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2009/06/07

▲▼ ウィークリーながみね ▼▲ 2009.6月2週 【もうすぐ最新刊の発売です!】

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□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■   法治国家ニッポンを"身近に"
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□□□■2009.06.07■□□□□□□■    ウ ィ ー ク リ ー な が み ね  
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  この「ウィークリーながみね」は、法律・裁判に関する1週間のニュースや
 次週の予定を、つまみぐいできるかたちでお送りします。

  それにともない、ながみねが現在たくらんでいる、思いつき企画の断片を、
 おそるおそる様子を見ながら小出しに試しちゃう、ちょっぴり自己中心的な
 メールマガジンです。

 

         <<<<<< 新刊のお知らせ >>>>>>



  おかげさまで、次の木曜日(6月11日)、最新作が全国発売となります。

  この“裁判員時代”、

  一般の皆さんに向けて、

  法律の世界について「わかりやすく」「笑えて」、しかも「問題点を鋭くえぐる」
 ような本が出せないのか……?

  そう考え続けて、なんとかひねり出した。現時点で到達できる私の理想型です

  今回の著作が5冊目になりますが、ハッキリ申し上げて、最も「笑い」に重点を置き、
  完全にウケを狙いに行った本であることは間違いありません。

  人によっては、デビュー著書の『裁判官の爆笑お言葉集』よりも笑っていただける
 ことでしょう。

 

 

   日本国民は、日本国憲法を守らなくていい!

   「合法」と「適法」は、意味が違う!

   知らないうちに、あなたが「死んでいる」場合とは?

   死刑は、ホントに「厳罰」なのか?

   マスメディアを弱らせる、唯一の方法!

   日本で一番重い犯罪って何だ?

   19歳で総選挙に投票する裏ワザ?

   ……そして、

   裁判官が判決文の中で、「サザエさん」「宇宙戦艦ヤマト」「ときめきメモリアル」
  「仮面ライダー」「バイオハザード」などについて説明した、その一部始終を収録!


  一般常識をくすぐる、新感覚の法律コラム集!
  『ズレまくり!正しすぎる法律用語』(阪急コミュニケーションズ)
  ただいま、予約受付中です!

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▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲ 法律系ニュース・ダイジェスト!


 今週は、「足利事件」特集とさせていただきます。

 今から20年近く前に栃木県で起こった、幼女殺害「足利事件」の犯人として、無期懲役
判決を受け、服役中だった60代の男性が、今週木曜日(6月4日)、千葉刑務所から釈放
されました。

 DNA鑑定による検察官の有罪立証に、疑わしいところが出てきたからです。

 男性は、DNA鑑定で無期懲役判決を受け、行動の自由を奪われましたが、同じDNA
鑑定によって、無期懲役が打ち切られ、釈放が実現したのです。皮肉なことですが。

 

 この裁判が行われていた時代、DNA鑑定は、鳴り物入りで導入されたものでした。
まだできたてのホヤホヤの技術だったのです。

 DNA鑑定結果を、有罪の証拠として最高裁が採用したというだけで、大ニュースに
なったのは、まさに、この足利事件での裁判が、日本で最初の出来事でした。

 司法浪人をやっていた時代に、最新判例として覚えたので、記憶にとどまっています。

 しかし、その最新判例は、9年後の現在、地に墜ちたことになりますね。 技術的に
早すぎた判例だったのかもしれません。

 

 過去の新聞記事を検討していますが、一審担当の国選弁護人は、「いったいDNA鑑定
とは何なのか」を調べるのに頭がいっぱいだった模様で、菅家さんが取り調べでどのように
自白に転じたのか、その状況まで慎重に調べる余裕がなかった可能性があります。

 孤軍奮闘という感じだったみたいですし。

 被告人質問で、いったんは無実を告白した菅家さんも、次の公判では再び罪を認め、
かと思えば、無期懲役判決が出た後には、弁護人に「自分はやっていない」旨の手紙を
出しているようですね。

