【出版プロジェクト・物語小説編】
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■■ 出版プロジェクト・物語小説編 2008.1.29
■■ vol.73
■■ 発行:The Appleseed Agency Ltd.
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このメルマガでは、作家のエージェント・株式会社アップルシード・
エージェンシーが、あなたがベストセラー作家になるための情報とテ
クニックをお贈りします。
■CONTENTS----------------------------------------------------
★トピックス
★1月の新刊のご案内
★著者インタビュー
『モテたい理由』(講談社)赤坂真理さん
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■トピックス 〜作家たちの近況をお知らせします〜
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★弊社代表の鬼塚忠の初の小説『Little DJ 小さな恋の物語』が原作
となった映画(神木隆之介、福田麻由子主演)が絶賛公開中。
http://www.little-dj.com/
感動の映画が『Little DJ オフィシャルフォトブック』として、ぎ
ゅっと一冊になりました。主要キャストインタビューだけでなく、
鬼塚忠による書き下ろしアナザーストーリーも収録しています。
http://mo-v.jp/?c6c9
「ピアニッシモ」で大好評だった中森ゴセン氏による漫画化も、一
冊になりました。
http://mo-v.jp/?c6c8
★鈴木剛介の『デブになってしまった男の話』が、高倉あつこさんに
より漫画化されました。今月、単行本発刊。
http://www.comicbunch.com/bunch_comics/index.html#04
★6月よりリブロ東池袋店にて開催してきた「リブロ作家養成ゼミ」
の第二期生の募集を始めました。参加をご希望される方は、下記ホ
ームページの詳細をご確認の上、ぜひご応募ください。
http://blog.goo.ne.jp/appleseed_august/
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■1月の新刊案内
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★『親のようにならない」が夢だった』
加藤 秀視/著 ダイヤモンド社
http://mo-v.jp/?d01e
父は酒乱、毎夜殴られる母、暴走族からヤクザへとお定まりのコース
をたどった著者が、起業して自分と同様の境遇の少年たちの面倒をみ、
苦しみながら裏社会から足を洗い、3社を経営しながら少年の更生の
ため講演に飛び回るようになるまでの人生大逆転物語。壮絶な半生か
ら「どんな境遇にあっても人は変われる」と勇気づけられます。
★『大人の投資入門ー真剣に将来を考える人だけに教える「自力年金
運用法」』
北村慶/著 PHP研究所
http://mo-v.jp/?ceff
世界の一流年金基金、ハーバードなどの大学財団、世界の富豪たちが
採用する「長期投資の王道」を、“ふつうの人”が年1回のフォロー
でできるよう、その方法と商品選びまでやさしく解説します。金融の
プロが勇気をもって書いた投資の教科書です。
★『モテたい理由―男の受難・女の業』
赤坂真理/著 講談社
http://mo-v.jp/?cce8
もう疲れたよ…でも、止まれない。女たちを包囲する“モテ”の真実!
モテ服にモテ子…女性誌はなぜ「モテ」を大合唱するのか?エビちゃ
んブームの深層、蔓延する自分語りの文法から恋愛至上主義とオタク
の関係まで、混迷する男女の今を炙りだします。
★『どこでも1分半ヨガ―YOGAでカラダスッキリ、ココロは浄化』
鈴木まゆみ/著 主婦の友社
http://mo-v.jp/?cce6
隙間時間の1分半でできる!簡単にヨガの基本が学べる決定版ムック
です。時間がない、お金もかからない、体が固い人でも大丈夫。体が
みずみずしく変わっていくのを実感できるでしょう。
★『人を出し抜く残業しない術―要領よく生きてるヤツは知っている』
夏川賀央/著 主婦の友社
http://mo-v.jp/?cce7
ビジネスの現場で本当に使う重要ポイントのみを伝える、20代若手ビ
ジネスマン向けビジネス啓発本『凄ビジ・シリーズ』。残業しないで
有効に時間を活用する術を教えます。
★『わん☆くら』
粥川みどり/著 主婦の友社
http://itm-asp.com/cc/1615/gxlGSkrD
カフェリブロの作家養成ゼミから生まれた、期待の新人作家のデビュ
ー作。1歳になったばかりの豆柴の雄犬「楽(がく)」がホスト犬と
