【出版プロジェクト・物語小説編】
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■■ 出版プロジェクト・物語小説編 2008.4.21
■■ vol.77
■■ 発行:The Appleseed Agency Ltd.
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このメルマガでは、作家のエージェント・株式会社アップルシード・
エージェンシーが、あなたがベストセラー作家になるための情報とテ
クニックをお贈りします。
■CONTENTS----------------------------------------------------
★トピックス
★4月の新刊のご案内
★著者インタビュー
『クリムゾン・ルーム』(サンマーク出版)高木敏光さん
〜「作家」とは、生き続け、常に作り続けるもの〜
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■トピックス 〜所属作家たちの近況をお知らせします〜
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★赤坂真理さんが日本経済新聞の「日経PLUS1」で『赤坂真理のうら
やましい悩み』の連載を開始しました。第1回目は、40代の女性管
理職が同僚に飲みに誘われなくなった、という悩み。これに赤坂真
理さんが、豊富な知識と独特の感性で回答しています。お申し込み
はこちらから。
http://www2.entryform.jp/nikkei2008
★奥野宣之さんの『情報は1冊のノートにまとめなさい』(Nanaブッ
クス)が、出版1ヶ月で忽ち7刷6万部です。Amazonでも、ベスト
セラーのトップ10に入っています。
http://mo-v.jp/?d7f6
★大好評だった昨年に続き、第2回『何のために働くのか』感想文コ
ンクールを開催いたします。著者の北尾吉孝氏ご本人が審査委員長
を務め、弊社代表の鬼塚も審査員としてみなさんの応募原稿を読ま
せていただきます。金賞30万円、銀賞10万円、銅賞3万円(2名)。
詳しくは下記ホームページをご覧ください。
http://www.chichi.co.jp/news/toppage/1635.html
★加藤秀視さんの『親のようにならない」が夢だった―裏社会から
這い上がった経営者の人生大逆転物語』の感想文コンクールを実施
いたします。大賞10万円・優秀賞5万円(2名)の表彰アリ。
下記ホームページの応募要項をご覧の上、ふるってご応募ください。
http://mo-v.jp/?d079
★6月よりリブロ東池袋店にて開催してきた「リブロ作家養成ゼミ」
の第二期生の募集を始めました。参加をご希望される方は、下記ホ
ームページの詳細をご確認の上、ぜひご応募ください。
http://blog.goo.ne.jp/appleseed_august/
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■4月の新刊案内
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★『クリムゾン・ルーム』
高木敏光/著 サンマーク出版
http://mo-v.jp/?dc7a
「それ」を創造せしめたのは、はたして、神か、悪魔か?全世界から
5億アクセスを記録した、史上空前の脱出ゲーム「クリムゾン・ルー
ム」。物語はゲームを超えた。熱狂的なファンをもつマルチメディア
・クリエイター高木敏光が放つ衝撃作。
★『イヤな気分をうまく手放す気持ちの切り替え方』
最上悠/著 PHP研究所
http://mo-v.jp/?dc79
つらすぎる感情はダイレクトに働きかけて、消し去りにくいという特
徴があります。本書では、精神科医が落ち込み・不安・怒りなどの実
例に則して、イヤな気分をうまく手放す智恵と方法をやさしく解説し
ます。
★『「本当の私」をうまく伝える方法』
最上悠/著 河出書房新社
http://mo-v.jp/?dc7b
「上司になかなか認めてもらえない」「同僚ともっと打ちとけたい」
「自己主張がうまくできない」…こんな欲求不満に応え、人間心理に
もとづいたコミュニケーションのあり方をアドバイスする。
★『グリーンスパンの正体』
ウィリアム・A・フレッケンシュタイン、フレデリック・シーハン
/著 北村 慶/監訳・解説 エクスナレッジ
http://mo-v.jp/?dc7d
19年という長きにわたりFRB議長を務め、退任後もその人気は衰えを
知らないアラン・グリーンスパン。だが、そんな世評とは裏腹に、
彼の負の遺産はあまりにも大きい。サブプライム問題はその代表だ。
精緻な調査・分析をもとに、“マエストロ(巨匠)”と呼ばれた男の
過ちと無知を浮き彫りにする全米話題沸騰の書が緊急出版!
