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2008/05/04

▲▼ 東京地裁つまみぐい ▼▲ 第73皿目【格闘修行中の男が、身体障害者を装い…】

 
  書を捨て 法廷に行こう ……  東京地裁つまみぐい   ・━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 2008/05/04


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   このマガジンの過去記事は、すべて公開しておりますので、お暇なとき
   気が向きましたら http://archive.mag2.com/0000148642/ へどうぞ。

   もし、そいつに目を通して、購読を後悔したら、どうもすみません。

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          >>>>>>> 読者の皆さまへ <<<<<<<


  さっき、コンビニで「マキシム 大人のカフェラテ ほろにがテイスト」という
 のを買ってきました。まだ飲んでません。

  私はですね、商品名に「大人の」とか「男の」というものが付いていると、
 非常に弱いという購買傾向があります。

  やっぱり、背伸びをしたいお年頃なのでしょうか。

  あと、「夜の」と付けると、たいていの単語が色っぽく聞こえるのは、なんで
 でしょうかね。 ふしぎです。

  ちょっと、部屋で目に付いたもので、試してみましょうか。

 

  夜の椅子       ← むむむ!

  夜のリモコン     ← 意味深です。

  夜の掃除機      ← 何を吸い込むのでしょう。

  夜の判例六法     ← 読みたいです。

  夜のカルピスソーダ  ← ズバリです。



  うーむ、大人のほろにがテイスト、そんなにほろ苦くないぞ! うまいけど。

 

  そんな話はさておきまして、

  5月6日(火)午前10時から文化放送(関東地方全域 AM:1134kHz)にて、
 40年前の死刑執行の模様を収録した音声がラジオで流されるとのことです。

  関東地方にお住まいの方は、心の準備をして聴いてみてはいかがでしょうか。

  http://miso.txt-nifty.com/tsumami/2008/05/10_fcb1.html


 


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 \   ┌──┴────────────────────┴──┐   /
  \  │   日本国憲法 第82条  (裁判の公開)      │  /
  /  │                          │  \
 /   │ 1  裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。 │   \
  ̄ ̄ ̄ ̄└──────────────────────────┘ ̄ ̄ ̄ ̄




▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲ ネットで擬似体験する裁判傍聴!

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲ 本日の つまみぐい法廷

                        (※印は、発行人注です)


 □
■□ 準強制わいせつ 被告事件


 【被告人】 無職の男性(34歳)

 【法 廷】 神戸地方裁判所


 

  子どもの頃からスポーツ一筋。 野球少年は格闘技に目覚めていった。

  彼は、プロの格闘家になる夢をあきらめきれなかった。

  東京の著名な総合格闘技団体に所属し、汗を流してきたが、練習中に突然の負傷。
 ふるさとの神戸に戻り、1年間にもおよぶリハビリを経て、回復するに至った。

  「もう一度、東京でチャレンジするぞ」と意気込んでいた矢先の、悲しすぎる
 出来事。

 

  まるで、手の機能に障害があって動かせないかのように装って、下校途中の女子
 高校生に近づき、「おしっこがしたいので、手伝ってもらえますか」と頼む形で、
 彼女に自分の陰部を触らせた疑いである。

  路上でモノを触らせて、何をどうしようというのだろう。

  同性の私にもよくわからない。

  1人目は「成功」したのだというが、2人目の被害者(17歳)に気づかれて、
 警察に通報。 犯行が発覚した。

  被告人は過去に、肩を脱臼して腕を動かせなくなり入院したことがあり、その際、
 看護師さんに排泄の補助をされた記憶が印象強く残っており、それをきっかけに
 犯行を思いついたのだという。

 

  検察官の冒頭陳述によると、被告人には、消費者金融から300万円ほどの借金が
 あったのだという。何を立証したかったのかイマイチわからなかったが、被告人の
 自堕落さを数字で表しやすいデータだという意図なのだろうか。

