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500以上の四字熟語を文中に挿入した、四字熟語てんこもり小説。お見合い経験約五十回の筆者が綿密な(?)取材と、実体験を元にして書いた奇想天外、前代未聞のドタバタお見合い恋愛物語。

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2008/07/24

【昼夜兼行】【流言飛語】【公平無私】【金声玉振】<四字熟語物語ー平成のたちくらみー>

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  《第十章》  官僚のアプローチ(その3)

「しかしながら、官庁には自分の仕事を、※386【昼夜兼行】で、
ひたすら黙々とこなしている官僚の方が圧倒的に多いのです。巷
にはあらぬ※387【流言飛語】も飛び交っていますが、そこのと
ころを、どうかお忘れなく。ちなみに私は※388【公平無私】で
※389【金声玉振】との高い評価をいただいております」と彼は
アヤコに向かって、しつこく官僚全体の身の証しを立てようとし
ている。

 ううん、なんかなあ……世間から風当たりが強いのは分かるけ
ど、証人喚問じゃないんだから、今ここでこんな事を弁明しなく
たって。

 理屈っぽくて、いい訳がましい。減点5

 アヤコは心の奥のチェックリストにそう書き込んだ。


(つづく)


【四字熟語解説】

386昼夜兼行(ちゅうやけんこう)

 昼も夜も休むことなく仕事に打ち込むこと。
 兼行とはふつうの倍(この場合の兼はダブルという意味)の道を
進むことで、出典は陳寿の『三国志』。
 呉の呂蒙(りょもう)が主君の命をうけて蜀の関羽を討つために
遠方から昼夜を分かたずに急行した故事による。
 人の二倍というのはよほどのモチベーションと集中力がなければ
できる事ではなく、たしかに呂蒙は偉かったと言えるが、自分で
走ったわけではなく、実際に走ったのはさほどモチベーションがあ
るとは思えない馬だったのだから、本当に偉いのは馬だったとも言
えるだろう。


387流言飛語(りゅうげんひご)

 『飛』は『蜚』とも書き、どちらも世間にとびかう根拠もない噂
話の事。
 流言もほぼ同じ意味の熟語で、両方を重ね合わせて、事実とは異
なる伝聞や、いいかげんな噂話を意味する。
 昔も今も、世の中にはこういうのが大好きな人がいっぱいいるわ
けで、(事実がそのまま伝わるのは珍しく、大体は大きくなったり
偏向したり、ゆがんだ形で伝わっていくわけだが)ゴシップ雑誌や
テレビのワイドショーなんかはそういう人達が支えているわけであ
る。


388公平無私(こうへいむし)

 一方に偏る事なく、私心を入れず、公平であるさま。
 これは簡単なようで案外難しく、私心を入れまいという意識が働く
あまり、逆の方にバイアスが向いてしまう事も往々にして起こってし
まう。
 サッカーや野球の審判などがしょっちゅう批判の対象になっている
が、いかに生身の人間に公平なジャッジを貫き通すのが難しいかとい
うのが良く分かる事例と言えよう。
 あれもどっちからも恨みを買う大変な商売だね。


389金声玉心(きんせいぎょくしん)

 鐘を鳴らして音楽を始め、磬(けい、玉石で作ったへの字型の打楽
器)を打って音楽をまとめ収束させること、という意味で、才覚に人
徳が調和して備わっていること。
 また優れた人物として大成すること。出典は孟子で、孔子の人格を
称賛した言葉として知られている。
 つまり孔子レベルでないとなかなかこの言葉は使えないというわけ
で、あまり見掛けない四字熟語であるのもむべなるかな、である。
 ところでこの作中人物である官僚、草井金男氏には実は複数人のモ
デルがいる。
 したがって筆者は官僚というものがいかにセコく、いかに小心で、
いかに独善的か知っているつもりである(一体どういう試験受けて入っ
たんだろう)。
 彼の今後の活躍に乞うご期待。

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メルマガ発行者:玉木 義大(たまき みちひろ) 
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