世界の工場・中国の実状から学ぶ工場改善手法  RSSを登録する

中国ビジネス、中国進出を考えている方必見!中国工場で工場改善・品質改善指導を行なっている改善のプロが、中国の実状とそれへの対応の考え方、方法をレポートしています。中国工場の運営をされている方、製造現場担当駐在員の方に情報を提供しています。

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2012/05/22

世界の工場・中国の実状から学ぶ工場改善手法【第284回 中国工場のリスクマネジメント・盗難!! 】

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   ☆世界の工場・中国の実状から学ぶ工場改善手法☆          
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2012年5月Vol.284

「世界の工場・中国の実状から学ぶ工場改善手法」をお届けします。

中国の工場で日々ご苦労されている駐在員の方に、
品質管理・工場改善のヒントとなるような情報をご提供しています。

わたしが関わった中国工場での出来事を中心にお伝えしています。
品質トラブルから工場運営まで、日本で通用していたことが通用しない中国。
そんな中国工場の特殊事情への対処の参考になれば幸いです。


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■ 第284回 中国工場のリスクマネジメント・盗難!! ■
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●少し前にパソナが主催した中国赴任前研の講師をさせてもらい、現地中国
人マネジメントについて講義しました。前回は、現地社員のマネジメントも
工場改善と同じように現状把握をちゃんとやることが大事で、それをある総
経理の失敗を事例として紹介しました。

●他にも工場で起こり得るリスクについても話をしました。どんなリスクが
起こることが考えられるのか、現実に他の日系工場で起きた問題の話をして
それらを現実のものとして捉え、リスクマネジメントに対する意識を高めて
もらうことが目的です。

●中国工場で起こり得る問題はいくつかありますが、その中のひとつの盗難
について日系工場で実際に起きた話をして、身近な問題として考えてもらい
ました。

●ある日系工場では、樹脂成形品に後からインクによる吹付け塗装をして、
製品の付加価値を高めていました。単純な色付けではなく、模様やら絵柄な
ど複雑なものまで対応して顧客要求を満足することで業績を伸ばしてきまし
た。

●インクはその工場にとって非常に重要な資材であり、購入量も樹脂材料の
次に多いものでした。そのインクが、インクの色を出すために調合する調合
作業者によって横流しされていたのです。


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■ 今日のポイント ■
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●この工場は現地化を進めており、工場のトップは香港人にやらせていまし
た。日本人は品質担当者が1人いるだけでした。工場の状況は、月次決算で
詳しく日本本社に報告を義務付け、本社ではそれをチェックする方法で管理
をしていました。

●当然資材の購入や在庫量に関する報告も含まれています。その数字だけを
見るとインクに関して不自然な動きは感じられませんでした。あるとき本社
から出張者が来て、工場の全工程を見ました。その時は、特に何も感じるこ
となく日本に帰りました。

●その後、たまたま工場から報告される月次決算をその出張者が見る機会が
ありました。吹付け工程で使用するインクの使用量が樹脂の使用量と比較し
て見たときに、出張中に見た吹付け工程の作業を思い出したときに多いので
はないかとの疑問が頭をよぎりました。

●工場の品質担当の日本人に、実際に工程で使うインクの使用量と出庫の量
が合っているかを確かめるように指示を出しました。予感は的中していまし
た。実際に工程で使っているインクの量は、出庫量ほど多くはなかったので
す。

●工場では製品に対して標準となるインクの使用量が定めてあります。なん
とその標準が実際より多く水増しされていたのです。1ヶ月分にすれば、相
当量のインクが余分に出庫されており、それを別の業者に横流ししていたの
です。

●この例は、悪質かつ巧妙に仕組まれていました。トップが日本人だったら
防げたかと言えば、必ずしもそうとは言えないでしょう。よほど細かいとこ
ろまでチェックをしないと発見できなかったと思われます。

●日本では簡単に換金できないものでも、中国では比較的簡単に換金できる
ので、材料は何でも換金できると考え、数量チェックや持ち出しチェックを
やる必要があります。


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■ 補足
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●この事例は少し極端な事例かもしれないので、盗難を身近に感じてもらう
には正直どうかなという思いもありました。ただ、現実に起きているので、
自社の中国工場も一度検証してみて欲しいものです。

●中国人を信頼することはとても大事なことです。信頼できる中国人を作る、
育てることもとても大事なことですね。でも、信頼することとチェックをす
ることは別です。信頼してもチェックは怠ってはいけません。


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■ メルマガ紹介 ■
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【編集後記】
昨日日本では、金環日食が見られました。曇りがちでしたが、わたしも家族
と一緒に何とか見ることが出来ました。観察用の眼鏡はどこも売り切れてい
て諦めかけていたときに、近くのセブンイレブンが入庫したとの情報を得て、
入手しました。前日の夕方のことです。


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[発行責任者] 根本 隆吉
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