  被告人の説明によると「リハビリ費」と「自己啓発費」に使ったということだが、
 何をどう啓発したのかについては、あいまいな供述に終始していた。

  また、被告人に「性欲が強すぎる」と、検察官作成の調書に書かれていたようだ。
 「基準がわからないです」と、本人はとまどいを見せていた。

 

  弁護人は、「ガタイはイイが、暴行や脅迫で無理強いするのでなく、比較的穏当な
 手段を用いている。 検察官が主張するような計画性はなく、非常に稚拙な犯行で
 ある」と、弁論を繰り広げていた。


  裁判官は、準強制わいせつの条文解釈について、「少し調査する時間をください」
 として、判決公判を3週間後に指定していた。

  さすがに神戸の裁判所なので、この判決のためだけに再び東京から出向くという
 ことは控えておいた。しかし、たしかに微妙な問題ではある。




  ◆ 刑法 第178条(準強制わいせつ及び準強姦)
  1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒
   不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例(※6カ月〜10年の
   懲役)による。

 

  この条文は、相手を気絶させたり、あるいは、すでに気を失っている状態に
 つけこんで、わいせつな行為をした場合を想定しています。では、本件のように、
 相手を「だました」場合はどうなるのでしょう。

  準強姦については、過去の同じような裁判例があるようです。準強姦と準強制
 わいせつは、結果的にやったことが「性交」か「そのほかの性的な行為」かの
 違いがあるだけで、それ以外は基本的に同じ要件です。参考にしてもかまわない
 と思われます。

  30年ほど前の事件ですが、重い病気にかかっている女性に対し、『私と性交
 しないのなら病気を治療できないぞ』などと「だまして」性交を行った点が、
 準強姦罪になるのかどうかに関して、地裁レベルで判断がわかれています。

  準強姦罪を成立させる見解は、「病気でせっぱ詰まっていて、自由な意思の
 もとに行動する精神的な余裕が失われていたんだ。そこに付け込んだんだから
 ダメ。気絶させたのと同じ扱いでいい」という趣旨の理由です。

  一方で否定する見解は、「準強姦罪と強姦罪の法定刑は同じだから、実質上、
 ムリヤリに力ずくで性交したと同じ程度の手段を使っていないと、強姦罪との
 バランスが取れない」と言っています。

  どちらも、説得力ありますね。

  私の手元にある、山口厚 著「刑法各論」(補訂版)109ページによりますと、

 「治療のため、必要であると誤信させ、わいせつな行為などを行った場合におい
 て、当該行為について、それが性的な意味を有しない行為であるとの誤信に基づ
 いて同意した場合には、その誤信が行為者の巧妙な言辞により作出され通常人には
 到底理解しえないようなものであっても、法益関係的錯誤を認めて、本罪の成立
 を肯定する余地があるものと解される」

 とあります。

  今回のケースのように、「身体障害者であり、自分ひとりで用を足せず、誰かに
 補助してもらう必要があるんだ。しかも、おしっこが漏れそうで緊急事態なんだ」
 というウソをついて、女性に陰茎を持たせるのは、ここにいう『それが性的な意味
 を有しない行為であるとの誤信に基づいて同意した場合』にあたるのでしょう。

  たしかに、弁護人すら「稚拙な犯行」と言っているように、『行為者の巧妙な
 言辞』はなかったようですが、相手が未成年の高校生であるという事情も考えて、
 そこまで言葉巧みでなくても「だまされやすい」ということはいえそうです。

  もちろん個人差はあるでしょう。特別に疑り深い性格の持ち主でなくても、
 家族生活やボランティア活動のなかで介添えの経験などがあれば、たとえ
 未成年者でも「ちょっと変」と気づく可能性は十分にあります。

  ただ、あくまで「類型的にみて」他人の言うことを鵜呑みにしやすい年頃では
 ないか、という話です。

  だったら、「本罪(※準強制わいせつ)の成立を肯定する余地があるものと
 解される」ことになるわけです。

  そもそも、本件でもし無罪判決が出てたら、ニュースになってる可能性が高い
 ですし、たぶん、有罪の認定かなと。

  それでも、どなたか、判決の行方をご存じの方がいらしたら、お聞かせ願え
 ないものでしょうか。

 

