出版プロジェクト・物語小説編  RSSを登録する

野間文芸新人賞作家の赤坂真理やキャラメルボックスの成井豊、『哄う合戦屋』の北沢秋、『クリムゾン・ルーム』の高木敏光、鈴木剛介らが所属する株式会社アップルシード・エージェンシーがお届けするメールマガジン。作家と編集者が小説を世に送り出すまでの秘話が満載。

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2009/01/26

【出版プロジェクト・物語小説編】

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■■ 出版プロジェクト・物語小説編          2009.1.26
■■                              vol.95
■■                     発行:The Appleseed Agency Ltd.
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このメルマガでは、作家のエージェント・株式会社アップルシード・
エージェンシーが、あなたがベストセラー作家になるための情報とテ
クニックをお贈りします。

■CONTENTS----------------------------------------------------
★トピックス
★1月の新刊のご案内
★私の修業時代 
       第13回 高木 敏光(たかぎ・としみつ)さん
                   〜遠回りした文学修行〜

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■トピックス  〜所属作家たちの近況をお知らせします〜
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★2004年に河出書房新社から刊行され、話題を呼んだ『ハヤト』が、
 講談社から文庫になりました。
 http://mo-v.jp/?e46d

★半年にわたって連載した読売新聞無料会員サイトyorimoで連載中の
 高木敏光さんの「ササイのことで思い出した」が、先週、最終回を
 迎えました。励ましや感想のメッセージをいただいた皆様、ありが
 とうございました。続報は、随時、報告していきます。

★高木賢治さんのノンフィクション『街金王 池袋アンダーグラウン
 ドの「光」と「闇」』が忽ち重版。映像化のオファー殺到です。
 http://mo-v.jp/?e2e5

★赤坂真理さんの5年ぶりの書き下ろしフィクション『太陽の涙』が
 岩波書店から発売。沖縄の伝承に根ざした、清冽で詩的なヴィジョ
 ン溢れる大人の絵本です。
 http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/9/0281730.html

★成井豊さんの『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』好評発売中。
 http://mo-v.jp/?e299

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■1月の新刊案内
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★『戸籍も本名もない男』
 村上早人/著 講談社
 http://mo-v.jp/?e46d 
太平洋戦争で、唯一の肉親である母と、戸籍や本名まで失くし、社会
の底辺でもがきながら、戦後の混乱期を駆け抜けた男「ハヤト」。そ
こには悩める現代の日本人が取り戻すべき、熱き生き方のヒントがあ
ります。『ハヤト』(河出書房新社)の文庫化。

★『中国人弁護士・馬さんの交渉術』
 馬英華/著 PHP研究所
 http://mo-v.jp/?e46e
日中両国をよく知る中国人弁護士が、仕事や生活などさまざまな場面
で使える交渉術を指南。交渉前の下準備から、駆け引きと議論を楽し
む中国人のテクニック、中国流の交渉ルールまで、日本人が交渉上手
になる知識が満載。 

★『わたしに元気をくれた99の言葉』
  リクルート・エージェント/監修 アスキー・メディアワークス
 http://mo-v.jp/?e46f
日本最大の転職エージェント「リクルートエージェント」が募った「
あなたの心のメモ帳にある、わたしの仕事に元気をくれた言葉」から
99個を厳選してまとめた言葉集。働くことに疲れたとき、迷ったとき
にこの本を開くと励まされます。

★『太陽の涙』
 赤坂真理/著 岩波書店
 http://mo-v.jp/?e396 
あたたかな海のただなかにまかれた、星座のような島々。その群島の
かたすみに僕らの小さな島はある。僕らは太陽から生まれた。あると
き、月からひとりの男が吐き出され……。清冽で詩的なヴィジョン溢
れる現代の神話。著者5年ぶりの書き下ろし作品です。

★『英国名言に生きる』
 多胡吉郎/著 PHP研究所
 http://mo-v.jp/?e395
言葉の国・イギリスはシェイクスピアをはじめ数々の「名言」を生み
出してきた。スパイスの効いたその叡智や情緒を洒脱に楽しむ一冊。

