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ニューヨークの生活は常に刺激的で新しいものとの出会いの場となっている。それは人との出会いに始まり、また街角で見つけた珍しい物など多岐に渡る。その一つ一つを見たまま感じたままに綴っていきます。

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2008/11/17

ニューヨーク日記「暮らしの中で感じた日米の違い」

すばらしきニューヨークの想い出 Fantastic memory of New York!
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「救急搬送受け入れ拒否で妊婦死亡」に思う
“医師確保は国の責任”


私の最大関心事であったアメリカ大統領選挙は、オバマ氏の圧勝で黒人初の大統領誕生という新たな1ページが開かれた。

そのアメリカは世界の金融危機を招いた張本人である。それを「100年に一度の暴風雨が荒れている。

 
金融災害ともいうべき米国発の暴風雨だ!」と現在の経済状況を表現し「政局より政策だ!」と衆議院の解散を先送りした麻生総理。

そんな総理大臣の談話に耳を傾けながら、身近なところに目を移したとき、信じられないニュースが目に飛び込んできた。


それは東京都内の妊婦が八つの病院から救急搬送の受け入れを断られて死亡したと言うニュースだった。
しかも、それらの病院は国が指定した「総合周産期母子医療センター」であり、最も設備が充実していると思われる東京の有名病院であったことがなお驚きだ。
 

更に2年前に起きた同じような出来事を思いだす。それは19の病院に受け入れを拒否されて死亡した奈良県の妊婦のケースだ。
「なぜこのような悲劇が繰り返されてしまうのだろうか」前例から何ひとつ学んでいない学習能力のなさにも憤りを感じる。

その主な原因は産科医不足だという。医師の数は年々増えているのに、各地で医師不足が叫ばれている。
 

聞くところによると産科医不足は、その劣悪な労働環境や不適正な労働評価、
それに増える医療訴訟に対するリスク回避などが原因となって産科医や小児科医が敬遠されているとのことだ。


このような問題点を探ると同じように危機的状況にあった1980年代中頃のアメリカを思い出す。
そのアメリカの表面だけを模したアメリカ型市場原理の導入は、
なぜかマイナスの要因ばかりが目に付き、本家アメリカとはかけ離れたものになっているように見えて来る。

 

例えば、病院経営という大枠を見ても優秀な医師が優秀な経営者とは限らないが日本では病院経営者は医療現場の出身者であるのに対して、
アメリカではMBA(経営学修士)と同じように経営大学院で医療経営学を学んだ経営のプロが携わっている。

そんなアメリカの医療システムは完全にひとつのビジネス産業として成り立っている。

 

そのため救急搬送の受け入れ拒否などという出来事は生じることはない。
ましてや訴訟社会のアメリカでは、仮に拒否して患者が死亡したとしたら、その方がリスクは大きいと考えられるからだ。

 

また、日本では救急車がタクシー代わりに利用されるケースも問題となっているが、
アメリカでは救急車は有料なのでタクシー代わりに利用されるなどと言う問題は発生し得ないのだ。

 

また、地域の医療ボランティアが積極的に病院経営に協力している点も大きな違いだ。

 

実はニューヨークに住んでいる頃、私の妻も同じように救急医療病院に運ばれたことがあった。
ある夜、突然苦しみだした妻は、ブロンクスビルという町の救急医療病院・ローレンス・ホスピタルに収容された。
そのとき、当然のことだが妻は受け入れを拒否されるようなことも無く、医療ボランティアの手を借りて夜間の受付を済ませ、
ストレッチャーに乗せられ手術室や病室に移動する際も、すべてこの医療ボランティアの手助けでスムーズに行われた。

 

医者の対応もかなり日本と異なる。
例えば、患者を診察する際、医者は必ず「こういう理由で、今から聴診器をお腹に当てて心拍数を聞きたいのですが宜しいでしょうか?」
と確認し、常に患者が解るように時間を掛けて説明する。そうしたうえで承諾を得て処方箋を出すのだ。

 

また、患者のプライバシー・人権が重要視されるアメリカでは、
日本の医者のように「はい、おなかをだして!」「はい、うしろを向いて!」など大柄な態度を取ろうものなら、たちまち訴えられかねない。
そのような背景があるにせよアメリカの医者の患者に対する細かな対応は日本に比べて丁寧に思える。

 

また、ビジネスを追求するあまり弱者には厳しいのではと思われがちだが以外にそうではない。

医者にもボランティアの医者が無料で診てくれる赤ひげのような病院もあったりするからだ。
 しかし、これは週に二回だけで人数制限もあるので朝7時ぐらいからホームレスや不法滞在者などであふれている。

 

ビジネスとは言え医療費はこと細かく記載され「レントゲンは何枚だからいくら、麻酔医はいくら、
手術医はいくら、ウイットネス(手術の立会い医師)はいくら、極端なのはナースを呼ぶブザーは1回いくら」などというものまである。

 

違いを比べても限がないので話を冒頭の受け入れ拒否の問題に戻すが、国は比較的高度な医療に当たる「地域周産期母子医療センター」の整備を進めており、
今年4月の時点で全国237施設が指定されている。
この中には、岩手医大付属病院、県立中央病院、県立大船渡病院、県立久慈病院の県内4病院も含まれている。

 

そのなかで県立中央病院の担当者は「もし断ったら、その患者は行き場を失ってしまう。だから我々は100%断ることはない!」と話していた。

 

この言葉に多少の安堵感を覚えた。しかし、安全な医療のためにも必要な医師の確保は国が責任を持つことが必要だと感じる。

 

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