して働くことになった―。動物虐待に遺棄、迷子騒動、アジリティ、
ペットショップにペット可マンション、病気や超能力など、犬をめぐ
る様々な現実を問題にしながら、人と動物が共生する素晴らしさを描
いた秀作。
★『そして、涙は海になる』
須田幸子/著 PHP研究所
http://qrl.jp/?255426
子どもが産めなくなった。髪も抜け落ちた。それでも、最期まであき
らめなかった―。24歳で子宮ガンとなってからこの世を去るまで、病
床で綴った一人のサーファーの想いが、カフェリブロの作家養成ゼミ
から一冊の本となりました。
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■著者インタビュー
『モテたい理由』(講談社)赤坂真理さん
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(著者紹介)
赤坂真理(あかさか まり)さん
作家。
慶應義塾大学法学部卒業。編集者を経て、1995年「起爆者」でデビュ
ー。2000年『ミューズ』で第22回野間文芸新人賞受賞。その他の著書
に『蝶の皮膚の下』『ヴァイブレーター』『ヴァニーユ』『彼が彼女
だった頃』などがある。
〜〜〜〜〜
・終章の冒頭に「いろいろな要因が、からまって私にこの本の原型を
着想させた」とあります。『肉体と読書』(講談社、2005年)にも、
今回取り上げたテーマの断片が見られる気がするのですが、これらを
一冊にまとめようと考えた時期ときっかけをお教えください。
赤坂真理さん(以下、敬称略)
視点や感受性自体は、本当に長く持ってきたもので、それを抱いた
正確な時期をあげることはできません。ずっとあって、死ぬまで持っ
てるものじゃないでしょうか。「契機」を強いてひとつ挙げるなら、
15、6歳で、アメリカにやられ、おかしくなったことまで遡ると思いま
す。が、15歳にそれが起こるには、15歳以前にさらに遡る。私の資質
があり、家族間の関係性があり、さらに大きい集合意識がある。そこ
に戦争もあり、戦争を考えると、少なくとも明治維新には遡らないと
いけない。驚くべきことですが、今私たちが直面している問題は、実
に明治からの問題が解決されていないと言っていい。私はあるときに
それに突き当たりました。明治にいっぺんに何もかも変えた。そのつ
けを、長い長いあいだ、日本人は払っていると言っていいです。しか
も「いっぺんにリセットしたい願望」までそこで持ってしまった。そ
ういうすべてにさらされた象徴的な出来事として、自分のアメリカ体
験を今ではとらえています。
・『モテたい理由』の終章とエピローグでも、そのあたりの事情が述
べられていますね。実は最初通読した時、展開の飛躍に「面食らって
しまった」のですが。
赤坂
終章「戦争とアメリカと私」と「エピローグ」のふたつは、「唐突
だ」と言う人と「あれがイイ!」と言う人にはっきり分かれるのです
が、あれこそは私のコアです!ただ、あまりに大きいものに当たって
しまったので途方に暮れた時間は長くて……。
そういう言葉のアウトプットとしては、2000年あたりからしていた、
新聞や論壇誌への発表が役に立ちました。もともと自分には中間的な
質があって、「間にいる者」だと自分のことを思っています。エッセ
イをフィクションにしちゃうとか、評論に見えて物語としか言いよう
がないとか、そういうきわを行くのに、新聞や論壇誌は私にとっては
やりやすい媒体だったんです。
・小説と新聞や論壇誌への寄稿、あるいは『モテたい理由』とでは、
書き方や取り組み方は違うのでしょうか?
赤坂
『モテたい理由』も、自分としては小説とあまり意識として変わり
がありません。そんなふうに感じていただけると、とてもうれしいの
ですが。インターネット上に、「これは、(評論としてはどうかわか
らんが)文芸作品として、第一級である」という意味の批評があった
のですが、それが涙が出るほどうれしかったです。
・雑誌や本を分析した部分は圧巻でした。「徹底的に読み込んだ」と
ご自身がおっしゃる女性誌はもちろん、『愛される理由』(二谷友里
恵、朝日新聞社、1990年)と『ダディ』(郷ひろみ、幻冬社、1998年)
の読み比べ、『タッチ』(あだち充)や『めぞん一刻』(高橋留美子)、
果てはカリスマホスト頼朝の本(『あなたはナンバーワンになれる』
河出書房新社、2003年)まで、茶化したり、遠ざけたりせずに冷静に
読み込んでいる。これは資料として渉猟したものなのでしょうか。そ
れとも手当たり次第に読んでいたものが、ひとつのテーマに結びつい
たのでしょうか。
赤坂
資料として読み漁ってたものですね。他にも山ほどあるんですよ。
一時期流行った「障害者もの」とか「壮絶人生もの」とか。
もっと言えば、そういうものと、「純愛もの小説」(『世界の中心
で愛を叫ぶ』など)や「韓流」の手触りはそっくりでした。どこと言
えず、なんとも言えずなんとなく、そっくり。「この感触って、何?
