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野間文芸新人賞作家の赤坂真理やキャラメルボックスの成井豊、『哄う合戦屋』の北沢秋、『クリムゾン・ルーム』の高木敏光、鈴木剛介らが所属する株式会社アップルシード・エージェンシーがお届けするメールマガジン。作家と編集者が小説を世に送り出すまでの秘話が満載。

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2009/07/13

【出版プロジェクト・物語小説編】

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■■ 出版プロジェクト・物語小説編           2009.7.13
■■                              vol.105
■■                     発行:The Appleseed Agency Ltd.
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エージェンシーが、あなたがベストセラー作家になるための情報とテ
クニックをお贈りします。

■CONTENTS----------------------------------------------------
★トピックス
★7月の新刊のご案内
★私の修業時代
   第17回 田中靖彦さん
          ~回り道の連続だった アメリカでの20年~ 

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■トピックス  ~所属作家たちの近況をお知らせします~
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★『「親のようにならない」が夢だった』(ダイヤモンド社)の加藤
 秀視さんが、人間力大賞2009で、準グランプリ・衆議院議長奨励賞・
 文部科学大臣奨励賞を受賞されました。
 http://www.ningenryoku.org/awardee09/index.html

★緩和医療医の大津秀一さんの『死ぬときに後悔すること25』(致知
 出版社)が読売新聞他メディアで話題沸騰。Amazonでトップ10にラ
 ンクインし、5刷4万部となりました。
 http://www.chichi-book.com/book//1681.html

★赤坂真理さんが「週刊新潮」でコラム『テレビの穴』を好評連載中。
 http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/newest/

★『クリムゾン・ルーム』の高木敏光さん、『校長を出せ!』の堀和
 世さんが書評サイト<Book Japan>で書評連載中。
 http://www.bookjapan.jp/

★『情報は1冊のノートにまとめなさい』の奥野宣之さんが「BPnetキャ
 リワカ」でコラム「あなどれない新書たち」を連載中。
 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090709/166363/

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■7月の新刊案内
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★『ハリウッド ストーリーテリング』
 田中靖彦/著 愛育社
 http://mo-v.jp/?e81a
ハリウッド在住の脚本家・アナリストである著者が、20年以上のキャ
リアを基にハリウッド式シナリオライティングの第一人者であるシド・
フィールドの脚本術を徹底分析した一冊。今までの翻訳本では解りづ
らかった生きたシナリオメイキングの方法が分かります。

★『地元の逸品を世界に売り出す仕掛け方』
 安藤竜二/著 ダイヤモンド社
 http://mo-v.jp/?e81b   
「地域を元気にする、地域を世界に発信する」を合言葉に、地域の企
業を「藩」でくくってブランドにする「サムライ日本プロジェクト」
の立上げストーリー。プロジェクトの総合プロデューサーが故郷・愛
知県岡崎市の材木屋のサラリーマンとしてブランドに出会い、地域ブ
ランドを成功させる過程に実践的なヒント満載です。

★『世界基準の「いい家」を建てる』
 森みわ/著 PHP研究所
 http://mo-v.jp/?e851
省エネ住宅の先端を走るEU圏で活躍している著者が、日本ではまだま
だ知られていない「世界基準の省エネ住宅」の要点を明快に説きます。
真の省エネ住宅は何かという知識と、巷にあふれる「なんちゃって省
エネ住宅」を見分け、百年以上も価値の続く「本物の省エネ住宅を建
てるための知恵」が吸収できる一冊。

★『命の値段が高すぎる!』
 永田宏/著 筑摩書房
 http://mo-v.jp/?e852
もはや破綻寸前の日本の医療制度。その再生をうたう「改革」の数々。
長生きが経済的に重すぎる負担となったいま、医療の近未来がどこへ
向かうのかを、冷徹な眼でリアルに喝破します。

★『「定年うつ」が危ない!』
 最上悠/著 アスペクト
 http://mo-v.jp/?e853 
アラウンド定年は、夫婦関係を模索する時期。自分のパートナーが、
ある日突然、うつ病になる可能性は十分あります。そのとき、どうす
ればいいか。うつ病の発見は早いほど予後がよく、実は、予防となる
効果的な方法もわかってきています。長い定年後の人生を、夫婦ふた
りで充実させていくためにも、パートナーのうつ防止の心がけは早す
ぎるということはありません。パートナーをうつにさせない、うつか
ら救う本。