★『元日銀マンが教える その「経済ニュース」には裏がある! 』
本吉正雄/著 青春出版社
http://mo-v.jp/?da6c
本人か関係者か関係者筋か…新聞記事はネタ元に注意せよ。「日銀短
観」の数字から、政府と日銀それぞれの思惑がわかる! 政府の思惑も
あの企業の戦略も一目瞭然!「経済・金融」情報の本当の読み方、教え
ます!
★『16倍速勉強法』
本山勝寛/著 光文社
http://mo-v.jp/?da6b
勉強の勝利は「地頭」「戦略」「時間」「効率」で決まる! 独学で東
大合格、ハーバード留学を果たした著者が送る、4つの要素を「掛け
算」で働かせる画期的な方法!!
★『そろそろ産まなきゃ』
三浦天紗子/著 阪急コミュニケーションズ
http://mo-v.jp/?d9f1
30代以上の「タイムリミット」がちらつく女性にとって、「産むか産
まないか」はいちばん切実な問題。実際いつまで産めるのか、高齢出
産のメリットとデメリット、産まない生き方など、自分らしい出産・
非出産を考える材料を軽やかに提供します。巻末には「100人アンケー
ト」の結果も収録。
★『チャンスと人を引き寄せる話し方』
稲垣文子/著 PHP研究所
http://mo-v.jp/?d9f0
NHKを経て、フリーアナウンサーとなった著者が明かす、人に伝える・
人に好かれる話し方のエッセンスを凝縮。この一冊で、基本から離れ
技までが学べます。誰でも成功するスピーチの技術も紹介。スピーチ
の機会が増えるこの季節、必読の書です。
★『人生を変えた5つのメール』
濱田秀彦/著 祥伝社
http://mo-v.jp/?d9f2
突然、着信した「誰か」からの不思議なメール。そこには、「キャリ
ア開発とは何か?」という質問があった−。人材育成のプロが語る心
が強くなる物語です。
★『はたらくって何? あたらしいシゴト論』
小沼純一/著 アスペクト
http://mo-v.jp/?d9f3
会社がいやだ、仕事がきらい、惰性で働いている−。そんな人は、考
え続けてください。自分の仕事が社会や世界につながることを。きら
いだからこそ「仕事」になるってことを。サラリーマン時代を経て、
音楽・文芸批評などを中心に執筆している大学教授が、今まで誰も教
えてくれなかった仕事を考えるヒントを教えます。
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■著者インタビュー
『クリムゾン・ルーム』(サンマーク出版)高木敏光さん
〜「作家」とは、生き続け、常に作り続けるもの〜
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(著者紹介)
高木敏光(たかぎとしみつ)さん
1965年、北海道生まれ。2004年、インターネット上でインタラクティ
ブゲーム「CRIMSON ROOM」を発表、全世界から5億アクセスを超える
怪物ゲームとなる。熱狂的なファンをもつマルチメディア・クリエイ
ターとして、その名を知られている。
クリムゾン・ルーム公式サイト:http://crimson-room.com/
産経新聞/読書欄の著者インタビューはこちら↓
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/breview/137261/
〜〜〜〜〜
・出版に至るまでの経緯を教えてください。
高木敏光さん(以下、敬称略)
2006年ごろ、日常の日記をつけていたブログで、ちょっとイタズラ
をしたのがきっかけです。ある、覚えのない男が、学生時代の友人を