」と追求しだすと、ハマってしまって。本棚そういう本ばっかりだっ
た! あんまり見せたくない本棚。一時期有名人の自伝(?)ものも
一杯読んでいて、布袋寅泰とか、野田聖子とか、石田純一まで読んで
います。それらに何か通低する集合意識みたいなものが感知でき、だ
から読んでいくのですが、そのもやもやを言語化すること、そしてさ
らに人に伝わる言葉にすることが、むずかしかった。
その延長線上に今の「ケータイ小説」などもあると私はとらえてい
ます。「ケータイ小説における『妊娠・出産・癌またはエイズ』の三
大題目は、少年ジャンプにおける『努力・友情・勝利』である」と言
った人がネット掲示板にいたのですが、大笑いしてひざを打ちました。
その通りなんです。あっという間に、身も蓋もないフォーマットがで
きてみんなが使い倒している。二つ読めば全部同じだっていう。ただ、
それが悪いとは言わない。多くの人がなぜそれを読みたがるかという
のは、私にとっては面白い問題であり続けると思います。
・今回の本や、たとえば『ヴォイセズ』(『ヴォイセズ/ヴァニーユ
』講談社文庫収録)を拝読した時にも感じたのですが、赤坂さんは実
に深く資料を読み、取材を重ねているように感じます。たとえば「資
料を読み込む」時、赤坂さんはどのようなことに注意していますか?
赤坂
資料に取り込まれないこと、ですかね。でも、資料というのは、薬
にせよ毒にせよ魅力をおぼえるから摂るわけで、取り込まれずにいる
というのは、言うよりむずかしい。それで具合が悪くなったりもし、
それでも摂り続けたりするし。喫煙者の煙草なんかと、似た感じがあ
るんじゃないでしょうか。
・取り込まれないようにするには、どうすればいいのですか?
赤坂
もっと言えば私が「資料だ」と言っていたこと自体、取り込まれな
いために自分に言い聞かせていたところがあるかもしれない。私自身、
女性誌にはおもいっきり取り込まれたりしたわけですし。こちらの話
のラインを保持して読む、というのは、取り込まれないための一手な
んですが、そもそも「何がラインなのか見えそうで見えない」という
ときには、この手は効かない。また、お話ラインをあまり保持してい
ると、何かを見落とすこともある。「取り込まれてみる」というのも
手かもしれない。それで心身を壊しそうになったら?「取り込まれる
私」について考えてみる。私に起こることは、誰にでも起こりうる。
と信じてみるしかない! でなきゃ物書きなんてやってられません!
・上記と重なるかもしれませんが、取材をされる時はどのようなこと
を心がけているでしょうか?
赤坂
取材の極意とされるのは、「取る」ことより「捨てる」技術だと言
われています。どこかの本のタイトルのようですが。それこそ『ヴォ
イセズ』を書く途上(管制官に話を聴きました)で担当編集者に言わ
れたことなのですが、それが身にしみてきたのはこのごろだと言えま
す。極意っていうのは、本当に、言えば簡単なことなのですが、でき
たらすごい。取材対象って、本当に魅力的なんです。言葉は逐一使い
たくなってしまう。義理という感情さえ生まれる。それを、捨てる。
むずかしいのは、本より、人です。取材されるような人の話は、思わ
ず惚れてしまいそうに魅力的だから。こっちのラインを決めていかな
いと、話の細部に引きずられますね。と、言ってちゃんとできれば私
も苦労しない!前の話と同じで、何がとれるかわからないままインタ
ヴューをとることもあるわけだし。
・それでも、資料や取材対象者に取り込まれたり、引きずられたりし
ては、今回のように的確な分析はできませんよね。どうやって解決し
たのでしょうか。
赤坂
『モテたい理由』執筆中に、ひとつ、極意に触れたかもしれないと
思ったことがあるんです。分量を削る必要に迫られてリライトをした
のですが、そのときに、「書いたものを見ず、記憶で大意を再現する」。
資料や人に愛着するのと同様、人は自分の書いたものにも愛着するか
ら、書いたものをみると細部に引きずられるんです。
逆に言うと、「書く過程」でコントロールするのは、非常にむずか
しいかもしれない。書くには勢いが必要だったりもするから。
・全体を通して、男性にやさしく、女性にきびしい(批判的に検証し
ている)気がしました。副題の「受難」と「業」の対比も、それを端
的に表わしているように読めます。ところが小説作品ではそのような
偏りを感じません。ご自身ではどうお考えですか?