★『マンガで鍛える読書力』
 本山勝寛/著 PHP研究所
 http://mo-v.jp/?e819   
塾にも通信教育にも頼らない独自の勉強法で東京大学、ハーバード大
学にダブル合格を果たした著者は、大学4年間だけでも、歴史・思想・
政治・科学・経済などの多ジャンルに亘り1000冊以上の本を読みこな
した。しかし、多読へのきっかけはコミックの『お~い! 竜馬』だっ
た!本書では、そんな『マンガからはじめる読書』を実践するための、
まず読んでおきたい名作マンガとその後に読むべく書籍を合わせて紹
介します。 

★『「いい人」でいることがイヤになったとき読む本』
 最上 悠/著 あさ出版
 http://mo-v.jp/?e7d9   
残業が断れない、本音が言えない――あなたは「いい人」だからこそ
損をしていると思ったことはありませんか?本書では、雑誌連載等で
人気の精神科医である著者が、モヤモヤした気持ちをスッキリさせる
ヒントを処方します。

★『自分プロデュース 人気女優が実践している夢をかなえる習慣』
 森谷 雄/著 ランダムハウス講談社
 http://mo-v.jp/?e7c4   
『ザ・クイズショー』『33分探偵』などのドラマや映画のプロデュー
サーが教える“なりたい自分に今すぐなれる方法”。 美容・性格・
恋愛・仕事。いつでも輝いている女性になれる3つのステップを、人
気女優との豊富なエピソードを交えて紹介します。

★『絶対「間に合う」仕事術』
 古田 マリ/著 東洋経済新報社
 http://mo-v.jp/?e7f1
顧客の要望に応えつつ、現場での突発事態・悪天候を乗り越えて、な
んとか納期に間に合わせるのが建築士の仕事。本書では、一級建築士
が「納期志向」の仕事術を解説します。

★『脳はこの1冊で鍛えなさい』
 加藤俊徳/著 致知出版社
 http://mo-v.jp/?e7c3   
脳はいくつになっても成長する――これは、医師として1万人以上の
患者の脳を、MRIを通して見てきた著者の信念に基づく言葉です。
本書では、「脳番地日記」という今までとは異なったまったく新しい
脳開発メソッドによる画期的な脳の鍛え方を提案。

★『禅語に生きる』
 立松和平/著 淡交社
 http://mo-v.jp/?e763
著者自身の幼少の記憶や戦争を体験した父の手記などを交えながら、
古の求道者たちが悟りの境地を示した「禅語」を解説し、現代に生き
るうえで役立つ新たな視点を提供します。 

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■私の修業時代
   第17回 田中靖彦さん
          ~アメリカでの20年 短くて長い回り道~ 

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(著者紹介)
東京出身。1993年カリフォルニア州立大学ノースリッジ校テレビ・フィ
ルム学科卒業。在学中に、短編映画「Embolism」「Kellene」、長編
「Petra」等を製作、監督。カリフォルニア・メディア・フェスティ
バル1位、日本映像フェスティバル金賞および銀賞などを受賞。96~
98年コロンビア・カレッジで更に映画プロダクションを学ぶ。卒業後
ハリウッドの製作会社Sheen Production、Shower Productionなどで
映画の企画、脚本をデベロップするインハウス・ライターとして活躍。
またTV製作会社コスモ・スペースでは、番組コーディネーターをはじ
め監督、カメラ、編集などで数々のTVプログラムを手がける。
かつてはフィギュア・スケートのオリンピック強化選手だったことも
あり、04~05年にはディズニー・オン・アイス「美女と野獣」に出演
するプロ・スケーターとして世界14カ国をツアーでまわる。
現在は日米に加え、アジア諸国を又にかけて脚本講習“ハリウッド脚
本塾”を実施中。マレーシア政府機関FINASのもとで、グローバル市場
をターゲットにした脚本のデベロップ、製作も手がけている。
著書に『ハリウッド ストーリーテリング』(愛育社)
(http://mo-v.jp/?e81a)がある。