名乗って会社を訪ねてくるというエピソードを書いたんです。幾人か
の友人・知人が心配してくれてコメント欄が賑やかになったのに味を
しめ、話を膨らませたところ、結果として1年あまりも書き継ぐこと
になりました。
あるとき、御社の存在を知り、その講評委員に雑誌「文藝」のかつ
ての有名編集長・長田さんがいらっしゃることが分かって、800枚にも
及ぶ長い原稿を送りました。辛口で知られる長田さんからは良い評価
をいただき、それをきっかけに御社を訪問しました。
私の本業を自己紹介するうちに、2004年にインターネットで発表し
たゲーム「CRIMSON ROOM(クリムゾン・ルーム)」の話になりました。
これはネット上では無料でプレイできるものなので、ビジネスとして
の成功はありませんでしたが、世界中から数億のアクセスを集めたも
ので、後の「脱出ゲーム」の先駆けとなったものです。すると、鬼塚
社長が興味を示し、小説を書きませんかと持ちかけて下さいました。
・その後、すぐに出版が決まりましたか。
高木
この企画でカフェリブロ作家養成ゼミに参加することが決まり、鬼
塚社長が各出版社へのメールで、私のことを紹介してくれました。そ
の後すぐ、幸運にも、サンマーク出版の高橋編集長からぜひ出したい
という打診があったと聞いています。
・その過程をお伺いすると当然とも言えるのですが、本作はゲーム「
CRIMSON ROOM」と世界観を共有していますよね。このような仕掛けを
考えたのはなぜですか?
高木
広い意味でのスリラーを書きたかったのですが、自分に経験のない
世界を書く力はまだないと自覚していました。私の本業は、インター
ネットを中心とした、エンターテインメントクリエイターですから、
まずその業界を背景にしようと思いました。しかし、いくらアクセス
が多数あったからとはいえ、クリックだけで解決するパズルを小説に
移植するわけにはいかない──そこで、かねてから興味を持っていた
テーマである「創造するとは何か」「オリジナルとコピーの違い」「
プライドとやりがいとは何か」といった要素を、虚実取り混ぜた形で
書こうと思いました。その場合、すでにいくらか知られている(ある
いはそういうことに設定させてもらっている)インターネットの実在
のゲームを柱にすれば、なおのことリアリティが増すだろうと考えた
のです。
・小説の主人公は「高木敏光」ですね。自分と同じ名前にしたのはな
ぜですか?
高木
ふたつの理由があります。まず、この作品の世界を、「どこまでが
ほんと?」というくらい、リアルに感じて欲しいということ。実名だ
からリアルというわけではないでしょうが、これがたとえば別の名前
だったら──と想像してみると、訴えるものは違うような気がします。
次に、この本に書かれていることは、まさにおおむねこの通りだと
いう単純な事実です。エピソードに細かい違いこそあれ、ここに書か
れている主人公の心の動きや行動は、まさに私そのものなのです。
・では、「創造すること」と格闘する主人公、彼を通して描かれる
管理職に棚上げされたクリエイターの焦燥感も、あれは作者ご自身の
こと?
高木
はい、そうですね。もの作りの恍惚も、創造力の涸渇への不安や恐怖
も、まさに同じです。
・こういう表現は失礼かもしれませんが、ハードボイルド小説の雰囲
気が全体から溢れています。主人公の名前を高木敏光からフィリップ
・マーロウに変えても違和感がありません。このような文体にした理
由は?
高木
マーロウ! 過分なお褒めと伺っておきます(笑)。ここだけのネ
タばらしをしますと、私は今回、どれも一人称で語られている3つの
作風を意識しました。
・その3つの作風とは?