 本件の菅家さんとは逆に、痴漢の疑いで逮捕され、取り調べでは一貫して無実を主張
していながら、公判廷で「私がやりました」と告白する被告人を、過去に法廷で観ました。

 取り調べや裁判にかけられる人間というのは、緊張や不安感などから、客観的にみれば
首尾一貫しない応対をしてしまうものかもしれません。

 私が先日たまたま傍聴した事件で、「刑務所に入りたかった」としてパチンコ玉を盗んだ
のに、取り調べ段階で黙秘したり「未遂だ」と争ったりしている不可解な被告人を見て、
ますますその思いを強くしています。

 二審から結成された弁護団は、上告中「もう一度鑑定してみたら、結果が従来と違う」と
主張して、DNAの再鑑定請求をしていたんですね。

 現段階で私が何を言っても、後出しジャンケンみたいで恥ずかしいのですが、最高裁と
しては、たとえば「DNA鑑定の証拠能力は認めるけれども、本件は差し戻して再審理」と
いう判断もできたんじゃないかと思います。

 少なくとも、本件をめぐる当時のDNA鑑定は、保存状態が極めて悪い試料に基づいて
いて、鑑定を試すたびに結果がコロコロ変わっていたようなシロモノだったといわれてい
ます。

 弁護側の開示請求にもかかわらず、鑑定の途中経過資料を出そうとしない検察の態度にも
問題はあったでしょう。

 

 本件の加害者とされた菅家さんが、本当に犯人でないのか、私にはわかりません。
 わかるワケもありません。

 「私は犯人じゃない」…… その重たい言葉を、人として信じたい気持ちでいっぱいです
が、「なるほど、間違いなく犯人じゃない」と、100%の納得をもって断言できるかどうか
は、また別の話です。

 

 「無罪」と「無実」は違います。

 無罪というのは、あくまで「有罪を証明できなかった」という裁判技術の問題。

 無実というのは、究極的には、本人にしか認識しえない事実です。

 

 無実を客観的な根拠をもって確定させるのは至難の業ですが、無罪判決を出すのは、技術
的に何も難しくありません。 本来は、検察官の有罪立証が、0.1%でも崩れれば無罪
なのです。

 無罪判決を出す難しさが、何かあるとすれば、

 それは、凶悪事件の被告人に無罪判決を出した後に待ち受けるであろう、世論(メディア
論調)のバッシングを思い浮かべたときの恐怖感があるぐらいです。

 今回の場合、「DNA鑑定が怪しい」という一点を弁護人が突いて、それで検察官による
有罪立証が少しでも揺らいだなら、裁判官は被告人を無罪にしてしまっていいのです。

 それが、神ならぬ人間が「無実の人を、一切刑務所に送らないための安全弁」として
開発」した、現時点での知恵の到達点なのです。

 

 たしかに、真犯人に無罪判決が出された結果、心の中で密かに笑いながら、この社会で
生活しているヤツもいるかもしれません。ムカツク話です。

 真犯人を逃がすか。

 無実の者を罰するか。

 究極の選択ですが、少なくとも司法は、「真犯人を逃がしたとしても仕方ない。
 とにかく無実の人を絶対に処罰しないこと」と決めたのです。

 全体のために、ひとりに犠牲となるよう強制してはいけないと、憲法13条の「個人の尊重」
は謳っているからです。

 もちろん、その人の意思で「自分が社会全体の犠牲になる」と覚悟するのは、美しい話
ですし、個人の自由ですが、少なくともその犠牲を周りが強制してはいけないと。
 
  

 無実の人を罰しないように、気をつけてシステムを構築しているハズでも、今回の「足利
事件」裁判のように、無実の人を長期間にわたって拘禁してしまう間違い、悲劇は起こるの
です。

 菅家さんには、いずれ再審で無罪判決が出ることでしょう。

 しかし、失われた時間は決して戻ってきません。

 仕方がないので、法制度は「刑事補償」という仕組みを用意しています。

 要するに、失われた時間を「お金に換算しましょう」というのです。

 失われた時間に対する刑事補償は、最高額で1日あたり12,500円です。たいていの場合は、
その最高額が支払われるようです。

 菅家さんが逮捕された1991年12月2日から、釈放された2009年6月4日までは、6394日
(19年6カ月2日)。

 ということは、国からの刑事補償額は、単純計算で、約8000万円になります。

 