赤坂
著者自身としては、小説ではどちらかと言えば女性性に偏っていた
ところがあったと感じています。ただ、男性が好きなので、男性を憎
む言説を書いたことがないので、そこが偏りのなさと感じられたかも
しれません。そう言っていただけるのはうれしいですが、けれど、私
が男性という生き物を虚心坦懐に理解しようとしたかといえば、必ず
しもそうではなかったと自分では思うのです。本当に虚心坦懐にそれ
を試みたのが『モテたい理由』で、自分自身、とてもためになりまし
た。
痛感したのは、人は誰でも、自分(たち)にとって自明だと感じて
いることをあえて言葉にしようとはしないということ。そしてそれが、
他人にとってカルチャーショックに近いことかもしれない、というこ
とです。たとえば私は「女性においては他力の幸せほど羨ましい」と
か「女性は人生を時間軸で語ろうとする」などというテーゼを書きま
した。これらは、女性の私にはある種自明で、わざわざ言葉にしても
面白くないだろうと思っていたのです。しかし男性の多くは、そこが
すごい! と言ったわけです。男のその言葉がまた、私にとってはカ
ルチャーショックで!
・たしかにおっしゃる2つのテーゼには意表を突かれました。「そう
なのか」というより「まさか」という感じです。
赤坂
反対の例としては、朝倉南や音無響子などを挙げられます。女が「
モテたい」と思うようなとき、『タッチ』の朝倉南や『めぞん一刻』
の音無響子なんかは、完全ノーマークなわけです。眼中に入ったこと
すらない。男にとってはそこは普遍かつ永遠のストライクゾーンなの
ですが、男はそれを自明と思っていて、あえて言葉にする必要なんか
ないと思っています。それが判明したときもやはりカルチャーショッ
クを受けました!
女性誌の誤りは、女性と同じ作法で男性も行動すると思っていると
ころです。たとえば、女性と同じ「口コミネットワーク」を持ってい
ると想定するから、「彼の友達から彼に『おまえの彼女かわいくてう
らやましい』と言わせよう」とあの手この手を使ったりするわけです。
男を虚心坦懐に理解したら、そんなの無駄ってわかります。でもそん
な労力の無駄って、男女問わず多くの人がするんです。
一度、先入観なしに、人の話を聞いてみたら、多くの発見がありま
す。その話の聞き方を得たのは、私にとって大きな収穫でした。
・終章の冒頭で「時にこの本は混迷した」とあります。あるテーマを
突き詰めて考える時、混迷は必ず起こることだと思います。そんな時、
赤坂さんはどのように解決しているのでしょうか。
赤坂
どーうしようもないときがあります。この本で助かったのは、担当
編集者の男性が面白がってくれたことですね。前の質問とも関連する
のですが、女が女のことを書くとき、自明だと思って価値を見出さな
いことがあります。たとえば、「〔女は時間軸〕というようなテーゼ
はすごい」と、担当さんにも何人もの人にも言われたのですが、私自
身は、それは自明でわざわざ言葉にする価値などあまりないと思って
いた。ここから導けるテーゼは……視点を変えてみると新しいことが
見えてくる、でしょうか。そのとき、信頼できる読者がいるといいか
もしれません。彼らは[別の視点]なのです。これは人を選ぶけれど、
大事な存在だと思います。私の場合は、この担当さんと、夫でした。
あとは「転地療法」と言っていますが、ファミレスに行く! とか、
バイクに乗る! とか、とにかく視点を変えないといけません。それ
で気がついたらファミレス行くのに30キロ走ってしまって社会人の屑
だなあとつくづく思ったりすることもありますが、基本的には、どう
しようもない。身体を動かすとか、膠着している何かをゆるめないと。
このごろとみに大事だと思うのは、身体性です。人間はどうしても、
意味を過剰に求めたがる。でも意味を求めすぎても、人は不幸になる
んです。意味のない幸せがあっていいじゃないかと思います。頭で意
味をつけようとしすぎると、取りこぼすことって多いと思うんです。
そんな思いを、エピローグと「ただの幸せというのは、ある」という
結句にこめました。
・『モテたい理由』は、現代の日本の男女や家族の関係を支える物語
を解体する試みではないかという感想を持ちました。解体後、私たち
は新しい物語を作るべきなのでしょうか。それとももう、男女や家族
の関係に物語を期待してはいけないとお考えでしょうか。
赤坂
異性に期待してはいけないなどとは思っていません。人が他者に性
的に惹かれるのもしかたない。一部のフェミニストなどのように、家
族を解体したいとも、思いません。家族を解体した人も「家族的つな
がり」を求めます。ゲイの性愛も「異性愛的」です。そういう「人間
の型」みたいなものは、認めないとしかたない。