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 もっと、本格的な裁判傍聴録を読みたければ……

 絶坊主さんの 『 名古屋地方裁判所 やじうま傍聴記 』


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 「もう二度としません」

 「申し訳ありませんでした」

 「反省しています」


  じつは、刑事裁判に持ち込まれる事件の背景や、登場する被告人のセリフって、
 だいたいパターンが決まってるんですよね。

  にもかかわらず、これだけバラエティに富んだ傍聴記録をアップしつづけられる
 ということは……

  あっしには、わかりますぜ。 絶坊主さんは、少なくとも、エントリされている
 記事の数倍、数十倍、相当な回数の裁判傍聴をこなしておられるということを。

  頭の下がる思いがします。

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□□■ PLAN 0006
□■
■    『裁判所をつくろう!!』  第1話


 〜〜 この裁判員時代に問う…… 「そもそもサイバンって何??」

 


 あか鬼 「おいコラ! そこのガキ、ちゃっちゃと歩けや!!」

 アツシ 「あ…… あのぉ〜〜」

 あか鬼 「だからオマエは、さっさと向こう行けって! つっかえとるやろうが、
     後ろが!!」

 アツシ 「すいませんけど、今から、いったい何が始まるんスかねぇ?」

 あか鬼 「うるせぇよ! だまって進めや、コラ」

 アツシ 「あ痛たたたたっ!! あいた!」

 あか鬼 「痛いわけなかろうが。 オマエは死人なんやけん」

 アツシ 「もぉ〜、金棒のとんがってるところで、グリグリしないでくださいよ〜」

 あか鬼 「今からな、エンマ大王さまによる折獄に、オマエをかけることになる。
     覚悟はできておろうな!」

 アツシ 「あーあ、血ぃ出てきた〜。  イッテ〜」

 あか鬼 「……こらこら、オマエから訊いてきたクセに、無視すんなや」

 アツシ 「あぁ、えーと、セツゴク? ……セツゴクって? 何ですかね?」

 あか鬼 「ありがた〜い、お裁きよ」

 アツシ 「エンマ大王の?」

 あか鬼 「そうとも」

 アツシ 「あっ、ちょっと待って! もしかして、舌を引っこ抜かれるってヤツです
     か……? ウソついてたら」


         ◇


 えんま 「さて、ネクスト死人よ、入られよ」

 アツシ 「こ、こんにちはぁ〜」

 えんま 「こんにちは? それは、昼間のあいさつだな」

 アツシ 「昼間の?  あ、あぁ、そうですね、ハイ」

 えんま 「この冥界にはなぁ〜! 昼も夜もないのだっっ!!」

 アツシ 「あぁ、そうなんスか」

 えんま 「ヘル〜!」

 アツシ 「……はい?」

 えんま 「ヘル〜。 これぞ、冥界のあいさつ」

 アツシ 「はぁ」

 えんま 「ちなみに、英語のハローと、地獄のヘルが合わさって……」

 アツシ 「あぁ、そのへんの事情、だいたい見当つきますよ」

 えんま 「ぬ、ぬぬぅ! こしゃくな〜〜!  そのへんの事情を、このワシに説明
     させろや〜!」

 アツシ 「?」

 えんま 「今しがたのキサマの発言、えんま不敬罪じゃ!!」

 アツシ 「はっ! ふ、不敬罪!?」

 えんま 「冥界の王を侮辱する者は、タダでは置かぬぞぉ!」

 アツシ 「え、えらいこっちゃ〜〜。 すいませんっ!」

 えんま 「これより、丸めたアルミホイルを、奥歯で噛ませる刑に処す!