 とはいっても、「補償」って「賠償」とは違って、支払う側に責任はないけど、結果的に
気の毒な目に遭っている人のために支払うよ、というニュアンスがあります。

 つまり、刑事補償をしている国は、ひとりの人生を台無しにしたということについて、
自分が悪いことをしたと自覚していないのでしょう。

 

 かつてのDNA鑑定のように、今後も新しい科学技術に基づき、満を持して法廷に提出
される証拠は、続々と生まれるはずです。

 「新発明の証拠」に、まず司法はどのような対応で臨むべきなのか、あらためて確認して
おく必要があるように感じます。


   (以上、ブログ http://miso.txt-nifty.com/ に投稿した文章を再構成しました)



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 来週の おもなスケジュール

          ※ 判決期日等は、直前になって変更される場合があります。
            また、すでに期日の変更がされているにもかかわらず、
            私自身がフォローできていない場合もございますので、
            その点はご了承ください。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【岩手・宝くじ殺人事件 判決】 ■刑事 殺人
─────────────────────────────────────
 6月11日(木) / 盛岡地裁(佐々木直人裁判長)

【あらまし】
 被害者の女性は、2004年夏のサマージャンボ宝くじで2億円を当てた。

 一方で、被告人の男は、経営していた電子部品会社の資金繰りが悪化し、また健康食品
事業を開始するため、芋の種を仕入れたり畑を借りたりしたが、代金や賃料の支払いを
引き延ばしていた。

 被害者と被告人は交際していたとみられ、被害者が2億円を換金した際、被告人は
5000万円を受け取り、その後も断続的に計9000万円を受け取るなどしていた。

 あるとき、被害者は新居に引っ越していった。被告人が追いかけたが、新居の購入資金を
勝手に使い込んだことを責められた被告人は、被害者の首を絞めて殺害。遺体を畑に遺棄
した。



【何が問題?】

 事実関係にほとんど争いはなく、唯一、殺害が計画的なものだったか、激情的・偶発的
なものだったかが争点。

 殺害後、被害者の銀行口座から預金が引き出された形跡はなく、動機は金銭目的でなく
怨恨とみられる。

─────────────────────────────────────
  (被告人)51歳の男
   求刑:懲役20年
─────────────────────────────────────
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□□■ PLAN 
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■    『 裁判傍聴記・東京地裁つまみぐい 』


 * いきなりの家宅捜索を受けて、警察官を叩いてしまった格闘家 *

 5月25日(月)  罪名:公務執行妨害・傷害

 

 被告人は25歳で無職の男。覚せい剤取締法違反の疑いで、突然の捜索差押え処分(家宅
捜索)で自宅に警察官が何人も押し寄せてきたのに激高し、寝室から玄関に向かう途中に
ある木箱を、マグライト(懐中電灯)で思いっきり叩いて抗議しようとしたら、警察官の
腕に当たってしまい、現行犯逮捕されたというもの。

 「こりゃあ、逮捕しなきゃダメだよなぁ」と、警察官にうつぶせにさせられて取り押さえ
られ、パトカーの中などで「うわぁ、痛ってぇなぁ」「わざとやっただろ」と、ニヤニヤ
しながら話しかけられたと、被告人は主張。

 警察は、被告人を連行している途中、その部屋に居合わせていた交際相手の女性に
「家まで送り届ける」とウソを付き、警察署まで同行させ、やはり取り調べを行っていた。

 しかし、自宅に覚せい剤は見つからず、覚せい剤の反応は、被告人自身にも居合わせた
交際相手の女性にもなかった。被告人は「身に覚えがない」「ガセネタ」と、法廷で繰り
返した。

 本件のような感情的な抗議さえなければ、被告人は潔白だったのである。

 ただ、弁護人は、公務執行妨害と傷害についても、いずれも故意がないとして無罪を
主張している。

 被告人は、K−1(総合格闘技)のプロを目指して練習しており、それに集中するため、
仕事はしていなかったとのこと。

 すぐ感情的になりすぎる性格であるようで、過去にバイクに乗っていて、ほかのバイク
乗りから因縁を付けられたため、ケンカをしようと殴りかかったら、それが私服警官だった
ことがあり、罰金30万円に処せられた前科1犯がある。