「ハリウッド脚本塾」公式サイト
http://www.xn--gckycsav9k164wuqvai69b.com/

田中靖彦さんによる「南の島の映画界を育てる!~南の島ブログ」
http://mmbh.blog73.fc2.com/

~~~~~

 僕がカリフォルニア州立大学の映画学科に留学したのは20歳の時で
ある。それから20年以上が経つが、思い返せば、回り道の連続であっ
た。

 初めて渡米した年は、日本でもアメリカでも『トップガン』という
映画が大ヒットしており、当時まだ一映画ファンでしかなかった僕は、
ご多分に漏れず、トム・クルーズをきどってレイバンのサングラスを
かけては、ロサンゼルスの太陽のもと、それだけで毎日が楽しかった
のを覚えている。

 はじめて親元を離れた開放感から、当時の大学では卒業単位として
使えないようなクラスばかり取って青春をエンジョイしていた。お恥
ずかしい話だが、スキューバ・ダイビングのライセンスも大学の体育
の授業で取得したぐらいだ。それでも学生時代は親のすねかじりで済
む。

 本当の苦労は、大学卒業以降からはじまった。卒業制作で16ミリの
長編フィルムに、自腹で3万ドルもつぎ込んでしまった僕は、その作
品でハリウッドの映画業界に入っていけるだろうと踏んでいたが、現
実はそんなに甘いものではなかった。脚本というものの重要さを思い
知らされ、ハリウッド式の脚本術を本腰を入れて独学し始めたのもこ
の頃からである。

 さて、大学を卒業した留学生が、共通して直面するのがビザの問題
である。いくらアメリカに残って仕事をしたくても、労働ビザを取得
できない限り、荷物をたたんで帰国するしかない。

 この労働ビザについて少し詳しく説明しておこう。日本人がアメリ
カで働くために、一番取得しやすいのは「H-1Bビザ」というものだが、
これには雇用主にスポンサーになってもらう必要がある。それもどん
な職種でもいいわけではなく「その分野における4年制大学卒業以上
の学位またはそれと同等の実務経験(12年以上)」をもつ人材であるこ
とが条件となっているので、実務経験がない学生の場合だと、大学で
専攻した学科と関係のある会社でなくてはならない。

 もちろんその雇用主に労働ビザのスポンサーになってもらっている
わけだから、他の会社でも働いたり、自由に転職したり、といったこ
とはできない。たいていの日本人は、その後、その会社に勤めて労働
ビザをキープしながらグリーンカード(米永住権)を申請するが、職
種や条件によってグリーンカード取得までにかかる時間は様々だ。

 つまり、ぼくの大学卒業直後は、労働ビサをスポンサーしてもらう
ための就職先を探さなければいけないという状態にあった。そして、
こういう不利な状況下においても、人生のチャンスはまわってくるわ
けだが、労働ビザがない為に、どれだけのチャンスを逃したか分から
ない。

『オール・ザット・ジャズ』という映画の分析を提出したところ、毎
年全米で5人しか選ばれないという、ディズニー・スタジオのサマー・
インターンに選ばれたことがあった。このプログラムは実にユニーク
で、映画専攻の学生に限らず、あらゆる分野からインターンを選出し、
当時勢いのあったディズニーの子会社、ブエナビスタやハリウッド・
フィルムなど、複数の映画会社でプロの仕事を体験できるという、当
時の僕には夢のようなプログラムであった。ビザがないことは隠して
おき、何か言われたら「ただでもいいから働かせてほしい!」と主張
すれば大丈夫だろうと楽観視してインターンを始めた。しかし、その
2日後にスタジオの経理に呼ばれて、僕はあっさりと目の前のチャン
スを取り上げられてしまった。

 その後、僕はなんとかテレビの制作プロダクションで労働ビサのス
ポンサーをしてもらうことができ、5年間ほどかけて正式なグリーン
カードを取得した。同じような境遇の人たちと比較すると結構早い方
だと思うが、それでも僕にとっては長い道のりであった。

 若いうちは、社会のルールを甘く見て、何か抜け穴や近道があるは
ずだと考える。でも実はそんなものはない。特に法律に関することは、
時代によってどんどんと状況が変わるため、つい何とかなるのではな
いかと思いたくなる。そして弁護士に相談したり、友人のケースを聞
いたりするのだが、結局は回り道をした末に、何の前進もしていない
ことが多い。

 焦るなと言われても、焦らずにはいられなかった20代。そのうちに、
夢を実現する為にアメリカにいるのか、ビザを取る為にアメリカにい
るのかが本末転倒になり、焦りが更なる焦りを生むという悪循環に陥
った。今思えば当時の回り道など、ちょっとしたバイパスなのに、当
時の僕は、人生の時間を5年も10年も浪費したような気持ちになって
いた。そう、20代の長い長いトンネルだったのだ。

                           (続く)

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編集 栂井理恵  文責 鬼塚忠
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