 アツシ 「…………そんなのでイイんスか?」

 えんま 「ただちに用意せい、あお鬼!」

 あお鬼 「御意! スタンバイOK!」



         ◇



 アツシ 「うぅ… うぅぅうぅ……」

 えんま 「どうだ? しっかり噛みしめとるか?」

 アツシ 「あぁあ、ビミョーに気持ち悪い……」

 えんま 「さて、あいさつ代わりのギャグはそれくらいにして、折獄に移るとしよう」

 アツシ 「うぇっ? ぺっ!!  ぎ、ギャグだったんスかぁ?」

 えんま 「ふふふふふ、どうじゃ?」

 アツシ 「笑えない冗談です」

 えんま 「な、なんだとぉ? 今度こそ、えんま不敬罪じゃあぁ!」

 アツシ 「へっ」

 えんま 「そんなキサマを、タンスの角に足の小指を、しこたまぶつける刑に……」

 アツシ 「げっ、そ、それはカンベン……」

 えんま 「おーい、タンス持ってこーい!」

 あお鬼 「だ、大王様! タンスがないので、代わりに鋼鉄のロッカーでよろしい
     でしょうか?」

 アツシ 「あぁぁぁっ! ごめんなさい! それはちょっと、冗談でもイヤですっ」

 えんま 「わかったわかった。 タンスの件は執行猶予にしてやろう」

 アツシ 「ほっ」

 えんま 「さて、カマユデアツシ19歳。 まずはキサマの死因に関してだが……
     なんと、自殺とな?」

 アツシ 「そうなんですよぉ。 受験した大学入試に全部失敗して、浪人してたん
     ですけど、家族からは冷たくあしらわれるし、いくら勉強しても手応えが
     なくて、むしろ成績がどんどん下がっていくし。 受かった連中は遊び
     ほうけてるし……。だから、そんな人生がイヤになって」

 えんま 「うわ、だっせぇ」

 アツシ 「だせぇって何ですか!? こっちは真剣に悩んで……」

 えんま 「そういやさぁ、最近、変な自殺が急に増えてるんだけど、なんで?」

 アツシ 「どういうのですか?」

 えんま 「なんか、卵が腐ったようなニオイをさせてる死人が多くて、くさいのよ」

 アツシ 「いや、ちょっとわからないですけど。 自分も事切れたのが最近なんで」

 えんま 「さようか。 では、キサマの人生において、虚言・妄言、ないし大言壮語
     が無かったか否か、折獄の審判に入るぞ」

 アツシ 「あのー、虚言……があったら、オレのベロ、引っこぬきたい感じですか?
     えんまさん」

 えんま 「むむ、キサマ、虚言の事実を、みずから白状すると申すか?」

 アツシ 「いやいや、オレはマジで、正直者で通ってるんスよ!! ウソなんか
     全然つきませんって! どうやってつくのか、つき方も知りませんし」

 えんま 「………」

 アツシ 「ホントですって! 修学旅行で、ふとんにもぐりながら『好きな女子は
     ダレだ』って話題になったとき、オレ、バカ正直に『カオルちゃん可愛い
     な〜』って答えてましたもん。その正直さのせいで、さっそく次の日から、
     カオルちゃんと気まずくなったりして……。 それに幼稚園のころ、
     友達のミニ四駆を砂場に埋めてて……」

 えんま 「ええぃぃ!! やかましいわっ!! 集中できんやろぉが!」

 アツシ 「す、すいません……」

 えんま 「そんだけずうずうしいなら、もっと生きりゃいいのに」

 アツシ 「いやぁ、ホントはもっと暗いんですけど、受験準備から解放されて、
     ついついテンションが上がりきってまして……」

 えんま 「……………むむっ!」

 アツシ 「なんですか?」

 えんま 「キサマは……自らを殺める前日の晩、"死に場所"を求めるべく、山の
     ふもとの深い森へ入っておるなぁ」

 アツシ 「は、ハイ……」

 えんま 「その際、家を出るとき、母親には『予備校の補習があるから行ってくる』
     などと言い残してきてはおらんか?」

 アツシ 「!!!」

 

                      人生最大のウソがバレたのか?

                       さぁ、どうなるアツシ!?

                         < つづく? >




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 2008年5月4日付 通巻第79号             発行人:長嶺まさき
 (毎週日曜日に、あなたのメールボックスへ潜入します。ご注意下さい)
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