高木
ひとつが、仰るとおりのレイモンド・チャンドラー……舞台は札幌
という地方都市とはいえ、盛り場がメインです。暴力小説にはせずに
盛り場を書くのには、マーロウのリリシズムとロマンチシズム溢れる
語り口は最高です。しかし、先例のチャンドラリアンは多いですし、
私は《巻き込まれ型の私立探偵》を書きたいわけではありません。
次に私が意識した作家に、強固なプロットをきわめて簡潔な文体で
記した、ジェイムズ・M・ケインがいます。あんなに素晴らしいお話
は作れませんが、語り手を明示しなくてもしっかりと読み手に伝わる
台詞など、かなり意識しました。
が、ケインは少しばかり乱暴です。間をつなぐものとして持ち出し
たのが、アルベール・カミュの『異邦人』の文体です。アルジェリア
を舞台としたあの物語の語り口、特に前半は、ハードボイルドとも言
われます。つまり、その土地のように乾いた文体なのですが、出てく
るキャラクターやエピソードが、どれもこの日本に住む私たちにとっ
てはエキゾチックで風変わりでもあります。
・『クリムゾン・ルーム』も、舞台は日本でありながら、エキゾチッ
クな雰囲気がありますね。
高木
私は札幌に住みながら札幌を舞台にこの本を書いたので、それを読
む人に、どことないエキゾチックな感じ──「札幌って、こういう店
があるの?」「こんな気候なの?」そういった感じを与えたいと思い
ました。ですので、普通に見聞きする情景や言葉よりも、少し風変わ
りで気取った感じを、じっさい意識しています。そのためには、こな
れた現代の日本語より、ちょっとばかり翻訳調の語り口や台詞を心が
けました。
また、これは未来の夢ですが、自分の書いた本が、異国で訳されて
みたい──そのためにも、主人公を含めた登場人物の感情なり動作が
「日本人だからこそ」のものではないようにしたつもりです。
・ゲームの世界を出て、小説を世に問うということは、小説の読者に
はゲームをしない人、ゲーム「CRIMSON ROOM」を知らない人をも想定
されていると思います。ゲームに不案内な人間でもわかるように描写
するということについて、苦労した点は?
高木
逆説的な答えになりますが、「この業界をよく知っている人」にと
って、あまりに幼稚に映らないかと気にかけました。もしこれで、業
界外の人に通じたのなら、私としては御の字ですが、より詳しい人に
してみれば「ありえない!」というところがあるかもしれません。が、
この業界の常識など、いくらでも覆るわけですから、あまり気にしな
いようにと、自分に言い聞かせながら書きました。
・全部ではありませんが、一文ごとに改行されているところがほとん
どです。その理由は?
高木
ここまでで、一番厳しい質問ですね。私なりのルールで言えば、思
考や行動や描写の最小単位が「段落」だと思っています。そうすると、
この本の中では、主人公による語りは、常に分裂しているのです。あ
っちへ飛び、こっちへ飛び。なにせ私がそういう人間なので、行末=
文末で、いちいち相手に念を押しているのだと思います。日本語の作
文の作法としては、やはりいびつであることは自覚しています。元は、
改行はもとより、読点も最少にした濃い字面の文章も書いていたので
すが。
・その文章について詳しいことをお聞きしたいと思います。文章を書
く上で心がけていることはありますか?
高木
死ぬほどありますが少し厳選しますと、まず、たくさん書いて、た
くさん削る……。実に非効率ですが、削るしかありません。時にはペ
ージごと、シーンごと。雰囲気作りのための雰囲気は、やはり薄くな
るし、
「ねえ」
「ん?」
こんなのは、行稼ぎというか、思考の怠慢だと思う。……と、ここ
で怖くなって自著を手に取る私。全部の行に、意味や象徴があっては
たまりませんが、とにかく削れないか考えます。そのくせむやみに長
い本ですみません(笑)。
・いえ、読者のブログ書評でも、「あっという間に読んでしまいまし
た。」という感想が非常に多いですよ。その他には?
高木
次に作品世界に合った言葉を選ぶ……。今回、結局は使ったのです
が、「ラーメン」という言葉を入れるかどうか、そんなところでひど
く悩みました。
・ひとつの単語、しかも「ラーメン」というどこにでもある言葉にそ
れほど拘泥したわけは?