 もちろん、本件も行きすぎたところがあっただろう。

 たしかに、もし自宅でこの原稿を書いている今、いわれもない罪で家宅捜索を受けたら、
私だって気が動転して、懸命に抗議すると思う。 「火のないところに煙は立たず」という
が、問題は「身に覚えのないガセネタ」が、どこから流れてくるかだ。





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【不定期連載】

  『ヌレギヌ屋』

  第7話 「評議室」
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  『俺は、とある者に、人殺しの罪を着せて、バカなポリに捕まえてもらった。
  別に、個人的な恨みは無いのだが、裁判官のショクンを試すためには仕方がない。

   裁判官よ! 俺がヌレギヌを着せた、カワイソウな人間を見つけて助けてやれ。
  キミたちが、ホントに超エリートで優秀な頭を持っているなら、デキルはずだ。

   もし、万が一、そいつに有罪判決を出してみろ。

   その瞬間、ヌレギヌの決定的証拠を最高裁へメール送信したうえで、キミたちの
  大切な職場と家庭を吹っ飛ばす。

   答えは全て、俺がにぎっている。 裁かれる側の気もちを味わうがいい。
 

                           邪悪なポン太より』

 

  キレイで殺風景な部屋の中心に置かれた大きな丸テーブルを、黒い法服を着た
 裁判官3名と、私服の一般人6名が囲んでいる。

  長谷川裁判長は、先日裁判所に届いた、問題の脅迫状を、裁判員たちに回覧させた。
 さすがに、驚きと戸惑いを隠せない様子だ。

  「脅迫状の主は、いわれもない罪で刑務所に収容された過去を持ち、われわれ
 裁判所に怨恨の感情があると主張しています。もし、彼の言うとおり、無実の人が
 逮捕・勾留されているとすれば、ゆゆしき問題ですし、爆破予告のようなものも
 断じて許すことはできません」

  「だったら、私たちはどうすればいいんですか? 無罪を出せってことですか?」

  裁判員のうち、リーダー的存在の1名が尋ねた。

  「勘違いなさらないでください。われわれ裁判所としても、このような脅し、
 テロリズムに屈するつもりはないのです。裁判員の皆さんのご意見を、私どもが
 誘導しようという意図もありません。
  ただ、このような状況が存在していることは、お伝えしておかなければならない
 ことは、ご了承ください」

  「そんなこと、知らずに判断したかったですよ! そんなこと言われたら、
 どうしても無罪にしてしまいたくなるし、爆弾事件がもし本当に起こって、私たちの
 せいにされるのも怖いし」

  「そうですよ。こんな脅迫状がお宅に来てることなんか、言わなくていい! この
 事件とは関係ないことじゃないですか!」

  今まで発言を避けていた、若いサラリーマン風の裁判員が、急に長谷川裁判長に
 食いかかってきた。

  「脅迫状の件も、すべて裁判員に説明するようにという、最高裁判所からの指示が
 あるのです。この点はご理解ください。もちろん脅迫状の存在や内容も、この裁判が
 終わって以降、皆さんには秘密にしていただく必要があります」

  そんなのひどい! ムチャ言うな!  評議室で怒号が飛んだ。

  「こういうことこそ、世間に知らせるべきじゃないんですか? 暮らしの安全を守る
 ために。 いきなり爆弾が爆発したら、みんなビックリするじゃないですか!」

  「不用意に国民の皆さんに知らせると、パニックを起こす可能性がありますので、
 こちらとしても細心の注意を払っているのです。ご理解ください」

  「でも、警察には知らせないと!」

  「警察と検察は把握しています。裁判所周辺の警備は徹底して厳重にしていますし
 犯人を特定する捜査も進めていますから、ご安心ください」

 

                             < つづく >




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して、学びたい部分もたくさんあります。
 
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「浦島太郎は、どうしておじいさんにされちゃったの?」
「ウソをついたとき、人間の目はどちらを向く?」

答えを見たら、後悔するはず。 → http://www.mag2.com/m/0000034430.htm
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 2009年6月7日付 通巻第98号             発行人:長嶺まさき
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