。式場
のなかを一周して、双方の両親が座る席の前に立ちます。

 そして、「夫妻対拝」をやります。天と地に、両親に、夫婦互
いに、それぞれのお辞儀をします。そして、わたしが棒を持っ
て、妻の頭にかぶせている布をめくるように外します。その時、
布を棒から落としてはいけません。また、棒で妻の顔を傷つけて
もいけません。そう注意されると結構プレッシャーですが、何と
かこなしました。

(掲紅蓋頭)
http://www.people.com.cn/mediafile/200501/10/F2005011008041400000.jpg

 そして、「交杯酒」をします。この時、酒だと思っていた杯の
中身がスプライトだったので、思わず二人とも吹き出しそうにな
りました。

(交杯酒)
http://news.online.sh.cn/news/gb/images/2006-09/26/xin_43090326081192170515.jpg

■頭の中がグルグルと……■

 この辺までは打ち合わせ通りだったのですが、司会者は“両親
にお茶をあげて”と言ってきました。“えっ、なにそれ?聞いて
いないよ!”という展開です。しかも、何か言わなければならな
いような雰囲気。“なんて言えばいいんだ〜???”と頭の中で
考えがグルグルまわります。

 それでシンプルに「お父さん、お茶をどうぞ」(請喝茶!)と
言いましたが、どうやら正解でした。シンプルすぎて「茶〜!」
(お茶〜!)とか言っていたら、どうなったことか……。

 打ち合わせにないことがあり、このあと何が起こるのかドキド
キしましたが、司会者は祝いの言葉らしきことを言い始めまし
た。どうやら儀式のような部分は、これが最後のようです。そこ
で司会者の祝いの言葉を聞いたのですが、なぜか「明年……漢堡
包」(来年……ハンバーガー)という言葉が聞こえました。

 「ハンバーガーなんてテーブルに置いてないし……。まさか!
新郎新婦が準備しなくてはならなかったのか?ハンバーガーを?
でも、式に必要なんて思えないし……」と、訳の分からない考え
が、頭の中をグルグル回ります。

 結局、式はハンバーガーと何の関係もなく終わりました。それ
で式が終わってから、「来年、ハンバーガーがどうなるって?」
と、後で妻に聞きました。「えっ?」と、訳の分からない質問に
妻はキョトン。それで、「司会の人がね、なんか式の最後に言っ
たじゃない。来年ハンバーガーが何たらって。あれ、どういう意
味?」と言うと、妻は大笑い。

 正解は「明年生個胖宝宝」(来年にも丸々とした赤ん坊が生ま
れますように)でした。「漢堡包」(Hanbaobao)と「胖宝宝」
(Panbaobao)の発音が似ていたから、聞き間違えたのです。ハ
ンバーガーと結婚式は、何の関係もありませんでした。

 お色直しとなり、妻はウエディングドレスに、私はスーツに着
替えました。来賓にお酒を注いで回り、スピーチが始まりまし
た。私の父、妻の父、三井さん、妻の上司が話します。日本語か
ら中国語へ、そして中国語から日本語に通訳する役は、妻の同級
生たちが務めました。

 ですが、ここで問題となったのは、妻の上司がオーストラリア
人だったことです。とりあえず、“全員、英語が分かる”という
ことにしておいて、通訳は考えていなかったのですが、司会者が
突然、「じゃあ何て言ったのかを、日本語と中国語に訳して!」
と、想定外のことを言い出しました。

 “ああ!なんてこと言うんだ!”と心の中で叫びました。彼の
部下たちも通訳ということは聞かされていなかったので、誰もが
準備不足。司会者と目を合わそうとしません。それで“部下なん
だから、上司の言うことは分かるだろう”と思ったのか、司会者
は間違いなく彼の部下である妻を指名しました。不意打ちをくら
い、妻がどれほどスピーチの内容を覚えていたのか心配しました
が、予想以上にはっきと覚えており、何とか乗り越えることがで
きました。内心、“自分に当てられなくてよかった”とホッとし
ました。

 ですが、司会者はわたしに馴れ初めなどについてビシバシ質問
してきました。これも打ち合わせになかったことで、再び頭の中
がグルグルしだしました。今でも何を話したのか、ほとんど覚え
ていません。

■今回のむすび■

 結婚式の様子は、三井さんが創刊計画中だった雑誌のコラムに
書いてくれました。嵐のようだった結婚式ですが、よい思い出と
なりました。

 結婚式を挙げたのは2001年9月29日で、米国の同時多発テロに
よる混迷感に世界が包まれていました。新郎新婦の服装はそれぞ
れの民族のものでしたが、表面的なことは違っていても、結婚と
いうのはやはり全人類共通の営みです。日本語、中国語、英語が
交じり合っても、文明は衝突などせず、みんなに祝っていただき
ました。

 思い返せば、結局のところ全体的にスムーズに進行。混迷した
のはもっぱら、「このさき何が起きるんだ?」と、グルグルした
新郎の頭の中だけでした。

(中国部コンテンツ統括 千原靖弘)

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