高木
結果、札幌が舞台だし……ということで使うことにしたのですが、
ストーリーを緊張させたいシーンで「ラーメン」とは、ラーメン屋さ
んには悪いのですが、私にとっては滑稽な言葉のように感じたのです。
が、ラーメンもカラオケも、他に言い換えられない言葉ですし、スス
キノつながりで使いました。
・そうしたディテールのこだわりは他にもありますか?
高木
「……」や「──」や、句点(。)読点(、)には、実はこだわる
……結果、無造作な様相を呈しているのは自覚していますが、テンや
マルには、ひどくこだわります。……は、ふたつ並んでないと、頭が
カユくなります。なので、「青・赤・黄色」などと、ナカグロ(・)
も多用します。しかし、本多勝一氏の『日本語の作文の技術』(朝日
文庫)などに依拠しているわけでもありません。
・文章を書く上で禁じていることはありますか?
高木
自分でよく判っていないことを書かない……。これは、行ったこと
のない国を書かないとかいう意味ではありません。「なんだか僕は、
自分が彼女のことが嫌いになった。でも好きだ」あるいは、「そのと
き、なぜだろう──奴が動く気配を感じたような気がしたが、錯覚か
もしれない」。これらはなんとなく、あって良さそうな文章ですが、
私は書きません。プラスマイナスゼロ……これはその都度とても楽な
のですが、多用すると全体が水っぽくなる。なので、私は書けません。
・ヘミングウェイも同じことを言っていますね。「大事なのは、自分
の知っている事柄について書くことだ」。他には?
高木
今の言葉や駄洒落には依拠しない……。カギ括弧の中で、「ケータ
イ、どうしたの?」「ああ、昨日、女とモメてて、アツくなってコワ
した」などはあるかもしれませんが、地の文で「ケータイ」とか「エ
ンコー」などとは使わない。で、「携帯電話」は使っても「援助交際」
は使いません。
・これは、メルマガの読者にもたいへん参考になると思います。では
話題を変えて、これまでに影響を受けた本を5つ教えてください。
高木
『肉体の悪魔』(レイモン・ラディゲ、新潮文庫)。16歳の時読ん
で、同い年のフランスの少年が書いたということにショックを受けま
したが、新庄嘉章訳の詠嘆の調子は、ラブレターに多用しました!
──ああ!!(笑)。ですが、あくまで論理的なフランス流の考え方
は美しいと思った。
『死の接吻』(アイラ・レヴィン、ハヤカワミステリー文庫)。読ん
だのは17歳だと思います。言語というものを使って、国境を越えて、
ここまで一般性があるものが作れるのかと驚愕しました。面白いお話
というのは、まだまだ世の中にあるでしょうが、これには参りました。
これまたレヴィン氏、22歳の作! 影響を受けたというより、憧れで
す。
金子光晴の『どくろ杯』『ねむれ巴里』『西ひがし』の三部作(い
ずれも中公文庫)。80代も半ばを超えての回顧録の大作です。同じ著
者が同じ題材を書いた、若い頃の『マレー欄印紀行』や自伝に比べて、
このコクや深み、そして軽さはどうしたことでしょう。作家というも
のになりたくて足掻いている私にとって、このじいさんの存在は、「
生き続け、作り続ければよいのだ」という、一つの北極星というわけ
です。
・あっという間に5冊出てしまいました。では本以外では?
高木
『Be your dog』以外も含め、Iggy Popの曲の多く。16歳の時から、
今も聞いています。上手いということより、激しいということが大事
なんだということに気づきます。今の自分が、イギーのように激しい
かというと、疑問符が付きますが。
・ご自身の専門であるゲームの世界では?