★『アイデアパーソン入門』
 加藤昌治/著 講談社
 http://mo-v.jp/?e404
アイデア=スポーツ! 
アイデア出しは練習できる。練習すれば、上達する。24時間、アイデ
アがあふれ出てくる体質になる方法を説く、ベストセラー『考具』の
副読本。キーワードは「たぐる」。

★『読書は1冊のノートにまとめなさい』
 奥野宣之/著 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
 http://mo-v.jp/?e34c
何十冊、何百冊読んでも、ほとんど覚えていない……。多くの方が抱
えるこの悩み。でも、「覚えていない」は「読んでいないと同じ」。
この本では、読んだ内容を確実にあなたの「財産」にする、「インス
トール・リーディング」の技術を紹介します。1週間で3刷10万部。

★『わたしとおなか』
 橘 果恋/著 サンマーク出版
 http://mo-v.jp/?e29a
ある日、朝子は見知らぬ男子生徒にラブレターを渡される。でもそれ
は――親友の奈々宛てだった。そうだよね、私のはずがない。妄想だ。
どうかしてる。だって私は――太っているから。過酷なダイエットを
決意した高校2年生の恋と友情の日々を、笑いと涙で描いた日記小説。

★『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』
 成井 豊/著 ポプラ社
 http://mo-v.jp/?e299
40過ぎのテレビ脚本家・根室。クリスマス目前のある日、19歳の
娘のいぶき14年ぶりにが突然やってきた。「パパ、私、小説家にな
りたいの」。 そして迎える驚きのクリスマスとは? 
ミステリー仕立てのクリスマス・ノベル。

★『街金王 〜池袋アンダーグラウンドの「光」と「闇」〜』
 高木賢治/著 講談社+α文庫
 http://mo-v.jp/?e2e5
かくも鳥肌のたつ人生を誰も知らない…。 
捨て子、ヤクザの鉄砲玉、TVリポーター、そしてヤミ金の世界でのし
上がった男の半生を描く、圧倒的スケールのノンフィクション。
事実は小説より危険なり。重版出来。

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■私の修業時代 
       高木 敏光(たかぎ・としみつ)さん
                   〜遠回りした文学修行〜
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(作家紹介)
高木敏光(たかぎ・としみつ)さん
作家、マルチメディア・クリエイター。
1965年、北海道生まれ。早稲田大学文学部美術専修を卒業後、株式会
社データクラフト入社。マクロメディア(現・アドビ)のソフトウェ
ア「Director」の先駆者的存在として、独創的なアニメーションやミ
ニゲームなどのデジタルコンテンツを数多く手がけ、セミナー講師と
しても活躍し、マルチメディア業界の巨匠と呼ばれる。インタラクテ
ィブゲーム『CRIMSON ROOM』の発表を機に、2005年、株式会社タカギ
ズムを設立。現在は、携帯電話向けコンテンツをはじめとした企画制
作やITコンサルティング業務を主に行う。
著書に『Director読本』(トッパン)、『高木工務店』(BNN)がある。 
一方で、大学時代には文芸誌の新人賞の最終選考に何度も残ったとい
う経歴もあり、2008年には『クリムゾン・ルーム』(http://mo-v.jp/?e426)
で小説家デビュー。読売新聞無料会員サイトyorimoにて連載していた
小説「ササイのことで思い出した」が先週、終了。

〜〜〜〜〜

 やがて僕がぶつかった壁は「上手く書きたい」という誘惑だった。
16歳の少年にとってそれは、「カッコ良いものを書きたい」というこ
とでしかない。「上手く」ということが、誰にでもわかる平明な文章
を指すのだと知るのはずっと後のことである。平明な文章を書くには、
書こうと思う内容――情景や心理がはっきりとしていなくてはならな
い。だが、僕が填(はま)っていった悪循環は、自分自身にすらよく
判っていないイメージを、気取った言葉でこねくり回すことだった。