物語を欲する気持ちも、全部、「人間にあるのはしようがない」と
いうものだと思うからです。そういうことの存在自体は否定も批判も
できない。認めなければどこへもいけない。
しかし、「しょうがない」というのと「それしかない」とは別のこ
とだと思うんです。私が批判したポイントがあるとしたら、「使い勝
手のいい物語ばかりを使い倒し、あっという間に枯渇させてしまう態
度」があまりに広汎にあることでした。それが商業主義や拝金主義と
がっちりくっついて、止まらない。人が物語を必要とするのもしかた
ない。けれど、その物語がひとつに塗りつぶされていくことだけは、
どうにも苦しい。それは批判したいです。だってそれをファシズムっ
ていうんだから。多くの人はうまく流してやっていくのかもしれない
けれど、私は感じてしまう。こんな私も、しかたがない。
・今後のご予定をお教えください。小説はもちろんですが、今回の『
モテたい理由』の評論的な作品は今後も続けられるのですか?(続け
ていただきたいという希望を大いに込めて質問します)
赤坂
前の質問でも申し上げましたが、自分にとっては、小説と評論のこ
とばの境というのは、あまりないのです。自分の言葉はどんなものか、
自分自身、知りたい気持ちがあります。その核に触れたい。
具体的な予定としては、岩波書店から本が出る予定です。タイトル
は『太陽の涙』。もう原稿は入っています。岩波が出す絵本風の新シ
リーズの一冊なので、これから絵の工程になります。出るのは、案外
先で12月くらいらしい。内容は、ジャンルとしては小説に属しますが、
以前から「神話」が書いてみたくて、書いている間「いま何書いてる
の?」ときかれるたび、「神話!」と答えていました。
人間は、神話を必要とする存在だと思うのです。アーサー王だって
ジーザスだって天皇だってお金だってグローバリズムだってライフス
タイルだって、みんな「神話」だと思うんです。戦争とその前後には
それが煮詰まった形で出る、とも思います。そういうものを必要とす
る気持ちは、人間にやみがたくある。人の心の神話、のようなもの。
それをすくい上げたいと私は願っています。
次の予定は、角川書店「野性時代」で連載していた『スリーパーズ
』を、本にするためにリライトすること。『スリーパーズ』は私にと
ってハードルの高い挑戦をなぜかてんこ盛りにしてしまった作品で、
連載は苦労しました。本にするのは、やりがいはありますがむずかし
いです。それも「神話」的要素があると感じています。刊行は5月頃
の予定です。題も変わる可能性が大きいです。
そのあと、文芸誌での仕事をたぶんして、別の書き下ろしも考えた
いと思っています。このごろやっと、「小説家」と言えるようになっ
たと少し感じています。形式やジャンルは、そのときどきで、適性や、
縁などで決まる気がします。今回新書というかたちをとったのも「縁」
だったなあと思います。
私の気持ち自体は、変わらないです。また、そういう考えを持った
人と仕事をしたいと願っています。
・貴重なお話ありがとうございました。新作が待ち遠しいです。
赤坂
こちらこそ、いい質問をありがとうございました。自分を振り返る
いい機会になりました。
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メルマガをお読みの皆さんで、本にしたら絶対売れる!!という
企画・原稿をお持ちでしたら、弊社あてにご応募ください。
くわしくは企画原稿検討の要項
(http://appleseed.co.jp/0_1.php)
をご覧ください。検討させていただきます。
ご意見・ご感想は(info@appleseed.co.jp)までお願いいたします。
【最後にお知らせ】
こちらにもどうぞご訪問ください。
・株式会社アップルシード・エージェンシーのサイト
http://www.appleseed.co.jp/
・鬼塚忠「ドリームゲートブログ」
http://tinyurl.com/69d83
・メルマガ「出版プロジェクト・ビジネス書編
http://www.appleseed.co.jp/magazine.html
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配信 株式会社アップルシード・エージェンシー
編集 栂井理恵 文責 鬼塚忠
E-mail:info@appleseed.co.jp
http://www.appleseed.co.jp/
〒106-0031 港区西麻布1-4-43 西麻布NKビル6F
TEL:03-5414-3655 FAX:03-3403-4788
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