高木
ゲームというジャンルでは、特に思いつかなかったので、映画で勘
弁してください。『自転車泥棒』(ヴィットリオ・デ・シーカ監督、
1948年公開)。最初に観たのは14歳です──映画マニアの担任教師と。
イタリアン・ネオ・リアリスモがどうこうじゃなくて、昨今の「涙モ
ノ」とは別次元の大涙です。なんだろう。人間の根源がある。泣けば
いいってものじゃない。今の日本も、ひどい不景気なので、冗談では
済みません。その時イノチガケになるのが自転車や傘だとは思わない
が、不況、生きること、家族、貧窮、罪とつぐないなど、生なテーマ
が満載です。影響ということで言えば、それらのどれかを「薄め」れ
ば、なんかできるさというような、濃縮されたアイデア(と言っては
みもふたもないが)の宝庫です。
・ありがとうございます。とても面白いチョイスでした。さて高木さ
んは今後、小説の世界でどんなことを成し遂げたいとお考えですか?
高木
若い人──喩えれば12歳とか14歳の若い人が、「最初にハマった本
」とでも言うようなものが書きたいです。ジュブナイルという意味で
はなく、彼らが精一杯背伸びしたときに、そこにあった「大人の本」。
彼らが後に卒業して、それらを軽蔑しても構わない。私にとってそれ
は(あ、軽蔑はしていませんよ!)、『人間失格』であり『砂の器』
であり『アルジャーノンに花束を』であり『ガラスの動物園』なわけ
です。高望みが過ぎますかね。
・決してそんなことはないと思います。さて、このメルマガは作家を
目指している方が読者ですが、作家であること、ものを作ることとは
どういうことだとお考えですか?
高木
漠然と「作家になりたい」という人は大勢います。私もずっとそう
でしたし、今もまだ「作家」などとは名乗れません。ただ……作家と
いうのは、それが売れようが売れまいが、良かろうが悪しかろうが、
価値があろうがなかろうが、常に作り続ける人ではないでしょうか?
誰しもが本来クリエイティブである、というのは私の持論ですが、実
際に作っている人というのは、そう多くはありません。
こんな例はどうですかね── ある、45歳の、食品流通会社の部長
が、新しい流通システムの構築でストレス満載。そんな彼のストレス
発散法は、仲間と年に一度行うライブと、そのための練習。彼のパー
トは、ギター&ボーカルで、レパートリーは……佐野元春の曲。もし
テレビが取材するとしたら、後者の話題を取り上げますが、そんなの
はおかしい。絶対に、会社でのストレス満載の仕事が、クリエイティ
ブです。いわゆる「作家」と言われる人々は、その、生きていくため
の仕事のところに「オリジナルの創作」というのを填めてしまった人
々だと思うのです。思えば因果なことですよね。
・確かに因果な商売です。でもだから面白いんでしょうね。
本日は興味深いお話をありがとうございました。
高木
こちらこそ、ありがとうございました。
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メルマガをお読みの皆さんで、本にしたら絶対売れる!!という
企画・原稿をお持ちでしたら、弊社あてにご応募ください。
くわしくは企画原稿検討の要項
(http://appleseed.co.jp/0_1.php)
をご覧ください。検討させていただきます。
ご意見・ご感想は(info@appleseed.co.jp)までお願いいたします。
【最後にお知らせ】
こちらにもどうぞご訪問ください。
・株式会社アップルシード・エージェンシーのサイト
http://www.appleseed.co.jp/
・鬼塚忠「カフェリブロ作家養成ゼミ」
http://blog.goo.ne.jp/appleseed_august
・メルマガ「出版プロジェクト・ビジネス書編
http://www.appleseed.co.jp/magazine.html
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配信 株式会社アップルシード・エージェンシー
編集 栂井理恵 文責 鬼塚忠
E-mail:info@appleseed.co.jp
http://www.appleseed.co.jp/
〒162-0824 新宿区揚場町2-12セントラルコーポラス401
TEL:03-3513-4325 FAX:03-3260-4437
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