 僕らの周りには戦争もなく、貧困もなかった。隠れタバコや酒やロ
ックはあったが、そんなものを自分が取り扱っても、面白い作品が出
来るとは思えなかった。ただその頃、年相応に手酷い失恋を体験した
僕は、身悶えしながらも創作のモチベーションを得たのだが、それを
身の丈相応の言葉で綴るには若すぎた。今思えば、ありのままの日常
を、その年代にしか使えない言葉で綴ればよかったのにと思うが、何
せその頃の僕が心を震わせていたのは、ジャン・コクトーやレイモン
・ラディゲの世界だったわけで――少年の勘違いした憧れは、しばし
ばそうやって、方向を見失う。
 雪の降り積もった札幌の街が、1900年のパリより美しくないはずも
なかったのに……。
 仏蘭西詩人の、実際のところはきわめてケチで合理的であるくせに、
もって回った大げさな表現手法! それに魅入られた僕は、感嘆符を
多用した詠嘆の調子をずいぶん学んだものだった!――しかし、実は
未だにある種の愛着を禁じ得ないのだが!!

 ところで僕は、前回のこの原稿の冒頭で、最初に創作したのが16歳
と記憶していたと書いた。だがそれは間違いであったことに、つい最
近気付くことになった。自分が最初に書いた《お話》が、小学校6年
生の時に書いた何作かの《推理小説》だったのを思い出したのだ。

 小学生にとっては少しませた感じのしたB罫のルーズリーフに横書
きで書かれた何編かの作品――映画のポスターを意識したゴージャス
な表紙絵を重ねて綴じたそれを、僕は級友たちに回覧した。彼らの本
音がどうだったのかは知るよしもないが、おおむね好評を博している
ようだと得意になった僕は、ただただみんなを楽しませるためだけに、
書きまくった。実はそれこそが大事な執筆動機なのだと、今にしては
っきりそう思う。

 文学理論としてのプロットの否定だとか、アンチロマンの試みだと
か、青臭い高校生の僕は、頭でっかちになりすぎていた。もちろんそ
うした《難解な》現代文学の存在意義は認めるし、僕自身、そういう
ものを読むのが嫌いなわけではない。しかし、小説作品に一番必要な
のは、魅力的な背景と人物の設定、小気味よいストーリー進行、そし
て会話やアクションの楽しみだと思う。もっともこれらのどれ一つと
して、僕はまだ会得などしていないわけだけれど――。

 物語のレベルを通俗的でありふれたものにしろなどという意味には
誤解して欲しくない。人を話に惹きつけ、最後まで読んで貰うことを
通してしか、書き手は自分の意思を読者に伝える方法がないではない
かということが言いたいのだ。

 10代のの勘違いな文学修行がまるで無意味だったとは思わないし、
思いたくない。というのも、僕はそこで正しい原稿用紙の使い方を覚
えたし、言葉の持つ力の強弱を学んだからだ。異国の文学を訳する先
生たちというのはそもそもが教養ある文学者であることが多く、その
訳文から僕は結果として「日本語」を学ぶことができたのだ。

 本気で作家を目指していた10代の終わりから20代の前半にかけて、
僕の《文学的》迷走は続いた。ある意味での不幸は、その間に書いた
幾つかの作品が、微妙に評価されたことだった。まるで箸にも棒にも
かからないものよりは少しだけましだといった程度のことなのだが、
文学賞の候補になったり、ささやかな原稿料を得たりできたことは、
若者の自尊心をくすぶらせ続けるには十分な燃料となった。

                            (続く)
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メルマガをお読みの皆さんで、本にしたら絶対売れる!!という
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くわしくは企画原稿検討の要項
(http://appleseed.co.jp/0_1.php)
をご覧ください。検討させていただきます。

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【最後にお知らせ】

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・鬼塚忠「カフェリブロ作家養成ゼミ」
http://blog.goo.ne.jp/appleseed_august

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編集 栂井理恵  文責 鬼塚忠
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